あなたのやり方は大丈夫?英語長文の効率的な勉強法
2019年04月22日 | 英語
受験英語と言えば、鍵を握るのは最も配点の高い英語長文の読解である。
しかし、その分苦労する受験生が多いのもこの長文読解であろう。
決められた時間内に解き終えなければならない入試では、英語長文に真正面から立ち向かって行くのは非常に効率の悪いことと言える。
そこでこの記事では、英語長文との効率の良い向き合い方を紹介して行こうと思う。少しでも受験生のみなさんの参考になれば幸いである。
常に入試本番を意識
長文の勉強をしていくにあたって重要なことの一つが常に本番を意識することである。
これは様々な場所で耳にすると思うが、具体的には何を意識すれば良いのだろうか?
入試本番の時間を想定
まず基本的なことであるが、意外と抜けがちなのが時間である。
試験問題や設問数、設問の内容は過去問などを使えば、容易に調べる
ことができる。
そこで、それを利用し、どの設問にどのくらいの時間をかけて良いのかを概算するのが重要なのだ。
その時間をしっかりセットした状態で問題に取り組むことで、最後まで解き切るために必要なペースを把握することができる。
また、同じ長文にダラダラと時間をかけて解いてできる気になってしまうことを防ぐことにも繋がる。
入試本番の状況を想定
入試本番、辞書の類を使いながら受けられる大学などはほとんどない。
しかし、英語の長文読解をしながら分からない英単語が出て来たら辞書で調べて、という風に英語長文を読んでいる人が多々見受けられる。
実際の試験ではまったく知らない英単語が出てくるのは当然のことであるのだから、大切なのは分からない単語があっても読解を進める練習をすることなのである。
後で詳しく記述するが、長文読解において全ての文章の意味を細かく理解しようとすることは時間の無駄であり、いかに必要なセンテンスだけを切り抜いていけるかが勝負のポイントなのだ。
中文のススメ
英語長文の練習をしていくとき、いきなり長文を使って読解練習をしようとする生徒が非常に多い。
これはかなりの悪手であり、スポーツで例えると練習をせずに試合の中で技術をつけていこうとするようなものである。
そこで、まずは中文を用いて勉強していくことが重要である。
中文とは?
短すぎず長すぎない英語の文章を中文と呼んでいる。
英語長文は、その文章の長さが高校生のやる気を削ぐ大きな要因であり、難しいと思われる所以だろう。
しかし、長文自体は中文の集合体であり、中文は短文の集合体であるのだから、まずは長文よりも手の着けやすい中文から攻略していくことが長文読解の勉強を進めていくうえで効率的である。
最初から長文読解をやろうとして、やる気も出ず、適当にやって挫折する、というような無駄な時間を過ごすよりも、徐々に読む量を増やしていくことが、最終的には効率の良い勉強法なのだ。
おすすめの参考書
中文を学習していく上で私たちが強く推薦するのが基礎英文問題精講(旺文社)である。
基礎英文問題精講は基礎と銘打っているものの、東大や京大などの難関大学で出題された英語長文からも良質な中文を引っ張ってきている問題集で、例題80問に加えてそれぞれの例題と同じ構文を含む練習問題が付いている。
長文の長さに混乱してしまい、なかなか読解力がついてこないと感じている人にはぜひ着手してもらいたい問題集である。
問題数が多くなく、短い時間で非常に手軽にできるものなので、必ず1日何題ずつやって何ヶ月以内に終わらす、というような計画を立て、短いスパンで3周くらいするとよいだろう。
パラグラフリーディングのススメ
ある程度は長文も読めるようになってきた、内容も大体は把握できている。
それなのに何故か点数がついてこない、なんてことはないだろうか?
こういう場合の原因の一つとして、一文の読解のみに集中してしまい、文章全体や段落ごとの筆者の主張がうまく読み取れていないということがある。
そういう生徒にはパラグラフリーディングを推奨している。
英語長文を上手に読み解くテクニックとして耳にしたことがあるかもしれない。
しかし、実際に有効活用できている受験生は非常に少ない。マスターすれば長文読解において、周りの受験生に対して大きく一歩リードできることになる。
この章を読んで是非パラグラフリーディングを自分のものにしよう。
パラグラフリーディングとは?
まず、パラグラフリーディングというものをご存知だろうか。
パラグラフリーディングとは、話の本筋となる文だけを取り出しながら長文を読むことで、その長文の大意を理解し、読み解いていく方法である。
つまり、長文の中の本当に必要な文章だけを選び出し、読む必要のない文章は軽く読んでいく、ということである。
決められた時間の中で長文を読まなければならない入試では、このパラグラフリーディングという方法は時間節約になるだけでなく、文章の大意を読み解く嗅覚が磨かれる大変有効なものであるので、ぜひマスターしてもらいたい。
パラグラフリーディングの方法
では具体的に、パラグラフリーディングとはどのように行えばいいものなのかを説明していく。
ここで注意してほしいのが、パラグラフリーディングは論説文、つまりセンター試験でいうところの大問6番に対して使うものであるということだ。
パラグラフリーディングでは、ディスコースマーカーがとても重要な役割を果たす。
まずはこのディスコースマーカーについて説明する。
ディスコースマーカーとは、簡単に言えば、接続詞や接続副詞のようなもののことで、前後の文章やパラグラフのつなぎの言葉である。
ディスコースマーカーに注意することによって、次にどんな文章が来るのかを予測しながら長文を読むことができ、さらに必要ない文章が来ると分かったところは飛ばすこともできる。
パラグラフリーディングにおけるディスコースマーカーの重要性が分かってきてもらえただろう。
例えば、for example というディスコースマーカーが出てくれば、その後は具体例の文章がくるということが分かり、具体例なら読まなくても
先に進めるし、文の意味が分かっていなければここでイメージを掴もうと判断できる。
in short や in conclusion などのディスコースマーカーがくれば、その後は結論やまとめがくると分かる。
先にその結論部分を読んでおけば、結論が分かっているのだから、それまでの文章がどういう方向に向かっていくのかを理解しながら文章を読むことができる。
また、ディスコースマーカーの前後の文章をプラスマイナスのイメージで捉えるという手法もよくとられる。
andの前の文章がプラスイメージの文章なら、andの後にもプラスイメージの文章が来る、butの前の文章がプラスイメージの文章なら、butの後にはマイナスイメージの文章が来る、という感じである。
こうすることで文章の方向を予測できるし、分からない単語が出てきてもプラスイメージの言葉であるはず、マイナスイメージの言葉であるはず、といった風に推測することもできる。
こういった予測や推測は、英語の試験に頻出の文章中の空所に入る単語や文章を選ぶ問題を解くときにも非常に役に立つ。
ディスコースマーカーによって長文を読むうえでの効率は大きく改善される。以下に代表的なディスコースマーカーの役割とその具体例を挙げておく。
順接のディスコースマーカー:前の文章を踏まえた内容の文章が来ることを示す。
so(だから)
therefore(したがって)
thus(したがって)
accordingly(したがって)
consequently(その結果)
as a result(その結果)
thanks to(~のおかげで)
because of(~のために)
due to(~のために)
on account of(~のために)
owing to(~のために)
for this reason(こういう理由で)
for that reason(そういう理由で)
this is why(こういうわけで~)
that is why(そういうわけで~)
in this way(このようにして)
in that way (そのようにして)
He practiced very hard, consequently he won the game.
彼は一生懸命練習し(プラスイメージ)、その結果、その試合に勝った(プラスイメージ)。
He often breaks his promise. That is why he has no friends.
彼はよく約束を破る(マイナスイメージ)。そういうわけで、彼は友達がいない(マイナスイメージ)。
逆説のディスコースマーカー:前の文章と反対の文章が来ることを示す。
but(しかし)
however(しかし)
yet(しかし)
nevertheless(それにもかかわらず)
nonetheless(それにもかかわらず)
still(それでもなお)
all the same(それでもなお)
This medicine is very effective. However, it’s expensive.
この薬は非常に効果的だ(プラスイメージ)。しかし、高価だ(マイナスイメージ)。
The class is difficult. Still, I’m glad I chose to take it.
その授業は難しい(マイナスイメージ)。それでもなお、私はその授業をとってよかったと思う(プラスイメージ)。
対比・対照のディスコースマーカー:前の文章と反対の文章が来ることを示す。
on the other hand(他方では、その一方で)
on the contrary(それとは反対に)
contrary to(~に反して)
in contrast(対照的に)
rather(むしろ、それどころか)
instead of(~の代わりに)
otherwise(さもなければ)
Cars are very useful. On the other hand, they are a cause of air pollution.
車はとても役に立つ(プラスイメージ)。その一方で、車は空気を汚染する原因でもある(マイナスイメージ)。
同等の情報の付加のディスコースマーカー:前の文章に情報を付け加える。
besides(その上)
moreover(その上)
furthermore(その上)
additionally(その上)
what is more(その上)
in addition to(それに加えて)
as well as(~と同様に)
similarly(同様に)
equally(等しく、同時に)
at the same time(それと同時に)
indeed(実際、それどころか)
in turn(同様に、今度は)
He is smart. Moreover, he is good at playing sports.
彼は賢い(プラスイメージ)。その上、運動が得意だ(プラスイメージ)。
結論のディスコースマーカー:結論の文章が来ることを示す。
Finally(最後に、結局)
eventually(最後に、結局)
ultimately(最後に、結局)
after all(結局、なにしろ)
in conclusion(最後に、なにしろ)
in a word(最後に、要するに)
in short(要するに)
in brief(要するに)
briefly(要するに)
to be brief(要するに)
to sum up(要するに)
その他、重要なディスコースマーカー
namely(すなわち)
that is to say(すなわち)
in other words(言い換えれば)
for example(たとえば)
for instance(たとえば)
in a sense(ある意味では)
in this case(この場合は)
などなど…
ディスコースマーカーについての理解は深まったであろう。
ここからパラグラフリーディングの話になるが、ここまで来ればもう難しいことはない。
論説文は、序論、本論、結論から構成されるので、ディスコースマーカーを利用しながら各論からさほど重要でない文章と重要な文章を選別していき、重要な文章を中心に、筆者の意図を考えながら読み解けばパラグラフリーディング完了である。
慣れるまでは難しく感じるかもしれないが、自分のものにできれば必ず試験で役に立つ。ぜひ習得してほしい。
おすすめの参考書
パラグラフリーディングのストラテジー(1)~(3)(河合出版)は、さまざまな大学の過去問を利用しながら、パラグラフリーディングの有用性を教えてくれる良書である。
この参考書は長い時間をかけて学習するというよりも、短期で終わらせ、得た知識をさまざまな長文に応用する練習をするのがよいだろう。
まとめ
ここまで長々と書き連ねてきたが、これはあくまで参考であり、さまざまな勉強法を試したうえで、自分に合い、しっかりと成績の上がる方法を見つけるのが一番いいということは言わずもがなである。
ただし確実に言えることは、英語はやればやるだけのびる教科である、ということである。
少しずつでもいいので、是非毎日英語に触れてほしい。そうすれば必ず英語力は上がるのだ。
この記事を読んでくれた人たちの英語力が向上することを願うばかりである。
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