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早稲田大学文学部の国語(現代文・古文・漢文)の傾向と対策

2022年06月28日 | 早稲田大学

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あなたは早稲田大学文学部の受験を考えている方だろうか?

もし受験を考えているのなら、必ずこの記事を最後まで読んでほしい。

国語を攻略することができれば、合格圏まで到達しやすくなるだろう。

そこで、今回は早稲田大学文学部の国語について詳しく解説していこうと思う。

受験を考えている人は、ぜひ参考にしていただきたい。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

早稲田大学の文学部と文化構想学部はここ最近入試の形式が変わっています。

こちらの動画もあわせて確認しておきましょう。

 早稲田文学部国語の基本情報

まずは、早稲田大学文学部の国語の入試について基本情報を押さえておこう。

時間/配点

各科目の時間と配点については以下のようになっている。

  • 国語:75点/90分
  • 英語:75点/90分
  • 地歴:50点/60分

ただし、早稲田文学部については全科目において得点調整が行なわれるため、その点だけは注意しておこう。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

早稲田大学は素点で合格が決まるわけではなく、成績標準化が行われた上で合否が決まります。そのため1科目でも平均点を下回ると、一気に合格が厳しくなります。この記事で国語の対策方法を理解してください!

出題形式/解答方式

早稲田文学部の国語では大問が4つ出題される。

その内訳は、現代文が2つと古文・漢文が1つずつとなっている。

解答方式についてはマーク式が中心になってはいるものの、漢字の問題や“本文中から抜き出しなさい”という問題、要約問題などで記述が必要なものもあるため、全体としては記述式となっている。

早稲田文学部国語の特徴

それでは、より具体的に早稲田文学部の国語の特徴について確認していこう。

今回は現代文・古文・漢文それぞれについて説明していく。

現代文:抽象的な内容の評論文

現代文における特徴は、大問1・2ともに評論文が出題されることだ。

大問1はやや硬い文章となっており、大問2の方は少し柔らかい随想という形になっている。

抽象的な内容については大問1において出やすく、全体の内容としても難しめである。

さらに、図やイラストなどが挿入されている問題が出やすい点も、早稲田文学部の現代文の特徴と言えるだろう。

また、傍線部問題も多く出題され、文学部や文化構想学部では文の並び替えや挿入の問題も出題されている。

この問題においては、接続詞に注目して前後関係をきちんと把握できているかどうかが問われるため、しっかりと意識しておこう。

他に、漢字の問題についても毎年出題されているが、2020年までは選択肢を記号で選ぶ形となっていた。

しかし、2021年では実際に漢字を書かせる問題となっていたため、今後についても漢字はその傾向が続いていく可能性があるだろう。

そして最後の大問では、“本文全体を要約して100字以内で書け”というように、しっかりとした論述問題が出されることもある。

この問題については毎年出題されているわけではないが、しっかりと把握しておきたいところだ。

古文:和歌の問題が頻出

古文における特徴は、和歌の問題が頻出となっていることだ。

早稲田文学部の国語においては、難易度で言えば古文が高く感じられるだろう。

現代文では本文内容が抽象的なものであることもあるが、それでも読みやすく設問自体もそれほど難しくない。

後ほど述べる漢文についてもそれほど難しくないが、古文においてはまず文章量がとても多くなっている。

そして、やはり主語を常に把握して読み進めていかなければ、文章の内容が全く分からなくなってしまう可能性があるのだ。

また、文章中に和歌があるものが近年では毎年のように出されている。

この和歌に関する読み取り内容の把握をしっかりとできるかどうかが、キーポイントとなるだろう。

他に、文学史の年代等を把握していないと解けないような問題も出題されるため、そのあたりも注意しておきたいところだ。

さらに、古文においても過去に80字くらいの記述問題が出されたことがある。

この問題については、和歌の内容や形式について書かせるものとなっていたため、そのような論述問題が出される可能性があるということも、しっかりと押さえておきたいところだ。

漢文:問題数が4問だけ

漢文における特徴は、問題数が4問だけということだ。

漢文においても文章は長めではあるものの、設問は毎年4問のみとなっている。

内容と設問どちらもそれほど難しくなく、基礎~標準レベルのものがほとんどとなっている。

さらに、その4問の中には、書き下し文などの漢文の文法知識だけで解けるような問題も1~2問は含まれているため、それらについては特にしっかりと得点につなげていきたいところだ。

文化構想学部 国語との比較

ここで、早稲田文化構想部と比較して早稲田文学部国語の特徴を押さえていこう。

早稲田の文学部と文化構想部は、入試の方式等がかなり似ていることで有名だが、今回の記事で取り上げている国語については形式が違ったものとなっている。

文学部については、先ほど述べたように現代文の大問が2つ、古文・漢文の大問が1つずつという形になっている。

文化構想部については、まず現代文の大問が2つ出題されるが、大問1については明治文語文という明治時代に書かれた少し古い現代文が毎年出題されていて、少し読みづらいものとなっている。

そして、大問3については現・古・漢の融合問題となっている。

この問題については、それぞれ独立して読めばそれほど難しくはない。

しかし、リンクさせて読まないと解けない問題も過去には出題されているため、そのあたりについては形式に慣れておかないとなかなか解くことが難しいだろう。

以上のように文化構想部の国語については、大問の数が3つとなっている。

文学部の国語と比較すると、大問の数としては1つ少ないが、明治文語文と現・古・漢の融合問題というクセのあるものが出題されるため、これらについては過去問でしっかりと慣れておきたいところだ。

上記の文化構想部国語の特徴と比較すると、文学部の国語はクセのない一般的な形式と言えるだろう。

早稲田文学部国語の対策

では、具体的にどういった対策をしていけばよいのかというのを詳細に説明していこう。

対策についても、現代文・古文・漢文それぞれについて述べていく。

現代文:全体の文の構造を把握しよう

現代文の対策としては、全体の文の構造を把握することが大切だ。

特に大問1について言えることだが、まず文章のボリュームが多くなっている。

そして、設問としては挿入問題や文の整序問題が頻出となっている。

このような問題を解くためには、それぞれの文が文章全体の中でどういう要素を担っていて、どういう構造になっているのかということをしっかりと把握することが非常に重要である。

全体の文の構造を把握しながら読み進めていく力は、現代文の文章を読むときには一番根幹となる能力だ。

どこの大学の入試対策としても、日頃からこのことを意識して読み進めていくことは肝要であるが、特に早稲田文学部の入試においては、接続詞の問題で前後関係を把握する必要があったり、対比や逆説について問う問題が出されたりしている。

そのため、日頃の学習から必ず文の構造や文章の要素などをきちんと考えながら読み、そのクセをつけていこう。

古文:内容を先行してイメージする

古文の対策としては、内容を先行してイメージすることが大切だ。

古文においては、単語・文法・背景知識といった基礎となる学習を完璧に仕上げていたとしても、なかなか文章を読むことが難しい場合が多い。

その理由は、背景知識や主語などがかなり省いて書かれており、それを自分できちんと補完しながら読み進めなければいけないからだ。

主語については、文の終わりの敬語をヒントにして読み解くのが一般的だが、それだけで全て対応しきれるわけではないのが難しいところだ。

このような古文を読むときのテクニックとしては、冒頭の何文かを読み進めた後に、“おそらくこういう内容に発展するんだろうな”というふうに、自分の頭の中で先行してストーリーのイメージを作ることが重要だ。

まずは自分の頭の中でストーリーをイメージし、文章を読み進めて行きながらそのイメージを修正していこう。

単純に文章を読み、後からイメージを付け加えるという流れだと、内容を把握することはなかなか難しい。

読み進めるよりも先に自分の中でイメージを膨らませるという“イメージ力”がとても重要となるため、長文の演習を行なう際には毎回そのことを意識してその力を高めていこう。

また、和歌の問題については慣れが必要なため、過去問などのいろいろな問題集で解いて積み上げていく必要があるだろう

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

本当に和歌が頻出なので、苦手意識を払拭しておきたいです。

また、英語と異なり、古文は本文を複数回読みながら、分からない部分を少しずつ消していくという粘り強さが大事ですね。

漢文:基礎文法を覚えること

漢文の対策としては、基礎文法をしっかりと覚えることが大切だ。

漢文は科目としても古文ほど難しくなく、早稲田文学部でもそれほど難易度は高くない。

基本的な句形や返り点、書き下し文などの基本事項を絶対に漏れがないように覚えておくことが重要だ。

そのあたりをしっかりと押さえておくことができていれば、古文ほど内容が省かれていることもないため、内容をきちんと把握することができるはずだ。

早稲田文学部の漢文については、とにかく基礎をしっかりと押さえて得点につなげよう。

問題数は4つと少ないが、難易度がそれほど高くない漢文はしっかりと得点を取っておきたい。

可能であるならば、常に毎回4問全問正解できるようにまで仕上げておこう。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

漢文の学習は疎かになりがちですが、基礎知識をしっかり抑えたらそれだけで高得点取れる科目なので、抜かりなく学習するようにしましょう。

早稲田文学部国語対策のおすすめ参考書

それでは、早稲田文学部の国語で合格点を確保するためにおすすめの参考書を紹介しよう。

ここでも現代文・古文・漢文それぞれについて紹介していくため冊数が多くなるが、ぜひしっかりとチェックしてもらいたい。

駿台 現代文読解の基礎講義

まずは現代文の対策としておすすめの参考書1冊目を紹介する。

駿台文庫から出ている「現代文読解の基礎講義」だ。

この参考書は、評論文と小説のどちらも対策できる内容となっている。

そして、この参考書の一番の特徴は、クセのない本質的な解き方を学習できるところだ。

現代文の参考書にはいろいろなものがあるが、筆者の解き方のクセがかなり出やすい。

その中でこの参考書は、一番根幹となる文章の読み解き方や傍線部問題に対するアプローチ方法など、本当に本質的な解き方が示されていて、どのような文章にも対応できるような形となっている。

現代文は毎回点数にばらつきが出やすい科目だが、この「基礎講義」をしっかりと仕上げておくことによっていろいろな文章に対応でき、得点がかなり安定してくるだろう。

また、内容は少し難しめに感じるかもしれないが、普遍的な解き方を学習できる参考書となっているため、この前か後に他の参考書をやっていたとしても、戸惑いなく学習を進めていけるだろう。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

読解の基礎講義は現在絶版となってしまっていますが、それでも入手して学習したい教材です。

以下で基礎講義の動画を紹介しておきますので、ぜひ確認しておいてください。

Z会 現代文キーワード読解

現代文対策としておすすめの参考書2冊目は、Z会から出ている「現代文キーワード読解」だ。

この参考書は、現代文の背景知識と語句を学習できるものとなっている。

現代文で必須のテーマごとの背景知識が説明されており、さらに、その中で頻出となる語句が200個ほど収録されている。

この参考書のとてもいいところは、収録されている語句が本当に頻出なものばかりとなっているところだ。

これで学習をしてから現代文の問題を解くと、すぐに何かしらの学習した語句が出てくるほどだ。

本当に頻出なものだけが凝縮された1冊となっているため、ぜひチェックしてもらいたい。

また、現代文においては背景知識があるかないかで、理解度や読むスピードが全く変わってくる。

さらに、背景知識は英語の長文を読むときにも有効である場合があるため、この参考書は本当にコスパ・質ともに高い参考書と言えるだろう。

桐原 重要古文単語315

次は、古文の対策としておすすめの参考書を紹介する。

1冊目は、桐原書店から出ている「重要古文単語315」だ。

古文単語の参考書にはいろいろなものがある中でこの参考書をおすすめしたい理由は、早稲田レベルの難関大学の入試対策を考えたときに、一番過不足なく単語が収録されているからだ。

また、他の参考書だと本質的な意味だけ載っていたり、語呂だけであったりするが、この参考書にはその2つのような要素が兼ね備えられている。

まずは、根本的な単語の成り立ちや本質的な意味が説明されており、いろいろな応用を利かせられる形で学習することができる。

しかし、それだけではなかなか覚えるのが難しい単語もあるため、そのような単語には語呂合わせのような要素としてイラストが載っており、視覚的イメージと一緒に覚えることができる。

この2つの要素が兼ね備えられている「重要古文単語315」は、古文単語学習にはぜひおすすめしたい1冊だ。

河合塾 ステップアップノート30古典文法基礎ドリル

古文の対策としておすすめの参考書2冊目は、河合塾から出ている「ステップアップノート30古典文法基礎ドリル」だ。

この「ステップアップノート」は、文法について学習できる参考書となっている。

この参考書は本当に有名なもので、学校で配られて学習している人もきっと多いだろう。

これの良いところは本当にコスパが高い点だ。

文法の基礎を網羅的に学習できる内容となっているが、ボリュームとしてはそれほど多くなく比較的薄い参考書となっている。

そのため、時間をかけずに文法事項をまとめて一気に学習することができる。

また、インプットをして知識を固めるページと、その後に簡単な演習という形でアウトプットできるページが用意されており、インプットとアウトプットを交互に繰り返していけるような構成となっている。

非常に良いサイクルで学習を積み重ねていくことができるだろう。

Z会 古文上達 基礎編 読解と演習45

古文の対策としておすすめの参考書3冊目は、Z会から出ている「古文上達 基礎編 読解と演習45」だ。

これは長文の演習問題の参考書となっているため、単語や文法、背景知識を学習したあとに取り組むものだ。

内容は、早稲田の古文にちょうどいいレベルとなっている。

「45」とあるように45題収録されているのだが、解説は適度に詳しく、訳はもちろんプラスαの知識も書かれている。

レイアウトとしてもかなり見やすく、1つの問題を解くだけでいろいろな知識を吸収できるとても良い参考書となっているため、ぜひチェックしてもらいたい。

東進 三羽の漢文 基本ポイントこれだけ!

次は、漢文の対策としておすすめの参考書を紹介する。

1冊目は、東進から出ている「三羽の漢文 基本ポイントこれだけ!」だ。

漢文については、とにかく句形が大事になってくる。

この句形さえしっかり押さえられていれば、漢文の8割ぐらいの学習はできているとみなしてもいいくらいだ。

句形を学習するための参考書にはいろいろなものがあるが、この参考書には早稲田の漢文の対策として一番過不足なく、ちょうどいい数の句形がきちんと収録されている。

また、レイアウトもとても見やすくなっている。

ぜひこの参考書を使って、句形を網羅的に学習してもらいたい。

河合塾 ステップアップノート10漢文句形ドリルと演習

漢文の対策としておすすめの参考書2冊目は、河合塾から出ている「ステップアップノート10漢文句形ドリルと演習」だ。

先ほど述べた古文と同様に、これについても非常にコスパの高い1冊となっている。

先ほど紹介した「三羽の漢文」でしっかりと句形を覚え、残りの文法事項についてはこの「ステップアップノート」で演習して網羅的に学習すれば、基礎の部分についてはほぼ完璧と言える状態になるだろう。

これについても先ほどの古文のものと同様に、インプットのページと簡単な演習問題のページを交互に並べて構成されているため、インプットとアウトプットを繰り返して効率よく学習することができる。

その点がこの参考書の利点と言えるだろう。

文学部と文化構想学部の過去問

早稲田大学文学部の国語対策で最も重要なのはやはり過去問だろう。

単なる形式慣れだけではなく、実力を向上させていくという目的でも過去問演習を通じて、安定して合格点を確保することができるようにしていきたい。

また、若干形式が異なることは先ほどお伝えした通りではあるが、文化構想学部の過去問もあわせて演習するとより良いだろう。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

古文漢文はここで紹介したものだけだと演習量やレベルに不安があるので、過去問の出来を確認しながら、追加の教材を選択することも考えましょう。

早稲田文学部国語のまとめ

早稲田文学部の国語については、問題の形式としてはそれほどクセのない形となっている。

問題の構成としては、現代文が2つと古文・漢文が1つずつとなっているが、その中でもやはり古文のところがかなり文章量が多く、和歌を絡めた問題も出されることから苦戦しやすいだろう。

他には文学史の問題や要約問題・記述問題が、現代文と古文で出される可能性があるため、そのことも頭に入れて対策していきたいところだ。

今回の記事で説明したことをしっかりと自分の中に落とし込んで、対策を進めていってもらいたい。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

基本に忠実な出題が多いのが早稲田大学文学部の国語の問題の特徴です。

丁寧に学習を重ねていけば合格点を取ることができるようになるはずです。

     

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鴨井 拓也(塾長)
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