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大学入試攻略数学問題集(河合塾)の難易度と使い方の徹底解説

2022年06月28日 | 数学

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大学入試の数学において、初見の問題を演習することは非常に重要である。

教科書レベルから共通テストレベル程度であれば、同じ問題の反復を通じてパターンを理解、暗記し、瞬時に問題を解けるようにしておけば何も問題ないだろう。

しかし、とりわけ難関大レベルの数学になってくると、これまで学習してきた内容から、初見の問題に対してどのように頭を使い、どのようにして最後の答えまで到達させるかという、試行錯誤しながら解答を構築する練習が必要である。

これまで主要な教材は一通り学習し、どの教材になっている問題も見覚えのある問題になってしまっていると感じる人は、この記事を読んでほしい。

河合塾から出版されている、「年度版大学入試攻略数学問題集」という教材を紹介しよう。

ここの条件に該当する人はそれほど多くないかもしれないが、もし新規の問題をたくさん演習したい人はぜひこの記事を読んでみてほしい。

基本情報

まずは「河合塾 年度版大学入試攻略数学問題集」の基本情報をまとめておこう。

  • ジャンル…数学の問題集
  • 目的…2次試験対策
  • 対象者…一般入試もしくは国公立の2次試験にて数学を使う人
  • 使用時期…2次試験対策の最後の1冊、もしくはその一歩手前の対策に。
  • 問題数…155問
  • おすすめ度…★★☆☆☆

すごくおすすめというわけではないが、やはり新規の問題を一気に演習したい人が対象者となってくるだろう。

特徴

特筆すべき点に関して説明していこう。

最新年度の過去問のみ

まず1つ目の特徴は、最新年度の過去問のみで構成されているところだ。

河合塾が出している数学の参考書にはいろいろなものがあるが、この参考書は最新年度の過去問だけを日本全国から拾い集め、その中から良い問題だけを載せたものとなっている。

そのため、最新の傾向を取り入れた問題が詰まっており、しっかりと一般入試・2次試験対策をしたい人にはぴったりの参考書となっている。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

最新の過去問から出ているので、見覚えのない問題ばかりになりますね。

新規の問題演習だけではなく、最新の傾向を確認することも可能となっています。

難易度は標準〜応用レベル

2次試験対策向けの参考書としては標準~応用レベルの難易度となっており、ある程度の難易度の大学であればこの1冊で最後まで対策ができるだろう。

例を挙げると、慶應や早稲田といった大学の過去問が収録されている。

しかし、東大、京大や医学部など最難関レベルの大学くらいにまでなると、さすがにもう1冊ぐらい追加して対策をする必要があるだろう。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

やや問題のレベルに開きがあるものの、難しい問題は普通に難しいです。

これまでの数学の学習を丁寧に行なっている人のみがやるべき教材だと言えます。

解説の詳しさは標準

3つ目の特徴は、解説の詳しさは標準だというところだ。

河合塾が出している他の問題集とも同様だが、今回紹介している参考書についても標準レベルの解説となっている。

けして解説が簡潔すぎるというわけではないが、この参考書にはなかなか難しい問題がそろっているため、そのことを考慮するともう少し詳しく説明して欲しい人もいるかもしれない。

一応、解く方針については載っているものの、1問に対してより詳しい方針やプラスαの知識が載っていたり、より詳しく解説していたりする参考書は他にある。

そのため、今回紹介している参考書の解説は標準レベルと言えるだろう。

また、レイアウトについても白黒となっており、あまり見やすいとも言えないだろう。

使い方

では次に、「河合塾 年度版大学入試攻略数学問題集」の使い方について解説していこう。

問題を自力で解く

はじめに、問題を自力で解いていってみよう。

この問題集に取りかかる人は、おそらく共通テストレベルのさらに上のレベルくらいになっている人ばかりだろう。

そのレベルまで達していれば、入試の基本的問題というものはしっかりと解けるはずだ。

そのため、この問題集では一つひとつの問題を自力で解くことを心掛けてもらいたい。

もし基本的な問題がなかなか解けないという場合は、まだ本当に基本的な知識や解き方を理解できていない場合がある。

その場合には、一通り解説を見るなどして学習するような段階が必要だ。

しかし、過去問で構成された問題集というのは、いかに自力で解いて数学のアウトプット力を鍛えていけるかということが重要だ。

この問題集を最大限活用するために、必ず自力で解くということを心掛けてもらいたい。

短くても10分は自分の頭で考え、いろいろと試行錯誤をして頑張って解いてみよう。

“さすがにもう解けない”と思ったら解説を見てもらいたいが、そのときには一気に全てを見てしまうのではなく、まずは方針から確認していこう。

そこから少しずつ解説を見ていき、“ここまで見たらもう解けるな”というふうになった段階で解説を閉じ、自力で解き直してみよう。

このように、自力で解く時間を最大化することが、数学のアウトプット力を鍛える一番の近道となるため、ここは力を入れて頑張ってもらいたいところだ。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

このレベルの教材で初見で自力で問題を解かないのはさすがに意味がわからないですね。

まずは自分の頭で試行錯誤しながら、仮説を立てながら問題を解くようにしていきましょう。

解説でプロセスの検証を行う

どんな問題でも解き終わったら解説を見ると思うが、そのときに“答えが合っているか”だけを見てはいないだろうか?

実はそれだけでは不十分で、解説を見るときには、その答えにたどり着くまでのプロセスをしっかりと確認することが重要だ。

なぜかというと、たとえ答えが合っていたとしても、遠回りな解き方をしていて最も速い解き方ではない可能性があるからだ。

数学などのアウトプット力を必要とする科目は、答えにたどり着くまでのプロセスを自分で組み立てていく必要があるため、そのプロセスが解説と合っているかどうかをしっかりとチェックしよう。

そのプロセスがズレていたら修正していくことが学習の一番の基本となるため、これは確実に行なっていこう。

反復演習

プロセスを学習できたら、反復演習を積んでいこう。

この参考書には入試の標準~応用レベルの問題が収録されており、なかなか手応えのある問題も多くある。

そのため一度解いただけでは、内容はなかなか定着させることは難しい。

何度も同じ問題を反復して解くことによって、定着させていけるといいだろう。

まず一度、自分で手を使って問題を解いたら、その日のうちにもう一度その問題を解くというふうに、その日のうちに最低2回は手で解くように意識していこう。

さらに後日、今まで解いてきた範囲を頭の中でしっかりと想起する形で問題を解いていくだけでも反復効果はあるため、このことも意識して行なうことで効率的に反復演習を重ねていってもらいたい。

この反復演習によって、各単元の類題が出てきたときにもしっかりと対応できる思考力というものも養っていけるだろう。

注意点

ではここで、「河合塾 年度版大学入試攻略数学問題集」を使用する際の注意点について記しておこう。

難易度の差が激しい

先ほど述べたように、この問題集は最新年度の過去問だけで構成されている。そのため、良問だけが厳選されているとは言い難い。

いろいろな大学の過去問を集めているということもあり、一つひとつの問題の難易度のばらつきが大きい。

もし自分が受験する大学が、ある程度すでに決まっているのであれば、その大学に合った難易度の参考書を選んだ方がいいだろう。

この問題集は最新年度の過去問だけを集めて、“問題の新しさ”を最も重視して作られているものであるため、このような難易度のばらつきが起こってしまうことは承知しておいてもらいたい。

無理して選択する必要もない。

もし難関大の2次レベルの教材を学習したいという理由だけなのであれば、他にも良い教材は複数存在する。

無理してこの教材を選ぶ必要もないだろう。あくまでも最新の問題に触れたいという人向けの教材なのではないだろうか?

類書との比較

次は、「河合塾 年度版大学入試攻略数学問題集」の類書について紹介していこう。

河合塾 厳選!大学入試数学問題集理系262

まず1冊目は、今回紹介したものと同じ河合塾が出している「厳選!大学入試数学問題集理系262」だ。

この参考書には、近年の数学の過去問の中から質の高い問題が集められている。

今回の記事で紹介したように最新年度の過去問をそろえた形ではなく、きちんと良問が集められているため、その点でこちらの参考書の方がおすすめできるものとなっている。

「262」とあるように262問収録されており、今回の記事で紹介した参考書の155問よりも多く、しっかりと網羅的に学習できるだろう。

ただし、一つひとつの問題が難しいことを考慮すると、262問でもかなりボリュームがあるため、大事な問題から解いていってもらいたい。

自分で問題をチョイスして、優先順位をしっかりと決めて学習を進めていこう。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

262は結構おすすめですね。やや解説は簡素であるものの、2次レベルにおいておさえておきたい問題がしっかりと網羅されています。数学の理解力に問題がなければ、これ1冊で一気に飛躍できます。

数研出版 実戦 数学重要問題集

2冊目は、数研出版が出している「実戦 数学重要問題集」だ。

「重問」と呼ばれている理数系科目のシリーズで、これはその中の数学の問題集だ。

この参考書の良い点は、毎年更新されているため、新しい問題や最新の傾向がきちんと加味されているところだ。

それだけではなく、ここ十数年ぐらいの間に出題された良問というものもきちんと収録されている。

先ほどの「262」とも重なる点ではあるが、良問にきちんと焦点を当てられている参考書であるため、安心できる1冊と言えるだろう。

また、この「重問」は、解説が赤と黒の2色刷りとなっているため、かなり視覚的に読みやすいものとなっている。

問題数としては300問ほど収録されており、先ほどの「262」より少し多い問題数となっている。

この問題集の特徴としては、各単元で「A問題」「B問題」というふうに、難易度別で問題が固められていることが挙げられる。

そのため、自分のレベルにあった問題から優先的に解いていけるところも、この問題集の長所と言えるだろう。

ホクソム 大学入試良問集理系

3冊目は、ホクソムが出している「大学入試良問集理系」だ。

この問題集はとにかく問題数が豊富で、600問ほど収録されている。

もちろん全ての問題を解くのはなかなか難しいため、優先順位を決めて解いていくことになるが、今回紹介した他の3冊よりも詳しく解説が載っている。

解説が詳しいものがいいという人には、この参考書が一番おすすめだ。

一つの問題につき一つの解答ではなく、さまざまな解き方が解説されているため、一つの問題を解くだけでいろいろなものを吸収できることがこの参考書の魅力だ。

この問題集の著者は、他にも数学の参考書を多く書いている著名な人物だが、この人の著書では正攻法だけではなく、速く解ける解き方や数学的な本質を突いたような解き方など、いろいろなやり方を知ることができる。

なかなか他の参考書では教えてくれないような解き方というものも、この参考書では知ることができるだろう。

まとめ

今回紹介した河合塾が出している「年度版大学入試攻略数学問題集」は、最新の問題を演習することができるという点が最大の特徴であるということだ。

逆に言うと、別に最新である必要さえなければ、このような参考書よりは、先ほど紹介した「262」などの良問にしっかりと焦点を当てている参考書の方が、効率的にいろいろな要素を網羅的に学習できて安心の1冊となるだろう。

先ほど類書として紹介した3冊も、自分の中でぜひ検討してみてもらいたい。

また、慶早進学塾では、無料受験相談も行っているため、勉強の仕方に悩んでいる人は、ぜひ活用していただきたい。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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