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早稲田大学教育学部国語(現代文・古文・漢文)の傾向と対策

2022年06月26日 | 早稲田大学

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あなたは早稲田大学教育学部の受験を考えている方だろうか?

もし受験を考えているのなら、必ずこの記事を最後まで読んでほしい。

早稲田大学教育学部の攻略において、国語で足を引っ張ってしまう人は多いのではないだろうか?

他学部と比較しても、現代文が2問出題され、古文だけでなく、漢文も出題されるため、国語の試験自体が非常に重たいと感じるのではないだろうか。

国語を攻略することができれば、合格圏まで到達しやすくなるだろう。

今回は早稲田大学の教育学部の入試における国語の傾向と対策について紹介したい。

受験を考えている人は、ぜひ参考にしていただきたい。

早稲田教育学部国語の基本情報

まずは、早稲田大学教育学部の国語の入試について基本情報を押さえておこう。

時間/配点

試験時間は90分で、配点が50点となっている。

全ての科目が50点で配点は同じになっているが、2点ほど注意点がある。

早稲田大学には得点調整という制度があり、教育学部ではドイツ語とフランス語を除いた全科目について得点調整が行われるため、そのことはしっかりと把握しておこう。

さらに、教育学部の中の学科によっては英語や数学の配点が1.5倍になるなど、配点が変わるため、それについても一つひとつチェックしておきたいところだ。

出題形式/解答方式

早稲田教育学部の国語では大問が4つ出題される。

その内訳としては、現代文の評論が2つ古文と漢文が1つずつだ。

過去には大問3つの出題だったこともあったが、その場合でも大問3で甲と乙に分けて古文と漢文の問題が出題されており、大問4つの出題と実質は変わらないため特に気にする必要はないだろう。

解答方式については、直近の2021年度の入試から少し傾向が変わってきている。

その前年度までは、ほとんどの問題がマーク形式となっていたものの、漢字などの記述形式の問題も出されていた。

しかし、2021年度については全ての問題がマーク形式となっていた。

そのため、漢字の問題においても漢字を書く必要がなく、共通テストと同様に“○○に一致する漢字を次の選択肢から選べ”というようなマーク形式となっていたが、それが今後も続くかどうかというのはまだ分からないところではある。

ただし、早稲田教育学部の世界史においても2021年に完全マーク形式に変更されていたため、もしかしたら今後はマーク形式に移行するという流れになっているのかもしれない。

このことはしっかりと頭に入れておきたいところだ。

早稲田教育学部国語の特徴

それでは、より具体的に早稲田教育学部の国語の特徴について確認していこう。

今回は現代文・古文・漢文それぞれについて説明していく。

現代文:傍線部の説明問題

現代文における特徴は、傍線部の説明問題が出題されることだ。

毎年2題、評論文の問題が出題されており、大問1は少し堅苦しい評論文、大問2は随筆に近いような柔らかい表現が入った評論文となっている。

どちらの問題でも、傍線が引かれていて“これはどういうことか”というような説明を問う小問が大半となっている。

つまり、傍線部問題がかなり多いというイメージを持ってもらえたらいいだろう。

評論文のテーマとしては、比較的大きなテーマが毎年文章として出題されている。

例えば、哲学的テーマや政治的テーマ、自然環境をテーマとしたものだ。

もし仮に、より細かい特殊なテーマであったとしたら、その背景知識をわざわざ学習することは難しいかもしれない。

しかし、例に挙げたような大きなテーマであるため、もし英語などのさまざまな科目を学習していく中で背景知識が頭に入っていたとしたら、かなり読みやすい文章となっているだろう。

他には、漢字の問題が大問2で必ず出題されたり、語彙力を試される問題が出題されたりする。

さらに、文章中の“○○に入る文(語句)を書け”というような空所補充の問題も毎年出されているため、このあたりの問題もしっかりとチェックしておこう。

現代文:抽象度の高い文章の出題

年度にもよるのだが、早稲田大学教育学部の現代文は抽象度の高い文章が出題される傾向にある。

出題形式はスタンダードな出題形式であると言えるが、文章の理解に手こずってしまうと、設問の正答率にも当然影響が出てくることだろう。

日頃から様々なテーマの文章を読んでおくこと、またやや難しめの文章と対峙し、読み解く訓練を重ねておくことが重要だ。

古文:知識と文脈判断

古文の特徴は、知識と文脈判断が必要とされるところだ。

早稲田教育学部の古文においては、文法問題が多く出題されている。

これについては、単語の意味や文法がしっかりと頭に入ってさえいれば、確実に得点につなげられるような問題が比較的多い。

また、過去に古文・漢文どちらにおいても、四字熟語の知識を必要とするような問題が出題されたことがある。

2021年度の入試においては、古今和歌集や古事記といった古い書物が作成された時代の知識を必要とする問題が出されたこともある。

他には、文脈判断から内容を把握する力が必要となる問題や、主語を問うような問題が出題されている。

主語を問う問題では文法と文脈判断という2つの要素が重要となるため、そのあたりもしっかりと押さえておきたいところだ。

漢文:文脈判断問題が増加

漢文の特徴は、文脈判断問題が増加していることだ。

漢文においても、2020年までは知識があれば解ける問題が比較的多く出題されていたが、2021年にマーク形式に完全移行し、内容を文脈判断して答える問題が増えている。

これについても今後どうなっていくかはまだ分からないところではあるが、しっかりと押さえておきたいところだ。

また、正しい返り点や書き下し文を書くといった文法問題が毎年必ず出題されているが、2021年においては完全マーク形式となったため、”次の中から正しい書き下し文・返り点が書かれているものを選べ”という問題となっている。

他には、二字熟語の漢字の意味を問う問題も出題されており、そのような知識を必要とする問題も依然として多いため、そのあたりも傾向としてしっかりと押さえておこう。

早稲田教育学部国語の対策

では、具体的にどういった対策をしていけばよいのかというのを詳細に説明していこう。

対策についても、現代文・古文・漢文それぞれについて述べていく。

現代文:語彙力、背景知識を学ぶ

現代文の対策としては、語彙力をつけることと背景知識を学ぶことが大切だ。

先ほど述べたように、現代文としては評論文が2つ出題される。

どちらも毎年大きなテーマのものとなっているため、背景知識を学んでおくことで対応ができる。

哲学的・政治的なテーマや自然科学などのテーマは、現代文だけではなく英語でも話題となるものであるため、このあたりの背景知識はしっかりと学んでおきたいところだ。

このような背景知識については、一度学んで理解すればある程度頭に残るため、それほど学習に時間はかからないだろう。

また、背景知識の学習をしておくか否かで、国語と英語どちらにおいても読むスピードや理解力が全く違ってくる。

特に大きなテーマで出題される傾向がある場合は対策をとりやすいため、自分の好きなタイミングで一度は背景知識について学んでおこう。

語彙力については、“日頃からコツコツとやらないといけない”という大変なイメージを持っているかもしれない。

確かにそれが最善ではあるが、そうでなくても語彙力の対策としてはいい方法がある。

それは、後ほどおすすめの参考書として紹介する「現代文キーワード読解」を活用する方法だ。

この参考書には、入試の現代文で出てくるテーマや用語が凝縮して収録されている。

しっかりと読み込むだけで多くの頻出ワードやテーマを学習できる良い参考書となっているため、このような参考書を活用して語彙力をつけたり背景知識を学んだりしていこう。

古文:知識で得点を稼ごう

古文では、知識問題で得点を稼ぐことを狙って対策をしていこう。

入試の文系科目の中でも、古文は非常に厄介な科目の一つである。

古文は、古文単語や文法を学習し、古文常識を頭に入れてから長文問題を解いていくというふうに、積み上げが必要な科目となってくるため、学習に時間がかかる。

その割には、しっかり学習したからといって得点に必ず繋がるかというと、それがなかなか難しい科目でもある。

なぜかというと、古文は日本の中だけで伝わってきた文章であるため、“こんなことは常識でしょ”というようなことは省かれているからだ。

それは内容であったり主語であったりさまざまではあるが、背景知識はもちろん、想像力を持って読まないとなかなか理解できない場合も多い。

しかし、早稲田教育学部の古文については、単語の意味や文法知識さえ押さえておけば解ける問題もいくつか出題されている。

ここは学習しておけば必ず得点につながる部分であるため、そのあたりの基礎的な知識については漏れがないように学習しておこう。これが得点を安定させることが対策の1つと言えるだろう。

漢文:話のオチを見極める

漢文の対策としては、話のオチを見極められるようになることが大切だ。

先ほどの古文と同様に、漢文でも語句の意味や文法(句形)の知識を押さえておくことで解ける問題が多く出されていた。

しかし、2021年は完全マーク形式となったためか、前年度までよりも内容把握の問題が増え、そのような問題にも焦点を当てることが重要となっている。

漢文ついては古文よりも内容を非常に把握しやすいため、普通に読んでいけば把握できることも多いだろう。

また、漢文のほとんどの文章は最後にオチがあるような形になっている。

読み進めていきながら、“おそらくこういうオチに持って行きたいんだろう”という推測ができるようになると、漢文はとても読みやすくなる。

漢文ではいち早くそのオチを見抜いて、文章の内容を理解することがとても重要となるだろう。

早稲田教育学部国語対策のおすすめ参考書

それでは、早稲田教育学部の国語で合格点を確保するためにおすすめの参考書を紹介しよう。

ここでも現代文・古文・漢文それぞれについて紹介していくため冊数が多くなるが、ぜひしっかりとチェックしてもらいたい。

駿台 現代文読解の基礎講義

まずは現代文の対策としておすすめの参考書1冊目を紹介する。

駿台文庫から出ている「現代文読解の基礎講義」だ。

これは現代文の問題の読み方と解き方を学習できる参考書として、少々レベルの高い1冊となっている。

現代文の参考書は他にもさまざまなものがあるが、その中でもこの参考書が一番優れている点は、とても本質的で普遍的な解法を学習できるところだ。

著者が哲学に詳しい方で、“本質的な部分から現代文を読み解く”という考えのもとで書いたものであるため、普遍的な解き方となっているようだ。

他の参考書ではそれぞれの著者の独自の解き方が載っていて、さらに少しクセがある場合も多い。

それで学習した上でまた他の参考書で学習しようとすると、また少し解き方が違っていることも多いのだ。

一方で、この「現代文読解の基礎講義」はきちんと本質的な解き方となっているため、この1冊をマスターしておくだけでさまざまな現代文の問題に対応できるだろう。

それが、この参考書をおすすめする一番の理由だ。

加えて、傍線部問題へのアプローチ方法というものもとても丁寧に解説されている。

特に早稲田教育学部の現代文では傍線部問題が多いため、そのような形の問題にどのようにアプローチするといいのか、ぜひこの1冊で押さえてもらいたい。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

出題形式としてスタンダードな出題である、教育学部の現代文対策として、やはりこの教材の効果は非常に大きいです。2022年6月現在で絶版になってしまっているのが残念ではあるが、中古等で入手して解法を完璧に習得したいところですね。

Z会 現代文キーワード読解

現代文対策としておすすめの参考書2冊目は、Z会から出ている「現代文キーワード読解」だ。

この参考書については先ほども少しだけ述べたが、現代文の語句と背景知識についてマスターできるようなものとなっている。

厚さとしても普通くらいで、収録されている語句はそれほど多くないものの、現代文で本当に頻出のものばかりが収録されており、非常によくできた参考書となっている。

語句を見てその意味を知るだけであれば、全て学習するのにもあまり時間はかからないだろう。

また、テーマごとに章が分かれているのだが、それぞれで語句と同時に背景知識を知ることができ、その背景知識についても本当に頻出のものばかりとなっている。

これで学習すると、すぐにでも“この語句どこかで出てきたぞ”というふうになるくらい、重要なものだけが凝縮されているため、この1冊は絶対にやっておくことをおすすめする。

学習方法としては、背景知識を学んで語句の意味を知るだけでは少しもったいない。

それぞれのテーマごとに載っている文章を自分なりに要約してみることで、文章全体の構成要点を探る力を培うことができる。

この力は現代文を読む上では非常に重要な能力となってくるので、そういった学習も行なっていけるといいだろう。

桐原 重要古文単語315

次は、古文の対策としておすすめの参考書を紹介する。

1冊目は、桐原書店から出ている「重要古文単語315」だ。

古文単語の教材は、「ゴロゴ」や「マドンナ」など本当に多く出版されているが、その中でもこの「重要古文単語315」をぜひおすすめしたい。

語呂合わせで覚えるという形の参考書は、単体での意味は覚えられてもその先の応用が効かず、表面的な知識となってしまう。しかしながら「重要古文単語315」では本質的なところからしっかりと解説されている。

だからといって覚えにくいわけではなく、意味が覚えにくい単語については意味をイラストで表現することで、視覚的に頭に入りやすいように工夫されている。

本質的な理解覚えやすくするための語呂合わせ的な学習、どちらも併せ持つ形で学習できるものとなっており、それがこの参考書をおすすめしたい一番の理由だ。

また、単語の収録数も過不足なく、一番ちょうどいいものとなっている。

さらに、最後の方には敬語の語句一覧などの章もあり、古文読解においては敬語も非常に重要なポイントとなっているため、それがまとめられていることもこの参考書の利点と言えるだろう。

河合塾 ステップアップノート30古典文法基礎ドリル

古文の対策としておすすめの参考書2冊目は、河合塾から出ている「ステップアップノート30古典文法基礎ドリル」だ。

この「ステップアップノート」は古文・漢文では本当に有名で人気の参考書で、学校で配られることも非常に多いものだ。

この参考書の良い点は、それほどボリューム感があるわけでなくさっくりと終えることができるにもかかわらず、古文文法の基礎をきちんと網羅的に学習できるところだ。

知識をインプットしたあとに、それを演習で使って定着させていくことができるような構成となっているため、非常にスムーズに頭に入れていくことができる。

この「ステップアップノート」1冊を仕上げるだけで、基礎文法のほとんどが学習できるため、とてもコスパの良い参考書と言えるだろう。

Z会 古文上達 基礎編 読解と演習45

古文の対策としておすすめの参考書3冊目は、Z会から出ている「古文上達 基礎編 読解と演習45」だ。

「45」とあるように、この参考書には45題収録されており、長文があってその問題を解くという形の演習の参考書となっている。

早稲田教育学部の古文くらいのレベルであれば、この参考書は非常に適切な難易度となっているため、この1冊を仕上げるだけでそのレベルにはきちんと達することができるだろう。

また、この参考書には解説も詳しく載っているため、訳についてはもちろんだが、解説を読みながら文法知識などを学び直すことができるようになっている。その点もこの参考書の利点と言えるだろう。

東進 三羽の漢文 基本ポイントこれだけ!

次は、漢文の対策としておすすめの参考書を紹介する。

1冊目は、東進から出ている「三羽の漢文 基本ポイントこれだけ!」だ。

漢文については古文ほど学習の必要がなく、句形だけをしっかりと覚えておけばほとんどの問題に対応できるといっても過言ではない。

逆に言えば、句形が非常に重要だとも言える。

この「三羽の漢文」は、句形を覚えるには一番見やすくて分かりやすいものとなっており、出題される範囲のカバーもしっかりとできているコスパの良い参考書となっている。

この参考書をとにかく何度も周回することで、漢文の句形についてはマスターすることができるだろう。

河合塾 ステップアップノート10漢文句形ドリルと演習

漢文の対策としておすすめの参考書2冊目は、河合塾から出ている「ステップアップノート10漢文句形ドリルと演習」だ。

これについても先ほどの古文と同様だが、いろいろな学校で配布されるようなものすごく有名な参考書で、非常にコスパの良い1冊となっている。

それほど難しくなく、全体の量としてもそれほど多くないが、基本的な文法を一通り学ぶことができる。

インプットのページと演習のページが交互に出てくるような構成となっており、覚えた内容を簡単な演習でしっかりと吐き出すことができるようになっている。

そのアウトプットによってしっかりと知識を定着させることができるため、そのような流れで学習を進めていけるような作りとなっていることが、この参考書の良いところと言えるだろう。

早稲田教育学部の漢文については、先ほどの「三羽の漢文」とこの「ステップアップノート」の2冊を仕上げた上で過去問に取りかかっていくことで、しっかりと対応することができるだろう。

早稲田教育学部国語のまとめ

早稲田教育学部の国語については、現代文・古文・漢文それぞれで傾向があることが特徴と言える。

この学部を狙っている人は、今回の記事で説明した傾向をしっかりと押さえて対策していけば、きちんと合格ラインに達することができるだろう。ぜひ参考にして頑張ってもらいたい。

注意点としては、直近の2021年に完全マーク形式となり、それが今後も続いていく可能性は高いため、そのことを念頭に置いて対策を進めていこう。

2020年までの過去問ばかりを解き、2021年のものを解いたときに“全然違う”となってしまわないよう、まずは2021年の問題から解いていくといいだろう。

          

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鴨井 拓也(塾長)
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