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【入試形式大幅変更】早稲田大学国際教養学部一般選抜の傾向と対策

2022年05月15日 | 早稲田大学

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今回は早稲田の国際教養学部の一般選抜入試について、その傾向と対策を説明していこう。

早稲田国際教養学部の入試制度

早稲田大学国際教養学部の入試制度方式は以下の2通りになる

  1. 一般選抜(共通テスト・個別英語試験・英語外部試験の合算方式)
  2. AO入試(4月と9月に実施)

2020年までは一般選抜の中に「センター試験単独利用方式」があったが、2021年からそれが廃止され、現在は上記の3試験合算方式のみとなっている

AO入試は、9月が主に学生の3割程度を占める国際留学生を対象としたもの。

2021年以降はAO入試という名称から総合型入試という名称に変えている大学や学部が多いが、国際教養学部については引き続きAO入試という名称のまま。

海外の学生がたくさん受験する側面から、留学生にもわかりやすいAO入試という名称を継続しているのではないかと思われる。

早稲田国際教養学部一般選抜について

では、上記一般選抜の詳しい方式について説明していこう。

科目と配点

科目と配点の詳細は以下の通りになる。

  • 合計200点満点
  • 共通点テスト利用分 100点満点/2教科2科目合計。
    ①国語(必須科目)50点
    ②選択1科目 50点 下記からどれか1教科を選択。
    ・地歴:①世界史B ②日本史B ③地理B
    ・数学:①数学Ⅰ・数学A ②数学Ⅱ・数学B
    ・理科:①物理 ②化学 ③生物 ④地学地歴・数学・理科
  • 英語4技能テスト換算分 20点満点(出願時に提出)
  • 英語 個別試験 80点満点

難易度

国際教養の偏差値は70程度

国際教養学部という名の表すとおり、英語のレベルがかなり高い受験生でないと合格できない試験内容なので、その点は認識しておいてほしい。

合格最低点

各試験の合格最低ラインは以下のとおり。

共通テスト部分89%程度
英語個別試験部分70%程度
トータル(外検換算分合算)78%程度

合格最低点に関しては、一点留意しておいてほしいことがある。

早稲田大学は試験後に得点調整が行われることで有名だが、2020年までは国際教養にもこの得点調整制度があった。

ただし2021年からは廃止された

これは、前述のように一般選抜の入試方式が1種類になったため、得点調整を行う必要がなくなったのが大きな理由だ。

このことから、2020年までの合格最低点と比べると2021年は25点から30点ほど合格最低点が高くなっているが、これは単純に得点調整が無くなった影響であり、過去の合格最低点とほぼ同じ値で推移しているため、特に気にしないでいただきたい。

今回は、英語個別試験の部分の特徴と対策をメインに説明していく。

定員と倍率

年度倍率定員
2021年3.4倍175名(単一試験方式)
2020年4.4倍150名(個別試験方式、センター方式含めず)
2019年5.4倍150名( 個別試験方式、センター方式含めず)

個別試験方式の一般選抜については、年々倍率が低くなっている

もっとも、倍率は入試自体には直接的には関連してこず、やはりなによりも合格最低点が重要になる

よって倍率については、目安として知っておく程度で良いだろう。

早稲田国際教養学部の一般選抜の特徴

では次に、特徴について説明していこう。

共通テスト2科目+外検+英語個別

前述の通り2021年から一般選抜はこの方式だけになった。

それぞれについて軽く触れておこう。

まず、共通テストで必須の国語は現古漢すべてを取る必要がある

共通テストでこの3科目を取る形になると、それぞれ1つの大問にかけられる時間も短くなってくるので、3科目全てに対するしっかりとした対策が必要になるだろう。

次に外部試験(英語4技能テスト)だが、国際教養学部に出願する際は外検の結果を提出しなければならないので、必ず受験歴が必要になる

最後は英語の個別試験だが、2020年まではリーディングとライティングが一緒でトータル85分だった。

しかし2021年からは少々形式が変わり、リーディングパートとライティングパートが分かれる形式になった

これについては、後ほどの項で詳しく説明しよう。

外検の目安は英検準一級以上

外部検査の換算方式についても、説明しておこう。

20点分の配点として英検で説明をすると(おそらく英検を活用する人が多いだろう)、英検の準一級に合格していると、20点のうちの14点を獲得できる

この外検部分の平均点は2021年で12点程度だったので、準一級は確実に合格には必要なラインかと思われる

これが英検二級になってくると7点しか点数が獲得できず、準一級を取っている人とはこの時点ですでに7点も差が開いてしまう。

この7点の差は結構大きい

よって国際教養を受験するなら、英検準一級以上のレベル、すなわち外検にて換算14点以上が獲得できるレベルを取得しておくのは必須事項だ。

ちなみに一級をとっていると満点の20点が課せられる。

これがTOEFLだと、総点32~94点が準1級と同じ14点で、総点95点以上になると満点。

IELTSでは、総点が5.5から6.5が準1級と同じ14点で、総点7.0以上が満点となっている。

個別試験はリーディング+ライティング

先ほど説明したように、2021年からは個別試験の英語の形式も変わり、リーディングとライティングがそれぞれべつのパートに分かれた。

変更後は、リーディングの方が90分、ライティングの方が60分という形になっている。

2020年までについてはどちらも含めて85分だったので、完全にリーディング・ライティング両方の実力を図ってくる試験方式に移行した形だろう。

そしてどちらも非常にレベルの高い問題になっていて、英語力が充分にある人しか通らない。

私立の大学で、ここまで入試としてのライティングがしっかりあるところは珍しい

ここは国公立大学の英語対策と同様のやり方で乗り切ろう。

早稲田国際教養学部一般選抜の対策 

次に、対策の説明に入っていこう。

共通テストの選択科目で得点を稼ごう

まずは、共通テストの選択科目の選び方について説明しよう。

国語については必須だが、もう1科目については選択形式なので、ここで可能な限り得点率が100%に近い点を取っておくとその他の部分でかなり余裕が生まれる。

国語については現古漢すべてを取らないとならないという点と、もともと国語は安定して高得点を取るのは難しい科目なので、鍵はもう1つの選択科目にある

例えば地歴などは学習した分だけ高得点が取れる科目になるので、もし地歴を学習している受験生ならこれを選択してここで満点に近い点数を取るというのも戦略としては有効だろう。

さきほど合格最低点のところで、共通テストの最低点が89%と説明した。

つまり、どの科目でも良いので、選択科目で高得点を取る(確実に取れるものを選んで対策しておく)と、国語の得点率が89%を少々下回ってもなんとかカバーが出来る

個別試験は高い英語力が必要

次の対策は個別試験の英語についてだ。

リーディングパートとライティングパートのうち、まずリーディングの方から説明しよう。

大問は3問形式で、この大問それぞれの文章がどれもかなりレベルが高い

そして設問についても、良く出るものとして「内容一致問題」というものがあるが、「10個程度の選択肢のうち文章の内容に合わない選択肢を4つ選べ」という形式になっている

内容把握についての選択肢が10個というのは非常に多く、それぞれの選択肢の根拠を論文中のバラバラの場所から読解の上拾ってこないとならない。

読んで瞬時に隅々までの内容を把握できるような、かなり高い英語力が必要になってくるだろう

そしてライティングの方についても、しっかりと長い文章を書かせる形式になっていて、これも小手先のスキルだけではなかなか得点に繋がっていかない。

日ごろから英語をしっかりと学習している人でないと、ここも得点できないような形式になっている。

もともと国際教養学部は、入学してからの授業の9割が英語で教えられる

そのような国際色豊かな学部なので、逆にこの入試については通過点の1つと考えて欲しい。

この入試で得点を取れないようであれば、運よく入学できたとしてもその後の学生生活で非常に苦労することになる。

入学も見据えた視点で英語を日頃から欠かさず学習し、しっかりと高いレベルまで引き上げておこう。

速読力と記述力を磨こう

三点目は、試験で高得点を取るための学習ポイントについてだ。

リーディングパートについては、もちろん語彙力や英文解釈の能力も必要になってくるが、なんといっても速読力を身に着けることが、一番確実に得点を稼げるポイントになるだろう。

ある程度の英語能力がある人であったとしても、さらに速読というところについて、もっともっと高いレベルまで引き上げておく必要がある。

そうしておかないと、読解し読み砕くといった面もさることながら設問自体も重いものが多いので、制限時間内で解き切るのが難しくなってくるのだ。

他の試験においても速読力は受験英語の1番大事なところになるのは間違いないので、自分の中で最速と言えるレベルまで速読力を上げておく必要がある。

さらにライティングパートだ。

記述については、私大受験をメインで対策している人であれは、慣れていない部分もあると思う。

もっとも国際教養を受けるくらいの受験生であれば、外検を取得する際にライティング演習をしているはずなのである程度の能力は既にあると思うが、この国際教養もまた外検同様、結構長い文章をしっかり書かせるタイプの試験だ

万全の対策を期すには、文章を書くときの文法的な形式やいろいろな背景知識を知っておく、そして自分で英文を書くときに書きやすい文体をしっかり会得しておくなど、日頃から英作文の演習を積んでおく必要があるだろう。

また日本語要約の設問もあるので、ここは再度速読力の度合いともリンクしてくる。文章全体の重要な要素を把握していく能力を鍛えておこう。

英語個別試験の傾向と対策

上記の英語個別試験については、過去の記事でもっと詳細まで詳しく説明している。リンクを貼っておくのでぜひ一読し、更に役立ててもらいたい。

早稲田国際教養学部一般選抜の併願校対策     

次に、国際教養の併願校対策について説明しよう。

国公立志望

旧帝大レベルの国公立が第一志望で、その抑えとして国際教養を受験する人が多いだろう。

国公立の対策と国際教養の対策は同質の部分が多く、国際教養だけに特化的に対策する時間は極力抑えられるかと思う

国公立の試験はやはり私大に比べると記述が多いので、個別試験のライティングパートの部分を同時にしっかり対策できるというのと、リーディングパートにおける速読力はどの大学・学部でも必要になるのでその対策も重なる。

国際教養リーディングならではの、選択肢が多いという特徴については一部慣れが必要になるが、その辺りは重点的に過去問で対策すれば大丈夫だ。

そして国公立を受けるなら共通テストもまた必ず受けると思うので、そうなると共通テスト対策も重複し、両方の対策を同時に行える

このようなことから、国際教養は国公立の併願先としてはかなり相性がよい。

ただし英語のレベルがかなり高いことから、東大・京大・一橋大あたりを狙う人が国際教養を併願するパターンもある。

いずれにしても、ハイレベルな争いになることは間違いないので、そこは覚悟が必要だ。

私立文系志望

各々の大学についての対策を述べよう。

慶応大学

まず、早稲田の国際教養と慶応の経済は日程が同じなので、この学部との併願はできない

2020年まではセンターで高得点を取ればセンター単独で受けられる仕組みがあったので、東大・京大・一橋を志望する受験生が国際教養を併願で出してくるケースが多かった。

実はこの層は慶応の経済も狙うという特徴があり、3校すべてを併願していた人も多かった。

しかし2021年からは国際教養にセンター利用単独方式が無くなったことから、東大京大一橋・慶応経済・国際教養をすべて併願する層はいなくなり、この層は2021年以降大多数が慶応経済の方を優先しているようだ

上智大学

国際教養を受けるには、共通テストの国語で現古漢すべてを取らないといけないが、上智もまた同じということから対策がしやすい

法学部の国際関係法学科が、国際教養と近い内容の勉強をしている。

立教大学

外部試験をとっていると英語が満点換算になる

個別方式共通テスト利用方式共に外検が必要なので、国際教養を受ける際は対策が重なり、非常に相性が良い

国際教養の入試日程より前に立教の入試があるので、最初にこちらで入試に慣れ、その後国際教養を受けることができ、スケジュール的にも、併願には適しているだろう

その他のMARCH

抑えとして併願する形も良いだろう

大学で学ぶ内容が国際教養と似たところは、青山学院大学の国際政治経済学部、明治大学の国際日本学部あたりになる。

早稲田志望

それぞれの学部について各々の対策を述べよう。

法学部

内容一致問題の選択肢がたくさんあるなど、国際教養と英語の入試の問題の形式が似ている

国際教養同様に選択肢をしっかりと覚えて本文から抜き取ってくるというのが一番の対策だ

とにかく慣れることが早道になるので、国際教養と法学部の両方の過去問を使って対策しよう。

試験のレベル自体もかなり高いので、難易度的な意味でも国際教養と法学部は相性が良い。

文学部・文化構想学部

英語の難易度としてはそこまで高くはないが、試験はかなりの高得点勝負になる

その日の運要素がかなり大きいタイプの試験になるので、文学部・文化構想学部一本でいくという人はあまりいないが、国際教養を受けるレベルの受験生であれば、英語は高レベルな能力でカバーが出来るだろう。

商学部・教育学部・人間科学部

この3学部は偏差値的に早稲田の中では低いところに入ってくる

また、早稲田は学部によって問題の形式が異なり、癖のある学部もあるのだが、商学部はどの科目も問題の癖がそこまでないので併願しやすい

人科は問題の形式が少々特殊だが、国際教養を受けるくらいの英語レベルがあればしっかり対応できるだろう。

早稲田国際教養学部一般選抜まとめ

最後にまとめに入ろう。

この国際教養学部については2021年から方式が変わった点が多いので、その点はしっかり確認しておこう。

あとは、共通テスト利用箇所でいかに点が取れるかがポイントになってくる面もあるので、共通テスト対策もしっかりとっておこう。

なんといっても入学してから英語で授業がある学部なので、この入試のために勉強するというより、英語能力の全てを高めることを念頭に置き、この入試はあくまで通過点と捉えて試験に臨んで欲しい。

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