東大リスニングの15問は「キムタツリスニング」で突破

東京大学。 どの科目の対策でも苦労するのは必至だ。 その中でもリスニングは、対策の仕方に悩むことだろう。 他の科目・分野と異なり、唯一音声を使う場面である。 参考書も色々な趣のものがあり、決め手に欠けることが多い。 東京大学のリスニング対策に使える参考書はないか。 そう悩んでいる受験生に、とっておきの一冊がある。 それは「灘高キムタツの東大英語リスニング」である。 名前の通り、東大のリスニング問題に特化した一冊で、優秀な参考書として大きな人気を誇っている。 今回は、東大のリスニング問題と「キムタツリスニング」の概要、それを用いた勉強法について説明する。

東大リスニングを知ろう!

いきなり参考書の説明を始めても良いのだが、その前に東大リスニングについて知っておこう。 最難関校のリスニング。 どのような形式でどういう問題が出るのだろうか。

東大英語の概要

東京大学の入学試験では、理系・文系問わず英語の試験がある。 各科目の配点は次の通りだ。

科目(理系) 配点 試験時間
英語 120 120分
数学 120 150分
理科 120 150分
国語 80 100分
科目(文系) 配点 試験時間
英語 120 120分
国語 120 150分
地歴公民 120 150分
数学 80 100分

文系・理系共に440点満点だが、そのうち120点が英語となっている。 理系の場合数学・理科と同じ、文系の場合は国語・地歴公民と同じ配点となっているのは注目すべきポイントである。 それだけ英語能力を重視していると解釈できよう。

リスニングの概要

上の表の通り、東大英語は120分で行われ、120点満点である。 5つの大問で構成され、各大問は次の通りである。

  1. 英文の要約および段落整序など
  2. 英作文
  3. リスニング
  4. 乱文整序および和訳
  5. 長文読解

どの分野からもバランス良く出題されており、弱点があるとそれがすぐに得点に影響されてしまう。 大学側は各大問の配点や採点基準について一切公表していないが、再現答案と得点開示の関係から、リスニングの配点は30点であると言われている。 他大学の入試問題と比較すると、リスニングの配点が高めになっていると言える。 リスニングの問題形式については次の章で詳しく説明しよう。

東大リスニングの問題形式

1章では英語そのものの概要について説明した。 次は、リスニング問題の詳細な構成・問題形式について述べる。

問題数は15問、択一式

東大リスニングは、3つの中問からなる。 たとえば2015年入試の場合、次のような問題構成であった。 (A):あるラジオ番組 (B):(A)の内容についての会話文 (C):ある講義(A、Bとは無関係) 3つの中問のうち2つは上のように関連していることが多い。 各々の中問は5つの小問で構成され、合計15問、ほとんど択一式(たまに1、2問ディクテーションなどの他の問題形式もある)。 問題文が放送され、問題冊子に載っている問題に回答するという形式だ。 2015年入試より、リスニングではマークシート方式が採用されている。 なお、文章は各々2回ずつ放送される。 配点が30点(推定)ということは、各2点だと思って良い。 センター試験のリスニング問題や他大学のものと比較すると、リスニングの文章一つ一つが結構長い。 読み上げはさほど早くなく、合間に適度な間が置かれてはいるものの、音声の放送時間はのべ30分程度にもなる。 長い時間英語を聞き続ける集中力・忍耐力が必要だ。

2.2 具体的な問題

試験の形式についての理解は深まっただろうか。 次は、具体的にどういう問題が出題されるのかを見よう。 同じく2015年入試の問題を例にとる。 (A)ラジオ番組についての設問は以下の通りであった。

(A) これから放送するのは、あるラジオ番組の一部である。これを聞き、(6)〜(10)の問いに対して、それぞれ正しい答えを一つ選び、マークシートの(6)~(10)にその記号をマークせよ。 (6) What will be the most important feature of the new telescope? a) It will be able to magnify up to 800 times. b) It will strengthen international cooperation and goodwill. c) It will collect more light than all existing telescopes combined. d) It will collect and sharpen images distorted by the earth’s atmosphere. (7) Which claim is not made by speaker? (選択肢省略、以下同じ) (8)The telescope’s main mirror is made up of reflective plates which are: (9) The speaker refers to several advantages of the location of the new telescope. Which of the following is not mentioned? (10) Which of the following is not mentioned as a positive outcome of the project?東大2015年英語入試問題より

問題そのものは決して奇異なものではなく、文章の内容一致問題が主たるものである。 問題文自体も英語になっているが、決して難解なものではないのでそこの心配は無用だ。

何が難しいか

上で述べた通り、問題文自体はさして難しくないし、実は放送される英文も高度なものではない。 小難しい構文が使われているというわけではなく、原稿に書き起こしてみると結構明快な文なのだ。 では、 東大リスニングの何が難しいのか。 最大のポイントは、「長時間ずっと英文が流れ続ける」ということだ。 東大のリスニング音声はのべ30分程度になると述べた。 英文以外の諸々のアナウンスを除くと、1つの英文は3~4分であることがわかる。 この3~4分という時間、皆さんはどう感じるだろうか。 CDに入っている音楽もだいたいこの程度の時間スケールである。 だが、音楽をイメージしている人は注意した方が良い。 リスニング音声は音楽と違い、入ってくる内容を集中して聞き取り、理解しなければならないのだ。 そう考えると、3~4分というのは相当にきつい長さである。 1つ1つの英文は決して難しくないが、それに長時間耐えるのは別の意味で難しい。 難解なものを解き明かす、という感じではなく処理能力を問われているのだ。 いかにも東大らしい出題といえよう。

東大リスニング対策の決定版「キムタツリスニング」

コンスタントに英語を聞き取り、理解する処理能力。

それを鍛えるには、通常の教材ではやや物足りない。

程よく難しく、かつ長い音声というのが案外少ないのだ。

だが心配は無用。

東大リスニング対策に最適な一冊「キムタツリスニング」をあなたに紹介しよう。

キムタツリスニングシリーズの概要

「灘高キムタツの東大英語リスニング」は、その名の通り東大リスニング対策を想定した一冊である。 灘高校の英語教師、木村達哉が作った参考書だ。 英語教材に強いアルクから出版されていることからも、質の高さが伺える。 本シリーズは何度に応じて、上の無印のほかに「BASIC」「SUPER」があり、必要に応じて選択可能。 付属のCDに音声が収録されており、問題と解説が本になっている。 タイトルに東大とあるが、これはあくまで問題形式などの面で東大を意識しているということであり、他大学の受験生が使っても大いに価値がある。 難易度に応じて3段階あると述べたが、おおまかな目安を掲げておく。

  • BASIC:リスニングが難しめの大学・学部(例:関西外語大)
  • 無印:東大リスニングの標準レベル
  • SUPER:東大リスニングの難しめの問題

リスニングが行われる大学入試のうち、そこそこ難易度の高い学校(外語大や文・法学部など)を受験する人は、通常のリスニング問題集では物足りなく感じるに違いない。 そこそこ手応えのある演習をするためにも、キムタツリスニングのBASICを使うべきである。 東大受験を予定しているのであれば、無印レベルまでの演習は必須といる。 無印を一通り解ければ、本試験でも7割程度は獲得できよう。 もっとしっかり学び、リスニングを得点源にしたい場合はSUPERに挑戦するのがよい。 リスニングは配点がそこそこ高いので、慶早ではSUPERまでやりきってしまうことを推奨している。

キムタツリスニングの特徴

この本の名前を聞いたことのある人も大いに違いない。 どういった点が優れているのかを見ていこう。

東大リスニングに特化している

本書の最大の長所は、なんといっても難関校のリスニング問題に特化していることである。 主に東京大学の受験生を助けることを目的に、本書は作られた。 実際、著者の木村達哉も次のように述べている。

東大受験生がずっとほしがっていた本、私が作りました! 東京大学の学生たちに、受験生時代の英語の勉強についてヒアリングを行ったところ、リスニング問題に特化した問題数が1冊もなく、過去の問題を解くしかないという話を伺いました。(中略)その声に応える形で誕生したのが本書です。「キムタツリスニング」のまえがきより

この問題集を解けば対策はバッチリ、という安心感が魅力で、発売されて以降大変な人気を誇っている。

Strategyの解説がついている!

これが、形式の面でキムタツリスニングの最大の特徴だ。

本書は次のような構成になっている。

  • Strategy: 東大英語を攻略する16のStrategy
  • Exercise: Strategyを実践する3つの練習問題
  • Trial Tests: 本番形式の問題で鍛える10本の模擬テスト

いきなり問題編が始まっているのではなく、最初に東大リスニングを攻略するための「Strategy」を述べているのだ。

どういう学習をすればよいか、どういう心構えで試験に臨めば良いか。

受験生が欲しがるそういった情報を、遠慮なく書いてくれている。

ここで全ては語らないが、たとえば次のようなものだ。

  1. 聞き取れない理由を追求しよう!
  2. 自分で発音できない音は聞き取れない!

そこまで多いページ数を割いているわけではないが、受験生にとって値千金であるのは間違いない。

丁寧で有益な解説

キムタツリスニングのもう一つの魅力は、解説が丁寧かつ有益であることだ。

放送される英文のスクリプトと全訳、それに問題の解説が詳しく載っている。

だが、それ自体はどの問題集も備えていて当然である。

キムタツリスニングの優れているのは、問題そのものの解説のみならず問題の「解き方」についてアドバイスを欠いていない、という点だ。

たとえばある問題の解説は次のようになっている。

話題がハヤブサなので、前の問題に引き続きロンの話に注目する。すると設問と同じセンテンスが現われる。One usual fact …の部分がそのまま流れるのでbuildを聞き取ろう。(b)放送分を聞くと、ロンが鳥類保護センターの所長であることが冒頭でわかる。放送分のAt our center, we have …が設問ではAt the center, they have …になっていることに注意しよう。

Trial  Test 5の解説より

単に「○○が××と言っているのでこれが正解。」という解説にとどまっていないのがポイント。

私たちが問題を解くときに、どういう箇所を注意して聞くべきなのか、この解説を読んでいくうちに理解できるのだ。

単に解説が詳しい問題集はいくらでもある。

問題そのものの解説以外に、問題の「解き方」を手厚くサポートしてくれる点が、キムタツリスニングの売りだ。

キムタツリスニングを用いた勉強法

本書を用いた勉強法について説明する。

まず最初に迷うのが、「BASICってやった方がいいの?」という点。

これについては著者自身が次のように述べている。

先に『東大英語リスニング』を買ってしまいましょう。そして(「センター英語リスニング合格の法則」の)実践編が終わった後に一旦『東大英語リスニング』を始めてみてください。 それでそのまま続けられそうならBASICは不要です。買う必要はありません。—高校生からの相談に対して。

木村達哉(著者)のブログより

上でも述べたが、本書はStrategy、Exercise、Trial Testsの三章に分かれている。

まずStrategyは、本書を入手したらさっさと読み通してしまおう。

長い章ではなく読み物形式であるため、時間はさしてかからない。 はじめにこれを読んでおくだけで、リスニングの心構えがつかめるので便利だ。 リスニングの得意・不得意に関わらず、問題演習はExerciseから始めるのが良い。 定期試験や模擬試験でのリスニングが得意でも、東大のように音声が長くなると耐えきれなくなったり、問題形式に対応できなかったりとリスクが高い。 Exerciseはそこまで難しくない題材で、本番と同じ形式の演習ができる。 誰がやっても良い練習になるので、必ず解くようにしよう。 Exerciseを一通り解き終わったら、正解率の確認をする。 半分以下しか解けていないとしたら、このままTrial Testsに進むのは危険だ。 もう一度Exerciseを解くか、無印は後回しにしてBASICをやるなどした方が堅実である。 リスニングの勉強法が分からなければ、次の記事を参考にするのもよい。6,7割以上解けていたら、先へ進んでよい。 Trial Testsは、Exerciseよりも高難度の問題で構成されている。 そのまま東大のリスニングで出題されてもおかしくない質だ。 問題を解くときは、何度も音声を聴き直すなどせず、本番同様の条件で解くことが望ましい。 何度でもやり直せると思っていると、集中力が低下してしまうためである。 リスニングでは、常に「この一発で全部理解してやる!」という心構えが大切。 2回放送される場合でも、最初の1回で理解しようという意気がないとダメだ。 問題を解き終わったら、もちろんマルつけと復習をする。 たとえ正解できた問題であっても、解説を読むようにしよう。 通常であれば解けた問題の解説をわざわざ読む必要はないのだが、キムタツリスニングに関しては価値ある解説が多いので可能な限り多くのことを吸収してほしい。

「問題演習用」以外の価値

キムタツリスニングに載っている問題は、Exerciseも含めて15回弱。 長文の問題集等と比較すると数の面ではさほど多くない。 したがって、ただ問題を解いてオシマイ、だと短い期間で使い終えてしまう。 しかし、本書はそんな簡単に処分して良いほどスカスカな問題集ではない。 問題を解き終わったとしても、音声を暇な時間に聞けばそれだけでリスニングの学習になる。 様々な分野のテーマを集めているため内容のバランスも良い。 電車の中やその他空き時間で構わない。 聞いた内容をメモする練習も悪くない。 たった十数回しかないが、音声を合計するとかなりの長さになる。 せっかくここまで豊富な教材があるのだから、最後の最後まで活用してみよう。 音声を受動的に「聞く」のではなく、自ら「話す」のも効果的だ。 これはStrategyの章でも言及されている、見落としがちなポイント。 慶早なりの音読の方法を次の記事で詳説しているので、そちらも参照のこと。 リスニングと音読は表裏一体なのだ。

キムタツシリーズの他の参考書

キムタツリスニングの優秀さを、きっと理解してくれたに違いない。 だが、実はキムタツシリーズはリスニング教材のみではないのだ。 最後に、キムタツライティング・リーディングを紹介しておこう。

キムタツライティング&グラマー

キムタツシリーズは今や色々な種類があり、その一つが「灘高キムタツの東大英語ライティング&グラマー」だ。 東大の問題のうち、英作文と文法に的を絞っているのが特徴。

英作文の参考書でよくあるのが、「解答例が一つしかない」ということ。

これが正解だ、と見せつけられても、「私の答案はどれくらい点を取れるの?」という疑問には答えていない。

こうした問題を回避すべき、本書では各々の英作文に4つの解答例が与えられている。

面白いのは、どれも完璧な正解ではなく誤った答案の例が含まれているという点だ。

受験生が犯しがちなミスを再現することで、「ただの正解」ではなく「納得できる正解」になっている。

英文法も、正解を示すだけでなく問題の解き方を余さず解説してくれている。

キムタツリーディング

「灘高キムタツの東大英語リーディング」。

リスニング、ライティングときて今度は長文読解verである。

こちらも東大の出題形式に対応した参考書で、過去問を解く以上に実りある演習が可能となっている。

リーディングについては東大のみならず国立大学ver等もあるので、自分に合ったものを手に取ってみるとよい。

まとめ

東大のリスニング問題は、小難しい英語が出てくるわけではないが、長時間英語を処理し続ける能力が要求される。 センター試験をはじめとした他のリスニング問題とは少々毛色の異なる問題で、相応の対策が欠かせない。 それをうまくカバーしているのが、「灘高キムタツの東大英語リスニング」なのだ。 Strategyを読めば心構えがわかる。 Exerciseで肩慣らしをし、Trial Testsで実践演習。 本書があれば、難関大のリスニングを突破するだけの力が得られる。 自分の実力にあわせ、BASIC・無印・SUPERの中から適切なものを選び、それに取り組んでみよう。 そうすれば、リスニング力を鍛える道筋が必ず見えてくる。

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