1つ1つの要素に分解して読む、センター現代文の攻略法
2017年01月12日 | センター試験
手こずりやすい科目がある。 その1つが「現代文」だ。
他科目では高得点を記録できるのに現代文でなかなか好成績を残せず、不思議に思っている人は多い。
だが、それは決して不思議なことではなく、ハッキリとした理由があるのだ。 現代文の出来不出来は、問題の構造を把握し、適切な方法で解けているか否かが関係している。
今回は、センター現代文の設問に見られる「原理」と、それに応じた解き方を説明する。
多くの受験生にとって、ここで紹介する解法は斬新なものに違いない。
しかもその解き方は決して複雑なものではないので、すぐに実行に移して点数をupさせることができる。
いままで考えもしなかった高得点も夢ではないのだ。
センター現代文の構造
いきなり勉強法を考えるのは賢い方法とは言えない。 まずは敵を知ること、だ。
センター現代文の問題がどのような構造になっているのかを知ろう。
出題形式
センター試験はマーク形式なので、出題はもちろん択一問題である。 その中でも次のような形式が多い。
問5 傍線部D「『人間』は、この資本主義の歴史のなかで、一度としてその中心にあったことはなかった」とあるが、それはどういうことか。本文全体の内容に照らして最も適当なものを、次の1~5のうちから一つ選べ。2010年センター試験過去問より
センター現代文では、このように傍線を設けて、それについて「どういうことか」と問う形式の設問がほとんとである。
上に挙げた2010年の問題では、傍線部がA~Dの4つ用意されていたが、その全てが「どういうことか」という問いであった。
この形式の問題を攻略することが、センター現代文の攻略に等しいといっても過言ではない。
「どういうことか」とはどういうことか
ここで一つ考えて欲しいのは、「どういうことか」という問いの意味だ。
数学であれば、「辺BCの長さを求めよ。」というふうに、求めるものが明確に示されている。
それにくらべてこの形式の問いは、一見何を答えたらよいのか分からない。
したがって、まずは「どういうことか」という問いの意味を理解する必要がある。
そのために、同じ2010年の現代文から他の設問も見てみよう。
問4
傍線部C「伝統的な経済学の『錯覚』」とあるが、それはどういうことか。その説明として最も適当なものを、次の1~5のうちから一つ選べ。
- 産業資本主義の時代に、農村から都市に流入した労働者が商品そのものの価値を決定づけたために、伝統的な経済学は、価値を定める主体を富の創造者として実態化してしまったということ。
- 産業資本主義の時代に、都市の資本家が農村から雇用される工場労働者を管理していたために、伝統的な経済学は、労働力を管理する主体を富の創造者と仮定してしまったということ。
- 産業資本主義の時代に、大量生産を可能にする工場制度が労働者の生産性を上昇させたために、伝統的な経済学は、大きな剰余価値を生み出す主体を富の創造者と仮定してしまったということ。
- 産業資本主義の時代に、都市の資本家が利潤を創出する価値体系の差異を積極的に媒介していたために、伝統的な経済学は、その差異を媒介する主体を利潤の源泉と見なしてしまったということ。
- 産業資本主義の時代に、農村の過剰な人口が労働者の生産性と実質賃金率の差異を安定的に支えていたために、伝統的な経済学は、労働する主体を利潤の源泉と認識してしまったということ。
「伝統的な経済学の『錯覚』」というフレーズを読んで、あなたはすぐ意味がわかるだろうか。
ほとんどの人は想像もつかないものである。
つまり、このフレーズは著者が一つの表現としてこういう言い方をしているのであって、内容の明快さ・理解の容易さを追求しているものではないのだ。
したがって、この形のままでは内容を理解することができないので、分かりやすい形に直す必要がある。
わかりにくい表現・婉曲的な表現を、直接的で明快な説明に直す。
これこそが「どういうことか」という問いの意味なのである。
どこを読めば答えられるか
もう一つ気になるのは、どこを読めば答えを得られるかということだ。
難関大学の国語などでは、広範囲の内容を把握していないと解けない問題が多く存在する。
レベルが高いほど、文章全体の内容理解を前提としているものだ。
だが、センター試験の現代文はそれとは異なるつくりをしている。
センター現代文の大きな特徴として、設問ごとに、対応する文章が分担されているということだ。
具体的に言えば、問二が第二段落〜第三段落からの出題だとしたら、問三が第四段落〜第六段落からの出題になっている、という感じである。
分担している段落が露骨に重複することはほとんどないのである。
しかも、問題の答えは傍線部のすぐ近くである場合が多い。
近辺の内容を整理するだけで答えが見えてくることもしばしば。
これは、後で具体的に解いてみると明らかになる。
センター現代文の解き方
センター現代文の出題形式は、ほとんどが「○○とはどういうことか」というものであった。
では、そういう問題はいかにして攻略すればよいか考えてみよう。
まずは傍線部を「分解」しよう
さきほど登場した「伝統的な経済学の『錯覚』」の例で考える。
この表現のままでは内容理解ができないので、抽象的・婉曲的でない表現に変化させなさい、というのが問題の意図だ。
だが、このフレーズ全体を一気に変えるというのは難しい話だ。
そこで、センター現代文で超重要なテクニックがある。
それは、傍線部を要素ごとに分解して考えるということだ。
考え方としてはこうだ。
まず、「伝統的な経済学の『錯覚』」というフレーズを、意味上のまとまりごとに分ける。
ここでは、
- 伝統的な経済学
- 「錯覚」
という語に分けるのが自然だ。 注意して欲しいのは、完全に単語レベルまで分解するわけではないということだ。 「伝統的な経済学」を「伝統的な」・「経済学」まで分解してしまうと、逆に意味がわからなくなってしまう。 あくまで、本文中で特別な意味を持つ範囲内でできる限り分解する、という意味なので注意しよう。 さて、傍線部を要素ごとに分解したが、これにより問題を解きやすくなる。 というのも、分解したそれぞれの内容をわかりやすく言い換えればいいためである。
まず第一に「伝統的な経済学」というのが明瞭でない。
「どういうことか」という問いに答えるには、これが指している内容をもっと理解しやすい形でまとめる必要があるのだ。
したがってそれを文章中から探してくることになる。
具体的には、伝統的な経済学が対象としているのはどういう主義なのかを知ることである。
これがわからないことには、錯覚する前にそもそも何を見ようとしていたのかが明らかにならない。
そして「錯覚」という語も分析すべきだ。
単に「錯覚」といっても、何を何と見間違えているのかはわからない。
傍線部ではそこが省略されているので、私たちでそれを見つけてくることとなる。
以上より、私たちがなすべきことは
- 「伝統的な経済学」が見ようとするものを明確にする
- それをどのように「錯覚」しているのかを明確にする
というふうにまとめられる。 ここまでくれば、センター現代文の問題を解くということの意味が見えてくる。 それは、次のようなものだ。
これを第一に肝に命じておこう。 知っているのと知っていないのとでは、問題の解き方が全く異なってくる。
要素ごとの意味を文中から見つける
次にやるべきことは、分解した要素の内容を文章中から探し出しまとめるということである。 同じ例を使って引き続き考えていこう。
- 「伝統的な経済学」が見ようとするものを明確にする
- それをどのように「錯覚」しているのかを明確にする
文章中から、各々が指している内容を見つけてみる。
ただし、先述のようにセンター試験の問題は設問の対象範囲が分割されていることがほとんどであるため、傍線部の近辺のみを捜索することとする。 かなり離れているところに答えが隠されていることはないと考えて良い。
まず「伝統的な経済学」が見ているものだが、これは傍線部の近辺、そして選択肢の内容から「産業資本主義」という語が強く関係していることがわかる。
だが、選択肢の内容を見る限り、この産業資本主義とはどういうものかを読み取る必要がありそうだ。
そこで、産業資本主義について説明されている箇所を探すと、傍線部の直前に次のような内容がある。
この産業資本主義の利潤創出機構を支えてきた労働生産性と実質賃金率のあいだの差異は、歴史的に長らく安定していた。
農村が膨大な過剰人口を抱えていたからである。そして、この差異の歴史的な安定性が、その背後に「人間」という主体の存在を措定してしまう、C伝統的な経済学の「錯覚」を許してしまったのである。
これは産業資本主義を支える因果関係が述べられている重要箇所だ。 倒置的な形式になっているので、分かりやすい順序に組み直してみると、
- 原因:農村が膨大な過剰人口を抱えている。
- 帰結:労働生産性と実質賃金率のあいだの差異は、歴史的に長らく安定していた。
こうして、産業資本主義の内容を整理することができた。
実は、この問題はここまでの考察で正解を導き出すことができる。この因果関係に正しく言及しているのは5だけであるため、当然正解も5だ。
今回はたまたま1つに絞れたが、いつも前半部だけで答えを1つに絞れるとは限らない。
確認の意味も込めて、できれば後半部の精査もしたいところだ。 そこで、次は「錯覚」の意味を明らかにしよう。
錯覚といっている以上、あるものを別のものと見間違えた、ということになる。
まず「あるもの」だが、これはつい先ほど導いた因果関係である。
すなわち、「農村の過剰人口→労働生産性と実質賃金率の間の差異」である。
では、この現象をどう「錯覚」したのであろうか。 傍線部Cの直前に、「そして、この差異の歴史的な安定性が、その背後に『人間』という主体の存在を措定してしまう」とある。
「措定」という難しい単語があるが、これは
- 「 S は P である」「 A が存在する」というように,ある命題を端的に主張するはたらき。事物の存在を肯定したり,その内容を明瞭に示すこと。定立。
- 推論の前提として,とりあえず肯定された,いまだ証明されていない命題。定立。
三省堂 大辞林より
という意味である。
つまり、差異の歴史的な安定性を説明するために、「人間」という主体の存在を証明無しに置いてしまう、ということなのだ。
この「人間」というのは、農村から都市部に流出する人間を指すのであり、その人間が「利潤創出」する主体であると思われている、というのが錯覚の内容である。
5の選択肢はその内容も満たしているため、5が正解であることが再確認される、というわけだ。
不適切な解き方
受験生が陥りやすい、不適切な解き方についても説明しておく。
一番多いのは、「選択肢同士の比較をしてしまう」ということだ。
たとえば理科や社会の選択肢問題であれば、複数の選択肢を比較するというのは効率的な手法である。
自分が持っている知識と照らし合わせて、各々の選択肢に優劣をつけることが可能だ。
現代文でもそれは可能なのだが、ことセンター現代文では賢い方法とはいえない。
その最たる理由は、センター現代文の選択肢はどれも「妥当に見える」ものばかりだからだ。
上の問題は5が正解であるが、他もなんとなく正しそうなものばかりである。
特に2,3は「仮定してしまっている」というふうに、「措定」に対応する部分が正しい日本語で置き換えられているので、見た目的にも手が伸びてしまいやすい。
選択肢の比較は、明らかに誤っているものを排除することは可能だが、妥当そうな選択肢を排除する力は弱いのだ。
センター現代文では、大抵1,2個は「惜しい」選択肢が紛れ込んでいるので、選択肢の比較をした結果誤ったものを選んでしまうという自体が多発する。
この方法は危険であるため、センター現代文では実践しないよう留意しよう。
あくまで傍線部を分解し、各々に対応する内容を探しだすのが大切だ。
小説文・随筆の場合
論説文について述べてきたので、こんどは小説文の解き方を見ていく。
とはいっても、大体は論説文の場合と同じだ。
基本方針は同じ
小説文・随筆の場合も、問題の解き方は大体同じだ。
すなわち、傍線部の中から読解に必要な要素を探して、その内容を探し出すことだ。
また、傍線部付近を集中的に探せばよいというのも同様だ。 小説文の読解には文章の広い範囲を読まなければいけない、と思いがちである。
もちろん全体を通して読むのも欠かせないが、個々の問題を解くうえでは論説文同様、傍線部の周囲に着目するのが第一だ。
文章は設問ごとに大体分割されており、その近辺を読めば答えを出せるようになっている。 小説文の場合、次のような心情説明の問題が多い。
問2 傍線部A「私はもとの悲しさに返って、泣くことをつづけたのである。」とあるが、その時の心情の説明として最も適当なものを、次の1~5のうちから一つ選べ。
- 兄になぐられて木立ちの中に駆け込んだ時の悔しさが思い出され、誰も打ち解けられずひとりでやり過ごすしかない寂しさをかみしめている。
- 抵抗もできずに兄から逃げ出した時の臆病さを思い返し、ひとりで隠れていても兄や叔母にいつ見つかるかわからないという恐怖におののいている。
- 兄に歯向かうことができなかった情けなさを改めて自覚し、自分の切実な望みが兄や叔母によって妨げられることへの憤りを感じている。
- 兄の粗暴な振る舞いに対する怒りに再びつき動かされ、仕返しをしようとしても叔母への告げ口しか思いつかない無力感に苦しんでいる。
- 兄の過ちを正面から諭さなかったことを後悔し、自分の行動の意図が兄はもちろん叔母にもるじゃうされないだろうという失望感に襲われている。
したがって、この「心情説明問題」をいかに攻略するかが、小説文読解のカギとなる。
次に、具体的な解き方を見ていこう。
心情説明問題の解き方
心情の説明なのだから、一番着目すべきは具体的な感情だと捉えるのが普通だ。
しかし、感情の部分で選択肢を選ぶのは正解にたどり着けない可能性が高い。
というのも、感情の表現は様々でありグラデーションがあるためだ。
たとえば上の問題の場合、
- 無力感
- 情けなさ
という2つの語を明確に違うものと判断するのは難しい。
もちろん、細かいニュアンスのレベルであれば差異はあるだろうが、違う感情というほど離れてもいない。
したがって、感情を「無力感」という語で説明している選択肢と「情けなさ」という語で説明している選択肢があった場合、その部分のみで判断するのは困難なのである。
また、文章そのものに感情移入してしまうのもNGだ。
文章に感動すること自体は素敵なことだが、試験の場でそれは点数に結びつかない。
あくまで文章に書いてあることを正確に読んでいくことが前提だ。
感情的にならずに文章を読むコツについては、次の記事も参考にしてほしい。
では、どこに着目すべきなのか。 それは、「状況説明・事実関係」である。
心情問題だからこそ、登場人物が置かれている状況、そして事実に着目するのだ。
これらはグラデーションが存在しない事項なので、迷うことなく誤った選択肢を切り捨てることができる。
というわけで、感情の述べ方にこだわるのではなく登場人物の状況や事実に着目して上の問題を解いてみる。 まず傍線部「私はもとの悲しさに返って、泣くことを続けたのである。」の中から読解すべき要素を探すと
- もとの悲しさ
がある。 このままでは何の悲しさのことを言っているのか不明瞭であるため、これを明らかにしよう。
先述のルールに則って該当する内容を探して見ると、傍線部の前の段落に「私は木立ちの中に駆け込んで、…(中略)。この悲しい時、…」とある。
「この悲しい時」というのが「もとの悲しさ」に該当することがわかる。
傍線部の要素の内容を明らかにしたところで、事実の確認をしよう。
傍線部が含まれている段落を読んでみる。 兄に殴られ、木立ちに駆け込んで泣いていた「私」。
叔母に言いつけてやろうと一時は思い立ったが、それをすると今度は私が、算術を怠けたと叱られるであろうことに気がついたのである。
したがって、この悲しい気持ちを誰とも共有できないとわかり、一人無力で寂しい気持ちが募った、というわけだ。 こ
こまでの内容をまとめると、
- <事実>兄に殴られ、木立ちの中に駆け込んだ。
- <感情>悲しく、悔しい気持ちであった。
- <事実>だが、それを誰とも共有できない。
- <感情>一人、寂しい気持ちでいた。
ということになる。
選択肢を選ぶ際、感情を中心に選んでしまうと誤ったものを選んでしまう可能性がある。
そのため感情の記述に関してはある程度の幅を許して、<事実>を優先して選ぶようにする。
すると、2つの<事実>を満たしている選択肢は1しかないことがわかる。 感情の記述も誤っておらず、1の妥当性が確かめられるのだ。
随筆文について
小説文と並んで随筆文も、センター試験の第2問で頻繁に出題される。
随筆文は、著者が耳にしたことや心に浮かんだことを記した文章である。
物語と異なって登場人物やストーリーが存在するわけではないが、個人の感情やものの見方がおおきに加わるという意味で論説文とは決定的に異なる。
論説文よりもある意味「気楽に」読めるのが随筆だが、設問を解く際は正確な読解が要求される。
感情や行間を読むことよりも、あくまで事実を優先して選択肢を選ぶというのは変わらないので覚えておこう。
随筆文の読解でも、小説文同様感情的にならないというのが大切だ。 文章中で注目すべきは「感情の動き」である。
論理で固めた文章ではないため、重要箇所=感情が動く箇所であることが大変多い。
感情的にはならない方が良いが、筆者の感情や行動が大きく変化する箇所は注意深く読むべきである。
センター試験の設問はそうした「動き」のある箇所がヒントになることがほとんどだからだ。
随筆文の読解については、次の記事でも詳しく述べられているので参考にしてほしい。
やってはいけない選び方
小説文・随筆についても、やってはいけない選択肢の選び方を述べておく。
小説文等では「なんとなく」選ぶのが一番危険だ。 論説文と異なり感情の説明があるためである。
先ほど述べたように感情の表現方法には多少の幅があり、なんとなくで選んでしまうとダミーの選択肢を正しいと思い込んでしまうことが頻発する。
したがって、感情に関わる問題だからこそ事実を中心に選ぶというのが肝要なのだ。
この方針を知っているのと知らないのとでは、問題の正解率が段違いに異なる。
センター試験の問題は、文章を読んで事実を正確に把握すれば正解にたどり着けるようになっているので安心してほしい。
解くべき問題
センター現代文を攻略するにあたって、どのような問題を解けば良いか。
現代文の教材は多くの人が迷うところだ。 そこで、どの教材が適しているかについても述べておこう。
過去問が一番!
センター試験の対策というと、普通は参考書や問題集から始める人が多い。
多くの科目ではそれは妥当な方法だ。
たとえば数学であれば、諸々の公式・考え方を学んでからでないと過去問を解けないためである。
だが、センター現代文に関しては、実は参考書・問題集は役に立たないことが多い。
上で述べたように、センター現代文は傍線部の内容を明確にして、傍線部付近を丁寧に読むという作業が中心になる。
したがって、文章の一部分を丁寧に読んで分析すれば解ける問題がほとんどなのだ。
だが、一般的な参考書や塾が作成した問題集は、文章の広い範囲を読まないと解けない複雑な問題が中心なのが現状だ。
もちろん、そういう問題を解くことで鍛えられる読解力もあるだろうが、それはセンター試験に限っては役に立たない。
センター試験対策をうたった参考書は多数あるが、その多くはセンター現代文の対策になっていないので注意しよう。
結局、センター現代文対策のうえで最も優秀な教材は、センター試験の過去問そのものなのだ。
センター試験の過去問は25年分を1,000円以内で入手することができる。 安価なうえに役に立つ。 これを利用しない手はない。
多数収録されている過去問の中でも、特に問題の出来が良い年というのがある。
いままで述べてきたような解き方でスマートに解くことのできる年がそれに該当する。
これについて、受験現代文の世界で有名な林修は次のように述べている。
特にセンター現代文では、過去問以外はやらないほうがいい。問題集はおすすめできません。2007年から12年までの本試験は本当によくできているので、もしもやり残しているなら、それをしっかりやるといい。もう終わったという人は、00年から06年の本試や追試をやるといいが、最後の仕上げは07年から12年の本試のどれかでやりたいですね。
他の年の過去問を解いても構わないし、経験値を積むためにはむしろ重要なことである。
だが、本番が近くなって仕上げをしたいならば、林修の言うように2007年~2012年の本試験の問題を解いてみよう。
このあたりの年は問題の質が特によく、上で述べた解き方が定着しているのか、正確に知ることができる。
時間配分の練習も
センター国語は、何も現代文だけではない。 時間配分はどうしても必要な要素だ。
基本的な攻略方針としては、古文・漢文にかける時間を最小限にし、現代文を丁寧に読解するというスタイルが望ましい。
古文や漢文は、日頃の学習で細かい知識を積み重ねておけば間違いなく高得点を叩き出すことができる。
したがって、過去問以外のところで勉強が必要なのはむしろ古文・漢文であることを忘れないようにしよう。
古文であれば単語や助動詞の活用、漢文であれば句法の暗記を早いうちから進めておくと、センター国語の対策がかなり楽なものとなる。
問題を解く時間を短縮しやすいのはやはり古文・漢文だ。 知識を正確にし、読解のコツを掴めば各々10分程度で読解することも夢ではない。
現代文と異なり文章の量が少ないので、答えをせっせと探す時間が不要なのが強みだ。
短時間で古文・漢文を攻略できるようになったら、残りの時間を現代文に当てることができる。
現代文に時間的な余裕があると、落ち着いて読解ができるのでそれだけでも得点upを図ることができよう。
受験学年でなくとも、とりあえずセンター国語の過去問を解いてみるというのは価値ある取り組みだ。
他の科目と違って国語であれば、3年生でなくともある程度の点数は取ることができる。
とりあえず1年分解くだけで、自分に足りていないものが何かを把握することができる。
時間が足りなくて全然解けなかったのであれば問題をスムーズに解けるよう訓練が必要だ。
古文や漢文の単語がわからなくて全然読めなかったのであれば、今後それを勉強していくことになる。
時間は足りたのに現代文の点数がひどかったならば、選択肢を「なんとなく」で選んでしまっていることを意味する。
1回目でいきなり高得点を取る必要などない。 低い点が出てしまうことを覚悟の上で、一度問題に触れてみることに価値があるのだ。
そうすることで、今の自分に不足しているものが明確になるし、今後の勉強の方針も立てやすくなる。
古文・漢文の知識が不足していて全然解けないならば現代文だけでも構わないので、ぜひ取り組んでみてほしい。
まとめ
センター現代文の解き方を、論説文・小説文を例に説明した。
大前提として、「なんとなく」選ぶのはNGだ。
そういう選び方だと不正解になるように、センター現代文の選択肢は設計されている。
基本的な方針は、傍線部の内容を明確にした上で、傍線部近辺を丁寧に探すということ。
また、小説文の感情説明問題では、感情説明だからこそ事実に焦点を当てて選ぶよう心がけよう。
傍線部あたりの内容を整理し、事実関係を明確にする。 そして、それと矛盾しない選択肢を選ぶ。
センター現代文はそれで正解できるようになっているのだ。
今まで正しい方針で文章を読んでこなかった人は、これを機にすぐに今回説明した方法を実践してほしい。
そうすることで、すぐに点数に結びつく読解ができる。 正確な読解で、現代文を大きな得点源にしよう。
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