【合格体験記】1年発起して念願の国公立大学薬学部合格!
2021年06月04日 | 合格体験記
今回紹介する生徒は大垣校の一時代を築き上げた立役者の一人。
この生徒はずっと東大にこだわっていたが、最後の最後で自分が結局何をしたかったのかを考えた末に最善の選択をすることができ、なんとか合格をつかみとることができた。
自分は結局大学受験で何を達成したいのかをこの記事を読んで改めて考えてもらえれば幸いだ。
出会い
彼との出会いはTwitterだ。
大垣校にはよくDMで勉強相談が来ていて、彼からもDMが来たのだ。
そこで彼と一回会おうということになって、校舎に来てもらったのが始まりだ。
そして、彼と初めて会った時に話したことを今でも覚えている。
塾長:「志望校はどこなの?」
生徒:「東大です。」
塾長:「おぉー東大志望なのね。うちからも過去に合格者何人かでてるからどうやって勉強してけば受かるかのビジョンは見えてるよ。で、東大のどこかは決めてる?」
生徒:「理科二類です。」
塾長:「おぉー、理科二類はワンチャンあるな。東大の理系の中では一番簡単だからね。なんで東大いきたいの?」
生徒:「東大王とかみてて、あれに出てる人たちみたいな優秀な人たちと一緒に勉強したり研究をしたいなと思ったからです。それに東大は研究力もすごいですからね。」
塾長:「なるほど。ほんと東大入ったら人生変わると思うよ。」
こんな会話をした。
東大に行きたいと聞いたときは衝撃が走った。
彼に出会ったときの模試の成績や、彼の高校から東大は過去に一人もでたことないこともそうだし、大垣から東大を目指す人がいるというのが当時衝撃的だったからだ。
体験当初、彼は自分の学校のレベルに合わせてては東大に受かることができないと考えてか、別のかなりハイレベルな参考書をやっていた。
ただ、彼からかなり初歩的な質問がたくさんきてたので、これは参考書のレベルを変えようとなって基礎問などの基本からの勉強を勧めた。
実際、やる参考書を変えてからは勉強がスムーズに進み、勉強のペースも非常に速かった。
現役時の失敗
入塾し、彼は毎日塾に来て勉強をしてくれていた。
おかげで、東大はE判定だったものの、学校では成績は常にトップクラスだった。
そして、成績をメキメキとあげて一時期はマーク模試で偏差値69をたたきだした。
受験生の始まりは順調に成績を伸ばしたかに見えたが、夏頃から本格的に始まった東大模試を受け始めてから成績が落ちた。
東大模試で偏差値40台をとっており、その上、物理は1点、数学は10点台と散々な結果だった。
にもかかわらず、東大模試の復習を躍起になってやるようになり本来やるべき参考書への取り組みがないがしろになって成績が落ちたのだ。
ここで東大ばかりをみるあまり、本来の自分の学力に合った勉強に取り組めなくなっていたので、塾長が呼び出して1対1で話したのが今でも印象的だ。
塾長:「最近成績が上がらないのが気になる。上ばかりをみててしっかりと地に足ついた勉強ができてないんじゃないか。」
生徒:「やっぱそうですかね。あんま勉強できてる感じが自分でもしないです。」
塾長:「結局おまえは薬学部に行って研究したいんだよな?」
生徒:「そうです。」
塾長:「それなら、なんで東大なの?国公立薬学部は他にもあるよね?」
生徒:「東大は他と違って研究力があるので。」
塾長:「研究力があるから東大行きたいのか。他の大学は研究力はないの?
生徒:「東大に比べるとないですよ。」
塾長:「なるほどな。やっぱ東大じゃなきゃ学べないことがおまえの中ではあるんだろうね。」
そして後日彼と直接お話をした。
自分:「この前塾長と話してたけど結局どうなの?」
生徒:「東大を受けようと思います。」
自分:「今まで東大に向けてがんばってきたもんな。」
生徒:「はい。学校の面談でも浪人覚悟してるなら受けてもいいんじゃないのと言われました。たとえ可能性が0でも自分のやりたいようにやって失敗するぶんにはいいので。自分の人生に後悔したくないですし。」
自分:「おまえがそこまでの覚悟を示すならこっちはもう何も言わないよ。おまえのことを応援することしかできないから。」
生徒:「ありがとうございます。」
自分:「ただ、明らかに東大模試の復習は時間だけかかりすぎて非効率すぎるから毎週指導で出してる宿題を必ず仕上げよう。絶対そっちの方が応用効くし力になるから。」
こんな会話をして心機一転がんばる決意を彼は改めてした。
そして、それ以降は彼は東大模試の問題の解き直しを一旦やめて塾の課題をしっかりやるようになった。
それ以降は、彼には土台の参考書の復習をやってもらいつつ、足切りに確実にならないように、マーク演習を徹底的にやらせた。
それによってマーク演習の点数がメキメキと上がってきた。
センター試験では5教科7科目で80%近く得点できた。
特に特筆すべき点が国語だ。
なんと本番の国語で170点を理系にもかかわらず叩き出した。
センター試験の点数が全体的に普段のマーク演習の点数よりも高く出たので本人は大喜びしていた。
そして、後日受験校のプランニングで話をした。
彼はセンター試験の点数が思ったより取れたので他の可能性のある大学の話も一応した。
自分:「センター試験まじでよかったね。」
生徒:「ですね。国語170点はマジでやりました。」
自分:「だね。受験校は東大でいくんだよね?」
生徒:「やっぱり東大ですね。」
自分:「ただ、こちらで試しにセンターリサーチをやったんだけど、合格圏の大学かなりあるぞ。」
生徒:「そうなんですか?」
自分:「うん。広島はA判定、神戸大学はB判定で名大はC判定でてるぞ。」
生徒:「あー、でも、薬学部じゃないとな・・・」
自分:「富山とか徳島がC判定だったね。」
生徒:「やっぱ東大かな。神戸とか名大行ってもやりたいことないんだよな。」
自分:「一応東大以外にもあるよってことを確認しただけだから。ところで、私立大学は一つも受けない?私立は行かないって言ってたよね?」
生徒:「立命館の薬学部受けます。言った通り私立なんで受かっても進学できないので、あくまで練習です。」
こういう会話をして、出願の時期がきて、彼は予告通り東大を出願した。
入試では、立命館大学を言ってた通り受けた。立命館大学は練習感覚で受けると言っていて、過去問演習もあまりやってなかったので、心配はしていたが、塾の宿題を後半は確実にこなしてたのでそれが効いたのか基礎学力もあって無事合格してくれた。
そして問題の東大だが、過去問演習をセンター試験が終わった後にはじめてやりだしたということと、高度な学力がまだなかったので、過去問演習がうまくできなかった。
講師と話し合って、時間的に満遍なくやるのは不可能なので、よく出る分野、たとえば数学なら整数と微積と複素数平面に絞ってやってくなど工夫をした。
そして、彼は東大を受験した。
彼は後日不合格通知を受け取り、得点開示が返却された。
それによると東大の合格最低点まであと120点だったらしい(東大数学満点だったら受かったのかなといったところ。かなり厳しい成績)。
彼はこうして浪人することとなった。
浪人して大手予備校などに行くと思っていたが、なんと彼はうちに残ってくれたのだ。
そして、もう一年慶早進学塾で勉強することとなった。
浪人生活と二度目の受験
3月に一回合否の報告がきて、またお世話になると聞いたが、彼はしばらく塾にこなかった。
というのも、彼は運転免許を取りにいっていたのだ。
また、ご存知の通り新型コロナウィルスが猛威を振るっていたのもあって、免許をとるタイミングにも遅れが生じ、彼が塾に復帰したのは、緊急事態宣言も解除されて平穏を取り戻した夏のはじめだった。
そして、ブランクもあったので、基礎からの勉強をはじめは徹底した。
新型コロナウィルスの影響もあって、会場での模試が受験できなかったのもあって浪人の前半の成績は未知数だった。
ただ、ブランクがあったので基礎の徹底反復をさせたところ理数科目でセンター試験の過去問を解かせると8割から9割はとれていたので基礎力は確立されていたように思う。
そして、現役とは打って変わって、基礎の確認ができたあとはより発展的な問題に取り組む余裕があった。
ただ、入試までに終わらせるべき参考書が間に合わないという不安からか、やたらと難しめの問題をやりたがるので、学力に合ったちょうどよい問題集の反復を徹底させた。
これがしっかりと定着してくれたのか、秋に受験した北大プレではA判定を取れるようになっていた。
そして、去年のセンターと打って変わって、共通テストという新テストになったので、直前期には各予備校の予想問題集で演習を徹底した。
ただ、試験本番では、問題がセンター試験の時より難化したのがあったのと、一年前に本人に言った通り、演習は重ねたものの去年ほどの点数は取れなかった。
はじめ本人は東大がダメなら北大で考えていたが、北大は一次の割合が高く、彼の成績が70%ちょっとで、出願しても厳しそうだったので二次の割合が高い大学を一緒に探した。
生徒:「共通テストやらかしました。」
自分:「やっぱセンターと共通テストは違うよね。」
生徒:「いや、普段のマーク演習でも8割くらいだったのでいけると思ってました。」
自分:「結局、今回の出願どうする?」
生徒:「今年は私立は練習で自治医大を受けようと思います。それで、前期はとんぺい(東北の愛称)で中期で静岡県立です。」
自分:「なるほど。東北は問題は標準的だしいいかもね。静岡県立はどう?」
生徒:「とんぺいは二次の比率高いので賭けてみます。静岡県立は1:1で二次は化学の比率高いのでいける気がします。」
自分:「いいんじゃないかな。問題の相性も良さそうだしね。」
生徒:「もう一年浪人覚悟で突っ込みたい気持ちもありますけど、去年失敗したので今年は手堅くいきたいと思います。」
こういう話をした。
そして、この年は国公立の前の練習ということで自治医科大学を受験した。
薬学部を目指して、なぜ自治医大かと疑問に思う人もいるだろう。これに関しては以前こんな会話をした。
生徒:「今年も私立を練習で受けようと思ってます。ただ、今年は立命館は受けません。」
自分:「どこを候補に考えてるの?」
生徒:「東京理科大の薬学部です。ただ、学費の関係で、受かったところで行けないんですよね。」
自分:「私大薬学部の学費は基本高いからね。」
生徒:「そうなんです。だから東京理科大学はやっぱやめて自治医大を考えました。」
自分:「医学部?薬学部じゃなくない?」
生徒:「そうですけど自分のやりたいこととそこまでずれてないのでいいかなって。あと、自治医大なら私立だけど、卒業後に僻地で働けばタダになるので受かっても行けます。」
自分:「そういうことか。面接あるから心配だけどいいんじゃないの。」
こんな会話をし、自治医大の受験に至った。
彼の中では一次の筆記試験の手応えは正直微妙だった。
だが、後日彼から一次試験突破の報告を聞いた。
これは講師たちも予想もしないことでみんなで次の面接の準備をしようとなった。
そこで、彼には清潔感が正直言って全くなかったので、髪を切ったり髭を剃ったりと身だしなみを整えることを徹底させた。
また、講師のなかに就活をしている人がいて、太ってる人を大企業で見たことがないとか、面接で印象が悪いという話になって彼を1週間で痩せさせることができないかと考えたりもした。
だが、現実的に1週間で浪人生活で激太りした彼を痩せさせることは難しいので頭髪などの身だしなみを整えさせた。
(受験生(特に浪人生)は食べることが楽しみとなって太りやすい傾向にあるので、普段から意識して節制しましょう!)
そして、彼は岐阜県庁で面接を受けた。だが、結果は残念ながら不合格だった。彼に落ち込んでいる様子はなく、気持ちは国公立にすぐに切り替わっていた。
そして、東北大への対策に全力を注いだ。
東北大の問題との相性がよかったのか手応えを感じつつあり、彼と演習をしながら話をした。
自分:「東北の問題はどう?東大と違うでしょ」
生徒:「全然違いますよ。とんぺいの問題は時々むずい問題ありますが、解きやすいですね。」
自分:「どう?受かりそうなビジョンはある?」
生徒:「そうっすね。二次で逆転できますからね。7割取れれば勝ち確ですけど、あと1割から2割ってとこでしょうか。年によっては相性のいい問題でていけそうな感じです。2回受ければ1回は受かるイメージが自分の中ではあります。」
こんな感じで、去年の二次の前と比べると不安ははるかに少ない印象だった。
もちろん不安もあったが、彼なりに自信を深めつつ仙台へと向かった。
そして、後日塾に朝から来て勉強を黙々とやっていた。
周りのほとんどの人は受験がすでに終わっているのに、その中で一人で淡々と静岡県立に向けて勉強をしていた。
東北大の出来を聞いたところ、数学が普段は3完プラスアルファ、もしくは良いときは4完できてたが、本番は2完プラスアルファと言ったところで合格は厳しいと言っていた。
そこで、次しかない静岡県立に切り替えてやっていた。
静岡県立のほうは得意の化学の配点も高いこともあってか、コンスタントに合格者平均点を超えていた。
それが本人の自身にもなっていて、受かる以外考えられないといった状態になっていた。
そして、後日静岡へ行って受験をし、無事合格を果たしてくれた。
これで彼の長い受験生活は終わったのだった。
指導
現役時は東大に異常な執着心があった彼だが、どのように指導していったのかを見てもらえたらと思う。
人格面
勉強に対する姿勢は真面目で、しっかりとこちらのやり方やアドバイスを受け入れて再現してくれた。
ただ、不規則な生活リズムを送ることが頻繁にあり、夜更かししたせいで塾の自習室で居眠りをして勉強が進まないことがあった。
これに関しては、講師と一緒に話し合って、帰宅してからの無駄な時間をリストアップしてそれをなくしてくなど計画して乗除に改善に向かった。
学習面
勉強量がとにかく多い。
これはどの生徒よりも多かった。
ただ、量をこなしてなんとかしようとする面があった。
なので、特にはじめのうちは型で覚えようとしてたり、理解するところを暗記で誤魔化そうとする面も見られた。
これに関しては、講師と一緒に教科書レベルの内容や授業の重要性を説いて難しいことを背伸びしてやろうとせずに基本に忠実に勉強するようにさせたり、しっかりと理解してるかの確認をするためにあえて説明をさせたりした。
成績の推移
塾に来た当初の成績はブレがあったが、進研模試で偏差値52~55くらいをとっていた。
そこから勉強をして、偏差値60前後まで上がり、マーク模試に関しては全科目トータルでなんと偏差値69をとったこともあった。
ただ、東大模試を受けて東大を過剰に意識するようになって方向性の違う勉強をしてたときは一時期偏差値が60切ったこともあった。
ただ、後半で立て直してセンター試験本番で80%近くとることができた。
そして、浪人時はコロナ禍の影響があったのと、本人が自宅受験をしたがらないこともあって満足に模試を受験することができなかった。
唯一会場試験として受験できた北大プレに関してはA判定をとるまでに成績を伸ばした。
受験を終えて
受験を終えてしばらくして東北大学の合否がでた。
予想通り不合格であった。
得点開示をしたところ、合格最低点まであと20点~40点だった。
数学あと1完もしくは英作文を書ききれてればといいったところだろうか。
落ちたものの、この一年でまた一段と実力をつけることができてたのはたしかだ。
そして、静岡県立の合否もしばらくしてでた。
静岡県立は合格だった。
そして、後日彼が塾に来てくれてた。
自分:「合格おめでとう!やっと受験終われるね。」
生徒:「そうですね。静岡県立は受験終わったときに受かったって思いましたので全落ちはないと思いますがよかったです。」
自分:「受かってよかったよ。やっぱ誰よりも勉強してきただけあるね。」
生徒:「受かってうれしいけど、理系で大学は大変だと思うのでこれからですね。大学院は東大行こうと思います。」
自分:「そうだね。大学院で東大行くという選択肢もあるよね。」
こんな話をしていた。
大学受験で東大をはじめは目指していたが、この浪人生活の一年で価値観が変化したのか、今では進学してからのことを彼は見据えていた。
やはり、結局将来自分はどうしたいのか、大学に行く目的は何か、どういう研究をやりたいのかなどを本人に考えさせて、講師たちとかなり話しあったことが大きいと感じる。
彼からも、時折連絡がくる。
大学に入って、周りがかわいい女子ばっかで目の保養になってるとか、滝高校とか筑波大付属などのやんごとなき名門校の出身者が多く、頭のいい人ばっかでついてくのが大変と言っていたが満足しているようだ。
彼のようにはじめは自分の学力とはるかにかけ離れた大学を目指し、そこ以外に価値を感じられないという人もいるだろう。
だが、彼は一度大学受験で失敗をしたことで内省をし、自分は何を大切にしてるのか、将来どうなりたいのかなどをこの一年彼なりに考えていた。
大学受験という十代の一大イベントを通して、あなたも彼みたく人間的にたくましくなることを願う。
いかがでしたか?
学力的な成長ももちろんですが、現実を蔑ろにしていた彼が少しずつ現実を見た上で行動を起こせるようになったからこその合格ですね。
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