参考書徹底解説シリーズ数学『青チャート』
2016年08月02日 | 参考書・問題集徹底解析
高校生、受験生の皆は、一度は『青チャート(チャート式 基礎からの数学)』という数学の問題集を聞いたことがあるだろう。
大学受験においては非常に有名な問題集で誰もが一度は聞いたことがある人がほとんどだ。
この参考書を完璧にすると、旧七帝大、早慶などの難関大学の数学にも太刀打ちできるといわれているほど、非常に有効な問題集である。
しかし、この参考書は実は使い方を間違えると、何の役にも立たないどころか、モチベーションを下げてしまい、逆に悪影響を及ぼしてしまうこともある。
また、赤、青、黄色、白…といった様々な色によってレベル別に分けられているチャート式だが、『青チャート』はいったいどれくらいのレベルの人を対象としているのかわからない人も非常に多い。
自分のレベルにあっていない問題集や参考書を選ぶのは非常に危険である。
よって、ここでは『青チャート』の対象レベルを解説するとともに、やり方を間違えると危険な『青チャート』の正しい使い方について徹底解説する。
是非この記事を読んで、青チャートの正しい使い方を知って、数学の苦手な人も得意な人もどんどん数学の偏差値を上げていこう。
チャート式とは?
上記で『青チャート』は『チャート式』という数研出版の参考書シリーズの色ごとにレベル分けされたうちの一つであると述べた。
では、『チャート式』の中で『青チャート』はどのような位置づけになっており、どのようなレベルを対象としているのだろうか?
この章では、他の『チャート』についても紹介すると同時に、『青チャート』の対象レベルについて解説する。
まずは、『チャート式』の中における『青チャート』を知ろう。
チャートの種類
上記でも述べたように、『チャート式』はいくつかの色に別けられている。
それは以下の6種類だ。
- 赤チャート:正式名称『チャート式 数学シリーズ』
- 青チャート:正式名称『チャート式 基礎からの数学』
- 黄チャート:正式名称『チャート式 解法と演習数学』
- 白チャート:正式名称『チャート式 基礎と演習数学』
- 緑チャート:正式名称『チャート式 センター試験対策 数学IA+IIB』
- 紫チャート:正式名称『チャート式シリーズ 入試必須168(文系・理系)』
この中で、『赤チャート』が、一番レベルが高いといわれている。
順に、『青チャート』、『黄チャート』、『白チャート』とレベルが落ちていく。
また、『緑チャート』と『紫チャート』は最近登場した新しいチャート式だ。
『緑チャート』はセンター演習だけに絞った問題集だ。
『紫チャート』は中堅私大~地方国公立レベルの問題を扱った完全にアウトプット型の問題集だ。
このように、『チャート式』はレベルや対応している問題に応じて色分けがなされており、その中の一つがここで解説している『青チャート』なのである。
4種類のチャート式の対象レベル
上で『チャート式』にはレベルに応じて赤、青、黄、白の4種類の色の問題集に別けられている。
しかし、これらの対象レベル具体的にどのようになっているのだろうか?
『チャート式』を出版している数研出版は以下のような対象レベル表をホームページに載せている。
(https://www.chart.co.jp/goods/item/sugaku/level/level2.html#chart)
これを見ると、単にレベルが白、黄色、青、赤の順番に上がっていくわけではないということがわかるだろう。
このレベル表からは、確かに各チャートに対してレベルに差はあるのだがそれ以上に一つの『チャート式』がカバーするレベルの範囲が広いことがわかる。
特に、ここで紹介している『青チャート』は学習の基本レベルの途中から入試の上級レベルまでと対象レベルの範囲が非常に広い。
これが、『青チャート』の注目すべき特徴なのだ。
対象レベルが広いがゆえに、様々なレベルの問題が記載されており、また、それゆえに問題量が多いので分厚くなるのだ。
『チャート式』、特に『青チャート』はこのように対象のレベルの範囲が非常に広いことを高校生、受験生諸君は認識しておこう。
『青チャート』の構成
上の章を読むと『青チャート』が対象とするレベルは非常に幅が広ろく、様々なレベルの問題が記載されていることがわかっただろう。
では、実際に『青チャート』はどのような構成で様々なレベルの問題を載せているのだろうか?
ここでは、『青チャート』の構成について具体的に解説していく。
この章を読めば、本屋に行って参考書を見なくて済むようになる。是非読んでおこう。
問題の種類とその配置
『青チャート』には様々なレベルの問題が記載されていると述べた。
それらは、実は問題の種類によってレベル分けされているのだ。
その種類が以下の5つだ。
- 基本例題
- 重要例題
- 練習問題
- 演習問題A
- 演習問題B
当然レベルは、1.2.3.4.5.という順に上がっていく。
一つの単元の構成
『青チャート』では、単元ごとに問題がわかれている。
その一つ一つの単元の構成をここでは説明する。
まずは、単元の最初にその単元に必要な基礎的な知識がまとめられている。
その次に、下の図に示すように、一ページごとにその分野では欠かせない例題が一つのっている。
その例題は、基本例題か重要例題かのいずれかである。
問題だけでなく、一ページ丸丸つかってその問題の解答解説をかなり詳しく載せているのが特徴である。
そして、ページの下に練習問題が1~2題ほどのっている。
単元の最後の方になると、演習問題A、Bがまっている。
この演習問題は例題で紹介された問題よりもレベルは高いが例題の類題ばかりなので、ここは完全に復習用の問題である。
このように、基礎知識→例題+練習問題→演習問題A、Bといった順番で各単元は構成されているのだ。
『青チャート』の正しい使い方
いよいよ、ここでは『青チャート』の正しい使い方について解説する。
上記に、『青チャート』は正しく使用しないと数学がのびるどころか、数学のモチベーションを下げる可能性すらあるのだ。
ここで、しっかりと正しい使い方を知ってそれを自分の学習に応用していこう。
『青チャート』の3つの落とし穴
正しいやり方を説明する前にまず、『青チャート』がはらむ落とし穴について解説していく。
この落とし穴を知っていないと、間違ったやり方をしてしまう可能性がある。しっかりとこの落とし穴を認識しよう。
分厚い
まず、一番の落とし穴は分厚いということだ。
それに加えて、問題の数も1000問近くある。
確かに、『青チャート』を完璧に仕上げれば、東大をはじめとする難関大学の数学にしっかりと対応できるようになるといわれており、これは間違いではない。
しかし、果たしてこの1000問近くある非常に分厚い問題集を完璧にできる人はいるのだろうか?
数学が好きで仕方がないという人は、本当に完璧にできるのだろうが、数学が苦手な人からしたら、鬼のような作業である。
途中で、あまりもの問題の多さに耐えられず、数学のモチベーションが下がってしまうという人も多い。
問題のレベルの幅が大きい
また、分厚いだけでなく、問題のレベルの幅が大きいことも注意しなければならない。
上記でも述べたように、『青チャート』の対象レベルは勉強の基礎から入試問題の上級レベルまでと、かなり広い。
よって、様々なレベルの問題が載っている。
しかし、数学が苦手な人からしたら、いきなり学習の基礎から入試問題の上級レベルまでカバーできるように問題を解いていくことは非常に困難である。
単元の最初のまとめがわかりにくい
さらに、単元の最初にあるコンパクトなまとめというものはコンパクトすぎてわかりにくいという弱点も存在する。
つまり『青チャート』のみによって数学の学習をはじめからやろうとするのは無理があるということだ。
このため『青チャート』のみで数学を完璧にしようとすると、知識が不完全なまま難しい問題にあたってしまい挫折するという人が続出する。
確かに、この一冊をやれば東大を含む旧七帝大の数学など難関大学の数学にも十分太刀打ちできるのは事実だ。
しかし、これは教科書などでしっかりと基礎的な知識を積んだうえでこの問題集を完璧にしたらの話である。
それを誤解して、本当にこの一冊だけで数学を完璧にしようとすると、どうしても途中で挫折して、逆にモチベーションの低下につながってしまうのだ。
以上の様に、『青チャート』には3つの落とし穴が潜んでおり、間違ったやり方によって数学の勉強のモチベーションをも下げてしまう危険性があるのだ。
まずは、教科書から
では、『青チャート』の正しい使い方とはなんだろうか?
上でも説明した通り、単元の最初にあるコンパクトなまとめがコンパクトすぎる。
これだけでは、その単元に必要最低限のことをすべて網羅するのは難しい。
よって、『青チャート』だけで数学の勉強をすることは困難だ。
まずは、教科書をしっかり読んでその単元についての基礎知識をインプットしよう。
そして、単元の最初にあるまとめはそれを復習するような形で使おう。
基本的に例題のみ、扱う問題を取捨選択しよう
『青チャート』は問題数もかなり多く、その問題のレベルも様々であるというのが『青チャート』の欠点だ。
ここをうまく攻略するために、前から順番に問題を解いていくのではなく、あらかじめ解く問題を取捨選択していこう。
上記で、『青チャート』には以下の5種類の問題の種類があることを述べた。
- 基本例題
- 重要例題
- 練習問題
- 演習問題A
- 演習問題B
数学が苦手な人で、『青チャート』から数学の勉強を始めよという人特には、このなかの基本例題と重要例題のみ解いていこう。
こうすることで、1000問あった問題数が300問程度にかわる。
また、もうこの問題は解けるといった問題にも出会うことが多いだろう。
そういった場合はもしその問題の解法が5秒で思い付き、それが解答解説とあっていたら、スキップしても大丈夫だ。
このように、基本的に例題のみに絞り、また自分がもうすでに解けてしまう問題はスキップすることで、問題が取捨選択されて、分厚い割には早く解き終わらせることができるのだ。
問題の解き方
ここでは、具体的に一つ一つの問題をどう解いていけばよいのか解説する。
最初はやはり問題を読んでその解法について考えるところから始まるだろう。
しかし、新しい単元の学習などは、最初からすぐに解法を思い付くのは困難だ。
これをいつまでも続けているのは時間の無駄である。
そこで、5分以上考えても思い付かない問題は迷わず解答解説を見よう。
そして、そこの解法を完璧に暗記するのだ。
ここで注意しなければならないのが、「解答」の暗記ではなく、「解法」の暗記をするということだ。
数学で最も成績が伸びないパターンの一つが何も理解していないのに「解答」を丸暗記してしまうことだ。
「解法」を完璧に暗記するというのは、解答の論理展開をしっかり理解しつつその論理展開を暗記するということだ。
自分が解法を完璧に覚えきったら、今後は何も見ずに問題を自力で解けるかチャレンジしよう。
この際も、「解答」の暗記に走ってしまわないように、「解法」は同じでも「解答」が異なるものを再現するように心がけよう。
これができたら次の問題にうつる。
このように、一つ一つの問題は解法を暗記するつもりで問題を解いていこう。
まとめ
以上が、『青チャート』についての、対象レベルとその正しい使い方の具体的な解説だ。
『青チャート』は、問題の量も多く、そのレベルも学習の基礎から入試上級レベルまでとかなり広い。
しかし、上記で述べたように自分が取り組む問題を、自分が解けない例題にしぼることによって、分量が多いからと自分の数学のモチベーションを下げずに済むのだ。
是非、これを読んだ高校生、受験生のみんなは『青チャート』をこの正しい使い方に従って取り組んでいこう。
必ず数学の成績が劇的に上昇する。
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