英作文で使える「良い例文」の3か条を知ろう!
2019年04月04日 | 英作文
英作文を苦手としている受験生は多い。
読解や和訳の問題は得意なのに英作文になると途端にペンが動かなくなるのだ。
英作文は他の分野と比較して、対策の方法が悩ましい。
勉強法は様々考えられるが、その中でも特に大切なのは例文を覚えるということだ。
今回は、英作文において例文を覚えることの重要性、そして例文を用いた勉強の仕方を説明していく。
これを読んで直ちに実行に移せば、英作文でも怯むことなく表現できる英語力が身につくに違いない。
そもそもなぜ英作文が書けないか
勉強法について考えるよりも先に、そもそもどうして英作文が苦手な受験生が多いのか考える必要がある。
英作文のどこが難しいのか。
他の分野(読解など)と比較して考えてみよう。
読解やリスニングの問題
長文読解の問題は、与えられた文章の内容を正確に理解することが要求される。
大学入試では、空欄に適する語を選んだり、文章の内容に一致している選択肢を選んだりする問題が出題される。
それらを解く際に、私たちは与えられた文章を理解し、要点をまとめることが重要だ。
長文読解では和訳の問題が出ることもある。
和訳では、与えられた英文を日本語に正しくに訳す必要がある。
英文を一語一語正確に理解し、訳に丁寧に反映させていくことがキーになる。
次にリスニングについて考えてみる。
リスニングは、放送される英語を聞き取り、問題に答えていくものだ。
内容一致問題や応答文を選ぶ問題などが出題されることが多い。
聞こえた英語と、問題で問われている内容を素早く理解することが肝要となる。
読解とリスニング、両者は全く異なる分野に見えるが、実は見逃せない共通点がある。
それは理解すべき対象が全て与えられている、ということだ。
読解でもリスニングでも、とにかく与えられた英語を正確に理解できれば問題は解けるようになってる。
だからと言って簡単なわけではない。
実際、難関大の読解やリスニングは高度なものばかりだ。
しかし、目の前の英語の中に答えが隠れていることだけは確かだ。
理屈上、十分な理解力があれば必ずいい点を取れる仕組みになっているという見方ができる。
英作文ではどうか
ところが、英作文では事情がだいぶ異なる。
英作文は、問題文の内容を理解してハイ終わり、ではない。
書くべき内容を全て自分で考えなければならないのだ。
「書くべき内容」というのは、大きく分けて次の二つがある。
- 内容そのもの(主張やその理由、自分が想像した内容など)
- 内容をどのような英語で表現するか
1は、そもそもどのようなコンテンツを盛り込むかという問題だ。
たとえば「自動車の運転免許の年齢を引き下げるべきか否か、あなたの考えを述べよ。」という問題が出たとする。
この時、自分はどちらの意見にしようか、そしてどのような根拠を挙げるべきか、というのが1に相当する。
1に苦労している受験生は少なくないが、これは正直大きな問題ではない。
受験の英作文では、どのような立場を選んでもそれだけで減点されることはない。
よほど反社会・非道徳的な意見でない限り、意見によらず平等に採点をしてくれる。
したがって、どういう意見にするか長時間悩んでも仕方がないのだ。
こういうのはさっさと決めてしまって、根拠は後から幾つか考えてやればよい。
とすると、次に2が問題になってくる。
内容というよりかは、それを英語でどのように表現するか。
採点官は2に重きを置いている、つまり自らの意見を英語で表現する能力を重視しているのだ。
英作文でなかなかペンが動かない人は、この「表現力」に苦労しているのである。
しかし、先ほどと異なりこの2は解決が容易ではない。次の章で、より詳しく原因を説明する。
表現力が十分でないのはなぜか
英作文をするにあたり、表現力が不十分であるがために困る受験生が多い。
しかし、これはそう簡単に解決できる問題ではないのだ。
その理由を、日本語と比較して説明する。
日本語ではどうか
英語の話の前に、私たちの母語である日本語について考えよう。
私たち(の多く)は、生まれてからしばらくは概ね日本語に接して暮らしてきた。
家族が話す日本語を聞いてそれを覚え、そして今に至るまで日本語を使い続けている。
20年弱も日本語に触れ続けているので、その経験値は非常に大きいものだ。
自分にとって興味がある内容を話すときや興奮している時は、意識せずともどんどん言葉が湧いてくるし、文章を書く際にも表現で困ることはない。
よほどのことがない限り、「日本語でどうしても表現できない!」という苦しみを抱くことはあり得ないのだ。
日本語は、私たちが最も多くの時間用いてきた言語だ。
その間培われた能力は、(普段意識しないだろうが)大変強力なものなのである。
英語の場合
では、英語の場合はどうだろう。
期間について言えば、日本語は20年弱用いているのに対し英語はせいぜい5,6年である。
小学生の頃から英語を学んでいたとしても10年弱といったところだろう。
しかも、私たちは日常生活で英語を用いているわけではない。
ほとんどの生徒は、家庭では何も意識せずに日本語でコミュニケーションをとっている。
したがって、実際に英語を用いている時間は上で述べたものよりずっと短くなっている。
少なくとも大学受験の段階においては、多くの日本人にとって英語は受験科目の1つに過ぎないのだ。
もちろん将来は英語で会話するのが非常に重要になるが、受験生のうちはそういう機会に乏しい。
どこまでいっても、英語の大切さが日本語のそれに勝ることはない。
ここまでで、日本語と英語の大きな違いが見えてくる。
端的にいうと「圧倒的な経験値の違い」だ。
私たちは今までの人生で、親や兄弟、学校の先生や友人など多くの人物の日本語を聞いてきた。
また本を読むことで、文字による学習も行なってきた。
それに比較すると、英語の経験値は大差で少ない。
経験値が少ないことは、それだけ表現の引き出しが少ないことを意味している。
したがって、自分の意見を満足のいく形で表現できず、もどかしい思いをするのだ。
ここまでの内容の整理
一旦、ここまでで説明してきた内容を整理しよう。
私たちにとっての日本語と英語の違いを考えることで、日本の多くの受験生が英作文を苦手とする理由を探ってきた。
日本語と英語の最大の違いは、今までにそれを扱ってきた年数、つまり経験値だ。
日本語では経験が豊富なので、自分のアイデアを思いのままに表現することが可能である。
しかし英語ではそうはいかず。表現力が足りないせいでアウトプットの限界が生じてしまうのだ。
経験値不足の解決法
英作文の最大の困難は経験値不足であることが分かった。
では、上記のような問題を解消するにはどうすればよいだろうか。
いくつか方法が考えられるので、順に検討していく。
英語に触れる時間を可能な限り増やす
一つの手段は、英語を用いる時間を限界まで増やすということだ。
日本語と英語の違いが経験値だったのだから、経験を増やしてやれば良い。
ある意味最も素直な方法だ。
だが、これは必ずしも実行可能ではない。
英語の勉強時間を増すことはできるだろうが、あまりに多くの時間を英語に割くと他科目が圧迫されてしまう。
英語学習の一環としてアメリカ、イギリス等に留学するプログラムが多数あるが、数週間の滞在ではそう簡単に表現力は向上しない。
とにかく、数日、数週間というレベルの時間では足りないのだ。
もちろん、努力次第である程度の実力はつくだろうが、受験生が期待するような大きな成果は上がらないと言って良い。
英語学習、それに留学が大事であるというのは確かで、これは否定しない。
だが、受験までの限られた時間内に対策をすると考えると、そういった方法はあまり賢くないと言える。
例文暗記
というわけで、経験値を地道に積み上げていくという素直な方法はかなり大変なのである。
英語だけでなく他科目も必要な訳であるから、可能な限り効率よく勉強したいものだ。
では、どうすれば良いか。
効率的な方法が一つある。
それは「例文暗記」だ。
英作文で便利な例文を数多く暗記していくことで、表現の引き出しを多くしていくという単純な方法である。
「私は○○だと思う。」とか「確かに○○だが、それは●●という問題をはらんでいる。」などといった、英作文で度々用いる形式の文をいくつか暗記してしまうのだ。
頭に入れてしまえば、あとは使いたい時にその文の一部を変更してやればOK。
単語を置き換えてやることで、多少の柔軟性・応用性も兼ね備えている。
少なくとも、「これって英語でどう言えばいいんだろう…」という箇所で悩んで時間を無駄にするアクシデントは激減する。
英作文での表現力を身につける一番良い方法は、例文を頭に入れてしまうことなのだ。
良い例文を、効率的な方法で暗記する
例文を暗記することで、表現力を身につけていくのが最善策だ。
しかし、手当たり次第にいろいろな例文を覚えれば良いのではない。
自分で「これだ!」と思う例文をチョイスしたり、効率的な方法で暗記したりする必要がある。
ここでは、良い例文の条件および勉強法について説明していく。
良い例文とは
英作文で便利な「良い例文」とはなんだろうか。
その条件は、次の3つに絞ることができる。
- 難しい語を用いていない
- 意味が明瞭である
- 語を変えれば様々な文を作れる
1つめは、難しい語を用いようとしない、つまり平易な表現を心がけることである。
多彩な表現を身につけること=難しい表現を覚えること、というふうに捉える受験生がいるが、これは大きな誤りである。
それも一つのやり方だが、自分が使える範囲の外にある単語・熟語を用いても良い英文は書けない。
そうではなくて、自分が知っている語の範囲内で表現する力を身につける方が簡単であり、賢い手段と言える。
2つめは、意味がわかりやすい文である。
意味深長な文を書いた方が高く評価されるわけではない。
文学作品を評価する際はそういった基準がありうるが、大学入試で曖昧さ・深さが評価対象になることはまずないと言える。
なぜなら、入試で一人一人の文を採点するのにかけられる時間は高々数分だからである。
高尚なものではなく、自分の想像・主張を簡潔に、かつ不足なく伝えるのが最重要なのだ。
3つめは、単語を別のものに置き換えることでいろいろな意味に変えられる、ということだ。
例文を覚えたとしても、その意味でしか支えないものだとしたら意味が薄い。
必要に応じて少し細工してやるだけで英作文で使用可能な文にできたほうが便利に決まっている。
つまり、「柔軟で使い勝手の良い」英文がベストなのだ。
特に1,2点目は重要だ。
実際、次のように入試英作文を分析されることがたいへん多い。
◆自分の身の丈に合った表現で「簡潔に」「誤りを含まずに」解答を まとめることでコミュニケーション能力をアピールしたい。もちろん,使いこなせる表現のストック を日頃から拡充しておくという努力が不可欠だ。
◆ユニークな内容でなくてよい。論理が明快で,言いたいことが一読してすぐわかる答案を目指せ。(中略)東大の「自由英作文」は決してユニークな見解を求めているのではなく,論理に ねじれがなく,言わんとすることが無理なく伝えられるかどうか,を重視していると言えよう。
上の分析は東大英作文についてのものだが、他大学でも同様だ。
「良い例文」とは、上の3つが満たされているものを指す。
どんな文を覚えようか迷ったら、これらを頼りにしてみよう。
良い例文の例
良い例文の具体例を見てみよう。
I suppose that we should use paper dictionaries than electronic ones.
これは、難しい単語を用いているわけではない。
また、I suppose thatと書くことで、意見を述べようとしていることがハッキリ分かるようになっている。
もし別の話題(たとえばビニール袋とエコバッグの比較)であれば、
I suppose that we should use eco bags than plastic ones.
のように単語を少し変えてやれば、英作文で十分応用可能である。
また、次のような文も好ましい。
It is CO2 produced by human beings that is a main cause of global warming.
it is ~は強調的な構文として勉強するものだ。
ということは、この文を使えば重要なポイントがすぐに相手に伝わるのである。
最も言いたいこと、重要な単語は最初に置くことで目立ち、採点官も理解しやすくなる。
逆に、悪い例文も紹介しておく。
It never occurs to most of us that a field of wheat is anything but a uniform whole.
「小麦の畑が、決して全体的に均一なものではないということは、私たちのほとんどは思いもしないことだ。」
これは、通常の英文としては特に問題ないが、英作文的には良い例文ではない。
なぜなら、結論を遠まわしに表現しているためである。
結局この文では、小麦畑は実は均一ではない、ということを主張したいのである。
文学作品であればこのような婉曲的表現が好まれる場合も多いが、ここでは逆効果だ。
上のような文を書くくらいなら、次のように端的に結果を記した方が意味が伝わりやすく、好印象だ。
A field of wheat is not uniform whole.
先ほど紹介した判断基準をもとに、自分で例文の良し悪しを判別できるようにしよう。
例文の覚え方
自分で良い例文を選んだら、次はそれを覚える必要がある。
といっても、例文の覚え方は単純だ。
それは、自分の手で書いて、音読してみることである。
文章を読んでいるだけではなかなか頭に入らないものだ。
初めは理解しているつもりでも、読んでいくにつれ字を目で追っているだけになってしまう…なんていうことが度々ある。
そうならないように、自分で手を動かしてその例文を書いてみることで、着実に理解していけるのだ。
また、音読も大変強力な手法だ。
英語というのはあくまで言語なのだから、実際に発音しながら勉強した方が記憶に残りやすい。
目だけでなく口や耳も使って英語を勉強するのが重要だ。
これはなにも英作文に限った話ではないので覚えておこう。
具体的な方法としては、ノートやルーズリーフに、覚えたい英文を何回か書いてみる。
その後それを音読し、頭に入ったなと思うまで繰り返し勉強する。
模試等で英作文が出題されたら、いままでに勉強してきた例文を活用して作文してみよう。
あるいは自主的に英作文をしてみて学校の先生等に採点してもらうのも悪くない。
とにかく第三者に自分の英語を採点してもらい、弱点を把握するのだ。
実際に試験を受けてみれば、自分はこういう表現が苦手なんだな、ということがわかってくる。
今度はその弱点をカバーできるような例文を探し、それを学習する。
以下、このような作業を地道に繰り返していくことで、例文のストックがどんどん増してくる。
ストックが増えれば増えるほど、自分の意見がどんどん表現しやすくなるにちがいない。
良い例文が豊富な参考書『ドラゴンイングリッシュ』
ここまで読んでくれた読者のみなさんは一つ疑問に残ったことがあるだろう。
いったいどこでよい例文を探せばよいのだろうか?
と思う人が出てきてもおかしくはない。
我々慶早進学塾はそんな人たちのために非常に良い例文ばかりが集まった参考書を一つ紹介する。
それは『ドラゴンイングリッシュ』だ。
この『ドラゴンイングリッシュ』の例文をすべて覚えてしまうと英作文でかなり強くなる。
いままでどうして書けなかったのかと思うくらい簡単に英文ができてしまう。
是非この『ドラゴンイングリッシュ』を使って例文を覚えてしまい、英作文を得意にしてしまおう。
詳しい情報は以下の記事に載っているので合わせて読んでおいてほしい。
まとめ
そもそもなぜ英作文は難しいか、良い例文とは何か、どのように勉強すれば良いかなどについて詳しく説明した。
日本人である以上、英語の経験値はネイティブと比べて圧倒的に少なく、表現の引き出しにも乏しい。
それをカバーするのが、良い例文を見つけ、暗記していくことなのである。
片っ端から覚えるのではなく、自分の眼で「これは使える!」と思ったものを選び、それを勉強していくことが大切だ。
上で述べた3か条に注意して、自分の役に立つ「良い例文」を発見し、身につけてほしい。
そうすれば、今まで表現できなかったことが楽に表現でき、英作文の得点力は確実に上昇する。
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