ちょっと待って!受験大学を偏差値で決めていけない二つの理由
2016年09月23日 | 大学受験基礎知識
さて、あなたは今、第一志望とする大学や、その他に受験する大学をすでに決定しているだろうか?もし決定しているとすれば、あなたは一体何を基準に選んだだろうか?
大学の個性を構成する要素は多く存在する。
国公立か私立か、キャンパスの立地、学生の雰囲気、、取れる授業、資格、偏差値、受験教科、OBとの繋がり、知名度、、etc と、枚挙にいとまない。
これは大学受験に限った話ではないが、最終目標とする場所を早めに設定することは非常に効率的で良いことである。
しかし、間違ったものを基準に目標を設定してしまっては、後にひどく後悔することになるかもしれない。
大学受験において最もありがちな失敗例は、偏差値のみを見て受験校を決定してしまうことである。
ここでは、偏差値のみで志望校を決定してはいけない理由と、それ以外の受験校決定方法を伝授する。
これを読んでしっかりと正しいやり方で受験校を選んでいこう!
偏差値で大学を決めてはいけない理由
なぜ大学を偏差値だけで決定してはいけないか、それには明確な理由が存在する。
それは、偏差値は簡単に操作することができ、また操作するつもりがなくても簡単に揺らいでしまうものだからだ。
偏差値、と聞くとどこか絶対的な指標のように感じてしまうかもしれないが、大学受験におけるそれは、実際には非常に曖昧なものなのだ。
同じ偏差値の学部でも、合格難易度が天と地の差、なんてことはしょっちゅうである。
何故なのか、順を追って説明していこう。
そもそも偏差値って何!?
※スタディサプリより引用
偏差値は「(自分の得点-平均点)÷標準偏差×10+50」という公式で求められます。
そして標準偏差は、「各データの値と平均の差の2乗の合計を、データの個数で割った値の正の平方根(=√)」という公式で求められる。
おそらくほとんどの人がこれでは何を言っているのか分からないだろう笑
もちろんもっとバラつきが大きい場合もあるが、大体のイメージとしてはこんな感じである。
点数が高く、上位に行けば行くほど偏差値はあがっていき、そして平均点ちょうどを取れば偏差値は50になるというわけだ。
これだけ聞くと、偏差値がとにかく高い大学のほうが皆勉強ができ、偏差値のみで決定してしまっても良いような気もする。
では何故私たちがそれに警報を鳴らすのか。それには大きく分けて二つの理由がある。
理系文系、国立私立で偏差値に大きな壁がある
まず一つとしては、理系と文系で偏差値が大きく異なるからである。
大学受験における偏差値とは、受験生の母集団により決定される。
これがどういうことかというと、理系は理系同士、文系は文系同士で争って偏差値を決定するということだ。
率直に言ってしまうと、現在の大学受験システムでは勉強ができない子の多くは文系に集まる傾向があり、また医歯薬系の学部に優秀な学生が集まる傾向があるため、全体としてのレベルは文系の方が低いのだ。
つまり現在の大学受験では、文系のほうが簡単に良い偏差値を出せてしまうのだ。
そしてもう一つ。例えばあなたが偏差値58の岐阜大学教育学部を受験するつもりだとする。
岐阜大学では以下のように受験科目が定められている。
岐阜大学を受験するためには、センター試験5教科7科目に加えて、英数国の中から二つの二次試験を受けなければならない。
つまり、センター試験と二次試験の対策を全てこなし、全てで偏差値58を叩き出さなければならないのである。
では、同じ偏差値を有する南山大学の経済学部はどうであろうか?
A方式では英語、社会、国語(漢文か古文)で受験することができ、B方式では英語、数学、国語(現代文のみ)で受験することができる。
つまり、センターが何点であろうが2次の英数国(社)が偏差値58程度をキープできれば合格できるのである。
ということは英国のセンター対策をしなくても良いだけではなく、理科や社会(数学)、古典の勉強に至っては何もせずとも合格できるということだ。
偏差値が同じでも、私立と国立ではかかる負担に天と地ほどの差があるということに納得していただけただろうか?
ただし、国立大は学費が安いという、学費の高い理系、特に医歯薬系にとってはとてつもないメリットがある。
また、東大京大、一橋大や東工大に並ぶ学力レベルの私立大は存在しない。負担が大きいからといってすぐに私大に逃げるのは早計だろう。
以上が大学のタイプによって偏差値が別れる理由だ。
大学の偏差値操作の存在
偏差値操作というものを聞いたことがあるだろうか?
ウィキペディアより
偏差値操作(へんさちそうさ)は、大学などの教育機関が入学試験において、大手予備校が学力偏差値を算出する際に対象外としている推薦入試などの入試形式の難易度を大幅に下げて、大量の入学者を確保すると共に、入試難易度が偏差値として表れる一般入試での募集人数を少なくし、更に回数を増やしたり複数回の受験による受験料の割引などにより一般入試の競争率を高めることにより外見上の大学のレベルを上げさせる方法。
大学受験における偏差値、とはあくまで一般入試における入学難易度を示しているにすぎない。
推薦入試やセンター利用入試などの一般入試以外の方法で定員の多くを埋めてしまえば、一般入試で合格できる層のレベルは必然と高くなる。
合格できる受験生のレベルが高くなるということは、それに従って偏差値も高くなる、ということだ。
複数回の受験による受験料の割引などにより一般入試の競争率を高めることにより外見上の大学のレベルを上げさせる
受験生の君たちは、公募推薦などがセットになった三回の受験で〜のお得なパックなどといったものに心当たりがないだろうか?
また、センター利用入試の基準はユルユルなのになぜか一般入試のレベルが高い大学などを見たことがないだろうか?
大学生の読者であれば、入学してから周りを見たら推薦入学者ばかり、といったことはないだろうか?
これらのほとんどは偏差値操作のためだ。大学からの親切な待遇などではない。
また、前述した教科を絞るという方法もよく使われる。
科目数が少ないと、特定教科だけ得意とする学生が受験し、偏差値が高く出る傾向がある。故に、1教科受験などで、偏差値を高く見せる大学がある。
教科数が少なく、AO入試で多くの定員を獲得する偏差値の高い大学、、心当たりはないだろうか?(ちなみに筆者の大学である)
こうしていくつかの大学は実際の難易度よりも偏差値を高く出し、受験生を呼び込もうとしているのである。
偏差値のみを見て大学を決めることが危険だということが分かってもらえただろうか?
偏差値に頼らない大学選びの基準
では、偏差値に頼らないのであれば、何を基準に大学を決定すればいいのかと思う人もいるだろう。
しかし前述した通り、大学を構成する要素は非常に様々である。
次は、偏差値に頼らない大学の選び方というものを紹介しようと思う。受験校が決まっていない高校生の人はぜひ参考にして欲しい。
興味のある学問や職業から選ぶ
当たり前のことだが、一口に大学と言ってもそこで勉強できること、取得できる資格は様々である。
やはり最も良い大学の決め方は、自分の興味のある学問、職業と直結した大学(学部)を目標に据えることである。
近年は大学のテーマパーク化が嘆かれてはいるものの、やはり大学で学べる知識は高校の授業とは比べものにならないほど専門的で高度なものである。
その分野について学びたい学生であれば、授業は高校のものよりはるかに楽しく、またここで学んだことは将来の職業と直結してくるだろう。
もちろん君たちはまだ高校生である。将来の夢やなりたい職業なんてまだ決まっていない、という人も多くいるだろう。
そういう人にはとりあえず文系に行くことをオススメする。なぜなら大学で超専門的な知識を学ぶ理系と違い、文系では様々な学問を学ぶことができるため、選択肢が狭まりづらいからだ。
大学の雰囲気から選ぶ
校則の緩さや厳しさ、偏差値やスポーツへの力の入れ具合などから、高校にも様々な色というものがあっただろう。
しかし大学ごとの雰囲気の違いはこの比ではない。
授業が厳しいかどうか、どんなサークルが存在しているか、キャンパスが都心に近いかなどの理由から、大学ごとの雰囲気は全く違う。
また同じ大学であってもキャンパスや学部ごとで雰囲気が全然異なるということもある。
学問志向や遊び志向、就活志向など様々だ。
例をいくつか挙げようと思う。参考にして欲しい。
・明治大学和泉キャンパス
明大前にある明治大の文系主要学部の一二年生が集まるキャンパス。
インカレサークルと呼ばれる他大との合同サークルが数多く存在する。渋谷から15分、新宿から10分という超好立地のため、インカレサークルは首都圏の女子大との合同であることが多い。
また、法学部を除けば明治大は比較的単位取得が容易なため、学生たちはのんびりとした非常に楽しそうな雰囲気である。
明大生は大妻女子や東京家政、日本女子などの学生とくっつくことが多い。
・慶応義塾大学日吉キャンパス
神奈川県にある慶應大の文系主要学部の一二年生が集まるキャンパス。
渋谷まで2~30分ほどと立地はそこまでのため、インカレサークルはあまり存在しない。時々フェリス女子大とのインカレサークルが存在する。
キャンパスは広々としており、夕方からは様々な場所でサークル活動などをしている姿が見られる。
慶應生はひようらと呼ばれる日吉キャンパスの反対に位置する商店街で飲むことが多く、夜に日吉駅に行くとたくさんの泥酔した慶應生たちを見ることができる。
慶應生はフェリス女子大や日本女子大の学生とくっつくことが多い。
・青山学院大学
表参道にある青山学院大学の文系主要学部が集まるキャンパス。
渋谷が近いとかそういう次元ではなく、渋谷と表参道のど真ん中に位置している。若者から見た立地偏差値では間違いなく日本一である。
おしゃれの本拠地、表参道に位置しているため、とにかく青学生はみなおしゃれである。
サークルは意外にも他大とのインカレは少なく、青たんと呼ばれる青学女子短期大学との合同サークルが多いようだ。
青学生は青学同士や青たんとくっつくことが多い。おしゃれ度が高すぎて他大のイモとは付き合えないのであろうか。
このように大学ごとの色は様々である。また、インカレサークルは東京や関西都市圏などにしか存在しないほか、地方の国立大学ではサークルがそもそも存在しないこともある。
最近はサークルでツイッターやフェイスブックをやっているところも多いので、候補にしている大学がいくつかある場合はそれらのサークルの様子を見てみたり、平日に見に行ってみたりするのも手の一つだろう。
まとめ
確かに、大学を選ぶ上で偏差値は重要なファクターである。
偏差値が高い大学にはレベルが高い学生が多く、自分のレベルを引き上げることに繋がるだろう。
だが、やはり大学というのは自分が学びたい分野を専門的に学ぶ場所である。
偏差値ばかりに気を取られ、自分のやりたい学問ができなければそれこそ本末転倒になってしまう。
私たちは生徒の偏差値を一でも多く伸ばすように努力しているが、それはとにかく偏差値が高い大学に生徒たちを入れるためではない。
志望校との距離を一でも縮めるため、または行きたい大学が決まった時に後悔させないために指導を行っているのだ。
もしあなたが自分の偏差値に見合っているという理由だけで志望校を決めてしまっているのであれば、本当にそこでいいのか、もう一度しっかりと考えてみて欲しい。
君たちが1年後、10年後に後悔しない選択ができることを祈っている。
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