【難化傾向】慶應義塾大学法学部(慶法)の世界史の傾向と対策
2021年05月19日 | 慶應義塾大学
慶應義塾大学法学部は文系学部の中で最難関の学部であり、近年では年々そのレベルが上がっている。
日本史と世界史が選択科目にある中で特に世界史の難易度が高い。
早慶の中でも最高難易度のレベルである。
今回の記事では、慶應法学部の世界史でどのようにして合格点を超えていくか、その順番について詳細に説明していく。
慶應法学部を受験予定の人、世界史を勉強している人はこの記事を読み、どのように対策をしていくといいのかを学んで日頃の勉強に生かしてほしいと思う。
慶法の世界史まじで難しいので、この記事よく読んで対策しましょう!
また日本史の受験を考えている人は以下の記事を確認してください。
慶應法学部世界史基本情報
まずは慶應義塾大学法学部の世界史に関連する基本情報について順番に確認していこう。
配点
- 英語 200点
- 歴史 100点
- 論述力 100点
上記の配点で計400点満点となっている。
その中で100点分が該当するため、歴史の配点が特に高い、という点数配分ではないことが分かる。
合格最低点
法学部の合格最低点は以下のようになっている。
法律学科
年度 | 世界史平均点 | 合格最低点 |
2020 | 43.61 | 252 |
2019 | 48.02 | 227 |
2018 | 43.04 | 246 |
2017 | 54.08 | 263 |
2016 | 54.85 | 242 |
政治学科
年度 | 世界史受験者平均点 | 合格最低点 |
2020 | 45.95 | 258 |
2019 | 50.30 | 224 |
2018 | 44.54 | 249 |
2017 | 56.96 | 266 |
2016 | 58.23 | 249 |
慶應法学部の合格最低点はおおよそ240~260点であり、約6割の得点率が必要となる。
政治学科の方が法律学科よりも最低点が数点高い傾向にある。
しかし、2018年以降、世界史の受験者平均点が一気に低下していることに注目してもらいたい。
出題形式
難易度が高い試験ではあるが全てマーク式である。
語群から語句を選択する問題、正誤問題、時代の成立順を問う並び替え問題など種類は様々である。
出題分野
年代を問わず、幅広く出題される。
現代史や時事的なテーマが出題されるのが特徴である。
文化史の出題もあるが、試験で出題されやすい地域ではなく、ロシアや東ヨーロッパなどの勉強が疎かになる傾向にある地域からの出題がみられる。
そのような分野も含めた幅広い出題がされている。
難易度
早慶の中で最高レベルの難易度である。
レベルは相当高い。
目標得点
2018年以降とりわけ難易度が高い状態が続いているだけでなく、全問マーク式に関わらず受験者平均点が5割を切っている。
そのため、2018年以降の難易度の場合は6割、比較的難易度が低い年は7割を目標に勉強に励んでほしい。
他大学、学部と比べると社会は低めの得点になってくるだろう。
慶應法学部世界史の特徴
では具体的に慶應法学部の世界史の特徴に関して確認していこう。
早慶最高難易度
上記でも述べたが、早慶世界史の中で最高難易度であり、全問マーク形式にもかかわらず受験者平均点が5割を切っている。
難易度が高いという原因は、教科書レベルをはるかに超えた知識が問われる問題が多く出題されるためである。
知識レベルが高いため、世界史の内容を深く勉強せず、浅い学習になっている人では太刀打ちできないだろう。
全問マーク形式
マーク形式だが、マークの仕方が他大学とは異なるため注意が必要だ。
実際に出題された問題をみてみよう。
2020年度慶應法学部世界史問題Ⅱより
【設問1】
下線部(ア)に関連して、 誤っているものを下から選び、その番号を (37) (38) にマークしなさい。
[01]アステカ王国、インカ帝国、マヤ文明の版図を東西に並べると、インカ帝国が最も東側でアステカ王国が最も西側となる。
[02]幻アンデス地方では、リヤマやアルバカが家畜化され、牽引や食肉のために活用された。
[03]今日世界で広く食用とされているカカオ、カボチャ、キャッサバ、ピーマンは、いずれもアメリカ大陸原産の作物である。
[04]ラテンアメリカ地域の諸文明では天文学や数学が発達し、天体観測器のアストロラーべが発明された。
[設問2 ]
下線部(イ)に関連して、 誤っているものを下から選び、その番号を (39) (40) にマークしなさい。
[01]スペイン領植民地の白人の間でも序列があり、ペニンスラールはクリオーリョよりも上に位置づけられていた。
[02]白人と先住民の間の混血はメスティーソと呼ばれ、植民初期には白人男性と先住民女性の間の混血が多かった。
[03]ヨーロッパでベストが大流行した17世紀には、スペイン領植民地でも伝染病や過酷な労働のため先住民人口が激減し、ラス=カサスは先住民の権利擁護を国王に直訴した。
[04]ラテンアメリカ地域で採掘された銀はメキシコで貨幣に鋳造されて輸出され、以後19世紀にかけて欧米やアジアで広くこれを原型とする銀貨が流通した。
http://27.110.35.148/univsrch/ex/data/2020/9q/w02/w9q202001m0.pdf
慶應法学部のマーク形式は慶應商学部と一緒である。
例えば設問1の問題で選択肢の02を選んだとする。
その場合(37)に0を、(38)に2をそれぞれマークする形になる。普通のマークの仕方と異なるため、マークミスをしやすい。
マークミスで失点することがないように十分に注意してマークをする必要がある。
現代の対策が必須
戦後から現代の出題が目立つ。
現役生は戦後史や現代史が後回しになってしまうことが多いだろう。
また、現代史を深く勉強できていない人も多いため、現代の対策は特に力を入れて勉強してもらいたい。
時事問題が頻出
慶應法学部の世界史では時事問題の出題が多い。
過去にはトランプ政権や人権問題、労働問題など様々である。
机に向かう勉強だけでなく、日頃からニュースに興味関心を持とうとする意識が重要になってくる。
高校生は世界史だけではなく、地理や政治経済など他教科の知識も慶應法学部の世界史に役立つだろう。
そのような勉強が世界史のより深い理解に繋がるだけでなく、色々な物事に興味を持ち、知識の幅を広げることにも繋がる。
正誤問題に注意
用語レベルが高くて難しいだけでなく、正誤問題が難しいという声も多い。
2018年以降は正誤問題の数がかなり増えた。
年によってばらつきはあるが、以前は簡単だったものが年々難しくなっているという傾向はしばらく続くだろう。
正誤問題の出題数によって平均点の変動に差がみられるため、正誤問題に対応できるようになることが慶應法学部の世界史で合格点を超えるための秘訣だろう。
慶應法学部世界史の対策
では具体的に慶法の世界史をどのように攻略していけばいいのだろうか。
早い段階での通史学習の完了
慶應法学部の世界史で安定して合格点を超えるには、共通テストやmarchレベルでつまずいている場合ではない。
夏までには現代を含めた通史学習が一通り終わっている状態であり、なおかつセンター試験や共通テストレベルでは満点をとれるレベルを早く作ることが必要だ。
試験直前という場面で知識を詰めるような勉強では到底対応できない。
早くに通史学習を完了し、どの分野、時代、地域が出題されても基礎知識の部分はすぐに答えられるようにしておきたい。
一問一答形式で勉強にならないように
一問一答をやること自体を否定している訳ではない。
一問一答形式で勉強することで優先度の高い知識やキーワードを早く習得できたり、世界史全体の流れを理解できたりする。
しかし、難しい用語が多く出題されるためにその難しい用語を覚えればいいのではないか、と考えてしまう人がたくさんいる。
決してそうとは限らず、慶應法学部が求めている力は、まず内容を深く理解して、それに加え、その問われている内容を推測することができるかという力である。
そのため、一問一答形式で難しい語句を覚えておけばよいという勉強では通用しないということが分かるだろう。
具体的な勉強を挙げると、通史が一通り完成したら問題演習をして、その時に用語集や資料集を使ってより深く内容を理解する。
さらに、学習した分野の難しい内容をインプットする、といったきめ細かい学習が必要である。
用語集で☆1レベルの用語が多く出題されるため、きめ細かい学習に加え、内容の深い理解とそれに伴って用語を増やすという流れで学習を進めるとよいだろう。
しかし、世界史は400点のうち100点分である。
合格最低点も6割程であることを考慮すると世界史にどのくらい時間を割くかよく考える必要がある。
英語が200点を占めるため、世界史で多少足を引っ張っても支障はないだろう。
他教科との兼ね合いを考えたうえでどこまで時間を費やすか、どのレベルまで上げるかを考えた方がよいだろう。
コストパフォーマンスを考えると、一定のレベルまでとれるようになったら英語と論述力の勉強により力を入れる方がいいのではないかと思う。
きめ細かく勉強をしながら、他教科とのバランスを見ながら学習を続いていくことが重要だ。
時事問題対策
日頃の生活でどれだけニュースや新聞などに意識的に目を向けるかの問題である。ニュースを見るだけでなく、様々な物事に興味・関心を持つだけでもかなり対応できる。
これは世界史のみに関わらず、慶應法学部の小論文にも生きてくる。そのため、時事には意識的に興味・関心を持ってほしい。
問演習過去
過去に出た問題、用語、テーマが違った出題のされ方で、さらにより深く掘り下げられた
問題が別の年度で再度出題されることが多い。そのため、過去問はかなり遡って対策することが必要である。また、過去問で一度出題された問題は資料集や一問一答で深く掘り下げる学習は必ずやってほしい。
世界史で得点を稼ごうと考えていない人もこの学習は必ずやってもらいたい。
慶應法学部世界史のおすすめ参考書
ここで慶法の世界史のおすすめの参考書に関しても言及しておこう。
ナビゲーター世界史
ナビゲーターは世界史の内容が理解しやすく、通史学習がサクサク進めることができる。
本書は世界史に対して興味を持てるような文章の書き方がされている。
ナビゲーターを使用して背景知識などに興味を持てると、その感覚を他の参考書にも生かして読み進めていくことができる。
使い方としては、用語の暗記も大切だが文章の丸暗記ではなく、内容を深めるための教材として使用してもらいたい。
世界史B用語集
用語集は様々な世界史の教科書から用語を網羅的に集めたものである。☆1、☆2のような特定の教科書だけにしか記載されていない用語を確認できるだけでなく、その用語の理解を深められるような文章が記載されている。
理解をより深いものにするため、日頃の世界史学習から利用してもらいたい。
使い方としては、用語説明がされている文章を丸暗記するのではなく、知らない用語をアウトプットできるように知識を理解するイメージで使用しする。
そして、アウトプットするために必要な他の知識などを書き込んでその用語に対する理解を深める道具として勉強するのが良いだろう。
資料集
用語集と併用して隅から隅まで目を通してほしい。
資料集に面白さを感じ、時間を費やしてまで勉強したいと感じられるようになるとより世界史の内容を理解できるようになるだろう。
他の参考書と同様に丸暗記は避けてもらいたいが、資料集を利用することで世界史の世界に浸り、そこに面白さを感じられる状態にまで到達してほしいと思う。
慶應法学部世界史まとめ
以上が慶應法学部世界史の傾向と対策である。いかがだっただろうか。
慶應法学部は2018年以降世界史の難易度が一気に上がった。
全問マーク形式にもかかわらず受験者平均点が低いということを考えると出題される問題の難しさがよく分かるだろう。
そのため、早い段階で通史学習が終了しており、なおかつきめ細かい勉強をして合格点を超える必要がある。
一方で、英語と論述力で合否が決まる学部でもあるため、世界史が得意ではない人は世界史以外の2科目に力を注ぐ方がよいだろう。
勉強のバランスが問われる学部であるため、よく考えながら学習をしていただきたい。
また、慶應義塾大学には学部問わず多数の合格者を輩出しているため、慶早進学塾の無料受験相談を活用していただきたい。
特に英語と論述力でどのようにして合格点を超えるかなどは入塾後、存分に指導できるため、慶早進学塾への入塾を考えていただければ幸いだ。
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