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名問の森(河合出版)を使い、最難関大の物理で合格点を突破する方法

2022年06月30日 | 物理

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あなたは物理を受験科目にして、難関大合格を狙っている人だろうか?

東大、京大、医学部、早慶など難関大合格を目指しているのであれば、今回紹介する「名門の森」はぜひ学習しておきたい教材だ。

物理でいうと、「重要問題集」も有名な教材であるが、重問との違いとも触れながら、「名門の森」がどのような教材で、どのようにして学習していけばいいかをここで詳細に解説してある。

この教材を活用し、物理の学力を最難関大レベルまでもっていってほしい。

名門の森の基本情報

まずは「名問の森」の基本情報についてまとめておこう。

  • ジャンル…物理の問題集
  • 目的…物理の学力を応用レベルまで引きあげる。
  • 対象者…早稲田・慶應もしくは旧帝大の理系学部志望者
  • 使用時期…物理の入試の基礎~標準レベルの問題が一通り解けるようになってから。最後の仕上げとして。
  • 問題数…67問×2冊
  • おすすめ度…★★★★☆

難関大を狙う人であればぜひやっておきたい1冊となっている。

以下で名門の森の特徴や使い方について順番に見ていこう。

名問の森の特徴

それでは、「名問の森」の特徴について説明していこう。

入試応用レベルまで対応

まず1つ目の特徴は、入試応用レベルにまで対応していることだ。

この「名問の森」は、一言で言ってしまうとかなり難しい内容となっている。

早稲田・慶應の理工学部や旧帝大の理系学部あたりを目指す人以外については、このレベルまでやる必要はないだろう。

一方で、この問題集をしっかりとやりこむことができれば、前述した大学・学部の入試に対応できるレベルにまで到達することができるため、そのあたりの難関大学を目指している人には、最後の仕上げとしてぜひおすすめしたい1冊だ。

収録問題の難易度は、4段階の☆マークによって一目で分かる形となっている。

全体としては入試の標準~応用レベルの問題が収録されている形だが、自分が目指す大学によって解く問題をセレクトできるようになっていることも、この問題集の特徴と言えるだろう。

質の良い過去問をメインに構成

2つ目の特徴は、質の良い過去問をメインに構成されていることだ。

この「名問の森」の限らず、河合塾の物理教材シリーズについては、非常に良い問題だけをセレクトして集められている。

一つの教材に収録されている問題数はそれほど多くはないが、一つひとつの問題が非常に厳選されたものであるため、きちんと本質的な内容を網羅的に学習できる良本となっている。

この「名問の森」については、主に難関大学の過去問をベースにして作られており、実際に入試で出された問題にかなり近い形となっているため安心だ。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

名門の森は問題の質が非常にいいので、1問から多くのことを学ぶことができますね。

詳しくわかりやすい解説

3つ目の特徴は、詳しくわかりやすい解説があることだ。

このような非常に難しい問題集となると、解説がどれだけ詳しく書かれているかということが非常に大きなポイントとなってくる。

歯ごたえのある難しい問題については、やはり解説がかなり詳しくないと、ある程度物理ができる人であってもなかなか理解できないということになりかねない。

この「名問の森」については、本当に詳しく解説が書かれている。

一つの問題の途中のプロセスについても非常にわかりやすく細かく解説されており、さらに別解が記載されている問題が多いところも嬉しいポイントだ。

理数系の問題は、答えにたどり着くまでの方法がどうしても一通りではないことが多い。

別解が記載されていることで、いろいろな解き方でアプローチした場合でも“これでも正解なんだ”と確認することができる。

また、解答だけではなく、問題で取り上げられたものに関するグラフや図も充実しているため、物理の本質や現象というものをきちんと把握することができるだろう。

このグラフや図は本当に重要なポイントで、例えば電磁気であれば、目に見えない現象であるためイメージがしにくく理解が難しいことがあるかもしれないが、グラフがあることによって直感的に理解することができる。

「名問の森」では、解説でグラフや図がしっかりと載っており、その点も良いポイントだと言えるだろう。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

物理は暗記よりも、現象の正確な理解やどのようにして思考して問題を解くかという点が非常に重要です。そういった意味で、丁寧な解説が書かれていると、その思考回路を理解しやすく、応用力がつきます。

名問の森の使い方

では、「名問の森」の使い方について解説していこう。

自力で問題を解く

まずは、自力で問題を解くことを心掛けよう。

この「名問の森」には、とても難易度の高い問題が集められているように見えるかもしれないが、中には基本・標準レベルの問題もたくさんある。

先ほど述べたように、☆マークで難易度が分かるようになっているため、それほど難易度が高くない問題についてはしっかりと自力で解いてみよう。

この問題集に取りかかる人は、基礎~標準レベルまではきちんと仕上がっていることが前提となるため、絶対に自力で解けるはずだ。

もし、この「名問の森」のそれほど難易度が高くない問題でも自力で解けないことがほとんどであれば、まだ基礎~標準レベルを固められていないということだ。

一度、元の参考書に戻って復習をした方がいいだろう。

また、「名問の森」では難しい問題についても、問題の下にヒントが書かれている。

“自力で考えても絶対に分からないな”という問題については、まずヒントから見てみよう。

そして、可能な限り自力で解いていくということを心掛けてもらいたい。

このように、分からないときにいきなり解説を見なくても、ヒントがあることによって可能な限り自力で解く時間を作ることができ、自力で解く力を養うことができる点もこの問題集の魅力の一つだろう。

解説でプロセスを確認・理解

自力で問題を解いてみたら、解説でプロセスを確認・理解しよう。

これは全ての理数系問題集において言えることだが、最終的な答えが合っているかどうかだけではなく、途中の解き方や計算等のプロセスが合っているかどうかということも確認しよう。

むしろ最終的な答えというものは二の次で、その答えに至るまでのプロセスが非常に重要だ。

答えが合っている問題でも理解が間違っていたり、非効率なやり方で解いていたりする場合があるため、必ずプロセスの部分について解説をしっかりと読み込み、大事なところをインプットしてもらいたい。

なお、ここで意識すべきことは、自分が問題を解く際に考えたこと、仮説と解説で書かれていることとのズレがあったのか、なかったのかということである。

仮説と解説の考え方にズレがなかった場合は、正しい理解のもと問題を解くことができている証である。そのまま解説を読み、次の問題に進めば大丈夫だろう。

一方で、仮説と解説の考え方にズレが生じていた場合、そのズレがなぜ生じてしまっていたのかを検証することが非常に重要である。

問題文や設問の情報からどこに着目して、どのように頭を使えば正解まで到達するのかという部分を理解するようにしよう。

解説だけ読んで理解しただけでは足りず、与えられている情報からどのように頭を使うかが重要であるということである。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

ただ解説を理解するというだけでは足りないんですよね。あくまでも問題文と設問で与えられてる条件からどのように頭を使うのかという部分が重要なので、そこにフォーカスしてください!

また、解けた問題と解けなかった問題どちらについても、解説にはプラスαの知識やいろいろな要素が書かれているため、さらっと見て終わるのではなく隅から隅まで確認することで、一つの問題からいろいろな知識を吸収していこう。

反復演習

次にぜひ行ってもらいたいのは、反復演習だ。

この問題集にあるような難しい問題については、一度解いただけでは再び同じような問題が出たときに対応できない。

必ず徹底して反復することを心掛けよう。

まずは、きちんと手を使って自力で解くことが大切だ。

翌日以降についても可能な限り手を使って反復してもらいたいが、この問題集にはかなり歯ごたえのある問題がそろっている。

手を使って解くと反復になかなか時間がかかってしまう場合には、問題を見て“この問題はこういうふうに解いていって、こういうところがポイントだったな”というふうに、頭の中で想起することでも反復演習と同じ効果があるだろう。

そうすることで、効率的に反復を行っていこう。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

一度その問題を理解できるようになったら、繰り返し問題を解いて完璧に自分のものにするということは非常に重要です。難しい問題をやってると反復が軽視されがちですが、難しいと考え方もすぐに分からなくなりますからね。気をつけましょう。

名問の森の注意点

ではここで、「名問の森」を使用する際の注意点について記しておこう。

学習する人は必ず確認するようにしてほしい。

標準レベルの問題集が仕上がってから手をつけること

先ほども述べたが、この「名問の森」に取りかかるには、標準レベルの問題集を仕上げておくことが前提となる。

難関大学を目指すからといって、基礎~標準レベルに穴がある状態で焦って手を付けては全く意味がない。

むしろ難関大学の入試だからこそ、基礎~標準レベルの問題をとるだけで合格点の一歩手前あたりまで達することができるため、それを極めた方が絶対に得策だと言えるだろう。

もし少しでも仕上がっていないと感じたら、過去の教材の復習を優先しよう。

そして、本当に標準レベルまでの問題が一瞬で解ける状態になってから、この「名問の森」に取りかかろう。

それほど焦る必要はないため、基礎~標準レベルまでの基礎の部分を固めるというところに、時間も労力もしっかりと費やしてもらいたい。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

実力が伴わないのに、難しい教材を使っても成績は伸びていきません。

それよりも手前のレベルで勝敗が決着することの方が断然多いです。見栄だけははらないように!

名門の森の類書との比較

次に、「名問の森」の類書を4つ紹介する。

河合塾 物理のエッセンス

まず1つ目は、河合塾が出している「物理のエッセンス」だ。

これは、河合塾が設定している物理学習のルートにおいて、最初に取りかかるものとなっている。

この参考書は2冊で全単元がそろう形となっている。

物理の受験勉強に取りかかるときの最初の基礎固めの際に、ぜひ使ってもらいたいシリーズだ。

各単元の重要な項目やポイントとなる公式等について詳しく解説されており、しっかりと基礎を固められるような内容となっている。

講義系の参考書となるため、しっかりと読み込んで内容を理解する必要があるだろう。

もし、この「物理のエッセンス」の読み込みがおろそかになってしまうと、今後どのような参考書に取りかかっていってもなかなか積み上げていくことができなくなってしまうため、ここはもう完璧に仕上げるためにしっかりと読み込んでもらいたいところだ。

また、この参考書には「エクササイズ」という基本的な問題も収録されており、各単元の内容を整理してインプットしたあとに、それで内容を理解できているかどうか確認できるようになっているため、ぜひ活用してもらいたい。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

物理初学者はやはりエッセンスはおすすめですね。以下でエッセンスの記事を公開しているので、内容確認してください。

河合塾 良問の風

2つ目は、こちらも河合塾が出している「良問の風」だ。

河合塾が設定している学習ルートでは、先ほどの「物理のエッセンス」を仕上げてから、この「良問の風」に取りかかるという形になっている。

この問題集は1冊だけで全ての単元がそろっている形になっているが、先ほどの「物理のエッセンス」とは違い、入試の基礎~標準レベルの問題が集められた問題集となっている。

収録問題数は148問となっており、他の参考書と比較するとそれほど多くはないが、各単元の重要な要素や頻出の項目等は網羅されている。

本当に厳選された良問だけが集められているため、この1冊を仕上げればほとんどの大学入試の物理に対応できるような実力をつけられるだろう。

また、今回紹介した「名問の森」と同じように、解説が非常に詳しくわかりやすく書かれている。

1問解いて終わりではなく、解説をしっかりと読み込むことで、プロセスやプラスαの知識などいろいろなものを吸収していってもらいたい。

さらに、論述問題もまとめて収録されているため、そのような形の問題が出される国公立の入試などにも対応できる1冊となっている。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

時間に余裕のある人、最難関までは目指さない人は名門の森よりも良問の風の方がいいですね。以下で良問の風の紹介もしているので、ご確認ください。

旺文社 標準問題精講

3冊目は、旺文社が出している「標準問題精講」だ。

旺文社の「問題精講」シリーズは、物理だけではなく他の理数科目のものもある。

それぞれ難易度としては、「入門」→「基礎」→「標準」という形で上がっていく形となっている。

タイトルからは分かりづらいが、「基礎問題精講」が先ほどの「良問の風」と同程度のレベルとなっているため、この「標準問題精講」にはかなりハイレベルな問題が集められている。

この「問題精講」シリーズについても、今回紹介した「名問の森」と同様に、各問題の解説において解き方のプロセスやプラスαの知識などが非常に豊富となっている。

そのため、一つの問題からいろいろな要素を吸収できるという点で、非常におすすめの1冊だ。

「名問の森」と同様、解説が詳しい分収録されている問題数は決して多くないが、このレベルの難しい問題となると、それほどやりこむ時間も必要もないだろう。

それよりも、一問一問しっかりと反復して仕上げ、解説をしっかりと読み込んでいこう。

数研出版 実戦物理重要問題集

4つ目は、数研出版が出している「実戦物理重要問題集」だ。

これは「重問」と呼ばれており、化学などの他の科目のものもあるシリーズだ。

今回紹介した参考書の中では一番有名なものかと思うが、この「重問」の最も良い点は、問題が毎年更新されているところだ。

最新年度の入試のデータも加味したうえで良問を引っ張ってきているため、最新の傾向も取り入れつつ、良い問題だけを抽出して掲載している。

その点で非常に安心の1冊と言えるだろう。

また、難易度はA・Bと言う形で分かれているため、目指している大学によってどの難易度までやりこむのか選ぶことができるのも、この問題集の良いところだ。

さらに、A・Bだけでなく、「頻出」や「重要」などの印もつけられているため、大事な問題が一目で分かるところも非常に良い点だと言えるだろう。

一方で、重要問題集は名門の森と比較して、解説が非常に簡素である。物理の考え方が既に備わっている人や、物理が得意な人はこれでも問題ないが、物理に苦手意識のある人は肝心な部分が理解できずに暗記中心の学習に陥ってしまうかもしれない。

また問題の質という点でも重問よりも、名門の森の方が一段階上だ。

難易度はやや名門の森の方が高い印象があるが、こういった特徴があるため、名門の森を選ぶのか、重要問題集を選ぶのかは冷静に見極めるようにしたい。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

重要問題集か、名門の森かはどちらかでいいと思います。

重要問題集の解説で自分自身が耐えられるかどうかで選べばいいのではないかと思います。以下で解説しています。

名門の森のまとめ

今回紹介した「名問の森」については、旧帝大や早稲田・慶応といった、本当に最難関と呼ばれる大学の理系学部を目指す人向けの難しい問題集だ。

このような難しい問題集については、とにかく解説が詳しいことが重要となる。

自分の好みに合わせて問題集は選んでもらいたいと思うが、とにかくこのような問題集に入る前には、基礎~標準レベルについてはしっかりと仕上げきっておくことをポイントとして把握しておいてもらいたい。

          

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鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

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