慶早進学塾

英語偏差値39から関西学院大学に逆転合格!合格体験記

2021年03月03日 | 合格体験記

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いわゆる「逆転合格」という言葉がもてはやされることが多い。

慶早進学塾でも毎年何名かいわゆる逆転合格という、衝撃的な成績の伸び方をし、合格を手にする生徒がいる。

その中でも特に印象に残っているのが、伊藤羽癒(うい)君だ。

彼は2018年の夏に慶早進学塾の夏期講習に高校2年生の時に参加してくれ、その後1年半にわたってしっかりと勉強し続けてくれた。今回はその彼とのエピソードについて色々書いていこうと思う。

彼との出会い

彼と最初に出会ったのは、2018年の夏。慶早進学塾岐阜校にてだ。

彼の友人がすでに慶早進学塾岐阜校に通ってくれていて、その友人に付いてきて伊藤君は慶早進学塾に遊びにきた。

ぱっと見の第一印象は「チャラいな」だ。

その第一印象通りかどうかは知らないが、高校に入学してからほとんど勉強はしてこなかったようで、またよく学校の先生と喧嘩をしているようであった。

なんとなく慶早進学塾岐阜校に遊びにきたということで、色々話を聞いている中で、どうやら何かに落ち込んでいることに気づいた。

これは何があったんだろう?と思い、話を探ってみると、なかなか答えようとしてくれない。

「まあ、初対面の相手なんだし、とりあえず抱えてること気にせず話してみなよ」そう伝えると、彼は少しずつ話をしてくれた。

個人情報が入ってしまうので、詳細は伏せるが、どうも恋愛から派生した友人関係で悩んでいたらしい。そして話を聞けば聞くほど、彼が明らかに悪いことが明らかになってきた。

そこで僕は彼に、

「いや間違いなくお前が悪いでしょ笑
それで落ち込むなら最初からそんなことするなよ笑」

と、初対面、なおかつ生徒になってくれるかもしれない相手に説教を始めてしまうのである。この塾長、営業する気あるのだろうか。

普通、塾の初回面談といえば、これまでの勉強に関する色々なことを多少の雑談を交えながらしていくものである。

しかし、そもそも話を聞いたところで彼が勉強していないことなんか明らかだ。もはや聞く必要がない。

とは言え、説教はさすがにやりすぎではないか?さすがに僕もそのように思った。しかし彼は何を思ったか、それがものすごく新鮮だったらしい。

そして、なんかこの塾入ったら楽しそうだなと思ってくれたらしい。そうしてよくわからない経緯のまま彼は入塾を決めてくれた。

偏差値39。衝撃的な成績の悪さ

とりあえず彼の成績を実際に見せてもらおうと思い、模試の成績表を見せてもらった。その時のことを今でも覚えている。

進研模試という、比較的簡単めな模試の成績表だったのだが、

英語15点(100点満点) 校内順位352/358

僕は思った。どうやったらこんな点数が取れるんだろう?と。

そしてその次にもう一つ気づいたことがあった。

本来模試は高校2年生までは英数国の3教科受験するのが通常だ。しかし彼の成績表には2教科分の成績しか載っていない。

「どうして2教科なん?」と彼に聞いた。そしたら彼は、

「受けるのめんどくさすぎて途中で帰ったw」

と言い放った。

いやいや待てよ。受けに行ったなら最後まで受けろよ。めんどくさいなら最初から受けなければよかったんじゃないか?(そこじゃない)

そんなわけで、この成績から勉強をスタートさせることになった。

指導方針

さて、このような少し通常とは変わったタイプの生徒に、どのようにアプローチしてきたのかを記そうと思う。

性格的特徴

ここまでのやり取りを通じて、彼は自分の興味関心や欲望にかなり忠実な人間だということが明らかだ。

自分の中で頑張ることのできる動機や何か楽しいことがないと行動をすることができない。

一方で、それが見つかりさえすれば、びっくりするくらいの集中力で物事に取り組むことができる。

事実、彼は小学校の時から、今でも競技としてのドッジボールを続けている。これは受験直前期でも欠かさずに練習に参加していた。

実際にドッジボールの映像を見せてもらったことがあるのだが、僕たちがイメージする小学生がやるようなドッジボールとはレベルが違う。相当練習しないとそのレベルまで到達しないということは明らかだった。

そのため、とにかく彼には、受験勉強に関連する色々な動機付けを行うことが大切だった。

学習上の特徴

幸い、高校受験時にはそこそこしっかりと勉強をしてきていたようで、概ね中学校レベルまでの学習は問題がないようであった。

また最初から関西学院大学に行きたいと強く言っていたこともあり、全ての教科を勉強する必要はなかったため、最初から3教科に絞って学習する方針を固めた。英語、国語、日本史の3教科を高校初歩レベルから徹底的に学習してもらう作戦だ。

彼の場合、中学校時代から英文法に苦手意識があり、わからないものを無理やり暗記で誤魔化すという悪い癖があった。暗記はやると決めさえすれば問題なく学習することができることがわかっていたため、どのようにしてわからないものを順番に理解してもらうかが学習の鍵になりそうであった。

成績の推移

さすがに高2の夏〜秋にかけてはとにかく初歩的な学習を徹底的に行った。そのため目に見える形での成績の伸びはなかったと思う。ここは想定の範囲内だ。

高2の冬頃になり、単語、文法の学習が一通り終わり、長文の学習を開始した。

慶早進学塾では、長文の学習の時に、「読み込み」という、一度解いた文章を徹底的に何度も読ませるということをやってもらっている。この「読み込み」の効果は絶大で、最初は文章を読むことが絶望的に遅かったとしても、やればやるほど、読むスピードがはやくなっていく。

これはもちろん彼に対しても当てはまることで、実際に読み込みをやってもらってから、英語の成績が見違えるほど伸びるようになった。

その成績の推移が以下の通りだ。

最初は英語が全くできない状態だったのが、回を追うごとに英語の成績が伸びていることがよくわかるだろう。

極めて順調に成績を伸ばしてくれ、この調子なら第一志望の関西学院大学は余裕だろうと、なんなら僕の母校である慶應を受けてくれないかといつも冗談半分で伝えていた。(そしていつも即答で断られるという。笑)

秋の失速

夏までは順調に成績が伸び続け、この時点でも関関同立に合格できるだろういう状況に到達していた。

しかし事件が秋に起こる。慶早進学塾では河合塾の全統マーク模試と全統記述模試を定期的に受験してもらうことにしているのだが、記述模試で彼は盛大にやらかしてしまう。

まさしく、彼の悪い癖が出た瞬間である。

元々勉強してこなかったのは、勉強に対する動機を本人が見出せなかったからであって、勉強ができないわけではない。

そして、実際に勉強を開始した際に、毎回の指導ややりとりで、何をどのくらい勉強すればいいかを伝えていたため、勉強において方針に迷うことがほとんどなかった。

もちろんそれで順調に伸びていったわけだが、彼は自分が想定していないことが起きたり、また立て続けに自分でコントロールすることのできないことが続くと、急にイライラしたり、無気力になってしまうようだった

その時の模試の失敗は、最初に思うように英文頭に入ってこなくて、それでどんどんどうでもよくなってしまい、最後まで真面目に問題を解かなかったというものだった。

結構ショックを受けていた様子で、これだけ勉強してるのに、大事なところでこうなってしまうなら意味がないんじゃないか。それにそもそも成績が伸びてないんじゃないか。

そのようなことを言ってたように思う。

しかし、問題はそこにはない。

彼の場合は、自分の思う通りにいかないことに対する対応力のまずさに問題があったということだ

ここが最後の課題だと思い、彼に何度も色々な角度から話をしたように思う。

思えば、仕事の合間や仕事終わりに、彼を何度ご飯に誘ったかわからない。(もちろん夜遅い時間の時は親御さんの許可をいただいてから。)

そこでたくさん話をすることで、僕が君のことをきにかけているというのを伝え続けてきたし、またそれを彼が感じ取ってくれて、しっかりと勉強してくれたように思う。

その中で、自分が想定してないことが起きても、その場でベストを尽くしていくこと、自分のやれることをやり尽くしていくこと。これをとにかく伝え、実践してもらった。

こうして、彼は秋のスランプを乗り越え、本番を迎えることとなる。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

ちなみにこの、生徒の問題を見極めて解決することを心理学的合格法と呼んでます。その内容は以下から確認できます!

関学など入試本番

彼は第一志望が関西学院大学だ。心理を第一志望にしていたが、とにかく関学に行きたいという気持ちが強いようで、一般では関学を5個ほど受験することとなった。

その前に前哨戦として、近畿大学の全学部入試を一個。

そしてセンター利用入試で、立命館大学、中京大学などを受験するように指示していた。

僕はセンター利用でうまくいけばもう大丈夫だろうと思っていた。センター利用で立命館まで取ることができれば、あとは実質関学だけになるだろう。

彼の学力なら、関学5個も受けて、全滅は考えにくい。むしろ全勝だってあり得る。だからこそ最初のセンターが大事だと踏んでいた。

そのセンター利用の合格可能性を最大に高めるために、センターだけは、国語は現代文のみでフルに80分時間を使うように指示し、人よりも多く現代文は学習してもらっていた。

また日本史は彼の得意科目のため何も問題なし。ということは、あとは英語で落ち着いてやってくれれば、まあまず問題ないだろうという作戦だ。

結果は、

英語185点、日本史91点、国語(現代文)90点前後(国語の得点忘れました、すいません。)

この得点であれば、センター利用は余裕で合格。ここで勝ちが決まった。

入塾当初は英語15点、偏差値38だか39というところからスタートして、本番でどの科目も9割、そして英語は学校内で352位から4位まで急成長してくれていた。

ここから先は、流れるように進んだと思う。

近畿大学は問題なく合格し、第一志望の関学も5個中3個合格で、第一志望学科の心理にも無事に合格してくれた。

関学に逆転合格の秘訣

色々良かったことはあります。

まず、(少なくとも僕には、)非常に素直だったということ。

勉強面において絶対の信頼があったということで、こちらの指示は躊躇なく再現してくれたように思う。

そしてそれにあわせて膨大な勉強量。

塾には学校後から、閉めるまで常にいたし、そのあとも友達と一緒に勉強していたみたいだ。

勉強法が浸透し、これだけ勉強していて、そして指導時に常に宿題を仕上げた状態で来てくれていれば、まず間違いなく成績が伸びていく。

そして心理学的合格法が最後に効きました。彼の根本の問題を解決することに繋がり、入試本番でも安定して高得点を稼ぐことに繋がったように思う。

というわけで関西学院大学に逆転合格した伊藤くんの合格体験記だった。いかがだっただろうか?

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