入試の基礎力を鍛える150問!数学の「良問プラチカ」
2016年11月19日 | 参考書・問題集徹底解析
たいていの高校生は、学校で教科書の他に傍用問題集をもらう。
サクシードや4STEPなどがそれにあたる。
こうした問題集は教科書と同レベルかそれよりやや高い程度だ。
傍用問題集が終わったら、次はどんな教材に取り組めばよいのか。
この疑問をもつ受験生は多いはずだ。
今回は、そんな受験生のニーズにこたえる参考書「良問プラチカ」を紹介する。
プラチカには、大学入試の基礎となる重要問題が揃っている。
以下を読んで「自分にピッタリだ!」と思ったら、ぜひプラチカに取り組んでみてほしい。
あなたの数学力を、入試基礎・標準レベルまでに引き上げてくれるはずだ。
プラチカの概要
ここでは、最初にプラチカという参考書がどういうものなのか主な特徴について説明する。
まずは、プラチカがどういう参考書なのか知っておこう。
予備知識
プラチカシリーズは、河合出版から出版されている参考書だ。
以下のように、文系・理系の別で3種類が用意されている。
- 理系数学の良問プラチカ 数学1A2B
- 理系数学の良問プラチカ 数学3
- 文系数学の良問プラチカ 数学1A2B
価格は順に1,080円、1,080円、1,234円(税込)。標準的な価格といえよう。
解答解説は別冊形式となっている。
問題のページはどれも50ページ程度しかないが、解説は200ページ以上とたいへん充実している。
構成
収録されている問題数は、理系数学1A2Bと文系数学1A2Bがおよそ150題、理系数学3がおよそ75題である。
プラチカの冒頭には、「最近の入試出題傾向」と題して、大学入試問題の大まかな傾向と、学習するにあたって意識すべきことが述べられている。
その次に問題編。分野ごとに問題だけが並んでいるという簡潔な体裁だ。
先述のとおり解答解説は別冊となっており、こちらも解説のみが並んでいる。
解説は、最初に「解答のポイント」として方針がまとめてあり、そのあとに通常に解説が記されている。
一般的な問題集とさして変わらない、単純な形式だ。
プラチカのねらい
プラチカは、実際の大学入試問題の中から標準的でシンプルな良問をチョイスしている。
プラチカの狙いは、国公立二次試験や私大入試に対応するための基礎力を養うことにある。
興味があったら、一度書店で収録されている問題を眺めてみてほしい。
どれも、見た目からしてシンプルな問題ばかりだと分かるはずだ。
プラチカは、複雑でない問題を地道に解いていくことで、着実に数学力を上げていくことを狙いとしているのだ。
実際、河合出版のプラチカのページには次のように載っている。
- 主に国公立大二次・私立大試験の対策に照準を合わせた問題集です。
- 全国の大学入試問題の出題傾向と特徴を分析し、数学I・A・II・Bの範囲から、入試「標準~発展」レベルの《頻出・典型・良問》153題を厳選しました。
- 各分野のポイントを押さえた問題で解法を身につけ、詳細な解説により解き方・考え方を十分理解することで、確かな解答力と応用力、記述・論述にも対応できる力を養成します。
http://www.kawai-publishing.jp/book/b-01/index.php?sesIsbn=978-4-7772-1488-4
ここの登場する「頻出・典型・良問」。この3単語がプラチカを象徴していると言っても過言ではない。
対象となるレベル
プラチカのレベルは、理系と文系では少々異なる。
理系にとって、プラチカは中堅校の入試を考えている受験生が対象だ。
これは、偏差値でいうと50~60程度に相当する。
MARCH等を狙っている受験生にとって丁度良い問題集となるはずだ。
ただし、数学3についてはこれより少々ハイレベルなので注意しよう。
一方文系にとっては、プラチカは少々レベルの高い参考書だ。
旧帝大や一橋大のような難関校を受験しようとしている人向きである。
偏差値でいうと60~65程度が対象である。
このように、プラチカは理系と文系で難易度が異なる。
したがって、文系の受験生であっても数学に自信がなければ「理系数学1A2B」の方を解いたほうが良い場合がある。
逆に、理系である程度の難問は苦にしないならば文系1A2Bに着手したほうが良いケースも考えられる。
購入する前に中身を読んで、自分に合っているのがどれか見極めることを忘れずに。
プラチカのメリット
プラチカの良さは、端的にいうとそのコンパクトさにある。
以下でプラチカの5つのメリットについて詳しく見ていこう。
コンパクトな問題数
たくさんの問題を収録している問題集は、世の中にたくさんある。
正直、プラチカの何倍もの数を有すものも存在する。
しかし、問題数が多ければ良いというものでもない。
数が多すぎると、どの問題が大切なのか、どこから勉強を始めたら良いかが分からなくなってしまうのだ。
「とりあえずこれをやっておこう!」という問題を取り揃えているのがプラチカの強みだ。
問題数はさほど多く無いので網羅性は低いが、その他の問題はプラチカの内容を少し応用させれば解けるのでさほど心配はいらない。
もちろん難関校を受験する人にとってはこれだけでは不十分かもしれないが、大学入試にあたって最低限必要なスキルはプラチカさえあれば十分身につく。
数を追求せず、良問を収録しているのがプラチカの強みの一つだ。
シンプルな問題を中心にチョイス
高い数学力がつく前の受験生にとって、設定の複雑な問題や複合的な問題は、仮に難易度が低かったとしても苦痛となる。
特に数学が好きでは無い人からしたら、見た目から敷いてゴツい問題はなかなか取り組む気がしないであろう。
プラチカは、そういう受験生のためにも問題のチョイスを工夫している。
具体的には、あまり多くの手順を踏まないで解けるシンプルな問題が多くなっている。
大学入試で平坦な問題が出題されることは少ない。MARCHやそれ以上の大学を望むのであればなおさらだ。
ただ、そうした大学の入試問題を解く応用力は今焦って身につける必要はない。
応用するための基礎力を養うのが最初の目標だ。
プラチカの問題は多くがシンプルなので、そこまで辛い思いをせずとも解くことができる。
少しずつ、でも着実にステップアップしていけるのだ。
冒頭の「最近の入試出題傾向」
「構成」のところで紹介したが、プラチカの冒頭にはここ数年の大学入試問題の出題傾向が紹介されている。
こういうページを設けている参考書は、実はあまり多くない。
大学別の過去問題集であれば、その大学のみの出題分析は当然載っているだろうが、様々な大学の入試を概観しているコラムというのは珍しい。
ここを読めば、大学入試でどういうことが要求されているのか、勉強する際にどういうことに気をつければ良いかを大まかに理解することができるのだ。
数学の勉強をするにあたって、何を意識したらよいのか。
大学入試で問われるのはどういう力なのか。
それをあらかじめ理解しておけば、のちの勉強の方針を立てやすいはずだ。
その意味で、冒頭のコラムは大きな役割を果たしているといえる。
別冊の丁寧な解説
プラチカには、別冊で解答解説がついている
。
この解説も、質・量ともに安心できるのだ。
まず、実際に勉強するうえで別冊になっているのは扱いやすい。
自分で丸つけをするとき、問題を開きながら丸つけをできるのが別冊の強みだ。
細かいところだが、こうした実用面もバカにできないのだ。
また、どの問題に対しても解説は詳しいものになっている。
問題編のページは少ないが、その分解説には惜しみなくページが割かれている。
はじめのほうでも述べたが解答解説冊子は問題編の何倍も量がある。
それだけ丁寧だということだ。
どの科目でも同じだろうが、解説が充実しているというのは大きな強みだ。
実践的な「解法のポイント」
問題の解説を読み進めているうちに、「そもそも何をしたかったんだっけ?」と思うことがある。
計算を追うことなどに集中しているがために、本来の目標を見失ってしまうのだ。
問題集に限らず、学校の授業でもそのような経験があるはずだ。
受験勉強において、それは避けるべき事態だ。
計算だけを追って納得した気分になるのは危険である。
それだけでは、似たような問題が次に出題された時に解けないのだ。
なぜなら、計算の仕方を理解しただけで、どのように問題を解いたかは理解できていないからである。
特に独習をするときは、「どのように計算したか」ではなく「どういう方針で問題を解いたのか」を見失わないよう心がけるべきだ。
プラチカには、それを手助けする工夫がなされている。
それは、解説の前に付されている「解法のポイント」だ。
「解法のポイント」では、解説が始まる前に、方針を短めの文でサクッと述べている。
これがあることで、この先どのような方針で答えにたどり着くのか、読者は見失わないで済む。
あまり目立たない項目ではあるのだが、重要性は大きい。
プラチカのデメリット
コンパクトに良問がまとまっているプラチカだが、いくつかデメリットも存在する。
そのうちいくつかは、長所の裏返しでもあるため、自分にとってプラチカは適しているか否か、以下も読んで考えてみよう。
問題数が少なく、「これ1冊で大丈夫!」ではない
プラチカは、先述の通りさほど問題数が多くない。1A2Bであれば合計150問程度だ。
コンパクトだと捉えれば長所だが、これはもちろん短所と見ることもできる。
問題数が少なので、典型的な問題を全てカバーできているのかというとそうではないのだ。
最重要な問題はいうまでもなく揃っているのだが、「これもやっておきたい…」という問題でプラチカに載っていないものが案外たくさんある。
問題数が少ない分網羅性に欠けるのが難点だ。
それゆえ、これ一冊で受験は大丈夫!という感じの参考書ではない。
中堅校以上の入試を考えている人は、プラチカが終わったらもう1つ、2つ別の参考書に取り組む必要があるというのが正直なところだ。
発展的な問題に乏しい
プラチカの問題はどれも簡潔である。
難易度自体は教科書以上のものがあるが、問題の長さや複雑さは、教科書の章末問題とさして違わない。
したがって、大学入試に向けて気合を入れてプラチカに取り組むと少々肩透かしを受けることになる。
問題によって、当然難易度は多少異なる。
しかし、各章最後の方まで解き進めても、やりごたえのあるハイレベルな問題に遭遇することは少ないのだ。
基本的に、プラチカの問題はどこまで進んでもシンプルだと思っていたほうが良い。
基礎演習のための問題集だと思えばそれも悪くないが、応用的・発展的な内容を期待できる参考書ではないというのはデメリットである。
興味を引く内容が少ない
プラチカは非常に簡素な構成をしているのであった。
最初に出題傾向の分析はあるもの、それ以降は問題と解答解説がズラッと並んでいるのみ。
どこまでいっても問題や解説しかなく、変化に乏しいコンテンツになっている。
他の参考書には、随所に発展的なコラムを設けていたり、読みやすい解説ページが付いていたりと、興味を引く内容が盛り込まれているが、プラチカにはそのような項目がない。
そのため、全体的にあまり面白みの無いつくりになってしまっている。
そういう参考書が苦手な受験生にとっては、モチベーションの維持が大変である。
プラチカの使い方
ここまで、プラチカの長所や短所を説明してきた。
以上を踏まえた上で、プラチカが今の自分に合った参考書か否か、よく考えてみよう。
最後にこの章では、プラチカの長所と短所を踏まえた勉強法を3つ紹介する。
取り組む価値があると思ったら、以下に紹介するような勉強法を試してみてほしい。
共通する大切な心構え
どの勉強法をするにせよ、プラチカの中にどうでもよい問題はないことに注意しておこう。
プラチカは問題数が多くない分、大切な問題を厳選している。
プラチカの中に理解度が不十分な問題があると、今後の入試演習に必ず影響してしまうのだ。
したがってプラチカを扱う際は、1問1問着実に理解していくことを心がけよう。
学校の授業の復習用に
何と言ってもシンプルな問題が揃っているのがプラチカの長所。
学校の授業が終わって、該当箇所の復習をしているときに用いることができる。
まず、学校の教科書や自分のノートを見直して、内容を理解しているかチェックしてみよう。
理解できたら、教科書中の例題や練習問題を解いてみるのだ。
それによって、最低限の理解ができているのか自分で点検する。
教科書の問題を解くことができたら、いよいよプラチカの出番。
専用のノートを用意して、同じ分野の似た問題をプラチカの中から選び抜いて、解いてみる。
教科書よりかは難しいはずだから、力試しだと思って解けば良い。
実際、プラチカの問題は大学入試問題から選んでいるので、いきなり解けずとも気にする必要は皆無だ。
解けなくても落ち込む必要はない。解説を良く読んで復習し、次回以降解けるようにすれば構わない。
このように、学校の授業の進行ペースに合わせて、対応する問題を解いていくという使い方が考えられる。
1日にそこまでたくさん問題を解く必要がないので、継続しやすい使用法だ。
長期休暇中に、弱点の補強のために
苦手分野というのは誰にでもある。
ただ、苦手分野を放置してしまうと、試験でそれが出題された時に困ったことになるのは想像に難くない。
可能な限り補強をしてから試験に臨みたいところだ。
そこで、プラチカが活躍する。
プラチカに載っている問題は過度に難しくないので、苦手分野の演習をするには丁度良い。
苦手な分野の章の問題をピックアップして解いてみよう。
わからない問題があった場合、解説を熟読して必ずその場で理解する。
自力で解けない問題があったら、それは後日必ず解き直すよう注意。
最終的にその章の問題全てを自力で解けるようになれば、弱点はほぼ克服できたといえる。
分野別でシンプルにまとめられているため、このように弱点補強にも使えるのだ。
数学の学習が一通り終わったら、地盤固めに
学校の授業で理系であれば数学3、文系ならば2Bまで一通り学習が終わった時期に使うという方法である。
授業が全て終わったからといって、全分野の問題を解けるようになっているわけではないはずだ。
そこで、自分の理解度を総チェックするために、プラチカの問題をひたすら解いてみるのだ。
分野を限定せず、とにかくたくさん解くと良い。
この目的は、授業が一通り終了した段階での自分の実力を知ることにある。
幾つも問題を解くことで、自分の苦手分野や理解が不十分な分野を発見できる。
また、逆に自分がよく理解できている箇所、得点源にできる箇所も判明する。
そうすれば、今後の勉強の方針を立てやすくなるに違いない。
つまり、自分の実力を測定するツールとしてプラチカを用いるのだ。
これも、程よく難しく、シンプルな問題を収録しているプラチカならではといえる。
まとめ
「理系・文系数学の良問プラチカ」について、長所・短所、それに使い方などを説明した。
問題数で言えばプラチカに勝るものはいくらでもあるが、重要な良問のみを簡潔に収録しているという意味で、賢くコンパクトな参考書といえる。
その分、中身はしっかり消化しないと難関校入試には到底太刀打ちできないので、内容は全て理解するつもりで取り組もう。
正しい使い方で解き進めていけば、教科書レベルの実力を必ずワンランク上に引き上げてくれる。
すると、大学入試問題も少しずつ突破口が見えてくるに違いない。
ぜひプラチカで、入試数学の基礎を築き上げてほしい。
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