セミナー物理基礎+物理を使い、物理の偏差値を10以上上昇させる勉強法
2022年04月20日 | 物理
理系の人は、学校の授業で物理の授業があるだろうか?
もし物理の授業が学校であるのなら、「セミナー物理」が学校から配布されているかもしれない。
セミナー物理を正しく使うことができれば、この1冊だけで、一気に入試レベルん対応できる学力が備わるだろう。
しかし、使用するにあたっての注意点も実は存在する。
どのようにして正しく使えばいいのか、どこよりも詳細に解説していこう。
セミナー物理の基本情報
まずはセミナー物理の基本情報について確認していこう。
- ジャンル…物理の問題集
- 目的…基礎レベルから地方国公立のレベルに引き上げる
- 対象者…受験で物理を使う全ての人
- 使用時期…学校の授業と並行、または受験勉強を開始するときに基礎固めとして使う
- 問題数…900問程度収録
- おすすめ度…★★★★☆
また学校でセミナー物理ではなく、リードαが配られている人もいるだろう。
その場合は以下の記事から、リードαについて確認していただけたらと思う。
セミナー物理の特徴
それではセミナー物理の特徴について確認していこう。
学校配布教材
セミナー物理は学校配布教材である。
セミナーシリーズには、物理だけでなく化学や生物、地学のシリーズがある。セミナーシリーズは理系の有名な教材だ。
今回紹介する「セミナー物理基礎+物理」は1冊の教材であるが、「セミナー物理基礎」と「セミナー物理」で分かれている種類もある。「セミナー物理基礎」と「セミナー物理」の両方の内容が含まれているのが、「セミナー物理基礎+物理」だ。
また、セミナー物理と同時に使う教材として、「セミナーノート」がある。セミナー物理と同時に使うための教材は、その他にも何種類かある。学校から指示されて持っている人もいるかもしれない。その場合は同時並行で使うのが最も有効だ。
重要事項が一目でわかる
セミナー物理は非常に分かりやすく、良い教材である。
セミナー物理をおすすめする1番のポイントは、各単元の最初の数ページの中で、その単元で必要とされるインプット事項が整理してまとめてあるところだ。この「まとめページ」が特に優れている。
単元の内容を振り返りたいときにも教科書を読み返す必要がなく、まとめのページをしっかりと学習し、整理して覚えることによって、その単元の必要事項を全てインプットすることができる。
まとめページの後には、難易度が低い順に問題が掲載されており、まとめページで重要なポイントをインプットした後に問題に取り組むことができる。
教科書の場合、「どこが最も重要なのか」「入試に役立つポイントはどこか」ということが分かりにくい。セミナー物理のまとめページを活用することによって、必要な情報だけをインプットすることができる。
基礎を中心に内容を網羅
セミナー物理は、授業と並行して使うという方法もある。もう1つの活用方法は、受験勉強の基礎固めのために、物理の最初の教材として使うという方法だ。
理系の科目は基礎をどれだけ固められているかが最も重要なポイントだ。基礎の部分をしっかりと網羅して学習することができる参考書として非常に有効である。
基礎を中心に問題が構成されているため、入念に基礎固めをすることができる。それだけでなく、基礎から応用レベルまでの問題が収録されているため、地方国公立のレベルまでは充分に対応できる。
また、基礎問題から応用問題まで段階的に問題が構成されている。まとめページの次には「プロセス」という最低限の必要事項の理解を確かめる問題、その次に基本例題と基本問題、続いて発展例題と発展問題となっている。適切なタイミングで総合問題も収録されている。
基礎から応用までしっかりと学習することができる参考書となっている。
適度に詳しい解説
理系の教材は解説の詳しさが非常に重要なポイントになる。セミナー物理は、他の教材と比べると適度に詳しい参考書だ。
セミナー物理に収録されている問題は基本問題が多いため、そこまで詳しく解説されていなくても理解できる問題が多い。教科書や授業である程度理解できる人にとっては、セミナー物理の解説の詳しさは丁度良いだろう。
セミナー物理の解説には、グラフやイラストは使われていない。また、プラスアルファの情報が詳しく書かれているわけでもない。セミナー物理よりも解説が詳しい教材はたくさんある。もっと詳しく書かれている方が良い人には他の教材の方が合っているだろう。
ちなみに、セミナー物理は本冊と解答ともに、黒と赤の2色刷りで印刷されているため、視覚的に見やすいことが特徴だ。
セミナー物理の使い方
それでは実際にこの教材を使って、偏差値10以上上げる勉強法をお伝えしよう。
学校の授業や講義系参考書で内容を理解する
いきなりセミナー物理で学習を始める前に、まずは学校の授業や講義系参考書を使い、物理の内容を理解することが先決だ。
特に物理という科目は、暗記一辺倒の学習では太刀打ちできない側面があるため、公式や物理の現象を正確に理解するということが非常に重要なためだ。
内容を理解することができたと思ったら、次の項目を確認するようにしてもらいたい。
後からも話しますが、この部分が最重要です。まず物理の内容を理解することを優先してください。
内容を整理してインプット
セミナー物理を活用するときには、まとめページにまずはしっかりと時間をかけて学習することだ。
理系科目は基礎を理解することが最も重要である。良く分からないままに丸覚えすると、応用が利かなくなる。定期テストでは点が取れるが模試や入試になると得点が取れないという人にはこのパターンが多い。
そのため、各単元の学習を始めるときには、まとめページに書かれたインプット内容をしっかりと理解しながらインプットしておくことが重要だ。
基礎を理解する重要性は忘れないでほしい。入試で出題される問題の多くは、基礎を理解できているかどうかを判断するための問題である。基礎を理解できているのか、それとも分からないままに丸覚えしているのか、この観点でふるいにかけられる。
インプットには何時間かけても良い。まとめページの隅々まで整理してインプットするという作業を行ってほしい。
まとめページの内容さえしっかり頭に詰め込んでおけば、基本的な事項は漏れがなく網羅できているということだ。
自力で問題を解く
まとめページで重要事項をインプットできたら、次は問題を解く段階に進む。その時に心掛けてほしいのは、問題は自力で問題を解くということだ。
「自力では絶対に解けない」「もう考え尽くした」と感じた問題はすぐに答えを見ても良い。しかし、「何とか頑張ったら解けそうだな」という問題は答えを見ずに自力で解くことだ。このとき、すぐに答えを見てしまうとアウトプット力が鍛えられない。
アウトプット力が身に付いていないと、理数科目では致命的だ。定期テストで点が取れても入試や模試で点が取れないという最悪な状態に陥ってしまう。必ず、自力で解くことを心掛けてほしい。
自力で何とか解こうとするときに初めてアウトプット力が鍛えられる。確かに、自力で解くには時間がかかる。良く考えないといけないので労力もかかる。しかし、その時間は自分のために重要な時間だ。時間を惜しまず取り組んでほしい。
解説を読んで理解する
自力で問題を解いたら、解説を読んで答え合わせをしていくことになるが、ここで注意してほしいことがある。
答えがあっているかどうかではなく、解き方のプロセスが合っているかどうかを確認することを必ず行ってほしい。
理数科目では、「自力でどれだけ答えにたどり着くことができるか」という答えを出すまでのプロセスが最も重要だ。答えが合っているかはどうでも良いとまで言うと語弊があるかもしれないが、答え以上にプロセスは重要だ。
プロセス、つまりは途中計算や解法の方針立てについては、解説を読んで良く確認する必要がある。
答えが正しかったとしても、遠回りな解法をしていたり、考え方や理解が間違っている場合もあるからだ。その場合、同じような問題が模試や入試で出たときに正しいプロセスを理解出来ていないために点が取れない。
プロセスを理解できるまで何回も読んでほしい。
セミナー物理には適度に詳しい解説が載っている。解説には、答えだけでなくプラスアルファの知識も書かれている。プラスアルファの知識を理解してインプットしておくと、1問解いただけで多くのことを吸収できる。解説の隅々まで読んで、効率の良い勉強をしてほしい。
反復演習
物理だけでなく全ての教科の学習において重要なのが反復演習だ。
スムーズに解くことができた問題は1度解いたらそれで良い。しかし、プロセスに間違いがあった問題や解けなかった問題は反復演習が必要だ。
解説を読んで理解したと思っても、反復演習をせずに放置していると次に同じような問題が出ても解けない。
解説を読んで理解したら必ず1回、自分で手を使って解き直す。そしてその日の内にもう1度復習して解き直す。1日の内に必ず2回は手を使って解くと有効だ。
さらに後日、チェックを付けた問題や重要な問題を再度復習して、手を使って解く。ただし、全ての問題を手を使って解くと効率が悪い。その場合は、頭の中で想起して「この問題はこうやって方針立てて解いていったら良いんだな」というように、プロセスを頭の中で想起して、復習していく。想起して復習するという方法も反復演習として有効だ。
また、過去に解いた問題も時間をおいて定期的に反復演習していくと良い。何度も演習することで、短期記憶から長期記憶に移行される。
反復演習は、何回やってもやりすぎるということはない。
セミナー物理の注意点
実際にセミナー物理を使って、成績を上げる中で、特に気をつけないといけないポイントが存在する。
この部分の内容を熟読し、正しい勉強のやり方で物理を学習するようにしよう。
いきなり問題を解かないこと
まだ物理の学習内容を理解することができていない状態で、いきなり問題を解こうとすると、ほとんどその問題が解けずに、苦し紛れにその問題をそのまま暗記するという形になってしまいやすい。
特にセミナー物理を使う上で、最も注意すべき内容はこの内容である。
そうではなく、授業や講義系参考書などで、まずは物理の内容を理解すること、またセミナーを解く際はその前のまとめページを活用し、内容を体系的に理解した上で、実際にその知識を使いながら問題を解くということが何よりも重要である。
「自力」で問題を解くことができている感覚があれば、問題ない。しかし、何を使えばいいかわかっていない状態でただ問題を解くだけの状態だと成績が伸び悩む。
本当に気をつけたいポイントだ。
生徒を見ていて、最もこの部分の対応が重要だと言えます。
いまいちわかってないのに、ただ問題を解いているだけとなっていたら、先に内容を理解するようにしましょう。
問題数が非常に多い
セミナー物理には「プロセス」という簡単な問題から応用問題まで、全部合わせると900問程度収録されている。問題数は非常に多い。
全ての問題をやる必要はないので注意してほしい。
自分にとって易しすぎる問題が含まれていることもあるだろう。自分で考えて取捨選択しながら取り組むことが重要だ。
セミナー物理のように問題数が多い参考書の活用方法としては、最初から発展問題に手を付けないことだ。まずは基本問題を一通り解いて、理解ができた後に発展問題に取り掛かるようにすると良い。
定期テストや学校の勉強と並行して使う場合には、応用問題よりも基本問題をやり込むことが重要だ。全ての問題を解くのではなく、自分で取り組む問題を抽出して、解いた問題を反復演習すると効果的だ。「絞って反復」という勉強法を重視してほしい。
ちなみに、広く浅くやるという勉強法は最悪の勉強法だ。最初から手を付ける問題を絞って、解いた問題は反復演習するという勉強法を実践すると良い。これは全ての教科に共通することだ。
先に基本問題までをできるようにし、その後発展問題や章末の問題に取り組むのがいいです。
答えの丸暗記をしないこと!
理数科目で1番やってはいけないことは、問題を解くときに自分で考えず、すぐに答えを見て、答えやプロセスを丸暗記してしまうことだ。
物理は「現象はこうなっているから、こうやって解いたら良い」というように、自分の頭の中で様々に試行錯誤して問題を解いていくことで、アウトプット力が鍛えられる。この過程を省いてしまうと、模試や入試で点が取れない。定期テストの点は良いのに、模試や入試で点が取れない人はこの傾向が非常に高い。
アウトプット力が抜け落ちていると伸び悩みの原因になる。日頃の学習から意識して、自力で解くことを心掛けてほしい。
すぐに答えを見て丸覚えしようとしないということは、アウトプット力を鍛えるためには忘れてはいけない。
以上のように、成績を上げる上で外せないポイントがいくつかあることをわかっていただけただろうか?
実際に勉強してもらうと、この感覚が伝わるはずである。常にこの部分を意識しながら勉強することができているかを振り返るようにしてもらえると非常に良いだろう。
セミナー物理の類書との比較
数研出版 リードα 物理基礎+物理
リードαは、セミナー物理と似た用途、形式の教材である。
セミナー物理と同様、学校配布教材で市販はされていない。
中身の形式も似通っている。各単元の最初のページに重要な内容がまとめられた「まとめページ」があり、その後に問題が収録されている。基本問題から応用問題まで、幅広い難易度の問題が載っている教材だ。
細かな違いはある。セミナー物理には、入試の過去問の類題も収録されているが、リードαにはない。過去問で演習したいという場合にはセミナー物理が良いだろう。
セミナー物理を配布する学校もあれば、リードαを配布する学校もあり、どちらも有名な教材だ。優劣はないので、どちらか一方の教材に取り組めば良い。
類書のリードαの記事は以下から確認できます!
旺文社 基礎問題精講
問題精講シリーズは、物理だけではなく他の理数科目も出ている教材だ。特に、数学の基礎問題精講が有名だ。
物理の問題精講は、入門、基礎、標準という3つのレベルに分かれている。
基礎問題精講が、セミナー物理と同じくらいのレベルに当たる。受験勉強で使うときは、基礎問題精講から取り組むと良い。
入門問題精講は、基礎で理解できない人向けに易しい作りになっている。基礎に取り組んでみたが一切分からないという人が入門に移るという使い方だ。そのため、入門から手を付けるという方法はおすすめしない。
問題精講シリーズは、1問1問に対する解説が非常に詳しいことが特徴だ。1つの問題について、方針立てや重要なポイントが詳しく説明してある。セミナー物理では解説が物足りないという人には基礎問題精講がおすすめだ。
ただし、セミナー物理のようなまとめページは基礎問題精講にはない。各単元の重要事項が整理されていないところが、基礎問題精講の難点だ。
また、解説が詳しい分、問題数が100問前後と少なくなっている、問題をたくさん解きたい人には向かないだろう。
角川 漆原晃の物理が面白いほどわかる本
漆原晃の物理が面白いほどわかる本は、物理を学習するなら絶対に買ってほしい教材だ。
物理の学習では、教科書や授業を聞いただけでは「現象がどうなっているのか」を理解するのは難しい。理解さえできればどのような問題でも解けるというのが物理だ。それだけ基礎を理解することが重要な科目である。
この教材は、教科書を読んだだけでは理解しにくい物理現象や性質を分かりやすく解説している教材となっている。
良くつまずくポイントや、難しく感じるポイントを非常に詳しく説明している。この教材で理解できなかったら、他に手段はないのではないかというほどに詳しい。非常に良い教材だ。
この教材は、3冊で全ての範囲を学習できるという構成になっている。3冊となると少しかさばるため、敬遠されるかもしれない。
しかし、1度見てみればその分かりやすさに驚くはずだ。特に、電磁気の分野は授業で聞いただけでは細部まで理解できる人は少ない。この教材では、理解しにくい電磁気さえも非常に分かりやすく説明してある。
物理を勉強するときには常に傍らに置いておいて、理解できないときにはこの教材を読んでしっかりと理解するという使い方がおすすめだ。
漆原の面白いほどは、特に学校の授業についていけなくて、なおかつセミナーを使って学習する人にはおすすめです。以下のリンク先から漆原の面白いほどの紹介をしているので、ご確認ください。
河合塾 物理のエッセンス
物理のエッセンスは、基礎固め用の問題集だ。2冊で全範囲が揃うという構成になっている。
この教材の内容は基礎問題精講に似ている。基礎問題精講と同様、1問1問に対する解説が非常に詳しい。
特徴は、星マークで問題の難易度が示されていることだ。星マークで問題のレベルが分かるため、取り組む問題を選別して学習したいときに便利だ。例えば、最初1周目では星1と2を解き、2週目は星3まで手を出すという使い方ができる。
セミナー物理やリードαより解説が詳しいため、詳しい解説がほしい人にはおすすめだ。
基礎問題精講と同様に全体の問題数が少ないため、問題をたくさん解きたい人は物足りないだろう。
セミナーでうまく学習が進まない人は、エッセンスの使用を検討してみてください。以下から内容を確認することができます。
セミナー物理のまとめ
セミナー物理は、基礎から応用まで幅広く網羅された非常に優れた教材である。
各単元の最初のまとめページで、大事な情報が整理されて掲載されていることがポイントだ。また、基礎問題を中心に収録されているが、応用問題や旧帝大の難しい過去問も載っている。幅広いレベルに対応している教材となっている。
セミナー物理を持っている人は、受験勉強ではセミナー物理を徹底してやり込むことをおすすめする。セミナー物理をしっかりやり込んでおけば、旧帝大の入試でもある程度の点数が取れる。
セミナー物理をやり込んだ後で、応用レベルの問題集や過去問演習にも取り組んでいくことで、どの大学にも十分対応できる。
物理の内容を理解した状態で、初めてセミナーに取り組むという注意事項があるが、それさえ守っていれば、かなり成績を伸ばしてくれるだろう。
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