早稲田大学文化構想学部一般選抜の傾向と対策、合格する方法
2022年05月06日 | 早稲田大学
あなたは早稲田大学文化構想学部を受験する人だろうか?
早稲田大学文化構想学部の一般選抜は、2月12日に現状実施されていて、早稲田大学の一般入試の一発目として開催される。
そして近年非常に人気が出ている学部の一つであり、この学部を志望している方も多いだろう。
今回は早稲田大学の文化構想学部について一般選抜全体の説明をしよう。
ぜひ情報の把握に役立ててもらいたい。
この記事を読んでもらえれば、文化構想学部の概要を掴めると思います。また文学部との違いについて知りたい方はこちらの動画をご覧ください。
早稲田文化構想学部の合格実績
まず当校の合格実績から説明していこう。
直近、慶早進学塾からは、2021年、2019年にそれぞれ1名の合格者が出ている。
2019年は新思考入試、2021年は一般入試での合格者が出ている。
早稲田文化構想学部一般選抜の制度
次に制度について説明していこう。
文化構想学部だが、まず入試の制度として一般選抜を含む4種類の選択肢がある。
- 指定校推薦
- Global Studies in Japanese Cultures Program〈JCulP:国際日本文化論プログラム〉(総合型選抜の一種)
- 新思考入試(総合型選抜の一種)
- 一般選抜
今回はこのうちの4番目、一般選抜についての説明になるが、この中でさらに次の3種類から選抜方法を選ぶことが出来る。
- 一般選抜…大学の個別試験単体の試験だけで合否を判定する方法
- 一般選抜(英語4技能テスト利用方式)…英語について外部試験の結果を利用して受験する方法
- 一般選抜(共通テスト併用方式)…共通テストと大学の個別試験の総合得点で合否を判定する方法
3種類の入試方法について、全ての要素を絡ませながら詳しく説明していきたい。
科目
科目についてだが、共通テスト併用方式については後の項目にて説明するので、ここでは一般選抜ならびに英語4技能テスト利用方式について重点的に説明しよう。
まず個別試験の科目は3科目あり、国語、歴史、外国語になる。
外国語については、英語以外のドイツ語・フランス語・中国語・韓国語も選択できるようになっている。
ただし、英語以外の言語を選択する場合は、それぞれの共通テストでの得点を換算する方式となっている。
この場合、共通テストで外国語について該当の科目を受験し、さらに国語・歴史を個別試験で受験するという形になるので、共通テスト併用式のような受験方法になる。
4技能テスト利用方式については、外部試験結果の提出で英語の個別試験を免除できる。使える外部試験はIELTS(Academic)、英検、TOEFL®(iBT)などがある。
配点
配点は以下のようになっている。
- 国語:75点
- 歴史:50点
- 外国語:75点
全体の中では歴史の配点がやや低い。
難易度
文化構想の偏差値は67.5~70.0。
早稲田大学の学部の中では真ん中程度のレベルに位置する。
合格最低点
最初に言っておきたいが、今からお伝えする合格最低点というのは、早稲田特有の制度である得点調整の後の点数であり、素点より1割程度得点が下がったものと考えてもらいたい。
そしてこの文化構想学部では全科目で得点調整がなされるので、実際には最低得点率よりも1割程度はプラスで得点しておく必要がある。
その前提で最低得点率をお伝えすると、まず一般選抜については65%程度。
次に4技能テスト利用方式の場合は68%程度。
この方式は英語の試験がまるまる免除されるが、その分国語と歴史だけで得点率が68%必要となり、4技能利用のほうが個別型よりも合格最低点が数%上がるのだ。
この点は注意しておこう。
最後に、共通テスト併用については得点率が75%程度になる。
素点ではなく、平均点をもとにして得点調整が行われるのが早稲田大学の入試の最大の特徴です。合格最低点は素点ではないので、取れるだけ高得点を取る必要があります。
定員と倍率
2021年の一般選抜については、定員が535人に対して倍率が7.8倍だった。
2020年は、570人の定員に対して倍率が8.6倍、2019年は570人に対して8.9倍となっている。
このように倍率としては毎年平均して10倍弱程度である。
早稲田の他学部ではもっと倍率が高い学部もあるが、他大学に比べると十分倍率が高い部類に入る。
ただし注意して欲しいことがある。
倍率が高いと難易度が上がるのかというと単純にそういうわけではなく、あくまでも結果に直結する指標は先ほど伝えた合格最低点である。
試験でその点数をちゃんと上回りさえすれば、どんなに倍率が高くてもきちんと合格にたどり着くことが出来るので、倍率自体をあまり気にしすぎないでもらいたい。
早稲田文化構想学部の共通テスト利用方式について
次に一般選抜の中の共通テスト利用方式について詳しく説明していこう。
まず、共通テスト利用の入試には大まかに2種類の方法があり、「単独型」と呼ばれるものと「併用型」と呼ばれるものがある。
「単独型」は、文字通り共通テストの得点だけで合否判定をする方式である。
そして「併用型」は共通テストの一部の科目の点数に加えて個別試験も課し、その両方で判定する方式である。
早稲田文化構想学部の共通テスト利用方式はこの「併用型」に当たる。
つまりこちらの方式を選ぶ場合、共通テストも個別試験も両方を受験しないとならない。
一般選抜と比較すると、個別試験にあたる外国語・国語はどちらも配点が75点で同じ。
異なる部分は、歴史の部分で、この50点分が共通テストの1科目に置き換わる形式だ。
その際、共通テストの中から選べる科目は以下になる。
- 地歴・公民…「地理B」
- 公民4科目…「現代社会」「倫理」「政治経済」「倫理・政時経済」
- 数学…「数学Ⅰ・数学A」「数学Ⅱ・数学B」
- 理科…「物理」「化学」「生物」「地学」
注意点は、一般選抜においては社会は「日本史か世界史」となっているが、共通テスト併用方式においてはこの2科目は選択不可能で、社会は「地理」しか選択できないところだ。
従って、誰もが一般選抜と共通テスト利用型を併願できるわけではない。
ちなみに、共通テスト併用方式で2科目以上受験している場合は、試験結果をもとに上記の中で最も高得点の科目を大学側が自動的に抽出してくれる。
複数の科目を受けている人は、選択肢の中から最も有利になる科目をあてがう事が出来るというわけだ。
日本史、世界史を使う人はシンプルに一般入試で受験しろ、ということですね。
例えば国公立志望の人で、数学や地理や公民の得点が共通テストの得点が高ければ合格の可能性が見えてきます。ただし最低でも9割以上、できれば95%程度の得点が必要です。
早稲田文化構想学部の一般選抜の特徴
次に一般選抜の特徴について説明していこう。
難易度は標準レベル。高得点勝負。
早稲田大学の学部の中では、文化構想学部は併願しやすい学部の1つとされている。
大半の問題が基礎から標準レベルで構成されているからだ。
しかしそのため、得点率が高くなる傾向があり高得点勝負になり、得点は75〜80%程度が求められる。
先ほど言ったように一般での合格最低点が65%なのだが、これは得点調整後の点数なので素点としては75%以上は必須になってくる。
問題の難易度は基礎から標準レベルだが、高得点勝負となると些細なミスも許されない面があり、苦手科目があるとかなり足を引っ張ることになってしまうので、実は意外と難易度が高いのだ。
また、一つの問題における配点も高まっており、運要素も絡んでくる。
くれぐれも文化構想学部一本で出願しようとは思わない方がいい。
各科目、特有な問題がある。
問題の難易度自体はそこまで難しいものは多くないが、特徴的な形式がそれぞれの科目にある。
たとえば英語については、文挿入問題と要約問題が必ず入っている。
この要約問題というのは、あまり私大では見られない形式だ。
国語については、明治文語文の出題がある。
現代文なのだが少し古めの明治時代に書かれたような文体で、これも初見では少々解きづらい。
そして現古漢融合問題になるので、現代文と古文と漢文が同時に同じ問題内に登場する。
ほとんどは単体の知識で済む問題ではあるが、中には全ての知識をリンクさせないと解けない問題も出題されていて、これもやはり初見では難しく感じるだろう。
世界史では最後の大問で他学部・他大学には出ないような絵画問題が出題される。
また日本史は史料問題に基づいて問題が構築してある形式が一般的だが、文化構想では全ての大問がテーマ史で構成されている。
このように、各科目で試験に少し癖があるというのがこの文化構想の特徴なので、それぞれについてしっかり対策をしておかなければならない。
4技能テスト利用方式は必ずしも有利にならない
なぜ有利にならないのか?その理由を説明しよう。
先ほど述べたように、一般選抜は個別試験のみで合否が決まるが、4技能テスト利用方式は英語が免除される。
ただし合格最低点が一般選抜に比べ3%程度上昇するので、英語は免除されるが他の科目、すなわち国語と歴史の得点率にプラスαを求められるのだ。
ここが、必ずしも有利にならないとする大きな理由である。
ただし、一般選抜を選んだとしても、英語では8割程度の得点率が必須、かつ文化構想の英語は非常に難易度が高い問題も毎年いくつかは出題される。
そして問題の分量も多いため、8割以上を取るのは容易ではない。
そういう点では、4技能テスト利用方式にすると英語で大失点するリスクを回避でき、精神的にも負担が減るというメリットがある。
このような側面から、どちらの方式が良いかは個人によるだろう。
もっともこの2つの試験方式はどちらか一方しか選べない仕組みではなく併願が可能だ。
特別な理由がない限りは併願するのがベストだろう。
もちろん併願すればそれぞれに受験料がかかるが、文化構想学部の中で併願した場合は受験料が減額される制度もあるので、ここは受験料を節約するよりも併願をして可能性を広げることを推奨したい。
また、先ほど説明した共通テスト併用方式についても同様に併願ができ、この文化構想の中だけで一般選抜・4技能テスト利用方式・共通テスト併用方式の3方式が併願できる。
3方式を併願で全て出しておくと、英語がダメだった場合でも4技能検定利用で救われる可能性もあるし、共通テストの何らかの科目で満点近く出たときには共通テスト利用方式の方でプラスに働いてくれる。
このようなことからも、3方式を併願で出すのが、合格率を高めるには最もよいだろう。
英検など英語外部試験で基準を満たしていれば、英語本番失敗しても、国語社会で高得点が取れれば合格につながるわけです。チャンスが広がりますので、基準満たしていれば併願するのがいいでしょう。
早稲田文化構想学部一般選抜の対策
つぎに一般選抜の対策について説明していこう。
英語は文挿入問題、要約問題の対策が鍵
まず1点目として、英語は文挿入問題と要約問題の対策をしっかり行おう。
英語はほとんどが標準レベルの問題なのだが、ところどころ本当に難しい捨て問的な問題も出題されるので、その部分は飛ばしてもらって構わない。
ただし一番対策が必要でかつ合否の分かれ目になってくる部分が、大問3の文挿入問題と大問5の要約問題だ。
問題のレベル・難易度自体はそんなに高くはないが、この2種の問題は初見では非常に解きづらい。
きちんと出来ている人と出来ていない人では得点が大きく分かれるところになってくるので、確実に点が取れるように万全の対策をしておこう。
方法としては、文挿入問題は文章全体の構成を読み取る能力、そして前後の関係や特有のスキルが必要になるので、そのあたりを意識して会得しておいて欲しい。
要約問題については、それぞれの文章から1つ1つ単語を抜き出して要約を組み立てていく形ではなく、たいてい文内に重要な構文として、その文章をそのまま大まかにまとめたような回答に使える箇所・表現が潜んでいることが多い。
そのため、その重要とされる部分をきちんと発見できる能力が必要になってくる。
こちらもトレーニングを積んでおきたい。
国語の明治文語文、現古漢融合問題に慣れよう
対策の2点目は国語についてである。文化構想の国語は、現代文が2問出たのち最後に現古漢融合問題が出てくるといった大問3問構成である。
そして大問1の現代文に明治文語文が出題され、文章量も非常に多い。
よって、この大問1で点が取れるかどうかが非常に重要なポイントになる。
明治文語文は、古文や漢文ほどは古くなく現代文の延長上と考えると読めなくはない文体ではある。
ただし表現的に難しく感じたり、視覚的に読みづらかったりする面もあるので、そのあたりでアレルギー反応を起こさないようしっかり対策しておくことが必要である。
つまるところ、明治文語文に慣れておくことが重要になる。
そして大問3の現古漢融合問題についてだが、この手の融合問題は他学部ではまず出ておらず文化構想学部独特の形式だ。
現代文と古文と漢文が別々となっていて、個別に読むことで取れる問題が大半ではあるが、中にはそれぞれをリンクさせて読まないと解けない問題も存在し、これがかなり厄介になってくる。
それでもこの形式もしっかり慣れてくれば必ず解けるようになってくるので、ここもまた過去問を使って演習を積んでおくことが必要である。
世界史は絵画問題、日本史はテーマ史を特化対策
対策の3つめは歴史である。
歴史科目の世界史と日本史については、特化的な部分が決まっている。
世界史は基本的にクセのない正誤問題の形式で非常に解きやすい。
ただし、最後の大問が絵画問題になっており、他大学や他学部ではまず出ないような形式になっている。
ここが得点差がつく部分なので、必ず対策しておこう。
日本史については、他大学・学部の形式だと文章や史料問題が出て、それが大問で各時代別に問題が設定されている形式が一般的ではあるが、この文化構想の日本史についてはそういった一般的な形式ではなく、大問全てがテーマ史で構成されている。
よってテーマ史をきちんと対策しておかないと、得点が取りづらくなってくる。これも過去問を使ってしっかり形式に慣れておこう。
早稲田文化構想学部一般選抜の科目別対策
次に科目別対策について説明していこう。
これまでに各科目の詳しい内容を別の記事で載せているので、それぞれのリンクを貼っておこう。
さらに細かい部分を確認できるので、ぜひ下記リンクをそれぞれ一読しておいてほしい。
※公開された後、リンクが表示されます。公開までしばらくお待ちください。
英語
国語
世界史
日本史
早稲田文化構想学部一般選抜の併願校対策
次に早稲田文化構想学部の併願先として、どのような形で併願校を設定していけばよいかを説明しよう。
国公立志望
早稲田の文化構想は狙えば受かるという学部ではなく、合否にはかなり運要素も絡んでくるので、おそらく国公立大学志望の受験生はそちらを第一志望にして文化構想を滑り止めとする人が多いだろう。
そうなると旧帝大を狙っている受験生などは、それぞれの受験科目において合格に十分なレベルまで到達している人だと思うので、あとは文化構想の過去問を使って、特徴的な問題形式について対策をしておけばよいだろう。
逆に、早稲田を第一志望にしている受験生については、旧帝大についても同時に対策を行うのは、勉強量的にかなりのキャパオーバーになりそうだ。
この場合は旧帝大よりも少しレベルを下げて、地方国公立などといった特化対策が出来るだけ少なく済む国公立との併願が望ましい。
私立文系志望
私立文系志望の場合、同レベルの学部であれば慶應の文学部が良いだろう。
同じ系統の学部であることと、受験日的にも受けやすいのではないだろうか。
ただし、英語は慶應文学部の試験は日本語訳や内容説明など記述形式の出題が中心となる。その点で早稲田大学文化構想学部とは出題形式が異なるため、専用の対策をする必要があるだろう。
早稲田の文系学部を受験する場合、漢文を学習しておく必要があるため、上智大学も視野に入ってくる。
ただし、上智大学では、英語の外部試験TEAPの受験が必要になってくるため、そこは注意が必要だ。
MARCHであれば、明治大学の国際日本学部、青山学院大学の文化政策学部などは文化構想と似たような内容を勉強できる学部になる。
このように自分のやりたいことと一致している、もしくは似ている学部を選ぶとよいだろう。
早稲田の文化構想を狙っている人から見て、この辺りのMARCH受験において他の科目が新たに必要になることはほぼないので、文化構想の受験勉強をしていれば大体のMARCH大学において併願で受験することが可能になるだろう。
早稲田志望
とにかく早稲田に入りたいという受験生は、文化構想と文学部の併願は必須である。
というのは、この2学部は各科目の問題形式が非常に似ているからだ。
ここは必ず両方出すようにしよう。さらに他にも、商学部・教育学部・人間科学部あたりを併願先として受けやすい学部として挙げておく。
この3つの学部については、問題の難易度がそこまで高くはなく、早稲田の中ではある程度入りやすい学部と言えるだろう。
そして第一志望が文化構想ではなく、法学部などのより難しい学部を狙っている人は、しっかりその学部の対策をした後で、文化構想の過去問を使いこの学部特有の問題形式に慣れておけば、併願も十分あり得るだろう。
早稲田文化構想学部一般選抜まとめ
最後に今回解説した内容をまとめていこう。
早稲田の文化構想学部の入試方式については、そもそも一般選抜以外の入試方式も数多くあり、更に一般選抜の中でも個別試験だけのもの、4技能テスト利用方式、共通テスト利用方式と3種類も受験方式があることを説明した。
またそれぞれ判定に使われる科目・内容が変わってくるため、3方式とも併願するのがベストということもポイントであった。
高得点勝負でかなり難しい学部にはなるが運要素も大きく絡むので、絶対にここに合格するというより、むしろ受かればラッキーといったような感覚で主に併願先として選ぶことを推奨する。
ぜひこのような心構えを持ったうえで、受験に臨んで欲しい。
また、慶早進学塾では、無料受験相談を行っているため、正しい勉強方法で勉強をしたいと考えている人は受験予定の大学を問わず、慶早進学塾の無料受験相談を活用していただきたい。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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