神戸大学(神大)2次試験の国語(現代文)の傾向と対策
2021年02月05日 | 神戸大学
この記事は神戸大学の現代文の傾向と対策をまとめたものだ。
神戸大学は、関西の主要な国公立大学、私立大学の中でも京都大学、大阪大学に次いで3番手にあたる大変人気な大学である。
文系学部では一部の学部を除いて、国語を受験しなければならない。中でも現代文に関してはどのように対策すれば良いのかわからない人も少なくないだろう。
この記事では、具体的にどういった対策をすれば良いのか、どのような教材を使用して学習していけば良いのか、といった内容を中心に解説していこうと思う。
神戸大学現代文の基本情報
まず国語(古文漢文も含めて)の、基本情報を説明していく。
大問構成
大問1が現代文、大問2が古文、大問3が漢文となっており、現・古・漢の3問で構成されている。
制限時間
制限時間は100分となっている。
※経営学部のみ漢文を解かなくていいため、80分
配点
国語(現代文、古文、漢文)が受験科目に含まれている学部、その配点は以下のようになっている。
学部 | 学科 | 共通テスト | 国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 満点 |
文学部(前期) | 450 | 150 | 75 | 125 | 800 | ||
国際人間学部(前期) | グローバル文化 | 400 | 160 | 80 | 160 | 800 | |
発達コミュニティ | 400 | (150) | 75 | 175 | (150) | 800 | |
環境共生(文科系) | 450 | 150 | 100 | 200 | 900 | ||
子供教育 | 400 | (150) | 75 | 175 | (150) | 800 | |
法学部(前期) | 425 | 150 | 75 | 150 | 800 | ||
経済学部(前期・総合受験) | 400 | 125 | 125 | 150 | 800 | ||
経営学部(前期) | 375 | 100 | 100 | 150 | 725 |
※経営学部のみ漢文を解かなくていい点に注意。
神戸大学現代文の傾向
小問構成
現代文は全5問で、最初もしくは最後に漢字の書き取り問題が出題される。
間の2番〜4番の3問傍線部に関する80字記述の問題になっている。
そして最後の問題が、傍線部は書かれているものの字数も増え全体の論旨も踏まえて記述する問題となっている。最後の問題に関しては160字で記述する場合が多い。
文章量が長い
文章量がとにかく長い。他の旧帝大や難関国公立大学と比べた時に、大問は一つしかないが、文章量がとにかく長く2倍程度の文章量となっている場合もある。
その分制限時間も長いかといわれるとそうでもないため、この点で動揺してしまう人もかなり多いのではないだろうか。
そのため、文章量に関しては神戸大学を受験する上で押さえておきたいポイントの一つとなるだろう。
傍線部の問題
設問によって多少異なるが、漢字の問題以外は全体の論旨を踏まえて記述する問題も含めて傍線部が引かれていてそれに対して、理由が問われたり、注釈がついていたりと傍線部に関して聞かれる問題を答えていくというのが、神戸大学の現代文の出題となっている。
全問記述という形式であるため、傍線部について正しく理解できているかどうかが直接問われる出題となっている。
全体の論旨を含む問題
現代文の記述の最後の問題で全体の論旨を考えながら解かなければならない問題が出題される。この問題をどのように処理するのかという点で頭を悩ませる人も多いだろう。
部分部分で読解を進めていった後に最後に全体のテーマや主張を正しく理解できているのかといった部分を試される問題となっている。
総じて神戸大学の現代文は文章量が長いという特徴はあるものの、出題としては極めてスタンダードかつ、かなり学力が問われるような出題となっている。
そのため、現代文に関しては相当練習して慣れておかないと良い点を取ることができないだろう。
神戸大学現代文の解き方・対策
次に、神戸大学の現代文の対策について具体的に見ていこう。
長い文章量に慣れる
制限時間に余裕があるわけではないということを考えると、長い文章量をテキパキと読み、文章の内容を理解するという能力を身につけるということが、神戸大学の対策をする上で重要になってくるだろう。
その中で、長い文章であるため、文章全体から回答の根拠を拾うというよりかは、設問を先に見ておいた時に文章の中にはあまり回答に関係してこず、それほど丁寧に読まなくても良い部分が出てくるだろう。
一方で回答に直接関わってくるため、丁寧に読まなければならない部分もある。このように温度差をつけて文章を読んでいくということをやった方が良い。
文章量が長いということを考えるとこういった読み方の部分を特に意識して対策していくと良いだろう。
漢字はミスなく
これは神戸大学に限らず当たり前な話で、漢字の問題に関してはサービス問題だと思って確実に満点取れるようにしてもらいたい。
しかし、過去問等をやっていてなかなか満点取ることが難しいという場合は、学校で配布されている問題集などなんでもいいので一冊完璧に仕上げることで完璧にする。
また、そういった問題集を進める際、漢字の部分だけを見るのではなく、そこに出てくる語句の意味をその都度把握していくことで、語彙力も同時に強化することができ文章も読みやすくなってくるため、漢字・語彙の対策はしっかりやっておいた方が良いだろう。
傍線部の問題攻略
次に傍線部の問題をいかにして攻略していくのかという部分の説明をしていく。
神戸大学の問題は基本的にどの問題も傍線部がついており、神戸大学の場合傍線部とあるがどういうことかという問題や、傍線部とあるがなぜかという問題、傍線部がありなんらかの注釈がついているという問題の主に3パターンある。
これらについてそれぞれのパターンに分けて説明していきたいと思う。
その前に、現代文というのは何らかの対象について設問がある、相手の聞きたいことがあるという形式になっている。そのため、その聞きたい対象、つまり傍線部の意味を理解するということが何よりも重要になってくる。
現代文ができない人はこの部分を完全に無視して、傍線部の意味を理解しようとしないまま、傍線部の周辺から重要そうな解答の根拠を引っ張って見当違いな解答をしてしまうというようなパターンが非常に多い。
そのため、聞かれている対象が何で相手がどういうことを求めているのかということを傍線部の意味を理解しながら把握していかなければならない。
その上で、聞かれ方によって解答も異なってくるため確認していこう。
神戸の現代文、よく生徒に添削指導するけど、この傍線部の問題をいかにして攻略するかが鍵。
どういうことか
どういうことかの問題であれば、傍線部=解答という形にならないといけない。
傍線部が引かれていて、「傍線の意味がわからないので教えてください」と言われているわけである。
そのため、本文中の表現を使いながら言い換えていって、一目見た時にその意味合いがわかるように説明していく。これがどういうことかの問題の解き方である。
そのため、傍線部を意味ごとのかたまりに区切って、本文中から言い換えられる表現を探し、どのように言い換えたら相手に伝わるかを考えながら、意味のかたまりを一つずつ言い換えていく。
そして最後に、傍線部の論理関係と比べて意味が通るような形で構成すれば、どういうことかの問題の解答は完成するだろう。
なぜか
なぜかの問題については、解答、なぜならば傍線部という形にならなければならない。
そのため、なぜ傍線部になるのかという理由を傍線部の意味を理解した後に、傍線部の原因、背景に当たる部分を探っていって理由として構築していく。
なぜかの問題の場合は、どういうことかの問題のように傍線部の言い換えをしなければならないわけではなく、自分の解答が、なぜならば傍線部という形が成立するように傍線部の根拠を探っていって解答を構築するということを徹底していこう。
注釈つき
注釈つきの問題に関しては、当然その都度聞かれる内容が異なるため、対象である傍線部の意味を理解した後に、相手が何を要求しているのかを正確に理解する。
その上で、どう答えたら要求されている内容に対して正しく答えることができるのかを考えた上で、解答を作るようにしよう。
全体の論旨を含む問題
全体の論旨を含む問題はどうやって攻略すれば良いかという質問をよく受ける。しかしこの問題もあくまで傍線部があった上で全体の論旨を踏まえなければならない。
全体の論旨を含む問題といわれていきなり全体を要約しようとする人が多くいるが、それは解き方としては誤りである。
あくまでも傍線部がある問題であるため、まずは傍線部の問題として捉えて、これまで解説してきた内容通り進めていくことをまず徹底してほしい。
解説した内容通り進めていく中で、これまでは意味段落ごとの部分読解で済んでいたものが、全体を踏まえないと解答が成立しないということにおそらくなってくる。
そこで、もう少し文章を遡った時にどういった内容を踏まえたら解答が完結するのかということを考えることで、文章全体の内容を押さえて解答を作っていくという流れになる。
やはりこういった説明を踏まえても難しい問題ではあるため、参考書や過去問演習で練習を重ねる必要があるだろう。
以上が神戸大学や他の国公立大学にも通づる現代文の大まかな解き方や対策である。
特に神戸大学の現代文は、文章量が長いということを除けば極めてスタンダードな出題になっていて、傍線部を正しく理解できていればそのまま解答することができる。
逆に傍線部を理解することができていなければ全く見当違いな答案になってしまうというような特徴になっているため、注意して臨んでほしい。
また、神戸大学に関しては本文中の表現をそのまま使用するような形で解答を作っていけば、概ね正しい解答が作れるようになっている。そのため、行間を自分の言葉で埋めなければならないというようなことはほとんどないだろう。
神戸大学現代文対策におすすめの参考書
船口の最強の現代文記述トレーニング
現代文を対策するにあたり、最初の参考書としておすすめなのがこの参考書である。
船口の参考書の良いところとして、聞かれている対象である傍線部を正しく分析できている教材であるため、現代文を学習する上での1冊目として非常におすすめである。
現代文読解の基礎講義
現代文の参考書の中では特におすすめの教材である。船口の参考書同様に傍線部に対する捉え方あったり、どのように設問に対してアプローチしていけば良いのかという内容をかなり体系的にまとめて整理してある参考書である。
市販の現代文の教材は、根拠拾いが恣意的であったり、傍線部の内容を理解するということをしないまま、なんとなく大事そうなところから根拠となる部分を拾ってくるというような方法で書かれている教材が非常に多い。
そのため、何でもかんでも現代文の参考書をこなせば良いというわけではなく、正しく解説されている数少ない優れた参考書をやり込んでほしい。
この2冊に関しては若干の欠点はあるものの、これらをしっかりやった後に過去問を丁寧に演習していけばかなり安定して合格点を取れるようになるだろう。
それくらいおすすめの参考書であるため、ぜひやってもらいたい。
読解の基礎講義は数少ない良書の一つ。必ずやっておきたいところ。
神戸大学現代文まとめ
以上が神戸大学現代文の傾向と対策である。いかがだっただろうか?
神戸大学の現代文は文章量が長い上に設問も一問一問ハードな出題がされる一方で、自分で内容を考えるような設問はほとんどないため、傍線部に対する理解と相手が何を要求しているのか、そしてどのように答えれば正しく答えられるのかということを考えることができれば高得点も見えてくるだろう。
かなり出来不出来の差が分かれるような出題となっているため、この記事書かれている内容を習得するとともに、おすすめしている参考書をこなすことで問題を解く上で大事なポイントをつかんでほしい。
その上で過去問演習に進んでもらえたら良いだろう。
現代文はどうしても一人では対策することが難しい部分もあるため、慶早進学塾では各校舎レベルの高い講師が現代文の添削指導もしているため、神戸大学を受験する人や現代文の学習で困っていることがある人は、ぜひ一度無料相談にお越しいただけたらと思う。
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