慶應義塾大学看護医療学部化学の傾向と対策
2021年08月05日 | 慶應義塾大学
今回は慶應義塾大学の看護医療学科の入試における化学の傾向と対策について説明していきたいと思う。
私大の看護学部の最高峰であるこの学部において、化学を入試科目で選択した場合どのような対策が有効か、以下の記事を読んでもらう事でより理解が深まり、きっと大きな前進へとつながるはずだ。
慶應看護医療学部化学の基本情報
まずは慶應看護科学の基本情報について確認しよう。
配点
慶應看護医療学科の入試は500点満点のうち300点が英語である。
そして残りの200点が数学・化学・生物の理系科目のうちからどれか一つを選択した科目の点となり、化学選択をすると500点満点中の200点が化学の配点となる。
すなわち英語とこのもう一つの理系科目の2教科だけで全ての得点が決まる形だ。
それ故に、合格するにはそれぞれの科目でしっかりと点を取っていかないとならない。
この記事と共に配点の高い英語の対策の方も、以前解説した別の記事の方で合わせてしっかりと確認をしておいて欲しい。
慶應看護の英語や数学の記事は以下から確認できます。
出題形式
化学の出題形式は、大問が全3問に試験時間が80分となる。
その後小論文と面接が課せられるが、その対策については割愛する。
回答方式
解答方式は記述式となっている。
大問3問全てにおいて、語句や計算した数値、化学式や構造式などを問われる問題が出る。
そして慶應看護の化学において特徴的なところが、大問ごとの最後の問題では必ず論述の問題が課されるという事だ。
それも50字程度の比較的長いものを求められるので、ある程度の対策が必要となってくるだろう。
慶應看護医療学部化学の特徴
それではより具体的な慶應看護化学の特徴について確認しよう。
基礎〜標準レベルの問題が大半
慶應の看護医療学部は私大看護学部の最難関に位置するが、テストの問題については基礎から標準レベルの出題が大半だ。
なので、基礎レベルをしっかり学習出来ている人ならば、きちんと合格点は取れる形式になっている。
ただ慶應の入試問題は、看護だけでなく他の学部においても共通する特徴なのだが、問題レベルは標準レベルまでがほとんどではあるものの、少々癖があって特徴的と言えるような問題が出題される。
おそらく初見で見た際は、驚く方が大半なのではないだろうか。
このような特徴があるので、過去問演習をしっかりやることが慶應を受けるうえではマストという事だ。
出題範囲はあらゆる分野から
出題分野は特に偏りがなく、化学は理論と無機と有機という大きく3つの分野に分かれるが、それぞれの分野から毎年万遍なく出ている印象だ。
分野ごとの問題量もさほど差はなく、それぞれの分野からバランスよく出題される。
特に現役生は無機、有機の対策が疎かになりがちだ。最後まで学習を完了させるようにしよう。
大問1つにつき1つの記述
ここは大きな特徴のひとつだ。
化学で記述問題が出題される事は他の私大の入試ではあまり見かけないが、この慶應の看護については記述問題が大問1問につき1問は毎年必ず出題される。
それも50字程度といった、少し長めの文章を書かなければならない形式である。
有機の構造式が難しい!
これについては過去問の解答を実際に見て欲しいが、かなり難しいレベルの構造式を書く問題が出題されている。
あまりこのような構造式そのものを書く問題というのは他大の入試では見かけないので、特徴的と言えるだろう。
※例えば、以下のような構造式を書く問題が実際過去には出題されている。
例としては、シクロ環を含む有機構造式、あとは炭素の数が非常に多いもの、もしくはDNAのひとつの要素であるヌクレオチドの構造式など。
このような難しいレベルのものも、時折出題されている。
ただし、さすがにヌクレオチドの構造式までを完璧に覚えている受験生は少ないと思うので、またあまりに難しいものの場合、テスト問題に大まかな構造が載っていることもあるので、全てを完璧に覚える必要はない。
しかし、こういった難しい問題が出題されるということは念頭に置いておいて欲しい。
目標得点
上記のように癖のある問題や記述の問題も出るが、それでも全体としてはそこまで高レベルではない。
尚且つ時間配分的にも、問題数が多すぎて足りないという内容でもなく、ある程度は余裕をもって取り組める。
しっかりと標準レベルの内容までが理解できていたら、得点を取ることのできる入試であると言えるだろう。
このような特徴も加味した上で、7割が目標点だ。
毎年の合格最低点は大体いつも6割程度、500点満点のうち300点辺りになることが多いので、英語で6割を取って理系科目で7割を取ると、ある程度安心できる得点ラインになる。
理系科目であるこの化学についても、ぜひ7割を目指して欲しい。
慶應看護医療学部化学の対策
それでは慶應看護の化学で目標点である7割以上を確保するための対策に関して言及していこう。
基礎の徹底
このように難関大だからと言って、難しい問題ばかりが出るわけではなく基礎から標準レベルまでの問題が大半といった入試問題なので、基礎固めをとにかく徹底する事というのが最重要課題だ。
特に看護医療学部であれば、入学してからの授業においてもいろいろと化学の知識を使っていくタイミングがあると思う。
逆に基礎レベルの知識くらいはしっかりと頭に入れておかないと、入学してから苦労する事になるだろう。
そのため、先のことも踏まえてここで理解を深めておいて欲しい。
範囲は全範囲から出題されるので、すべての範囲を基礎もしくは標準レベルまではきちんと押さえておく必要がある。
現象を常にイメージ化する
慶應看護の化学は問題文が長い傾向がある。
そしてその文章に沿って空欄があり、そこに物質名や計算式を埋めていくという問題が出る。
これは問題を通して、ひとつひとつの現象をしっかり理解できているのか、という部分が問われているのだ。
特に記述の問題は、その現象が何故そうなるのかという事について書く問題が頻出しているが、このような問題に当たる場合、現象について機械的に語句を覚えるという勉強法のみでは、実は対応しづらい。
それよりも、現象をしっかりイメージ出来て深いところまで理解できているかどうかというのが、非常に重要な分岐点となってくる。
これは看護の化学の対策というよりは物理・化学・生物の理系科目全般に言えることなのだが、理系科目をしっかりと理解するにはとにかくイメージで捉えることが重要で、最もその物事の本質を瞬時に捉えることができる方法なのだ。
例えばある化学反応について考える際に、「この現象では中のものが沈殿するから、今はこういう状態になっていて…」といった風に、起こる事象を頭の中に浮かべてイメージし、内容を理解するのだ。
逆にこのようにイメージしながら学習し理解してきた人にとっては、慶應看護の化学はそこまで難しさを感じずに、自然な知識で答えられるレベルの問題だ。
記述問題に対しても、臆することも無くなるだろう。
この部分は、慶應看護の化学の学習をする上でしっかりと心がけて欲しいポイントである。
有機の構造式を描けるように
もう一つの慶應看護の特徴的な部分が、構造式を書かせる問題が出題されるという事だ。
先ほど述べたイメージ化するという方法は学習をする際に常に頭に置いておいて欲しいが、勉強をする上でのやり方の根幹を変えるため、大変な面もある。
一方この有機の構造式を描けるようにするという対策に関しては、特化的にポイントを絞って学習していけばいいので、比較的取り組みやすいだろう。
まずは過去問を見て、どのくらいのレベルの構造式を書かなければならないのかという部分を自分自身で把握して欲しい。
その上で、それぞれの式をきちんと理解する。
特に有機については、こういった化学式の場合、またはこういう官能基が付いている時にはこの部分とこの部分が繋がって…という風に、それぞれの結合の仕方には法則がある。
そのため、それをきちんと覚えておくと、炭素数が多くなっても法則を当てはめて応用ができる。
このように、きちんと要素ごとにそれぞれの法則を覚えておく事が重要だ。
これが出来ていれば、かなり難しい構造式を描く問題にも、自然と対応ができるようになるだろう。
慶應看護医療学部化学対策のおすすめ参考書
慶應看護で合格点を確保するために、以下の参考書をお勧めする。
岡野の化学が初歩からしっかり身につく
化学があまり得意でない人や、基礎の部分のイメージがまだ出来上がっていない人、もしくは標準レベルの問題を解けるは解けるが、その根幹のイメージがまだ把握しきれていないという人にはおすすめの問題集だ。
とにかく丁寧に書かれてあって、更にイメージから現象を理解することができる問題集で、前項で述べた重要な対策である『現象のイメージ作り』をする際に、非常に活用できる参考書になっている。
化学や物理は特に、内容の理解とインプットができていないと、この先の教材を活用しても間違いなく伸び悩みます。学習内容を頭に入れた上で、その知識をもとにセミナーなどで問題演習してください。
セミナー化学・リードα
この2冊については同時に紹介する。両方とも標準レベルまでをしっかりと網羅した参考書になっている。
両方とも形式は似ており、それぞれの単元ごとの最初の数ページで頭にインプットするべき内容や整理しておくべき内容がまとめられているという形だ。
ページ数は多くないが、その割に要点が本当にしっかりと良くまとめられている。
使い方としては、最初の数ページのインプットに時間を費やして完全に現象を理解し尚且つ暗記する。
まずその暗記した内容を整理し、整理が完了した後で問題を解き始めるという使い方が良いだろう。
問題レベルは、最初の方のページは基本問題だが、ページが進んでいくと標準レベルくらいになり、最後にやや難しい問題となる。
標準レベルくらいの問題までは、ある程度解けるようになっておくといいだろう。
そして間違えた問題にチェック入れておき、見直しの際にはインプットする最初の数ページの部分と、あとは間違えた(チェックを付けた)問題を解くという風にすると、復習する時間を短縮して効率的な勉強ができるだろう。
特に計算問題については、こういう問題が出たらこういう風に解いていくという風に、解き方と問題をセットで覚えておいて整理しておくと非常に便利だ。
計算問題において、解き方とセットで覚えて整理しておくことは大前提であり、むしろそここそが鉄則である。
慶應看護は、セミナーやリードαを隅々まで学習していれば十分合格点を確保することができます。むしろ重要問題集などは不要なので、セミナー、リードαを徹底的に学習しよう。
Newtonなどの日本科学雑誌
実は慶應看護の入試問題については生物の方が癖が強くて難しいので、どちらかというと生物を選択する人にお薦めしている対策ではあるのだが、Newtonなどの日本の理化学雑誌に目を通しておいて欲しい。
生物同様、化学の試験問題もやはり少々癖があるというのは前述の通りなので、こういう日本語のわかりやすい雑誌で化学分野の最新技術に触れておくことは役に立つ。
問題の中で有機化学を深掘りしたようなものが出てきたりしても、知識として持っておけば怯まずに済むからだ。
特にニュートンはイラストをメインに構成されている雑誌なので、読んでいてもあまり苦にならず楽しく見ることができる。
それでいて現象名などを覚えられるので一石二鳥だ。
例えばDNAや高分子などがテーマの号が過去にいくつか発刊されているので、図書館で過去のものを探して立ち読みする程度でも良いだろう。
とにかく知識をイメージと一緒に雑誌のイラストなどを利用してインプットしておくと良いと思う。
インプットといっても、これに関してはしっかりと覚えるというより、勉強の合間のちょっとした気晴らしにチェックするというレベルでもよい。それでも必ず情報が役に立つ。
慶應看護医療学部化学のまとめ
以上、慶應看護学部の化学について、様々な対策を述べてきた。最後にまとめとして今一度振り返ってみよう。
まず1つ目の重要な対策は、基礎の学習をしっかり徹底する事。
基礎から標準レベルまでの問題が大半なので、基礎をしっかり徹底しておけば大部分の問題は得点できる。
あとは学習するときに、その現象をイメージとして理解するということ。
看護の化学は癖のある問題が多いので、この学部を第一志望で決めている人は早めに過去問を一度解いておいて、どういう形式の問題が出るのか、そして難易度はどの程度なのかということを、自分の感覚で把握しておくとよい。
そのうえで上記の対策を取っていくというのが、化学を攻略する上での鍵となる。
看護学部としては私大の最難関学部だが、これらの対策をしっかりやれば確実に7割の合格点には手が届くはずだ。改めてこの文章を熟読し、しっかりと対策をして頑張ってもらいたい。
慶應義塾大学には看護医療学部を始め、学部問わず多数の合格者を輩出しているため、正しい勉強方法で勉強をしたいと考えている人は受験予定の大学を問わず、慶早進学塾の無料受験相談を活用していただきたい。
慶應看護の化学は正しく学習すれば合格点確保できます。
ただその正しく学習するというのが難しいので、無料相談や体験を活用して正しいやり方を学んでもらえたらと思います。
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