数学で計算ミスを防いで常に高得点を取るための3つのコツ
2017年06月07日 | 数学
センター試験はマーク式なので答えが違うと丸ごと減点されてしまう。
大問の初めの方から初歩的な計算ミスをしてしまっては、最悪の場合0点になることもある。
志望校を変えなければならないといった事故を招いてしまうこともあるので注意しなければならない。
数学の計算ミスには必ず原因と解決法があり、それを知っているのと知らないのでは数学の平均点数が大きく変わってくる。
そして、受験という一発勝負の舞台で計算ミスによって合格基準点に満たなかったというケースもよくある話。
本当は分かっていたのに、当日のコンディションや体調によってミスをしてしまっては元も子もない。
そこで今回は、数学の計算ミスについて
- なぜ計算ミスをしてしまうのか
- 計算ミスの典型的な例
- 計算ミスの防止策
の3つに分けて皆さんにお伝えしていくことにする。
この記事を読んで数学の計算ミスについて改めて考え直し、問題を解く際に正しい習慣を身につけておくことで、皆さんの数学の計算ミスは減り平均点数が格段に向上することは間違いない。
1. なぜ計算ミスをするのか
まず第1章では、なぜ多くの受験生は数学で計算ミスをしてしまうのかについて述べていく。
ここでは、どうして計算ミスに気づけないのか、何か間違った癖や習慣が身についてしまっているのかについて考え直すことが重要となってくる。
なぜ計算ミスをしてしまうのか大きく3つに分け、
- たくさんの計算を一気にしてしまう
- 見直しの時間を確保していない
- 途中過程を理解せず丸暗記してしまっている
について述べていくことにする。
何ともないような問題で計算ミスをして大問丸ごと減点などといった事態にならないために、この章で数学の計算ミスが起こりうる原因について理解しておいていただきたい。
1.1たくさんの計算を一気にしてしまう
まず初めに、たくさんの計算を一気にしてしまうということが原因として挙げられる。
頭の中で多くの計算をまとめて行ってしまうと、高い確率で計算ミスを引き起こしてしまうのである。
これは微分や積分などの複雑な計算に限らず、簡単で単純な問題でも十分あり得ること。
むしろ、そのような単純な問題の方が確認をする習慣がないので、答え合わせでミスに気づいてしまうことが多くなるのだ。
時間短縮という点では一見効果的に見えてしまうが、そのせいで初めの方の問題を間違えてしまったら意味がない。
最後の方の小問でそのことに気づき、(1)から解き直すことになってしまっては余計に時間がかかってしまう。
なので、複雑な計算や量の多い計算はしっかり紙に書いて計算する習慣をつけるべきである。 慣れるまでは面倒に感じて大変かもしれないが、結果として正答率も上がり慣れれば時間効率も上がることに繋がるのだ。
1.2見直しの時間を確保していない
計算ミスはいつでも起きる可能性があります。
見直しによってそれを見つけることができれば、それだけで4点を拾ったことになります。
一方で、難しい問題に10分も15分もかけて、運良く正解にたどりついたとしても、やはり4点。
難しい問題が解けた爽快感はあっても、点数にはつながらないわけです。
なので、数学のテストを解く上での鉄則は、見直しの時間を予め設定しておいて、その時間が来たらまだできていない問題があっても見直しに入ること。
そのためには、できるだけその時間までに一通りの問題を解き終えることを目指すことが大切です。
まず大切なことは、計算ミスをする可能性を十分考慮しておくことだ。
計算を終えて答えが導き出されると、つい見直しをせずに次の問題に進んでしまいがち。
特に、入試の際は時間に追われることを恐れるあまり、心理的にも次へ次へと進みたくなってしまうもの。
そんな時に、ふと立ち止まって見直しの時間を設けることが何より大切なのだ。
しかし、自分が書いた答案だとどうしても合っているだろうと錯覚を起こしてしまって、見直しが甘くなってしまうことがある。
そんな時は、自分が採点者になった気持ちになり、客観的に答案を見ていく癖をつけるのがオススメ。
そうすることで細かい部分や見落としがちな箇所にまで目を配ることが可能になり、ミスを見つけやすくなるのだ。
また、見直しの時間を確保するためにも時間配分には気をつけなければいけない。 ここで、以下の記事を参考にしていただきたい。
計算ミスが少ない生徒というのは、自分が計算ミスをする危険をしっかり認識しています。 だからこそ、極端な話、1行進むごとに検算をしているぐらいの頻度でチェックをしています。 なので、結果として計算ミスが少なくなるのです。 ミスの多い生徒は、実は自分が間違う危険をまったく意識できていません。 だから見直しにも意識が向きにくいのです。 何度も痛い目に遭えばわかると思うのですが・・・ その痛い目が入試本番だとすると目も当てられません。 やはり、小学生のうちから指摘し続けるしかないと思います。
このように、見直しの時間をまとめて作る他にも、一行ごとに過程を見直す癖をつけるのが非常に効果的。
慣れるまでは大変な作業だが、習慣にしてしまえば無意識のうちにできるようになるので、減点率が遥かに少なくなる。
また、大問ごとに配分をあらかじめ決めておき、考えても分からないような問題の場合はとりあえず飛ばして他の問題に取り掛かると良い。
一通り解ける問題を終えて余裕ができることで、新たにひらめいて問題を解けることはよくあることだ。
それが結果的に見直しの時間を確保することにも繋がるので、計算ミスで減点されるケースが少なくなる。
1.3途中過程を理解せず丸暗記してしまっている
一言で計算ミスと言っても、その種類には多くのものが存在する。
例えば、途中の過程を理解せずに丸暗記してしまうことによって起こる計算ミスだ。
これは、一つの分野に特化して計算ミスが頻発してしまう人によくありがちなケースである。
この単元ではいつも計算ミスをしてしまうなあ。 と感じたことのある人は、基本的な定義や原理から見直す必要がある。
小問の初めの方の問題は基本問題のため、どうしても原理を理解せずにやり方だけ暗記してしまっている人が多い。
このような人は、少し問題パターンが変わったり計算が複雑になると解けなくなってしまう。
しかし、これは単に計算ミスというだけで片付けてしまってはいけない問題だ。 解説を見れば理解できてしまうために計算ミスと勘違いしてしまう人が多いのだが、これは計算ミスというよりも理解不足に分類される。
なので、特定の単元でいつも計算ミスをしてしまうという人は、教科書などで基本的な定理や原理を復習し直すことで、計算ミスを減らすことが可能である。
以下のサイトでは、数学の公式や原理について詳細に述べられているので、基本から復習して計算ミスを減らしたい人は参考にしてほしい。
2.計算ミスの例
第2章では、多くの人が頻繁に起こしてしまいがちな計算ミスの例について述べていく。
計算ミスにはある程度法則性がありパターン化されているので、それらについて原因と対策を知っておく必要がある。
これから述べる代表的な3つの計算ミス例について理解しておくことで、それらを防ぐことが可能になるので参考にしておいて欲しい。
2.1二次関数
二次関数では最初の基本問題で、平方完成する問題がよく出題される。
これは二次関数の問題の基本中の基本だが、それ故にミスしてしまうと後の問題すべてが不正解になってしまうので油断してはならないのだ。
では、どのようにして二次関数の問題でミスが起きてしまうのか、以下の間違った例と共にご覧いただきたい。
問1 次の二次関数を標準形に直しなさい(平方完成しなさい)
この問題、一見すると簡単そうに見えてしまうが、式変形を書かずに油断していると上のようなミスが生じてしまうのだ。
本来は二乗してから3をかけなければならないが、先急いでしまうと頭の中の計算が間違ってしまい、その答えのまま最後まで解いてしまうことは典型的なミスパターン。
上のような簡単な平方完成の問題でも、一行の間に多くの式変形が行われているのでしっかり記述しておかなければならない。 正しくは、
と、このように導き出すことができる。
括弧の中の式変形や過程をきちんと書き出しておくことで、単純なミスを防ぐことにつながる。
また、このように書いておくことで後に計算ミスが発覚したとしても振り返りやすいのは明らかだ。
どこで間違えてしまったのかを短時間で見つけることができればトータルで時間短縮につながるので、このような基本的な問題でもしっかりと途中計算を書いておくことを心がけよう。
2.2関数の微分
微分法は、慣れてくると暗算でスラスラ解いてしまいがちだが、こちらも大問の初めの方の問題から計算ミスをしてしまうことが非常に多い。
以下の問題で考えてみよう。
入門微分積分 より
このような基本的な微分法の問題、皆さんなら普段はどのように書いて解いているだろうか?
こちらも、一つのイコール間で多くの計算を書かずに行ってしまうと後で間違った時に時間がかかってしまうので、きちんと途中式を書いておくことで、計算ミスを極限まで減らすことが可能。
具体的には、右辺を丁寧に計算していくと
という様に書くことができる。
この様に、行ごとでする計算を細かくしていくことで、後から見た時に見直ししやすく、仮に間違えていても分かりやすいのだ。
微分法のように括弧の中が複雑なものは、一度途中式を書いて解くように意識することが望ましい。
2.3定積分と不定積分
最後に最も多くの受験生が計算ミスしやすい例として挙げられるのが、積分法。
積分は微分よりも複雑な計算が多いので、基本的な問題でも間違えてしまうケースが多い。
特に積分法では、プラスとマイナスの間違いや、微分と積分の混同がミスの原因として考えられる。
以下の問題を参考にして考えて見ていただきたい。
一見間違えるはずがないと思われがちだが、時間との闘いである入試問題ではこのような単純な問題ほど先急いでミスをしてしまう。
また、計算ミスの確率を減らしたいという人は、プラスマイナスの部分、積分する部分ごとに改行しても構わない。
いずれにしても、最低限以下の例のような答案づくりは心がけるようにしたい。
また、今回は定積分の例を挙げたが、不定積分ではよく見落としがちなのが(Cは積分定数とする)の部分だ。
これは二次試験のような記述問題では書いておかないと減点されてしまうことがあるので、忘れがちな人は最初に書いておくことをオススメする。
3.計算ミスの防ぎ方
最後に、計算ミスを防ぐためのコツやテクニックについて3つ紹介していく。
これらは比較的基本的な防止策なのだが、意外とできていない人が多いのだ。
また、これらは知っただけでは意味がなく、実際に問題を解く際に実践して習慣化しなければならない。
いざ入試本番でだけこれらを試そうと思っても、計算の際の癖や習慣というものはなかなか変えることができないのである。
なので、これから述べる3つのコツとテクニックをしっかり理解し、これからの計算の際の習慣として取り入れておこう。
3.1読みやすい字を書く
読みやすい字を書くといいうのは、簡単なように思えて実は意外と難しい。
様々な人の数学の答案用紙を見ていると、見やすい人と全く読めない人に大別される。
本人が読めれば問題ないと思われがちだが、客観的にも読みやすい書き方を身につけておいて損はないのだ。
自分が書いた数式で計算間違いをしてしまうのは非常に勿体無いことであり、誰にでも起こりうることだと意識しておく必要がある。
特に、複雑な計算式などになると字が乱れてしまいがち。
これだと、あとで見直そうと思っても読み間違いを引き起こしてしまうことになりかねないのだ。
- 採点者に誤解を与えない
- 計算ミスのリスクを抑える
- 見直しの際に見やすいようになる
このように、数学の計算では字を綺麗に書くことで生じるメリットが多いため、普段の勉強から心がけておきたい。
3.2一度に複数の式変形をしない
途中式、計算過程をしっかり書くことが非常に大切。
当たり前のことだが、数学の計算に慣れてき始めた人が起こしてしまいがちなケースだ。
早く解くことばかり意識していると、どうしても頭の中で暗算したり、途中式を省いて記述してしまう。
そうすると計算ミスが起きやすくなるだけでなく、見直しの際にパッと見て分からなくなってしまうので詳細に途中式を書いておかなければならないのである。
また、採点者によっては途中式が抜けていると減点されてしまうこともある。
なので、複数の式変形は必ず過程を記述することを心がけ、それを習慣化することで時間をかけずに計算ミスを防ぐことが可能になる。
3.3検算をする
やはり計算ミスを防ぐのに最も有効なのは、検算する癖をつけることである。
前半でも述べたように、見直しの時間を確保していない人はどうしても減点されてしまうケースが多くなってしまう。
例を挙げるとすれば、以下のようなケースがある。
【例】
- 因数分解を展開、微分を積分して元に戻るか(逆動作)
- 確率が1を超えていないか、対数の真数がマイナスでないか(定義)
- 方程式、不等式に答えを代入しても成り立つか
検算の仕方については問題によってまちまちです。普段から検算をしていないと検算のやり方を思いつかないです。例に書いたのような簡単な検算方法がある問題は、試験でなくとも試してみてください。数学の点数をワンランク上げる「計算ミスを劇的に減らす7つの方法」 より
このように簡単にできるものだとその場でできるかもしれないが、問題によっては検算の仕方が分からないといったことがあるのだ。
問題や単元ごとに検算の方法を理解しておき、普段から検算することを癖にしておくと良い。
また、基本的には原理を知っておけば数学の検算はできるようになっているので、検算方法が分からない場合は原理から復習するのも一つの手である。
まとめ
数学で計算ミスを防いで常に高得点を取るための3つのコツについてお伝えした。
計算ミスは誰にでも起こり得ることで、いくら数学が得意な人でも忘れてはならないこと。
人間誰しもミスはしてしまうので仕方がないが、できるだけ計算ミスの頻度を下げることで数学の平均点数は上げることができる。
なので、今回お伝えしたことを普段できていない人は必ず身につけておきたいテクニックである。
新しい問題をどんどん解いていくのも良いが、基本的な部分を改めて見直し習慣化することも大切だ。
そうすることで、伸び悩んでいた数学の点数を上げることが可能になるのは間違いない。
この記事を読んだ皆さんの計算ミスが減り、数学の点数がUPすることを願っている。
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