【傾向と対策】早稲田文化構想学部を世界史で受験し、合格する方法
2022年05月09日 | 早稲田大学
あなたは早稲田大学文化構想学部の受験を考えている人だろうか?
ひと昔前は早稲田大学の中でも非常に入りやすい学部の一つであったが、近年早稲田大学の中でも人気が上がってきていて、それにあわせて難易度も高くなってきている。
早稲田文化構想に合格するには、英語、国語、社会いずれも重要ではあるが、その中でも世界史を選んだら、世界史はどのような対策をしていけばいいのだろうか?
今回は早稲田大学文化構想学部における世界史の入試について、その傾向と対策をお伝えしよう。
早稲田文化構想を日本史で受験しようと考えている人は以下の記事をご確認ください。
早稲田文化構想世界史の基本情報
まずは早稲田大学文化構想学部世界史の基本情報について順番に確認していこう。
時間/配点
制限時間は60分で、配点が世界史については50点となる。
なお文化構想の配点は、国語が75点、英語が75点、歴史が50点という形。
注意点としては、文化構想学部についても早稲田特有の「得点調整」制度があり、さらにこの学部では全科目が得点調整の対象となる。
この点は是非頭に入れておいて欲しい。
得点調整があるので、素点で合否が決まるわけではなく、平均点をもとにした調整後の得点で合否が決まるということです。世界史は高得点勝負になりやすいですから外せませんね。
出題形式/回答方式
出題形式は、大問7〜8問による構成となる。
ただしひとつの大問についての設問数は非常に少なく、短い問題量で大問がどんどんと入れ替わっていくような形になっている。
回答方式は客観式で、マーク式回答と用語を書く記述式回答の2種類があるが、論述形式のものは出題されない。
早稲田文化構想学部世界史の特徴
それではここからはその特徴について説明していこう。
各時代バランスよく出題
まず1点目の特徴としては、各時代がバランスよく出題されるというところだ。
この文化構想の世界史は大問数が7〜8問で構成されると前項で述べたが、それぞれの大問ごとに古代から近現代までがバランスよく出題される。
出題の具体的な形式は、1つの大問の最初に文章が書かれていて、その文章の中の空欄を補充する問題と正誤問題がメインとなる。
この2種類の問題が大きな軸となり設問が作られている。
また、最初に文章ではなく史料が提示されてその史料をもとにした設問を解いていく、いわゆる史料問題も大問2つ分程度は出る。
この史料問題は、日本史の試験では良く頻出する形式なのだが、世界史の試験についてはどちらかというと文章が書かれていてそこから設問が設定されている文章型が一般的だ。
文化構想の世界史についても、このような一般的な形式と似通っていると考えてよい。
大半が基礎レベル。8割を目指そう
実は文化構想の世界史は、構成されている問題のほとんどが基礎レベルだ。
よって、しっかり対策を行えば確実に得点源になるし、逆に言うと多くの受験生が得点を稼いでくる科目になってもくるので、確実にしっかり点を取ることが大切なのだ。表題には8割を目指そうと書いているが、本音を言えば演習の段階で9割程度得点できるようになっておくと、より安心である。
つまり、コンスタントに8〜9割くらいまで取れるように対策して欲しい。
そのレベルまで得点を稼いで欲しい理由としては、まず正誤問題にあまり癖がないという点がある。
早稲田の他の学部では、同じ世界史の正誤問題でも「回答を2つ選べ」という形式や、中には1つも正解がないというようなパターン(人間科学部)、あとは正誤組み合わせの問題がある。
これは具体的には3つ程度文章があって、その正誤組み合わせを選択肢の中から選ぶような形式だ。このような問題はノーマルなものに比べて難易度が跳ね上がる。回答が1つだけと決まっていればその1つを見つければお終いだが、2つ以上を選んだり、逆に回答が0個の場合があるという事になると、一気に難しくなることは容易に想像できるだろう。
早稲田は比較的このトリッキーな正誤問題を好む大学なのだが、なぜか文化構想の世界史に関してはこのような問題の出題はほぼない。
世界史において難易度の高い正誤問題がないことはこの学部の優位な点であり、だからこそ万全な対策によって確実性を高めておいて欲しいのだ。
なお、簡単ではある文化構想の正誤問題だが、少々文章的に微妙な書き方の設問が出されることはある。
具体的には、『次の選択肢のうち「明白に」誤っているものを選びなさい』という問題が出たことがある。
選択肢の中で、明らかに間違っているものを選ばなければならないという事だ。
このようなものを解くためには、選択肢の内容全てについて確信的な理解を深めてないと判断が難しいだろう。
大半が基礎レベル問題ではあるが、中にはこのようにすごく細かい判断を求める問題や表現の難によって解釈が難しい問題も隠れている。
よって、正直満点を取るのは難しい面もある。この類の問題については取れなくても仕方がないので、他で点を稼ごう。
ちなみに早稲田の他学部世界史で恒例になっている年代整序問題(次の出来事を年代順に並び替えなさいという問題)だが、これも文化構想ではそこまでは出題されず、毎年1問が出るか出ないかといったところだ。
文化構想を目指している受験生は、年代整序問題についてもそこまで気にする必要はないかもしれない。
文化構想の世界史は間違いなく他学部と比較しても平易です。基本に忠実な対策を徹底するようにしてもらいたいです。
絵画問題が恒例!
特徴の3点目は、絵画問題が恒例で出題される点だ。
ここまでずっと、大半が基礎問題で正誤問題も比較的癖がないと述べてきたが、この絵画問題が出るという部分はこの文化構想学部の唯一の大きな特徴である。
他の大学や学部ではめったに出題されない形式なので、しっかり情報として把握しておいてほしい。
出題のされ方は、毎年最後の大問で絵画問題が必ず登場する。
逆に言うとここ以外の問題については、基礎をしっかり固めている人にとっては必ず得点できる箇所である。
つまり文化構想を狙っている人にとっては、最後の絵画問題をきちんと特化的に対策できているかどうかが合格の分かれ目になる。
ぜひしっかりと対策を施し、少しでも他の学生より有利な状態を作っておこう。
絵画の問題が出るのは面白いですよね。過去問やってないと面食らいそうです。
早稲田文化構想学部世界史の対策
では対策について、具体的に説明していこう。
基礎固めを徹底する
まずは、基礎固めを徹底して行おう。
何度も書いているが、文化構想の世界史は基礎問題が大半で構成されているので、とにかく基礎を徹底する事が大切だ。
ここについて、この時代は得意だがこの時代は不得意というような時代によるムラがある状態が一番良くない。
しっかりと全時代全地域に関して、網羅的かつ穴の部分が無いように学習を進めよう。
実は、地歴という科目は基礎固めが非常に重要で、基礎が抜けていると簡単な問題でもすぐに点が取れなくなって他の受験生と差がつき、合格ラインに達しないという現象が良く起こる。
つまり、綿密に基礎固めをする事はこの文化構想学部の対策にとどまる事ではなく、地歴の学習と言えば必ず必要になる作業だ。
その上で、この文化構想学部については特にその基礎を固めにおける熱心さ・綿密さが、そのまま試験の正答率に直結すると考えよう。
必ず苦手な部分や抜けの無いように学習に取り組んで欲しい。
通史学習を丁寧にやっていればそれだけで文化構想であれば対応できるはずです。それくらい基礎が重要な学部です。徹底しましょう。
正誤問題に慣れる
2点目、正誤問題に慣れておこう。
文化構想の世界史は、設問文章に対する空所補充と正誤問題でそのほとんどが構成されている。
空所補充は説明文を読んで内容を埋める形式で、これはしっかり基礎固めさえしていれば確実に点が取れるところである。
しかし、もう一方の正誤問題については、傾向としてどういう部分が出やすいのかという部分、つまり過去の出題傾向がわかっているとわかっていないでは全然その結果が違ってくる。
過去問で演習を繰り返し、文化構想の正誤問題の傾向に慣れておこう。
そして早稲田大学は文化構想以外でも正誤問題が軸となって問題が設定されている学部が多いので、いろいろな学部の過去問を使っての演習も行うと、さらに十分に正誤問題に慣れることが出来る。
特に文化構想と文学部の英語と世界史は、問題の形式がほとんど同じような傾向があるので、他学部の中ではおすすめだ。ちなみに文学部以外の学部に関しては、冒頭説明したような回答を2個選ぶものや、該当する回答が無いパターンが頻出し非常に難しい。
しかし、ここは発想を変えて、このような難しいレベルの他学部の正誤問題にも挑戦しておくとよいだろう。
他学部の正誤問題にも対応する力が付けば、文化構想の世界史が非常に簡単に感じられ、かえって良い練習となること間違いない。
文化構想の正誤問題はそこまで難しくないです。他学部の方がはるかに難しいですね。
丁寧に通史学習していれば対応できるはずです。
絵画問題は特化的な対策が必要!
一番の肝であり、文化構想に特化したものである絵画問題の対策が必須という事だ。
最後の大問で必ず出てくる特徴的な絵画問題をどのように対策していくか、これが文化構想の世界史を制するためのキーポイントになってくるのは間違いない。
過去問を見ていただければわかるが、非常に幅広くいろいろな事を問われる。
「描かれた年代」や「絵画を描いた人の名前」などはもちろんのこと、「どういう手法で描かれているのか」のように一歩進んだ絵画そのものに関する質問や、「(印象派・自然主義派といった)分類のどれに属するものか」といった問題も当たり前に出題される。
つまり、このような知識面の情報も含めて、全網羅的に絵画について把握していく必要がある。
学校では、世界史に登場する絵画の参照には一般的に資料集を使っていると思うが、まず大前提として資料集に出ているような絵画に関しては最低限押さえておかねばならない。
なるべく全てのものについて、細かい知識・情報までをきちんと把握してインプットしておくこと。
もっとも、資料集に出ている絵画は非常に有名なものに限られており、基本中の基本である。
資料集でもその種類によって絵画がたくさん載っている本と載っていない本があるし、過去にはまず資料集には載っていないような特殊な絵画についての出題もある。
資料集の絵画を覚えきれていないようであれば、もう終わりと言っていいほどである。
資料集に載っていないような絵画へのアプローチ法としては、一度図書館などに出向き、歴史上の絵画に関する本をじっくりと読んでおくのが一番網羅的な対策法になるだろう。
絵画の内容や手法といった知識は、入試に関わらず一般常識として知っておけば得になることも多い情報だ。
ここは勉強的に取り組むのではなく「あ、この絵は見たことがある」「なるほどこういう手法で作られているのか、この人の名前はよく聞くな」といった姿勢で、絵画そのものを楽しみながら取り組もう。
思い切って一日図書館にこもり、絵画資料を読んでみる時間を設けても良いかもしれない。
他の問題と対策が違い、演習的・勉強的ではないかもしれないが、ここは絵画という視覚的な要素を含んだその特徴から、本を見るだけで意外とすんなり覚えられ、忘れにくいという面もある。
作者の名前などは最低限覚えないとならないが、あとは視覚が覚えた情報を連れてくるだろう。
ぜひ一度機会を設け、集中的に対策してみるのも良いのではないだろうか。
世界史の文化史は日本史と異なり、用語の暗記で終わってしまいがちです。
最低限資料集の内容は全て網羅しておくようにしましょう。
早稲田文化構想学部世界史対策のおすすめ参考書
次に対策にお薦めの参考書を紹介しよう。
山川 これならわかる!ナビゲーター世界史B
こちらは世界史を学ぶ流れ・通史の部分を学ぶための参考書になる。
通史に関しては、教科書の説明は堅苦しい表現が多いことから読みづらさを感じることがあり、さらにどこが入試で聞かれるのかの判断が難しい面がある。
その点このナビゲーターは通史の細やかな部分が非常にわかりやすく解説してあり、きちんと設問で問われるポイント部分がどこかといった情報も書いてあるので、通史を学ぶにはすごく良いだろう。
シリーズ4冊を完了すること全時代を網羅する仕組みで、割とボリュームはあるものの、その分細かいところまでがきちんと書いてある。
早稲田・慶応といった難関大を目指す人にとっては、このナビゲーターをしっかりと学習しておけば安心といった一冊だ。最初から難関大を目指すことが決まっている人については、いきなりこのナビゲーターを使って通知を学んでもよいのではないか。
この本にはそれぞれに「ポイントチェック」と名前の小冊子がついていて、これが一問一答形式の簡単な問題集になっているので、通史を学習した後でこの小冊子で確認テストをするというような使い方も出来る。
これも、ナビゲーターをお奨めする長所の一つである。
ナビゲーターやり込んでれば文化構想の世界史は無双できます。徹底的に何回もやりこんでください。
Z会 入試に出る 世界史B 一問一答
世界史の学習は、先ほど挙げたナビゲーターのような時代の流れを学ぶための参考書と、その中に出てきた用語をしっかりと覚えていくための一問一答のような参考書の2つを並行して学習していくスタイルというのが一般的だ。
その中でも特にこのZ会の一問一答を薦める理由については、早稲田・慶應レベルといった少し難易度の高い大学の入試レベルまでしっかりと網羅出来るという点だ。
難関大を狙う人にとっては、安心の一冊と言えよう。
この一問一答を学習するときの学習方法としては、先ほどのナビゲーター等で通史を学習し、その当日やった範囲を一問一答で日を置かずにおさらいするという方法が良く、必ずこの勉強法で取り組んで欲しい。
というのも、この通史学習と一問一答について日付を分けてやってしまうと、全体の歴史のストーリーや流れが頭に入っていない状態で一問一答をやることになるので、知識の吸収率が悪くなる。
そして時代の流れと出来事を結び付けて覚えることが出来なくなってしまうので、用語はわかるが設問でそれを問われたときに何の語句が答えに当たるのかわからず、答えられないという形になってしまう。
必ず通史を学習した直後に、通史がしっかり頭に入っている状態で一問一答をやるという勉強法を取るようにすること。
Z会 実力をつける世界史100題
これは、入試の過去問スタイルの演習系問題集だ。
かなりレベルの高い問題集だが、早稲田や慶応といった難関大学を受験する人はこれを最後に仕上げとしてやっておくことでしっかりと実力がつく。
構成は、見開きで1つの大問が出されている形である。
各大問は最初に文章が書いてあって、その文章に空所や下線部が引かれていて空所補修や下線部の正誤問題、さらには論述問題が設問されているという形式。
基本的に回答は全て記述式で、論述問題も各大問につき1題程度含まれている。
よって私大の世界史だけではなく、論述が求められる国公立難関大をはじめとした論述が要求される大学についての対策もこの1冊でしっかり網羅できる、非常に優れた参考書である。
ちなみに早稲田大学は文化構想学部のみを受験するという人は少なく、いろんな学部を複数またいで受ける人が多い大学だが、どの学部についてもこの実力をつける100題できちんと対策できるので、自分の受験大学・受験学部やそのニーズに合わせてこの本を活用してもらったらよいだろう。
私大だけを受ける人については必要がない論述問題を飛ばしてもらってもいい。
このように活用方法はおのおので考え、より自身にとって良い形で利用していって欲しい。
文化構想だけで考えたらここまでやらなくて良いですが、他学部を併願するならやっておきたいですね。
早稲田文化構想学部世界史のまとめ
最後にまとめよう。
今回紹介した文化構想の世界史は大半が基本問題から成り立っていて、早稲田大学の中では難易度がそれほど高くない。
逆に言うと、この学部の世界史の過去問で8〜9割程度取れていないと、なかなか早稲田の他学部に対応することは難しいという側面もある。
大学内で最も基礎が重要視される入試問題になるので、しっかり8〜9割を得点するという事を目指して、基礎固めを徹底して欲しい。
また、最後に登場するこの学部ならではの絵画問題についても、特化的な対策をしておくことがポイントとなる。
早稲田文化構想の一般入試に関してや、他の科目に関して知りたい方多いと思います。
以下の記事に全てまとめていますので、必ず確認お願いします。
慶早進学塾では、塾を設立して以来、早稲田文化構想学部は毎年のように合格者を輩出しているため、受験を考えている人は、ぜひ無料受験相談を活用していただきたい。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。文化構想対策は基本中心で学習しましょう。
無料相談やってますので、遠慮なく色々なことをご相談いただけたらと思います。
慶早進学塾の無料受験相談
- 勉強しているけれど、なかなか結果がでない
- 勉強したいけれど、何からやればいいか分からない
- 近くに良い塾や予備校がない
- 近くに頼れる先生がいない
そんな悩みを抱えている人はいませんか?
各校舎(大阪校、岐阜校、大垣校)かテレビ電話にて、無料で受験・勉強相談を実施しています。
無料相談では
以下の悩みを解決できます
1.勉強法
何を勉強すればいいかで悩むことがなくなります。
2. 勉強量
勉強へのモチベーションが上がるため、勉強量が増えます。
3.専用のカリキュラム
志望校対策で必要な対策をあなただけのカリキュラムで行うことができます。
もしあなたが勉強の悩みを解決したいなら、ぜひ以下のボタンからお問い合わせください。