明日から始めよう!朝の勉強を習慣にする3つのポイント
2017年07月12日 | 勉強習慣
「夜遅くまで勉強するより、朝早く勉強したほうがいい」ということを耳にしたことはないだろうか。
「朝活」という言葉があるように、科学的見地からは朝勉強のメリットが多く叫ばれている。
実際、朝勉強する人の方が受験に有利だ。 なぜなら、受験当日は朝から試験を受けなければならないからだ。
よって、是非とも今のうちから朝勉強する習慣を身につけておきたいところである。
だが、物事にはメリットもデメリットも存在する。
朝の勉強にもデメリットが存在するし、夜に勉強すること自体も別に悪いことではない。
大事なことは長所と短所を知っておくことだ。 やり方を間違えれば朝勉強しても効果は薄いし、逆に効果的に夜勉強することもできる。
今回は朝学習を習慣化する方法について詳しく説明する。 是非今後の勉強習慣に役立ててほしい。
朝勉強するメリット
この章では朝学習のメリットについて詳しく説明する。 朝学習のメリットには目を引くものがある。
まずはここを読んで是非朝学習に興味を持ってもらいたい。
朝は脳が一番スッキリと整理されている
睡眠中に記憶が整理されているというのは、あなたも聞いたことがあるかもしれない。
脳には記憶を一時的にしまっておく領域、「海馬」がある。 記憶をしまうといっても、意識とは無関係に飛び込んでくるあらゆる情報を取っておくと言ったほうが近い。
収集された情報は一旦海馬に保管され、睡眠中に脳はそれらの情報の取捨選択を行っている。
重要な情報と判断されたものは別の領域に保存され、一方で、不要なものと判断された記憶は消去される。
こうして、海馬を埋めていた情報は睡眠中に整理されたり捨てられたりして片付けられ、次の日また情報をとっておくためのスペースができるのだ。
つまり、朝一番は海馬が整理されるため、一番海馬の容量が空いていて、夜に近づくにつれ収集された情報によって空きが埋まっていく。
したがって、朝一番の勉強は記憶しやすく、夜遅くなるとともに記憶しづらくなるのだ。
早朝の勉強は扁桃体を活性化する
もう少し脳の機能に着目してみよう。 早朝に行う勉強は、大脳辺縁系にある扁桃体という部分を活性化するという。
以降、何度も扁桃体という言葉が度々登場するが、ここでは脳の中に扁桃体というものがあるという認識だけで構わない。
では、扁桃体を活性化させるとどのようなメリットがあるのだろうか?
実は、扁桃体の機能をうまく利用する、これが朝学習が効果的な理由となるのだ。 まずは扁桃体の機能を詳しく知っておこう。
扁桃体は、本能や感情をつかさどる部分なのだが、これによって動物は危険を回避することができる。
扁桃体によって危険から身を守るメカニズムはこうだ。
- 扁桃体は、危険を察知すると活動し始める。
- ストレスホルモンが分泌され、全身の筋肉が活性化される。
- 筋肉が活性化されると、運動能力向上し、天敵から素早く逃げることができる。
- 危険が去ると、ストレスホルモンの分泌は収まる。
このようにして扁桃体が機能するおかげで生物は天敵から身を守れるのだ。
このメカニズムは本能的な機能でどの生物ももっているが、特に原子生物はこれが発達している。
そして、もう一つ重要なのが、感情をつかさどる機能だ。
いくら先の機能によって危機を回避できるといっても、毎回天敵に遭遇して逃げていては確率的にもそのうち捕まってしまう。
そのため、危機体験や恐怖体験は本能的に記憶してしまうのだ。
また、生き物が食べ物を探す際も同様だ。
例えば、食べて幸福感、快感を得られたものは、「あの食べ物はおいしかった」と思って、また次も食べようとする。
逆に、毒によって食あたりしたり、口に合わなかったりしたものは、危険を覚えて次は食べるのを避けるはずだ。
これらの行動には感情が伴っていて、さらにどれもが記憶と関係している。
そう、もう気づいている人もいるかもしれないが、感情が伴うと記憶力が高まるのだ。
感情が伴うと記憶力が高まる実際の症例がある。 それはトラウマやフラッシュバックだ。
忘れたくても忘れられない嫌な記憶は、その当時に扁桃体が活性化されており、強固な記憶として定着されてしまったものなのだ。
つまり、これを「適度な範囲で」上手に利用すれば勉強の定着が図れる、ということだ。 これがわかったところで、朝学習の話に戻そう。
朝起きた時の状態を思い浮かべてほしい。
朝一番は、前日の夕食、あるいは夜食から何も食べていないので、体は空腹である。
そして、脳にとっては栄養であるブドウ糖が不足している。 これが危機状態と判断され、扁桃体が活性化する。
これによって記憶力が高まるので、朝学習は定着しやすい、というわけだ。
もちろん、このメカニズムは空腹を利用したものであるから、夕食前の時間帯を利用しても同じ効果が得られる。
しかし、朝の勉強にはこのメカニズムのほかにもう1つのメカニズムを使っている。
朝は時間が限られている
朝の勉強時間は、他の時間帯に比べて限られている。
夕食の時間や就寝時間は簡単に遅くできるが、登校時間は遅くはできない。
実は、これも扁桃体の働きによるものなのだが、「時間が限られている」と意識することで「締め切り効果」を生み出せるのだ。
簡単に言うと、時間がまだあると思うと、だらだらとして集中できなかったりするが、時間が限られていたり、締め切りが近かったりすると、緊迫してより集中することができる、ということだ。
勉強や仕事をする上で、制限時間を設ける「タイム・プレッシャー」は有効な方法である。タイム・プレッシャーをうまく使うことで、集中力を上げ、脳の成長に欠かせない報酬のなりたちを、調整することができるようになるのだ。 脳内報酬物質であるドーパミンが放出されたとき、その前にやっていた行動の回路が強化される。引用:茂木健一郎 タイムプレッシャー
実際に身近な例として、普段は全然勉強が捗らないのに、定期テスト前はいつもより勉強、テスト勉強に集中できるという経験をしたことがないだろうか。
これが締め切り効果なのである。 もちろん、この締め切り効果も朝そのものには関係がない。
勉強する度に時間制限を設ければいいのだ。 しかし、先に述べた、空腹状態とあわせて考えると、朝勉強はこの2つの状態を簡単に満たすことができる。 朝一番の空腹状態でと登校時間は自分の意思によらない。
そのため、扁桃体の機能を利用した勉強は、朝が一番効率が良いのだ。
朝は比較的邪魔されにくい
早朝4時とか5時の時間帯の周りの環境を想像してみてほしい。
家の人を含め、周囲はほとんど寝静まっていて、車通りも少ない。
騒音もなく、空気が一番澄んでいて一日のうちで絶好の環境だ。
逆に、夜の時間帯はどうだろうか。 テレビは19時からゴールデンタイムが始まるし、深夜番組も面白い番組が多い。
また、友人とチャットをするのは夕方から夜の間が多いことだろう。
したがって、夜は集中を妨げる要素が多く集中しづらいのに対し、朝は集中を妨げる要素が少ないので集中力が高まるのだ。
朝勉強するデメリット
今までは朝勉強するメリットを説明してきた。
だが先にも言った通り、物事にはメリットとデメリットの両側面を併せ持つ。
デメリットを無視して朝学習を続けていてはかえって逆効果になりうる。
この章では前章とは真逆で、朝勉強するデメリットについて説明する。 体を壊さないためにも是非知っておく必要がある。
早朝に起きると睡眠時間が減少する
成長するにつれ必要な睡眠時間は減っていくが、成人でもおよそ6時間は必要と言われている。
高校生なら、最低6時間、理想は8時間はほしいところだ。
睡眠時間は削れないので、朝早く起きるためにはその分就寝時刻も早くなければならない。
もし、睡眠時間を削ってしまうと、日中に学んだことがうまく記憶として定着しないのだ。
先の朝学習のメリットの話の中で、海馬が睡眠中に記憶を整理していると言った。
十分な睡眠をとれないと、海馬の記憶整理が不十分で、海馬の空きも足らなくなる。
つまり、記憶の整理や定着が不完全となるだけでなく、日中の勉強も頭に入らなってしまうのだ。
経験したことがある人がほとんどだと思うが、睡眠時間が短くなれば日中は眠気と戦うことになる。
授業に集中しようとしても、強い眠気に襲われて寝てしまったり、起きて、また寝て、を繰り返してそのうち授業が終わってしまう。
徹夜も同様だ。 徹夜をしてもその次の日辺りにはもうツケが回ってきて、10時間以上寝てしまうなんてこともざらだ。
早朝に勉強するのなら、前日は早く寝て早く起きる必要がある。 これができないのなら朝学習は効果的ではない。
朝が早すぎると健康を害する
早朝の勉強は、ブドウ糖不足による「危機状態」を利用して扁桃体を活性化させ、記憶の増強を図る。
しかし、これが上手くいくのは扁桃体の活性化が適度な範囲の場合だ。 扁桃体が過剰に働いてしまう場合は、過剰症がおこってしまう。
夜遅くて寝不足であるとしよう。 するとそれがストレスと判断されて、ストレス対処のために扁桃体からストレスホルモンが分泌され、血糖値を上げようとする。 ここまでは先程述べた通りである。
しかし、過剰なストレスがかかり続ければ、常にストレスホルモンが体内に放出されている状態となり、血糖値が慢性的に高いままの状態となってしまう。
そうすると様々な病気を引き起こす危険が高くなるし、病気とはいかなくとも不調のもとになるのだ。さらに、過剰なストレスはモチベーションの低下にもつながるので、ふさぎこんだ感情が記憶力が低下させてしまう。
しまいには、勉強しているのにそれが定着しないので、成績にも反映されず、またモチベーションが下がるという悪循環が起きてしまう。
これを回避するには、十分な睡眠時間を確保して、ストレスレベルを下げること。 十分な睡眠時間は健康面でも大切なのだ。
朝学習を始めよう
今までの朝学習のメリットとデメリットをもう一度振り返ってみよう。
朝学習は体のメカニズムを利用した強力なメソッドである分、間違えるとかえって体の調子を崩したり逆効果となってしまうのだ。
だが、つまるところデメリットは睡眠不足から引き起こされるものなのだ。
なので十分に睡眠時間を確保できる生活なら問題はない。
この章では、朝学習を効果的に進める方法、継続する方法を紹介する。
ここまで読んできて「明日から朝学習を始めよう!」と思ったなら是非この章を読んで参考にしてほしい。
家を出る2時間前に起きよう
さあ、朝学習を始めるには何時に起きればいいのか、計算してみよう。
例えば、家を7時に出るとして、食事の時間や身支度の時間などは30分~1時間弱としよう。
そして、勉強時間を1時間は確保したいとすると、起床時間は朝5時といったところだろうか。
家を出る2時間前に起きれば、十分朝学習ができる。
もちろん、人によってかかる時間だとか勉強に充てたい時間だとかは違うので各自計算して予定を立てよう。
早起きする準備をしよう
何度も言うが、朝学習に必要なことは十分な睡眠時間だ。
睡眠時間を確保しつつ、翌日に朝学習をするための一番簡単な方法は、朝起きる時間から逆算した就寝時刻に何が何でも寝てしまうことだ。
睡眠時間を6時間として、朝5時に起きるならタイムリミットは夜11時。 11時になったら勉強の途中でも布団に入る。
こうすれば、明日5時に起きて勉強を始めてもストレスレベルは低く抑えられる。
だが、朝学習に慣れた人がこれを実践するのと、夜勉強していた人が明日から初めて朝学習をするのとでは、体にかかる負担がちがう。 やはり後者は突然の環境の変化でストレスレベルは比較的高く、長く続かず途中で力尽きてしまう。
ということで、始めたばかりのころは、上記の方法で、且つ、生活リズムを段階的に早めることをお勧めする。
睡眠時間をそのままに、就寝時間、起床時間を日を追うごとに少しづつ早めていく。
こうすることで、体に無理な負担をかけずに朝型にシフトすることができる。
朝学習に適した勉強をしよう
では、具体的にどのような勉強が朝学習に向いているのだろうか。
ここでも、脳のメカニズムを利用することができる。 朝は脳が睡眠状態から覚醒状態にシフトするので、ドーパミンやアドレナリンなどの脳内物質が大量に分泌され、午前中は分泌量が多い状態が続く。
ドーパミンは快感、幸福感を生み出す物質であるため、難しいことや不得意なことでも普段より苦手意識を持つことなく取り組める。
また、前々章で述べたように、睡眠中に記憶が整理されるので、朝一番は思考回路が最もきれいに整理された状態である。
よって、午前中は思考力を問われる科目、特に理系科目を勉強するとよいのだ。
ただし、朝一番は過剰にストレスをかけないようにまずは数学などの軽い計算問題を解いてウォーミングアップをしてから応用問題を解くことをお勧めする。
では、暗記を要する科目はどうか。
朝一番は最も記憶をためておく空きがあるのだが、日常に氾濫する情報が取り込まれ、容量が埋まってくると上書き処理が発生する。
つまり、理解ではなく暗記を要するものは早い段階に頭に入れると抜けてしまう恐れがある。
逆に言うと、就寝時間に近ければ近いほど、その時に記憶したことが上書きされにくい。
もっと言えば、寝る前に暗記をすれば、後は寝るだけなので上書きが起きず、海馬の働きによって記憶したことが定着しやすくなる。
したがって、海馬に入った情報は睡眠中に整理されるので、夜寝る前に単語など暗記したいものを覚えてから睡眠をとって、朝起きた時にきちんと定着したかテストをすればよい。
頭を絞ってアウトプットするので起きかけの脳のウォーミングアップになるし、復習も兼ねているので記憶が定着しやすい。
また、頭を働かせたい日中には、暗記に手間をかけない分自分のやりたい勉強をすることができるのだ。 以上の点をまとめるとこうだ。
- 数学や理科、論理力を問う科目は朝の時間帯に学習しよう
- 単語、熟語など暗記を要するものは夜寝る前に行おう
朝起きたら外に出よう
朝型の人でも、目覚めがよくないこともあるし、眠気がとれないこともある。
朝型でなくとも、ついつい二度寝してしまったり、なかなかベッドから起きられないという人もいるだろう。
そんなことでは、せっかく早く目覚めてももったいない。 朝起きたら眠気を覚ますために、眠気を振り切ってまず外に出よう。
太陽の光を浴びることで脳が睡眠状態から覚醒状態へと切り替わる。 そして体内時計がリセットされ、一日頭がすっきりして過ごせるのだ。
眠気を覚ます重要なポイントは、目に光を取り込むことだ。
網膜にある、明るさを感知する細胞が脳に信号を送るからだ。
そういうことなら、部屋の照明でも良いじゃないかと思われる人もいるかもしれないが、部屋の照明の明るさは脳を刺激するのに必要な明るさの4分の1程度しかない。 やはり朝起きてリフレッシュするには太陽の光を浴びることが理想だ。
まとめ
朝の勉強を習慣にするためのコツについて説明した。
一般に朝勉強することが良いといわれているが、睡眠不足となった時のデメリットが大きいということも是非知ってもらうべきである。
睡眠の質が落ちてしまえば、日中の勉強も捗らないだろう。
しかし、朝学習は体のメカニズムを利用した強力なメソッドだ。
これを読んで朝学習に好感を持ったなら、是非とも朝学習を始めてほしい。 うまく習慣化できれば、大きな実力に繋がるのは間違いない。
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