【徹底解説】早稲田大学文学部日本史の難易度、傾向と対策
2022年05月20日 | 日本史
あなたは早稲田大学文学部を受験される方だろうか?
文学部というだけあって、早稲田大学文学部は一般選抜で数学を使うことはできず、日本史か世界史か選択して受験するという形式となっている。
今回は早稲田大学の文学部の入試における日本史の傾向と対策について紹介したい。
まずは基本情報から説明していこう。
早稲田大学文学部を受験する人は文化構想学部もあわせて受験する人が多いと思います。
以下から文化構想学部の日本史も確認することができますので、こちらも確認お願いします!
早稲田文学部日本史の基本情報
まずは早稲田大学文学部日本史の基本情報について確認していこう。
時間/配点
制限時間が60分で、配点は50点となる。
他の科目については、国語と英語が75点、地歴が50点だ。
地歴と書いているが、選択できるのは世界史と日本史のみ。
ただし文学部は全科目で得点調整があるので、注意しておくこと。
早稲田大学は得点調整があります。一科目だけでも平均点を下回ると合格が一気に厳しくなります。どの科目も確実に平均点を超えられるようにしましょう。
出題形式/回答方式
大問6個の構成で、回答方式は客観式。
マーク問題に加えて、用語を書かせる問題が出題され、論述問題は出題されない。
早稲田文学部日本史の特徴
次に問題の特徴について説明していこう。
前近代史が7割程度を占める
早稲田文学部の日本史の特徴の中で一番のポイントは、前近代史からの出題が7割程度を占めるということだ。
近年の日本史入試については一般的に近現代史の出題割合が増加傾向にあり、早稲田についても文学部以外にはその傾向がみられるが、唯一文学部においては近代史より前の時代である前近代、すなわち原始時代から近・現代の前の時代の分野が一番多く出されている。
年によっては7割以上を占めることもあり、結果として全体の時代から満遍なく出題される入試となるのが大きな傾向。
問題の形式は、大問1つに1つの問題文章が載せてあり、その文章の中の空欄を補充する問題や、あとは文章に基づいた正誤問題が設定されているのが基本的な構造になる。
他の入試では大問1つについて1つの文章というパターンの他に、1つの史料が出てそれについて設問が用意されているという形式も割と一般的なのだが、文学部の日本史ではこのような史料問題の類は全く出題されない。
これは非常に珍しい。文学部の日本史に関しては、文章問題のみの対策で対応できるだろう。
標準レベルの問題が大半
設問の難易度としては基礎から標準レベルの問題が大半で構成されている。
よって目標得点として8割以上は目指したいところだ。
文学部は全科目総合して高得点勝負となる傾向があるので、この地歴についても可能な限り得点しておきたい。
問題の内容は正誤問題を中心に構成されているのだが、この正誤問題も「次のうちから1つを選べ」といった回答1つだけを選ぶ形式がほとんどである。
もちろん中には回答を2つ選ぶ形式や、正誤組み合わせでそれぞれ合っている場合と間違っている場合の組み合わせを選ばせるような難しい正誤問題もあるが、文学部の日本史はそのような難易度の高い正誤問題は少なめである。
早稲田の中でも社会学部や人文科学は正解を2つ選ぶ正誤問題の方が多く出題される年もあるので、その辺りの学部に比べると文学部は癖のない正誤問題が多めで作られていると言っていい。
他には、年代に関する知識が必要な問題が出題される。
これに関しては、時に西暦ではなく元号で問われることもあり、細かい知識が必要になる場合もある。
また、ものすごく子細な部分やあまり重要でない部分から出題されることもあり、中にはかなり難しい問題も入ってはいる。
ただ、基本的にはこちらも基本問題が大半と考えてよいだろう。
年代の知識に関連したところでは、年代整序問題も1問程度は毎年出題されているので対策しておこう。
大問6は美術史!
6問の大問のうちの問1から5までは、原始時代から古い順にそれぞれの年代に関して、1時代ずつ設定されている。
そして大問6に関しては、毎年必ず美術史がテーマになって出題されている。
どのようなことがテーマになっているかというと、絵画に関する問題、書物に関する問題、彫刻や彫像に関する問題…というようなもので、ここ数年は毎年美術史の中でも違うテーマの問題が出題されていた。
そろそろネタが切れてきているように思える面もあり、今年以降は美術史の中でも見落としがちな分野がテーマになる可能性があるので、要注意である。
文化構想学部 日本史との比較
ところで、早稲田の文学部と文化構想学部は、入試の出題傾向がかなり似通っていることで有名である。
日本史におけるその点についても、やや触れておこう。
まず違うポイントから説明しよう。
先述のように文学部では大問1つごとに各時代・年代1つずつといった形で出題がされるが、文化構想学部では大問がテーマ史で構成されており、これが最も大きな違いになる。
テーマ史構成となると、どうしても近現代の知識の割合が多く必要になるが、文学部の日本史は前近代史の割合が多くなっており、出題される時代ごとの割合が全く違ってくる。
あとは文学部では前項で説明したように大問6で美術史が出るが、文化構想学部についてはそのような問題は出されず、4問全て(そもそも文化構想の構成は大問4問構成)がテーマ史になる。
逆に似通っている・同じポイントは、問題の難易度である。
①どちらも基本から標準レベルの問題が大半ではあるが、非常に細かい知識を聞いてくるような難しい問題も数問は出題される。
加えて、②史料問題が一切出題されず、文章に基づいて問題が設定されているという点。
③正誤問題においては基本的に回答が1つの一番癖のないパターンの正誤問題がほとんどであるという点も類似している。
そして、④年代整序問題が1問程度は毎年出るという点 が二学部の共通点になる。
早稲田文学部日本史の対策
次に対策について説明していこう。
基礎は抜けがないように
基礎知識には抜けがないように対策しよう。
先ほど説明したように、問題レベルとしては基礎から標準レベルではあるが、各時代バランスよく出題されていて特に前近代史分野の割合が高い問題になるので、基礎の部分の知識は全ての時代で穴が無いように網羅的に学習しておく必要がある。
逆に、他大学・他学部頻出の近現代史については集中的に学習しているけれど、それ以外の時代についてはあまり学習できていないという人については、文学部を受けると決めた時点で前近代の時代についてもしっかりと勉強しておく必要がある。
やはり基礎的な部分で抜けが出て点を落としてしまうと、大半の他の人が取れている部分で点を落とすことになり合格が遠のいてしまうため、基礎知識で取れる問題は確実に取っていけるようにしておきたい。
とにかくヌケ・モレが無いように徹底的に基礎固めをしておくことが最重要だ。
過去問で正誤問題に慣れる
文学部の日本史は正誤問題を中心に問題が作られているので、この正誤問題に慣れることが必要になる。
何度も説明したように、文学部では回答1つを選ぶ方式といった比較的簡単なものの出題が大半になっているが、中には2つ選ぶものや正誤組み合わせといった難易度が高い出題もあり、ここで得点差がつく面もある。
このような幅広い問題に慣れるため、早稲田大学の他の学部の過去問を使って対策をしておくといいだろう。
また早稲田内で良く聞かれる内容、そして一定の傾向もあるので、同じ早稲田のいろいろな学部の過去問を解いておくと、それだけで割と傾向がつかめるというプラスの要因もある。
その際、先ほど少々触れた社会科学部や人間科学部などの難しい正誤問題が出る学部の過去問を解いておくと、かなりレベルアップ出来るだろう。
中でも社学の日本史は非常に高難易度なので、レベル的には文学部と合致するものではないが、正誤問題に慣れるために演習に使うというのはお勧めだ。
時間が許せば、いろいろな学部の過去問をやっておくのが良いだろう。
早稲田特有の知識問題は毎年のように出題されます。そのためもちろん文学部優先ではありますが、他学部の過去問をチェックしておくことも非常に大事ですね。
美術史は資料集で特化学習
最後の対策は文学部ならではの特化的な大問6についてだ。
率直に、大問6の美術史をいかに対策するかというのが、文学部の日本史の勝敗の分かれ目と言っていいだろう。
だが、この美術史問題については、一口に美術史と言ってもいろいろなタイプの問題があり、何の分野が出るかの予測・判断が非常に難しい。
どこの分野を集中的に学習すればよいかの判断には悩むところだが、過去に出題されたいろいろなテーマを見て、次にこういったテーマが聞かれるかもしれないという可能性のあるテーマにおいては、資料集を使って一通りしっかり学習しておいて欲しい。
その際、効果的なやり方としては、まず実際に資料集の絵を見て視覚的に覚えるという作業を行い、その後絵画や彫像を作る技法などといった知識部分もフォローしていくのが良いだろう。
かなり細やかな部分まで突っ込んで問われることもあるので、過去問を見て、どのあたりの深さまで過去に聞かれていたかを自分の中できちんと把握してから、今後の予測を立てて学習しておくのが良いだろう。
早稲田文学部日本史対策のおすすめ参考書
次に対策におすすめの参考書を3冊紹介しよう。
語学春秋社 日本史B講義の実況中継
日本史の学習は「通史」と「文化史」、この2つの学習に大まかに分けられる。
通史というのが歴史の流れを学ぶ学習、文化史というのがそれぞれの時代の中での細かい知識部分に当たるが、この2つのうちの通史について学習する教材が、この実況中継である。
本書は非常にわかりやすく、かみ砕かれた表現で書かれていて、なおかつどのようなポイントが入試で聞かれるのかを十分踏まえた上で作られている。
教科書よりももっとわかりやすい通史学習のための1冊として、入試対策に非常に有効な本である。
ただこのシリーズは4冊で全時代をカバーする構成になっているので、学習に費やす時間がかかり、なかなかのボリューム感がある。
その分非常に細かい部分まできちんと網羅されているので、早稲田・慶應などの難関大を目指すことがわかっている人にはうってつけだと言える。
通史学習に関しては、わかりやすくて薄い教材を一度やってみてから再度実況中継というように、2種類以上の教材に手を出すやり方はあまり効率的ではない。
この様な点からも、難関大を目指すことがわかっている人は、最初の段階から実況中継を選んでどんどん進めていこう。
Z会 入試に出る 日本史B 一問一答
実況中継は通史を学ぶ参考書だが、こちらの一問一答は、通史や文化史の中の用語を並行して学習するための参考書だ。
日本史を効率的に学ぶには、実況中継のような通史参考書でしっかり大まかな時代の流れや用語を覚えた後、一問一答系参考書で細かい内容まで詰めていくといった2冊を使っての学習法が最も良い。
このZ会の一問一答はかなりレベルの高いところまで網羅している参考書になるので、早稲田・慶應レベルの難関大の入試対策にもしっかり対応できて非常にお勧めだ。
そしてこの本には各時代の用語を覚える章の後に、テーマ史と史料問題という二つの章が含まれている。
この2章が盛り込まれているというのが非常に大きな長所である。
文学部の受験ではテーマ史の部分も史料問題の部分も必要がないが、そもそも早稲田の文学部だけを受験する人は少ないだろう。
他の学部・他の大学を受ける場合は、テーマ史と史料問題の学習も必須となってくるため、この2つの章が組み込まれているというのは非常にありがたい。
これが、Z会の一問一答を薦める大きな理由の1つでもある。
Z会 実力をつける日本史100題
こちらもZ会の出している参考書である。
この参考書の問題は入試の問題形式に近づけてあり、見開きで大問が1つ載っている。
そして最初に文章が書かれていて、その文章の穴埋めやそれに関する問題が載せてある。
そして、レベル的にもこの1冊で難関大レベルまで網羅が出来ている。
この本の問題については記述式の形式になっていて、見開きの大問1つについて1問程度は論述問題も課されている。
早稲田文学部の日本史的には少々オーバースペックではあるが、国公立の入試対策も同時にできるというのが強みである。
本書に取り組むことで、難関大レベルの知識までを演習を通してしっかり固めることが出来るので、是非最後の仕上げに取り組んでみて欲しい。
早稲田文学部は基本・標準問題の出題が大半です。文学部というと歴史が難しいイメージがなんとなくありますが、実は違うんですね。そのため実況中継や一問一答を中心に丁寧に学習していきましょう。
早稲田文学部日本史のまとめ
最後今回解説したことをまとめよう。
早稲田文学部の日本史については、前近代史の割合が多いというのが一番の特徴である。
更に大問6のところで美術史の問題が出題されるので、これについては資料集などを使った特化的な対策が必要になる。
この部分は合否を分けるポイントになる点なので是非頑張ってもらいたい。
また、慶早進学塾では、無料受験相談を行っているため、正しい勉強方法で勉強をしたいと考えている人は受験予定の大学を問わず、慶早進学塾の無料受験相談を活用していただきたい。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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