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漆原晃の物理が面白いほどわかる本のレベルと効果的な使い方

2022年04月18日 | 物理

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理系の人の中で物理を受験科目としている人は多いのではないだろうか?

物理という科目はあまり暗記を求められることは多くないが、一方で物理の現象を正しく理解することができていないと、成績が伸び悩んでしまう科目である。

そのため、物理を苦手としている人は多いのではないだろうか?

今回紹介する参考書は、角川の出している「漆原晃の物理が面白いほどわかる本」である。

特に物理が苦手な人、またこれから受験勉強で物理を勉強しようとしている人は、ぜひこの記事を読んで、今後の物理の対策に生かしてほしい。

漆原晃の物理が面白いほどわかる本の基本情報

まずはこの教材の基本情報から説明していこう。

  • ジャンル…物理の講義系参考書
  • 目的…基礎の理解を深める
  • 対象者…受験で物理を使う全ての人
  • 使用時期…授業と並行、もしくは受験勉強や基礎学習時の辞書替わりに。学習時は常に傍らに。
  • 問題数…1冊約50問程度
  • おすすめ度…★★★★★

総じてこの教材は慶早進学塾では非常におすすめしている。その理由についてこれから詳しく話していければと思う。

漆原晃の物理が面白いほどわかる本の特徴

では、この教材の特徴について説明していこう。

本質的な理解を深める

本書で学べば、物理の本質的な理解を深めることが出来る

そもそもこの教材は問題を数多く解いていくような演習の系の問題集ではなくて、あくまでも物理の本質や性質、現象の理解を補助するための教材である。

難易度の位置付けは入門から基礎の部類に入っているが、かといって物理が苦手な人だけが使う参考書というわけではない。

以下にその理由を説明しよう。

一般的に物理は、内容を隅々までしっかり理解するのが非常に難しい科目だ。

たとえ授業で学び、その結果問題がある程度は解けるようになったとしても、決してそれだけで安心してはいけない。

どんなに完璧にこなしても、授業や教科書を読むだけでは捉えきれない部分が残りがちな教科だからだ。

このような側面から、とにかく物理は本質を丁寧に理解することが大切だ。

一度全てを理解しきってしまえば、どんな問題もある程度解けるようになるし、逆に理解があやふやなところが残ったままだと、どれだけ問題をやり込んでも肝心の入試本番で解けないといった事態に陥ってしまう。

物理初心者や苦手意識を持つ人だけではなく、理数科目が得意と認識している人も、ぜひ一読してさらなる理解を深めて欲しい。

詳しくわかりやすい解説

先ほど説明した通り、授業や教科書では簡単に理解しづらい物理の本質や現象を、この本は非常にわかりやすくそして細やかに紐解いてくれる。

その詳しさとわかりやすさは、これ以上の参考書はないのではないか…と感じるぐらいのもので、どんな人でも物理について理解できる書き方と言えるだろう。

具体的には、イラストやキャラクターが効果的に用いられていていたり、文章も非常にわかりやすい形式で書かれていたりする。

本書はわりと厚さのある本なのだが、この特徴から読むのが苦にはならず、分厚くても比較的すらすらと読めるはずだ。赤と黒の2色刷りカラーリングも見やすいし、文章の密度もあまり高くはない。

このように視覚的にも見やすくなるように配慮されて作られている。

内容の構成は、各単元での大切な部分・つまずきやすい部分について、まず事細かに解説がしてあり、そのあとにPOINTという名の箇所で重要な部分がまとめてある

その後にチェック問題が続く。上の解説部分で学んだ内容が自分で理解できているのかどうかを、チェックするための練習問題だ。

このような3本構成で本書は全編作られている。特にPOINTの箇所の出来が非常によく、この単元のこういった問題の時にはこういうところを意識するとよい、といった形で、とても細かいところまでがフォローされているので安心感がある。

基本問題も収録

本書は講義系参考書ではあるが、きちんと基本問題も収録されている。

前項で説明した3本構成の最後のチェック問題の箇所で、問題を解くときにそのページで理解した内容がどのように繋がってくるのかを確認できるのだ。

ただ問題数はそこまで多い訳ではない

また比較的やさしめな基本問題しか載っておらず、そこまでの演習力はないので、この点は注意しておいて欲しい。

あくまで学んだ内容がきちんと理解できているかどうかをチェックするための問題なので、まずは本書でポイントを理解した後に、演習用の教材も並行してやる使い方がよいだろう。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

物理初学者や物理が苦手な人には本当におすすめできる教材です。

ただしこの一冊では完結するのは難しいので、演習型の問題集と併用するのが良いですね。

漆原晃の物理が面白いほどわかる本の使い方

次に本書の使い方について説明しよう。

物理初学者や物理が苦手な人が使う

まずそもそもこの教材を使うべき人は、物理をこれから一から学習する人や、物理が苦手な人だ。

学校の授業では理解が追いつかなかったり、物理の事前知識がない人が使うべき教材であるといえる。

このような人はぜひこの教材を用意した上で、次からの使い方の項目を確認してほしい。

一方で、物理が得意であったり、学校の授業に十分ついていくことができ、定期試験でも高得点を取ることができている人に関してはこの教材は不要である。

後述する、セミナー物理や、また学校で配布される、リードαやセミナーをそのまま活用していけばいいだろう。

最低3周は読み込む

まず、最低3周は本書を読み込もう。講義系参考書を使う時は、この教材に限らず全ての教材に当てはまる事なのだが、1度さらっと読んで理解するだけではなく、最低3周は読み込んで欲しい。

つまり自分の中で内容が腑に落ち、隅から隅まで本当に理解したと思えるまで、何度も読み返す事が重要だ。この「反復作業」はどの受験勉強においても大切なことである。

とにかく何度も読み込んで、知識を無意識の長期記憶レベルまでもっていき、受験で実際に使えるようにするためには、この反復作業が一番効くのだ。

もちろん1周目から全てを理解する必要はなく、重要ポイントのみに留めておいてよい。

その代わり2周目では少し細かいポイントまで進めて理解するといった形で、周回するごとにどんどん理解度と知識を深めていくようなやり方で学習して欲しい。

よく完璧主義の人は1周目から全てを理解しようとするが、そうすると勉強は苦痛なものでしかなくなってしまう。それをやる必要は全くない。

人間はどうしても忘れてしまう生き物なので、とにかく何回も反復する中で、きちんと最終的に100%まで仕上げ切ればいいのだ。ぜひこの勉強法を実践しよう。

整理してインプットする

反復の傍らで、得た知識はきちんと整理してインプットするようにしよう。

具体的には、たくさん読みこんで理解したら、その内容を自分の頭の中で整理する過程を持つことだ。

賢い人とそうでない人との決定的な違いはじつはここにあって、勉強だけではなく他の世界でも同じことなのだが、整理整頓されていない情報は取り出したいときにすんなり取り出すことができないものだ。

理解の段階が終わったら、一度理解した情報を再びかき集め、きちんとその内容を頭の中で整理しておいて欲しい。

例えば電磁気の範囲を学習したら、コンデンサーについてはこういう性質があってこういうポイントだった、一方コイルについてはこういう性質があってこういうポイントだった…という風に、1つ1つの物事や種類ごとにきちんと頭の中で思い出し、事項とその説明がつながるようにしておくことが重要だ。

基本問題で理解度チェック

前項でも何度か軽く触れたが、本書の基本問題をやれば、そのページで学んだことの理解度を確認できる。

たとえ本の内容をきちんと熟読して理解したとしても、肝心の問題が解けないと全く意味がない。

実際に問題を解く際に学んだ内容をしっかりリンクさせ、解き方までもっていくことが必要だ。

それが出来るようになっているかどうかを判別するためのツールが、本書に載せてある基本問題なのだ。

これらの問題自体は、先ほども述べたが比較的簡単なものばかりが収録されている。

ちなみに本書の問題はその難易度別に「易」、「標準」、「やや難」の3つの目安が設定されているのだが、「やや難」でもそこまで難しい問題ではないので、きちんと学んだ内容が理解できていれば解くことができるだろう。

ここはチェックの意味合いも含めて、ぜひ最初から自力で解いてみて欲しい。

なお理数系の問題を解くときに、気をつけたいのが、公式暗記や現象理解できていない状態でいきなり問題を解いてしまうことだ。

あらかじめ内容がある程度インプットされた状態で、その知識を使いながら解くというような形で取り組むことが望ましいと言える。

結果、全く同じ問題や、定期テストでは点は取れるが、模試や入試では一切点が取れないといった最悪の状態を招いてしまう。

そして、知識がインプットされたら、必ず問題は自力で解いてみよう。最初は労力を使うし時間もかかるが、その時間はアウトプット力が鍛えられている有効な時間になるので、絶対に無駄にはならない。

基本的な内容がまったく抜け落ちていて、考えてもいっこうに解けないという場合は仕方がないので答えを見ても良いが、なんとか自力で解けそうな問題については、可能な限りまでチャレンジするという心意気で行こう。

漆原晃の物理が面白いほどわかる本の注意点

次に本書の注意点について説明しておこう。

全範囲網羅するには3冊必要

本シリーズは、物理の全範囲を網羅するには3冊の冊子を読むことが必要だ。

この教材は1つ1つの単元ごとにイラストを用いて非常にわかりやすく解説してある教材になるので、どうしても1冊で全範囲を網羅することは難しかったのだろう。

ただ、1冊単体でも結構な厚さがあるので、そこは注意しておこう。

3冊の区分け方は、力学と熱力学分野で1冊、波と原子分野でもう1冊、最後に電磁気で1冊という形式だ。

3冊も購入するにはお金がかかるし持ち歩きにもかさ張るが、本書は必ずやる価値のある非常によい参考書なので、早めの段階からぜひ3冊をそろえて欲しい。

特に電磁気の分野は教科書や授業内容だけで現象を理解するのは非常に難しい分野なので、せめて電磁気編だけでも物理を選考する全ての人に購入してもらいたいものだ。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

学校の授業の理解度にあわせて、理解が追いついていない部分だけ用意するというやり方でも問題ありません。

漆原晃の物理が面白いほどわかる本の類書との比較 

次に類書との比較を述べておこう。今回は4冊の類書を紹介する。

東進 橋元の物理をはじめからていねいに

1冊目は東進出版が出している、「橋元の物理をはじめからていねいに」だ。

この本も今回の漆原と同じ立ち位置の、講義系参考書である。

同様に、教科書や授業を聞いても理解しにくいポイントについて詳しく解説してある本になるのだが、どちらかというと漆原の方が、さらにわかりやすい説明で解説してあるというイメージだ。

具体的には、この「初めからていねいに」は「漆原」と比較すると全体的にややイラストが少なめである。もし本書を買ったとしても、難しい電磁気の分野などに関しては、これだけでは理解が及ばない人もいるかもしれない。

それならば最初から「漆原シリーズ」を購入した方が良いと思う。

こんな側面から、「はじめからていねいに」は、少々中途半端な立ち位置である本である。

このシリーズも3冊で全範囲が網羅できる形で、厚さなども「漆原」と似通っている。イラストがありすぎると気が散って集中できない、といったタイプの人には、こちらの参考書の方が良いだろう。

角川 坂田アキラの物理の解法が面白いほどわかる本

これも「漆原」と同じ講義系参考書である。

さきほど説明した「初めから丁寧に」よりは、図やグラフ・イラストが多めではあるが、やはりわかりやすさという点では「漆原」が最もよいと感じる。

やはり、物理が苦手な人にとってはこの本でも難しい場合がありそうだ。

「漆原」と「はじめからていねいに」に対して本書の違うところは、問題の解き方を軸に内容構成がされているという部分だろう。

具体的には、まず問題が提示されて、その問題を解くときにはこの現象の理解が必要なので説明するというような「問題ベース」から理解を深めていく作りになっている。

どちらかというと、ある程度基本的な事項についてはわかっているが、問題となると基本的な問題でもなかなか解けない…という人に、この「坂田アキラ」はおすすめである。

このように同じような参考書であっても、それぞれタイプや構成の仕方が違っているので、よく吟味して自分に合ったものを購入するといいだろう。

旺文社 入門問題精講

こちらも「坂田アキラ」と同様に問題ベースで作られている参考書だが、講義系参考書ではなく問題集の分類になる。

ところで問題精講シリーズは、どのシリーズも「入門」・「基礎」・「標準」に分かれていて、進むごとにどんどん難易度が上がっていく仕組みになっている。

物理については、授業と教科書だけである程度理解ができる人については、基礎問題精講から入った方が良い。

基礎問題精講を難しく感じるようであれば入門問題精講にランクを落とすことができるので、くれぐれも最初から入門問題精講には入らない方が良いだろう。

問題精講シリーズ全てにおいての共通事項は、1問1問についての解説が非常に詳しく書かれていることだ。

それは、どのような方針で解いたら良いのかという内容であったり、または解き方のどこがポイントとなってくるのかという情報であったりだ。

そして解き方のプロセスの説明も非常に詳しく、プラスαの知識なども情報としてフォローしてくれているので、1問解いただけでもじつにいろいろなことを吸収して理解できるという利点がある。

ただし1問ごとの解説が非常に詳しいがゆえに、この1冊で収録されている問題数は少なめだ。

よって問題をガンガン数多く解きたいという人には、あまり向かない参考書だ。

逆に、問題の詳しい解説を重要視する人には非常に良い参考書である。

ただし、いくら詳しく書かれていても、図やイラストについては問題集という側面からもそこまで多くはないので、そういったものを使って理解を深めることは、この本では難しい。

理解を深めるためには、やはり「漆原」などの講義系参考書を使うのがよいだろう。

河合塾 物理のエッセンス

河合塾の物理参考書はシリーズの使い方が決まっていて、最初にこの「物理のエッセンス」で現象を理解し、その後「良問の風」「名門の森」という名の問題集で仕上げていく、という風にその使い方のステップがある。

そしてこのエッセンスから入れば、自動的に難関大の受験対策までを河合塾の教材で一貫して学んでいけるというのが大きな利点かと思う。

本書も「問題精講シリーズ」同様に、1問1問の解説が非常に詳しいという点が1番大きなメリットだ。

ある程度各現象の内容は理解出来ていて、問題を解きながらその理解をさらに深めたいという人には、「エッセンス」は非常におすすめの本だ。

ただしやはり基本的な本質や現象が理解できていない人の場合には、どうしてもこの「エッセンス」だけを使ってもまだ理解が及ばない部分が残ってしまうと思う。

できれば「エッセンス」と「漆原」を並行して使い、「エッセンス」で問題を解きながら、それでも理解できないところを「漆原」で補填していく…という使い方がおすすめだ。

漆原晃の物理が面白いほどわかる本のまとめ

今回紹介した「漆原晃の物理が面白いほどわかる本」は、物理をやるからには絶対に購入して欲しい参考書だ。

その理由としては、物理という科目は基礎の理解が何よりも重要になってくるので、その理解のためにこれほどわかりやすい教材が他にないからだ。

是非3冊を最初にそろえておき、物理の問題集を並行して使いながら常に傍らに置いておいて、わからないときにいつでも見られる状態にしておくと良い。

是非、購入してみて欲しい。

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