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【徹底解説】実戦物理重要問題集(数研出版)のレベルと効果的な使い方

2022年06月02日 | 未分類

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あなたは物理を受験科目として使い、難関大合格を考えている人だろうか?

もしそうであるならば、共通テストレベルを突破し、難関大用の教材で何を使うか迷うところだ。

今回は数研出版の出している「重要問題集」、通称「重問」の説明をしよう。

物理の教材で最も有名な参考書の一つであるが、重問をどのように使えば成績が伸びていくのかを丁寧に解説した。

この記事を余すことなく確認していただき、今後の学習に役立ててほしい。

物理重要問題集の基本情報

まずは重要問題集の基本情報について確認しておこう。

  • ジャンル…物理の問題集
  • 目的…物理の、入試の基礎レベルから応用レベルまでの力をつける
  • 対象者…理系国公立大、もしくは理系難関私大志望の受験生
  • 使用時期…マーク演習で8割程度がコンスタントにとれるようになってから
  • 問題数…156問
  • おすすめ度…★★★★☆

初学者が手を出す参考書ではなく、共通テストレベルに大きな問題がなくなり、2次・私大レベルの学習をおこなっていきたい人がやるべき教材となっている。

自分がこの教材を使っても問題ないかどうかを確認してから使用するようにしてほしい。

物理重要問題集の特徴

次に本書の特徴を見ていこう。

最新・良問にフォーカス

重要問題集は、他の理科の教科や数学でも出版されている。

非常に有名な参考書シリーズで、かなり人気が高い。

人気の理由は、2つある。

まず1点目は、最新の問題を演習できるという点だ。

この参考書は毎年更新され、その際に最新の過去問や傾向を踏まえた形で問題が編集されている。そのため入試の最新情報を得ることができ、とても安心感がある。

そして単純に新しい問題のみを拾っているだけではなく、それらを加味した上で、過去10年~15年間の問題の中から特に質の高い良問だけをチョイスして掲載している。

この1冊で最新の傾向までを網羅した、質の高い演習を広く実践できることが、人気の2つ目の要因だ。

難関国公立まで対応

本書の編成形式を説明しよう。

問題はそれぞれ単元ごとに分けて掲載してあり、その最初のページには、単元ごとに必要な重要事項や公式などが一覧にしてまとめてある。

ただし、本書はある程度基礎を勉強し終えた人向けの教材なので、このまとめについては細かすぎず本当に重要な部分だけをかいつまんだ形だ。

よって、なぜこの公式が成り立つのか?といったような、本質的な詳しい部分までは載っていない。

まとめの部分は、あくまで整理して覚えられているかどうかの参考程度に見るようにして欲しい。

問題には、難易度別にA問題とB問題の記号が振ってある。

A問題については、入試の基礎から標準レベルまでの問題だ。A問題だけで大抵の国公立や旧帝大の中堅レベルの大学まで、そして理系難関私大レベルまで対応ができる。

ここにB問題までを含めると、国公立や早慶など難関大レベルまで到達する。

このように、この1冊で非常にハイレベルの大学までしっかりと実力を持っていくことができる。

さらにこの本には、公式やそれぞれの単元の重要事項をまとめた小冊子が付いているので、それを見れば各単元の重要ポイントが確認できる。この小冊子は数ページレベルのものだが、かなり質が高いので、いろいろな面で活用が出来るだろう。

解説の詳しさは標準

本書の解説レイアウトは赤黒の2色刷りで、非常に見やすい構成だ。

そして解説の内容は、単純な途中計算だけではなく図やグラフなどの視覚的情報もふんだんに使われ、直感的にわかりやすいように工夫されている。

ただし、あくまでそれなりに基礎が出来上がっている人向けの問題集なので、途中計算などを適宜省いている箇所もある。

それでつまずく場合もあり、詳しい解説を好む一部の人にはフィットしない面もあるかもしれない。ただし解説の詳しさのレベルとしては、この段階の問題集としては十分備えている方である。

レイアウトの見やすさもあるので、ほとんどの人にはこれで十分事足りるのではないだろうか。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

類書の名門の森と比較すると、やや解説は簡素です。もしこれでは足りないと感じるのであれば、別の教材を使うようにしましょう。

中身

「重問」の1ページを紹介しよう。実際の中身はこのようになっている。

物理重要問題集の使い方

次に本書の使い方を見ていこう。

内容を整理してインプット

前項でもお伝えしたが、この参考書はそれぞれの単元の冒頭部分に公式や重要項目が一覧としてまとめてある。

まずはここで、これまでの学習の中で学んだ重要事項のインプットが抜けていないかどうか、チェックして欲しい。

ここには本当に必要な情報だけしか載っていないので、かえってチェックには使いやすいだろう。

その単元で必要な情報など、基礎の部分で覚えたことを頭の中で確認し、再整理してインプットする作業にこの数ページを使おう。

物理や数学は、この問題が出たらこの公式を使うという事を含め、公式や要点が頭の中できちんと整理されていると、計算に移るまでの解き方のアイデア出しが迅速にでき、実戦でも有利になる。

とにかく情報を整理して覚えることを心がけ、抜けている箇所が無いようにしよう。

問題を自力で解く

この教材に入る段階という事は、基礎レベルの問題まではきちんと仕上げている人だと思う。

次はとにかく、自力で問題を解くフェーズだ。

このフェーズにおいて最も悪いやり方は、問題を見た瞬間に難しそう、労力を使うなどと判断し、すぐに答えを見てしまうことだ。

そしてその答えをそのまま暗記するという勉強法だが、これは絶対にやってはならない。

入試とは、初見の問題に対して自力でプロセスを積み上げて解くものだ。

どの入試もこのプロセスの積み上げ力を測る作りになっているので、答えを丸暗記したところで、本番では全く得点には繋がらないだろう。

ではプロセスの積み上げ力はどのように鍛えたらよいかだが、とにかく自力で問題を解くことが一番の対策になる。

時間も労力もかかるので、無駄な時間と思う人もいるかもしれないが、実はこの作業でしかアウトプット力は鍛えられない。

無駄ではなく、むしろしっかり取り組んで欲しい作業だ。心がけとして、1問につき最低10分程度は自分の力で考える時間を作ろう。

解説を読んで理解する

問題を自力で解き終えたらその後は解説を読む段階だが、この時に最後の答えだけを確認するのではなく、途中の考え方やプロセスが合っているかどうかを検証する形で解答を見て欲しい

数学や物理といったアウトプット系の科目は、答えそのものではなく解くまでの過程が非常に大切になってくる。そもそもの考え方があっているのか、ここでしっかりチェックしておこう。

またこの問題集は、解説部分に解答以外のプラスアルファになる情報が詰まっている。

1問解くだけでもその部分でたくさんの知識を得られるので、しっかりと付随的な情報も読み込んで理解し、吸収して欲しい。

効率的で賢い勉強法ができるので、ぜひ積極的に取り組んで欲しい。

反復演習

解き終えた問題は、一度で終わりにせず必ず繰り返し解いてみよう。

何度も手を使って解きなおす事が重要だ。

一度解いただけで解き方を再現することができる人は、相当高レベルな一部の人のみである。

大多数の人は頭の中で想起まではできるとしても、実際に手を使って解いてみると、途中計算がわからなくなったり間違えたりするケースがよくある。

必ず何度も反復して解き、定着させるようにしよう。

この反復によって、同じような類の問題が出たときに「これが出たらこの公式を使えばよい」ということが瞬時にわかるようになり、スピード感も上がってくる。

それが入試では強みになるので、意識的に反復作業に取り組もう。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

比較的難しい問題が揃っていますので、繰り返し反復しないとなかなか定着しないでしょう。

解説読んでわかったつもりにならないように気をつけたいところです。

物理重要問題集の注意点

次に、本書を使う上での注意点を説明しよう。

A問題が仕上がってからB問題に着手すること

各単元の問題が、その難易度別にA問題・B問題に分かれていることは先述のとおりだ。

ここで注意することは、各単元のB問題まで仕上げてから次の単元、というやり方をしていると、なかなか先に進まないということだ。

重問は、A問題でもかなりの歯ごたえがあるような難易度の高い問題集だ。

B問題も完璧にやってから次へ、というやり方をしていると、最後の単元まで終わらないまま入試を迎えてしまう事もあり得る。

まずはA問題だけをきっちりと仕上げよう

この問題集は全体的な難易度が高いことから、A問題の演習だけでも難関大である程度の得点力が得られる。

あとは、それぞれの志望大学に合わせ、もし傾向として出やすい分野などがあれば、その部分はB問題に着手していくというやり方がよい。

156問と問題数は少なめではあるが、全ての問題をやりきる必要はない。必ず、重要なものから優先して取り組むこと。

実はこの重問はA問題B問題以外に、必ずやるべき基本問題にはまた別のマークが付されている。

順序としては、その問題をこなした後にA問題をやり、その後大切な部分だけB問題に取り組むのがよい。そしてやった問題については何度も反復する。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

中途半端に全ての問題に手を出すのではなくて、一度着手した問題を何があっても仕上げろということです。勉強の鉄則ですね。

物理重要問題集との類書との比較 

次に類書との比較を見ていこう。

第一学習社 セミナー物理基礎+物理

この本は重問のような応用レベルの問題集ではなく、基礎から入試標準レベルまでの問題集だ。

やる時期としては、今回の重問よりひとつ前のステップになる。

大きく違うポイントは、重問における端的な重要ポイント解説の箇所が、この本では2~3ページに及んでいて、もう少し丁寧な解説がある。

まず重要ポイントのまとめページをしっかりと理解・インプットし、その後後続の問題に進むやり方がよい。

そうすることで、スムーズに問題が解けるようになる。

最初は非常に簡単な問題から始まるが、実は最後の方では難易度の高い旧帝大レベルの過去問までが入っている。

難易度の網羅性は非常に高い参考書で、この本をやり込むだけでも基礎力アップから地方国公立入試レベルくらいまで対応ができるだろう。

難しさの目安として、このセミナー内の難しい部類の問題が、重問のA問題レベルと考えて欲しい。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

セミナーの発展問題や章末問題を隅々まで攻略しておくことの方が重問に手を出すよりも優先だと思います。旧帝大未満の国公立であれば、セミナーのみで事足りることの方が多いためです。

セミナーの記事は以下から確認することができます。

旺文社 標準問題精講

問題精講シリーズには入門・基礎・標準の3冊があり、順を追って進むごとにどんどんレベルがアップしていく。

そしてこの名前に騙されてはならず、標準問題精講と書かれているが、標準的レベルではなくかなり難しい問題集だ。

よって基礎固めは「基礎問題精講」の方で行い、その次の段階になる二次対策や個別対策として「標準問題精講」は使って欲しい。

1問1問の解説が非常に丁寧で詳しいことが一番の長所だ。

その問題のポイント以外にも、別解やプラスアルファの知識がいろいろと載っている。

このように、1問やるだけでもいろいろな知識を吸収することが出来る問題集だ。問題数はそこまで必要なく、丁寧な解説が何よりも欲しいという人におすすめの参考書だ。

ただし1つ前で説明したセミナーのような、重要項目をまとめた最初のページ部分がこの本にはない。

よってこれを使って知識を整理することや、インプットを確認するのは難しい。その点だけが短所である。

河合塾 良問の風

河合塾の入試シリーズは、まず「エッセンス」シリーズで基礎を固め、その後に「良問の風」「名門の森」の2冊の問題集でレベルを上げていくという形で、使うルートができている。

この良問の風は、この一冊で地方国公立レベルまでが対応できるような問題がそろっている中間レベルの問題集だ。

今回説明している重問でいえば、A問題と同程度のレベルと言えるだろう。

河合塾の問題集も、概して1問1問の解説が非常に詳しく図やグラフで解説してあるので、本質的な内容についても易しく学習できるのが非常に良い長所だ。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

重問の解説が微妙だと感じたら良問の風は選択肢に入ると思います。以下から内容を確認してみてください。

河合塾 名門の森

本書は良問の風を仕上げた後、慶應早稲田の理工学部や、東大・京大・阪大のような難関旧帝大を目指す人が使う問題集だ。

最後の難関レベルまで仕上げ切るためにはこれを使おう。

「名門の森」は「良問の風」と違って2巻で全単元がそろう作り。かなりのボリューム感があるが、これさえ仕上げればどんな大学にも対応できる内容だ。

そしてこちらも良問の風同様に、1問1問の解説が非常に詳しい。

問題の難易度の目安になるような星印のマークが付されているので、この本も重問同様、最初からすべての問題を順番に解いていくのではなく、まず簡単な問題から徐々にレベルを上げる形でチョイスをしながら取り組もう。

名門の森レベルの学習では、ある程度物理を得意と感じている人でも、詳しい解説を読まずに内容についていくことは難しい。

こういった難しい参考書になればなるほど、解説は詳しいものを選ぶようにしてほしい。その点で、名門の森は非常におすすめしたい一冊だ。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

名門の森は非常におすすめです。以下から記事を確認することができます。

物理重要問題集のまとめ

最後にまとめよう。

この重要問題集は非常に人気があって有名な参考書だ。それは毎年の更新によって最新の傾向を網羅しつつ、その中でも良問に絞って掲載されているというところが最大のポイントになってためだ。

問題難易度別にA問題とB問題があるので、自分の狙う大学のレベルに合わせて演習する問題もチョイスできるのも利点。解説も適度に詳しく、ほとんどの人に事足りるレベルだ。

レイアウトも見やすいので、是非一度手に取ってみて欲しい。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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