慶應義塾大学総合政策学部(SFC)の一般入試の傾向と対策
2020年12月18日 | 慶應義塾大学
慶應義塾大学のSFCと言えば、一般的に総合政策学部、環境情報学部(看護医療学部もあるが)の2つの学部を指すことが多い。
総合政策学部と環境情報学部の2つの学部は、湘南藤沢キャンパスという日吉や三田とは異なるキャンパスに位置し、経済・文・商・法などの他の文系学部と比較しても、非常にユニークな学部になっている。
帰国子女が多かったり、起業している人が多かったり、何か独自の活動をしている人が多く集っている。そのような学部のため、SFCを目指したいと考えている人は多いのではないだろうか?
今回はSFCの中でも総合政策学部の一般入試の特徴と対策に関してだ。
総合政策学部の一般入試は非常に独特な方式になっているため、この記事で順番に見ていこう。
かなりクセの強い入試形式になっているので、この記事をよく読んで万全の対策を期してもらえればと思っている。
慶應総合政策学部の合格実績
まずは慶早進学塾のこれまでの慶應総合政策の合格実績をみていこう。
2016年度1名(英数型受験) 慶早進学塾前身の個人時代
2017年度1名(英語型受験) 慶早進学塾岐阜校
2020年度1名(英数型受験) 慶早進学塾オンラインコース
総合政策学部の合格者を上述のように安定して輩出することができている。その合格の秘訣を可能な限りここでお伝えすることができたらと思う。
慶應総合政策学部の基本情報
では慶應義塾大学総合政策学部の基本情報に関して確認していこう。
科目
英数型…英語・数学・小論文
英語型…英語・小論文
数学型…数学(または情報)・小論文
配点
英語 | 数学 | 小論文 | 合計 | |
英数型 | ※ | ※ | 200 | 400 |
英語型 | 200 | ― | 200 | 400 |
数学型 | ― | 200 | 200 | 400 |
このように合計400点満点である。
その中で、英数型、英語型、数学型の3パターンが存在し、そのうちどれかを選択して受験することとなる。
帰国子女や英語が特に得意な人は英語型、理系など数学が得意な人は数学型、私立大学を数学で受験する人や国公立大学志望など英数満遍なく学習してきた人は英数型というようになるだろう。
定員
定員は毎年275名。実際の合格者は平均350名程度ではあるが、それでも倍率は8~9倍となっている。
また、2021年度入試から定員が減少する。より正確に言うと、AO入試の方の定員が増えて、一般入試の方の定員が減るのだ。
一般入試を受験する人はより熾烈な争いになると考えて差し支えないだろう。早め早めの対策を心がける必要があるだろう。
合格最低点
近年の合格最低点は以下のようになっている。
2017 | 2018 | 2019 | 2020 | |
英数型 | 274 | 300 | 277 | ※246 |
英語型 | 268 | 277 | 261 | ※246 |
数学型 | 277(267) | 301(272) | 267(285) | ※246 |
また足切りについてだが、2014年度までは存在が明文化されていたが、現在では「選択した受験教科の得点と、小論文の採点結果を組み合わせて最終判定を行います。」と入試要項に書かれている。
これを文字通り読み取ると、特定科目の得点が極端に低いことによる足切りはないと読み取れるものの、合格を確実に勝ち取るために、両方の科目満遍なく得点できる状態が望ましい。
偏差値
旺文社によると、70。
慶應の総合政策学部や環境情報学部は科目数が少ないこともあり、偏差値は高く出やすい特徴があると言って差し支えないだろう。
英語も数学も高度な学力を要求されることは間違いないため、しっかりとした学習をこなすようにしてほしい。
慶應総合政策学部の特徴
それでは慶應義塾大学総合政策学部の入試の特徴に関してだ。
特徴が多いので1個1個しっかりと確認していこう。
科目選択
上記の通り総合政策学部は(環境情報学部もそうだが)、受験方式が英数型と英語型と数学型の3つに分かれ、その中からひとつ選択するかたちになっている。
そのいずれでも配点が小論文200点、それ以外が200点与えられている。
小論文から逃げることはできないが、英語か数学か英数か自分が好きな科目を選べるのは大きい。
よって、例えば数学が全然ダメで私立文系型の勉強をしており、英語がかなり高いレベルまで到達しているという人はもちろん英語型でいいだろうし、理系だったり、文系だけれども英語より数学の方が得意な人は数学を選ぶのがいいだろう。
また、例えば慶應経済をA方式で受験する人だったり、早稲田を数学受験する人だったり、英数均等に勉強してきました!といった人も結構多いと思うので、そういう人は英数型を選ぶ方が多い印象である。
いずれの型でも構わないが、自らの適正を見たり、英数両方自信があるという人は実際に過去問を何年分か解いてみたりすることで状況を見て正しい判断をするのが欠かせない。
英語は最高難度
総合政策学部の英語は非常に難しく、英語型の場合大問数が原則3問あり(2問の年も過去にあったが)、英数型の場合原則大問数2問出題され、1個の大問に対してのワード数は結構長い。
また、何よりも語彙レベルが非常に高く早稲田の社学や慶應の法学部と同等のレベルである。さらに、高度な英文が出題されるため、日本語として理解するのが困難なこともある。
以上のことから、大学入試の英語としては最高難度にあたるのではないかと思う。よって、かなり突っ込んだレベルまでの知識が無いと解けないというようになってくる。
一方で設問の内容はシンプルで、空所補充と内容説明や内容の真偽となっている。英作文を書かなければならなかったり、記述をしなければいけなかったりすることは無い。
総合政策学部の英語の記事は以下から確認してほしい。
数学は癖が強め
基本的にはマーク型の出題にはなっている。
大問が6問あり、半分から半分強程度は参考書などでよく見るようなテンプレの問題が出題されるが、残りの半分くらいの問題は、総合政策学部独自のユニークな出題になっている。
思考力を試すような問題であったりだとか、一見数学に見えないような問題が出題される。
過去には以下のように、数独のようなもの(ほぼ数独)が出された年もある。
https://examist.jp/legendexam/2013-keiou/
このような問題は、人によって苦手な人と得意な人に分かれる。
よって、数学が得意な人でも実際に過去問を確認してみて、自分は総合政策の数学は大丈夫そうか確認することが必要だろう。
総合政策学部の数学の対策はより詳しく以下の記事から確認してほしい。
数学は非常に癖が強め。事前に問題を確認しておこう。
小論文対策が鍵
小論文も非常に難しく、配点も半分を占めている。
慶應SFCは、もちろん英数の得点は最低限必要だが、それよりも小論文でどこまで点をとれるかといったところが個人的に重要だと思っている。
比較的小論文の採点は甘めだなという印象があり(これがずっと続くかどうかは分からないが)、制限時間内にテキパキ解けるかとどうかが求められる。
問題の特徴としては、左脳重視型の問題であり、様々な図や表を読み解いて与えられた設問に答えていくという、かなり処理能力が試されるようになっている。
よって、それなりの演習は必要であるし、小論文対策がカギといえる。
SFCはとにかく小論文が鍵。徹底的な対策が求められる。
慶應総合政策学部の対策
ここからは慶應義塾大学総合政策学部の具体的な対策に関してだ。
英数型
英語と数学は、かなりまんべんなく演習しておいた方がいいだろう。
やはり英語のレベルが高いため、それ相応のレベルの語彙や英文解釈能力、背景知識の取得などをやっておく必要がある。
また、英語だけでなく数学でも、基本的標準的な問題を確実に取れるようにしておくことを過去問演習で身に付けておきたい。
英語型
英語型は数学が無いので、とにかく英語を勉強するべきだ。
特に語彙に関して、単語帳は他の人がやらないレベルまで突っ込んだところまでやった方がいい。
また総合政策学部の過去問演習はかなり遡ったところまでやって、点がとれるようにしておいた方が良いだろう。
環境情報学部の過去問も解く価値は十分にあるので、そちらも学習計画にぜひ入れてもらいたい。
英語は語彙レベルが高く、文章が難解なので、語彙強化して難しい文章をたくさん読む練習をしたいところ。
数学型
そもそも数学型で受験しようと考えている人は、もともと数学が得意だと思っている人ばかりだと思う。
よって、そういった観点から、数学の実力をある程度伸ばしていくことはもちろん、それ以上に過去問演習を制限時間内にしっかりやって、時間配分を意識したり、クセの強いユニークな問題をどのように処理するかといったところに慣れたりといったところが非常に重要だと思っている。
また、答えを一発で書かなければならないような出題のされ方なので、計算過程などでのケアレスミスに十分留意したい。
全体に共通のテーマ
どの受験型にしろ小論文が存在する。総合政策学部の小論文は、経済学部の小論文をより難しくしたようなイメージが近いと思っているので、まずは経済学部の過去問をしっかりやりこんでいって、設問の要求に正しく答える(これはよく生徒に伝えている)感覚をまずは身に付けたい。
これができないとまず話にならない。
このファーストステップができたら、次は総合政策学部の過去問を制限時間内に解ききるということを何よりも意識して学習することが重要になってくる。より詳しいことについては別記事でお話させていただく。
慶應総合政策に合格するには
慶早進学塾では過去に複数人慶應の総合政策学部に受かっている人がいる。、彼らを総じて見てて思うのが、環境情報学部も含めて小論文が全然できない人が受かったケースは今まで一度もないということだ。
ものすごく英語や数学が突き抜けて合格するというかは、小論文が水準以上確実にとれる人が安定して受かっていってるイメージだ。
帰国子女などでは話が別だが、英語などで飛び抜けた成績を残すのはレベル上結構難しく、そうなったときに小論文で水準以上の点数を安定して取れるといったことの方が、SFC特に総合政策は合格するうえで非常に重要になってくるだろう。
よって、小論文を食わず嫌いしてしまうとそもそもSFCへの合格への道が断たれてしまうことと同意であるため、徹底的に小論文の学習を進めていってもらいたい。
あわせて環境情報学部を受験する人も多いと思う。こちらの記事も必ず確認するようにしてほしい。
まとめ
以上が慶應義塾大学総合政策学部(SFC)の一般入試の傾向と対策である。
小論文の対策をどれだけ手厚くするかで合否が決まる、特徴的な学部である。
慶早進学塾では、環境情報学部含めると毎年のように慶應SFCには合格者を輩出しているが、その一番の理由は慶早進学塾独自の小論文対策にある。
他よりも一歩抜きんでた対策をすることができるため、合格者が多い。
小論文のみの指導も受け付けているので是非そちらも検討していただければなと思っている。
慶早進学塾の無料受験相談
- 勉強しているけれど、なかなか結果がでない
- 勉強したいけれど、何からやればいいか分からない
- 近くに良い塾や予備校がない
- 近くに頼れる先生がいない
そんな悩みを抱えている人はいませんか?
各校舎(大阪校、岐阜校、大垣校)かテレビ電話にて、無料で受験・勉強相談を実施しています。
無料相談では
以下の悩みを解決できます
1.勉強法
何を勉強すればいいかで悩むことがなくなります。
2. 勉強量
勉強へのモチベーションが上がるため、勉強量が増えます。
3.専用のカリキュラム
志望校対策で必要な対策をあなただけのカリキュラムで行うことができます。
もしあなたが勉強の悩みを解決したいなら、ぜひ以下のボタンからお問い合わせください。