今完璧にしておかないと損をする!高校1年の数学の勉強法
2019年04月22日 | 数学
高校1年の数学はとても大切だ。
二次関数や三角比など、のちに散々登場する重要な内容ばかりなのが特徴だ。
また、「式と証明」という分野では、必要条件・十分条件といった重要概念が登場する。
このように、高1の数学は2,3年での数学へ向けての地盤となる。
したがって、これをどう勉強するかが受験数学の鍵となるのだ。
しかし、大切だとはわかっていても高1の時期を有効活用できなかったりどのように勉強していいかわからない高校生は多い。
そこで今回は、どのように勉強すればわからないという高1の生徒に向けて高1の数学の勉強法について説明する。
すでに高1の内容を勉強し始めている人も、これから始める人も、これを読めば正しい方針で勉強していけるに違いない。
高1数学で何を学ぶのか
勉強法について考える前に、そもそも高1の数学で何を学ぶのかを知っておこう。
「まずは敵を知ること」。 受験勉強ではこれが肝要である。
分野の分かれ方
そもそも高校数学は、次のように分かれている。
- 数学I
- 数学A
- 数学II
- 数学B
- 数学III
現在の教育課程では上の5つに内容が分割されており、高1ではこのうち数学Iと数学Aを学ぶ。
高2では数学II・B、高3では数学IIIを学習する。 私立の進学校などでは、中学3年生で数学Iの授業を進めているところが多い。
その場合、1年後(高1)の内容を先取りしているということになる。
数学I
高1の数学のうち片方が数学Iだ。 数学Iは、以下のような内容で構成されている。
- 数と式
- 図形と計量
- 二次関数
- データの分析
「数と式」は、式の展開や因数分解、それに集合といった内容について学ぶ。
これから先の数学を学んでいく上で基礎になる、大変重要な分野だ。
どうしても三角比や二次関数に目がいってしまうが、地味ながら見逃すことのできない内容である。
「図形と計量」は見慣れない題だろうが、要は三角比を用いた図形の計算である。
sin, cos, tanといった新しい量を学び、それを用いて三角形の面積などを計算することになる。
今までにない概念なので、三角比がきっかけで挫折してしまう生徒が多い分野だ。
二次関数は、一般的な二次関数について解の存在条件や最大値・最小値について学習する。
模試や入試でも頻出の分野で、難易度の幅も広い。
センター試験でも確実に出題される箇所だ。
「データの分析」は、ここ最近新しく数学Iに加わった。
データの平均や最頻値、中央値といった代表値や箱ひげ図のような表現方法を学んだりする。
ほとんどの人が今まで学んだことのない不慣れな分野となる。
このように、数学Iの内容は広範囲にわたる。
高2以上の数学の基礎も多分に含まれているので、心して勉強したいところだ。
数学A
もう片方が「数学A」というものだ。
数学Aは、次のような分野で構成されている。
- 場合の数と確率
- 整数の性質
- 図形の性質
数学Iと比較すると、内容はさほど重くないというのが正直なところだ。
ただ、数学が得意な人でもちゃんと勉強しないと解けない問題が多いのが数学Aの特徴である。
「場合の数と確率」は、文字通り数え上げと確率について扱う。
これらを苦手とする受験生は非常に多い。
数学が得意な方であっても、問題演習をたくさんこなさないことには問題を解けるようにならないという意味で、難しい分野と言える。
「整数の性質」は、倍数・約数や不定方程式といったいわゆる整数問題がテーマだ。
数学が好きな人の多くは整数問題も好きであるため、センスがよければすぐに解けてしまう問題が多い。
だが逆に、不慣れな人は手も足も出ないような問題が集中する分野でもある。
「図形の性質」は、高1の数学の中では最も中学数学に近い分野だ。
三角形や円の性質、それに作図といったコンテンツで構成されている。
中学の幾何をしっかり勉強した人であれば苦労はしない。
全体を眺めて
数学IAの内容を概観したが、ここから次のようなことが見えてくる。
- 数学Iは、高校数学全体の基礎となる重要な内容ばかりである
- 数学Aは、慣れないと苦労する問題が多い
これを踏まえて、勉強法について考えていこう。 高1の数学を頑張れば、後の勉強が大変スムーズになる。
高1数学の勉強法(まずは大まかに)
数学1・Aの内容を理解したところで、いよいよ勉強法の説明に入る。
だが、いきなり分野別の具体的な話をすると頭が混乱してしまうに違いない。 そこで、まずは必ず意識せねばならないことを抽象的に述べることにする。
妥協せず、余すところなく理解する
幾度も述べているが、高1数学の内容はあとで散々登場することになる。
もしその分野の学習が不十分だとどうなるだろうか。 たとえば二次方程式の解の配置問題が苦手で、そのまま高2、高3に進んでしまったらどうなるだろうか。 簡単に予想できる。
解の配置を考えなければならない問題が出るたびにつまずいてしまうのだ。
したがって、数学I・Aではとにかく疑問点をなくすことが大切だ。 疑問点を「減らす」のでは不十分。
基礎の部分は完全に理解することが要求される。 そうでないと、のちの足取りがおぼつかなくなってしまうためである。
その場その場の内容を100%理解して先へ進むことを心がけよう。
典型問題をカバーする
もう一つ数学I・Aで大切なのは、典型問題を広くカバーすることである。
たとえば二次関数では、「次の二次方程式が正の実数解を持つ条件を求めよ。」という問題が頻繁に模試・入試で出題される。
こうした問題は、教科書の傍用問題集であろうと難関校向けのものであろうとほぼ確実に載っているものだ。
高1の数学では、重要な「典型問題」が多数存在する。
それらの典型問題は、高2以降の数学でも必ず役立つものであるから、自力で解けるようにしておかなければならない。
定期試験や模試などでは、たくさんの典型問題と出会うことになる。 自分で「あ、この問題別のところで見たことがあるぞ!」と思ったら、それは重要な問題である証拠だ。
そうした典型問題は特に重点的に学習する必要がある。
一度問題を解くだけでは不十分で、関連する問題を幾度も解くことで、典型問題への対応力が養われていくのだ。
そのため、1問解いたらそれでオシマイ、ではなく類題にも取り組むことを心がけよう。
最低限の計算力をつけよう
数学I・Aでは、計算量が多いというのも特徴だ。
二次関数、三角比、それに場合の数・確率といった分野では、ごちゃごちゃした計算が登場しやすい。
本質的な理解も大事だが、正確な答えを導くための計算力の養成を怠らないようにしよう。
問題演習の答え合せをする際、「計算ミスをしちゃったけど考え方はあっていたから気にしないでいいや。」と考える受験生がいるが、これは決定的な誤りだ。
たとえばセンター試験ではマーク式で答えのみ記入する。
したがって、途中過程が正しかったとしても、計算ミスで異なる答えになってしまったら0点なのだ。
考え方の過程が大切なのは否定しないが、それと同じくらい「正しい結果を導くこと」も欠かせない。
日頃の問題演習から、正確な計算をするよう心がけよう。
分野別の勉強法
ここまで、数学I・Aの範囲や抽象的な注意点を述べてきた。
勉強の際に気をつけなければならないポイントが見えてきたに違いない。 次は、いよいよ分野別の勉強法について説明していく。
主要な幾つかの分野について、何を理解すべきか、どういう問題を解けば良いかを明らかにしよう。
図形と計量
三角比が初めて登場する「図形と計量」。 まずは、三角比(sin, cos, tan)の定義を理解するのが先決だ。
そして、最低限の基本公式も早めに身につけてしまおう。 高2になっても、三角比は「三角関数」という題目で引き続き学ぶこととなる。
したがって、高1で勉強して終わりではない。
のちのためにも、三角比の基本性質を完璧に理解する必要がある。
その他、正弦定理や余弦定理など、図形の長さ・角度の計算に必要となる重要公式はかならず理解する。
辺の長さの求め方や三角形の求積などは、この先散々用いることとなるので要チェックだ。
基礎の理解が進んだら、あとは模試などの難しい問題を解いていれば良い。
高2・高3になると、思わぬところで三角比が活躍することがある。 そういう時のために、日頃から様々な問題を解いておき、柔軟な思考力を養っておこう。
二次関数
高1数学で最も大きなテーマの一つがこの二次関数だ。
二次関数の分野では、まず式を与えられた時にすぐにグラフをかけるよう練習しておこう。
グラフを書くことで視覚的に理解することが可能となり、くだらないケアレスミスを減らせたり、早く解法を思いついたりと良いことが沢山ある。
また、解が存在する条件など、判別式の使い方には慣れておく必要がある。
基礎の理解が進んだら、次は「最大・最小」問題だ。 二次関数の最大値・最小値を計算するだけだが、これが結構難しい。
関数や定義域に文字が含まれていると、途端に問題が難しくなる。
最大・最小値の問題は模試等で絶対に出題されるものであるため、対策する価値は大いにある。
そしてもう一つ重要なのが「解の配置」問題だ。
解の配置問題とは、先ほど紹介した「正の実数解が存在する条件は…」というような問題だ。
つまり二次方程式の解の存在範囲に制約を与えるようなものである。
解の配置問題は、本当に多くのところで顔を出す。 どんな問題集にも必ず載っているし、大学の入試問題でも見かけることが多い。
最大・最小値の問題と並んで必ず解いておきたいところだ。 最大・最小値や解の配置の問題は、解けば解くほど力がつく。
1問解いて満足するのではなく、経験値をひたすら積み上げていくことで、次第にスラスラ、ミスなく計算できるようになるのだ。
場合の数・確率
場合の数や確率を苦手とする受験生は多い。
この分野は、幾度も問題を解いて感覚を身につけないことには、なかなか得点に結びつかないのだ。
たとえば、幾つかの領域を色分けする問題を見たことがあるだろう。
あのような「数え上げ」系の問題は、コツを掴まないとなかなか正解できない。 塗り分け問題のコツの1つに、「1箇所の色を固定する」という手法がある。
立方体を3色(赤、青、黄)でぬり分ける問題だったら、とりあえず一つの面を赤で塗っておき、他の面の塗り方を考えれば、重複してかぞえあげるというミスを防ぐことができるのだ。
もう一つの例として、確率の問題で余事象を考えるとよい場合がある。
「コインを5回投げるとき、少なくとも1回表が出る確率はいくらか。」というような問題を解くことを考えよう。
この時、確率の問題を数多く解いた人であれば、「少なくとも」という語にピンとくるものだ。
「少なくとも1回表」の余事象は「1回も表が出ない」である。 したがって、全体の確率1から「1回も表が出ない」確率を引けばよいことがわかる。
これら例のように、場合の数・確率の問題では、解法にある種のお作法が存在するのだ。
何でもかんでも暗記するのは良くないが、問題文を読んだ時に「あ、あの方法で解けばいいんだな!」と反応できるか否かで受験の結果は決まってしまう。
機敏に反応できるためにも、たくさん問題演習をして、経験値を上げておくことが要求される。
逆に言えば、問題を解けば解くほど入試本番での対応力が向上していくのが場合の数・確率の楽なところだ。 こう考えれば、仮に苦手・嫌いであっても勉強する意欲が湧いてくるはずだ。
整数
整数に関する問題の大きな特徴は、レパートリーが少ないということである。 大学受験で出題される整数の問題は、どれも似たようなものばかりだ。 典型的な問題を一題示しておく。
<例題> √42n が整数になるような最小の自然数nを求めよ。
同様の問題を1度は見たことがあるはずである。
センター試験にも度々登場しており、重要例題の1つだ。
他の分野と異なり、整数では重要な例題があまり多くないため、頻繁に見かける問題の対策をしておけばそれだけでも得点に結びつく。
素因数分解の方法や上のような平方数の問題をまずは押さえておこう。
素因数分解をまともにできるだけで、いくらか点がもらえる場合がある。
ある程度実力がついてきたら、次は不定方程式の勉強だ。 センター試験では毎年のように不定方程式が出題される。
出題されることがほぼ確実なわけだから、対策してしまえば確実な得点源になってくれるのだ。
不定方程式の解法はさほど種類が多くないので、いくらか問題演習をしておけば大丈夫。
短期間でも十分成果を上げられるという意味でお得な分野だ。
二次関数や三角比と異なり、気の遠くなるような量の演習を必要としないため、物怖じせずにサッサと片付けてしまおう。
まとめ
高1数学の範囲、勉強法などについて詳しく説明してきた。
二次関数、三角比、確率など、後に重要になる分野がたくさんあるので、高校数学で最も大切な部分といっても過言ではない。
数学I・Aを完璧にしておけば、高2以降の数学もスムーズに勉強できるし、センター試験等で高得点を取ることも可能になる。
そうすれば自然と数学が得意になり、得点源としての役割に期待できよう。
1年目だからといっておろそかにせずに、腰を据えてたくさん問題演習をしてみよう。
そうすれば、様々な問題に対応できる基礎力をつけることができる。 数学I・Aを勉強すればするほど、あなたの数学力は伸びていくのだ。
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