慶應義塾大学(慶文)一般入試の英語の特徴と対策
2020年09月27日 | 大学別対策法
この記事は慶應義塾大学文学部の英語に関する記事である。
慶應義塾大学はどの学部も基本的に英語が最重要科目であると言われている。今回説明する文学部も例外ではなく、最重要科目となってくる。
この文学部は他学部に比べて非常に特徴的な出題となっていることから、専用の対策をすることが重要となってくると言えるだろう。そのため、ここに書かれている内容をよく理解して対策し、万全の状態で受験に臨んでほしい。
※慶應文学部の他の科目の対策を知りたい方は以下のリンク先から確認しよう。
配点
まず慶應文学部の配点について確認する。
英語150点、地歴公民100点、小論文100点
このように計350点で、合格点は毎年250点前後となっている。
形式
次に試験形式について確認する。
基本的に大問1問
基本的には大問1問だけの出題となっている。(過去に2問だった時もあるが、原則1問となっている。)その代わりにとても長い文章になっている。
小問は10問前後
1つの長い文章に対し10問前後の小問が毎年出題されている。この形式は毎年一貫している。
記号の選択、和訳、内容説明、ちょっとした英作文
具体的な問題の内容としては、空所に適切な接続詞を当てはめるような記号の選択問題が数問出題される。
他には、下線部に対する日本語訳の問題や、下線部などの特定の内容説明の問題、そして最後にちょっとした英作文が毎年出題されている。
形式に関しては毎年一貫していると言えるだろう。
特徴
慶應文学部の英語は他大学の文学部や、同じ慶應義塾大学の問題と比べてもかなり特異な存在となっている。その具体的な内容に関して確認していこう。
辞書持ち込み可
慶應の文学部は辞書が持ち込み可となっている。
以下が慶應義塾大学文学部の一般入試における辞書の持ち込みに関する規定である。
次の条件に基づき、「英語」と「ドイツ語」の試験で辞書の使用を認めます。
【英語】英語辞書そを2冊まで使用することができます。「英英辞典」「英和辞典」「和英辞典」「英仏時点」、英和・和英兼用辞書など、英語辞書であれば、どのような辞書でも、どのような組み合わせでも自由です。大小も問いません。
【ドイツ語】ドイツ語辞書を2冊まで使用することができます。「独独辞典」「独和辞典」「和独辞典」「独英辞典」「独仏辞典」、独和・和独兼用辞書など、ドイツ語辞書であれば、どのような辞書でも、どのような組み合わせでも自由です。大小も問いません。【注意】「英語」「ドイツ語」どちらの場合でも、電子媒体を用いた辞書の使用はできません。また付箋等を付した辞書も使用できません。付箋等はあらかじめはずしておいてください。集合時間後は、しようする辞書の変更および貸し借り、受け渡しは一切認めません。また、辞書の貸し出しはしません。
このように定められているため、とても高度な語彙を完璧に覚えて選べるようにするというような能力が求められているわけではなく、むしろ細かい語源であったり意味を確認していきながら難しい問題文を読み解いていくといった形式になっている。
紙の辞書が持ち込み可能となっている以上文学部を受ける際は基本的に辞書を持ち込むべきだろう。持ち込まなくてもできないことはないが、単語の選択ミスや解釈を間違えることは当然避けたいため、辞書は持ち込むべきだろう。
私立文系には珍しく記述中心
私立の文系は基本的にマークや選択の問題が中心となっている中で、慶應の文学部は選択の問題は最小限となっている。私立文系では珍しく記述中心の出題となっており、国公立の英語に若干近い形式となっている。
選択問題が少ない代わりに和訳や内容説明の設問が多くなっている。また、一問一問が非常に重くなっている。そのため、記述が苦手な人は不利になってしまうだろう。しっかりと内容を理解し、設問に対し適切な解答がかけるような能力が必要になってくる。
本文が難解
次の国語力が問われるというところにも繋がるが、文学部の英語は本文が難しくなっている。内容をすぐに完璧に理解できるようなものではなく、かなり行間を読まなければいけなかったり、国語力が試されるような難しい本文をじっくり読み進めていくような出題となっている。そのため難しい文章を読む練習がかなり必要になってくるだろう。
国語力が問われる
設問そのものが本文を理解する上で重要な部分に下線が引かれていたり、設問となっているため、本文の内容から言いたいことや話の落ちとなる部分を考えながら取り組む必要がある。この部分がわかっていないとうまく答案作成をすることができない。本文は英語で書かれているものの、普段の科目としての英語のイメージとは異なり、国語的な要素も含まれているという印象である。文学部ということもあるため、国語力はしっかりと身につけておきたいところである。
英作文は本文がヒントに
英作文は本文がヒントになっているような形式である。一から文章を構築しなければならないというものではなく、本文中の特定の表現であったり書かれている内容を抜き出したり変形したりすることで文章を組み立てるというような出題になっている。そのため過去問演習を通じて感覚を慣れさせておく必要はあるものの、そこまでハードな英作文の練習をする必要はないように思う。
対策
では実際に慶應文学部の英語を攻略するにはどのような対策を行えばいいのだろうか?実際にその対策方法を記載しているため、順番に確認していこう。
基礎知識を正確に学習する
早稲田や慶應と言った大学のレベルであればどの学部を受けるにしても基礎事項は正確に押さえておきたいところではある。慶應の文学部もその例外ではなく単語や熟語、文法と言った基礎知識を確実に身につけた上で、英文解釈や長文読解のようにスタンダードに学習していくことが重要になってくる。特にセンター試験や共通テストレベルで足を引っ張っているようでは話にならないというのが実際のところある。
英語の学力が追いついていない人は焦らず基礎固めを徹底的に行うのが大前提となってくる。センター試験や共通テストで9割以上安定して取れるようになってくると、本格的に慶應文学部の対策に移ることができるだろう。そのため、基礎事項を徹底的に学習するようにしよう。
構文把握、和訳の練習
慶應文学部の長文は非常に難解であるが、語彙に関しては辞書を持ち込むことができるため難しい用語を無理に覚える必要はないため、単語帳一冊程度終わらせておけば問題ないだろう。しかし難しい構文があるところや、頭を使わなければいけないような内容の部分に下線が引かれていて、和訳であったり内容説明などの設問が出されることが非常に多い。
そのため、構文把握や和訳の練習は他の学部を受ける人たちよりもやっておく必要があるだろう。後ほどオススメの参考書でも紹介するが、ポレポレくらいのレベルは余裕を持って和訳できるようにする必要があるだろう。
難解な文章を読み解く練習
他の学部を受けるのであれば難しい文章をじっくり読み解くというよりは、むしろある程度のレベルの文章をスピーディーに読み解いていく練習をすることが重要であると言える。
しかし慶應の文学部に関しては試験時間が120分で大問が1つだけの出題であるため、時間が足りなくなるということはまずないだろう。その代わり本文のレベルはかなり高く、本文が最終的に言いたいことや本文の内容を正確に理解しなければならないため、国語力が非常に重要となってくる。難しい文章をじっくりと精読していくという練習はそれなりの文量を積んだ方が良いと思っている。
普段の学習でどれだけ頭を使って考えられるかによって大きく差が生まれてくると考えられるため、この部分はしっかりと対策しておきたいところである。
記述の練習が必要不可欠
和訳の問題であったり、内容説明の問題であるとマークや選択式の出題であれば問題なく解くことができるという人は多いだろう。しかし記述形式の出題となると急に点数が取れなくなるという人が続出する。
慶應の文学部は全部が全部記述式となっているわけではないが、記述の問題の方が当然配点は大きくなっているため記述の練習をしっかり行い、内容を正確に理解した上でそれを表現する能力というのがかなり必要になってくる。そのため、記述から目を背けずセンター試験や共通テストレベル以降の学習で記述の対策を行うことが何よりも重要である。この点に関してもオススメの参考書を後ほど紹介しようと思う。
過去問演習は必須
慶應の文学部は他の私立の文系学部と比べると少し特徴的な出題となっているということを考えると、一番良い題材は過去問演習である。形式も基本的に一致しているため、かなり過去の年度まで遡って演習することができるだろう。
最優先でやるべきなのは慶應の文学部の過去問であるが、それだけでは文量が足りないという人に関しては最難関大学の国公立のごく標準的な問題が出される過去問演習も良いだろう。
例えば一橋大学や大阪大学などの標準的な形式の長文が出題されるような国公立大学の過去問演習も選択肢に入ってくる。もちろん必須ではないが、文量が足りないと感じた場合は検討してみても良いのではないだろうか。
おすすめ参考書
慶應文学部対策としてはやはり、高度な英文を読めるようにする対策が必要不可欠である。それに加え正確に記述をできるようにしなければならない。この2点が特に重要になってくるため、これらを押さえるための参考書を紹介する。
ポレポレ英文読解プロセス50
まずポレポレ英文読解プロセス50である。この参考書レベルの文章をスムーズに日本語訳できるようになっていれば、慶應文学部レベルの文章にも十分対峙できるようになるだろう。これが一つの目安のレベルとなってくるため、じっくりと時間をかけて取り組みたい参考書になっている。
キムタツ国立大リーディング
この参考書は個人的にかなりおすすめしている参考書である。慶應の文学部ということではないが、標準的な国公立(旧帝大クラス)の問題が随所に揃っている。国公立の過去問が中心となっているため、和訳や記述の問題がかなり豊富となっている。そのため、過去問演習に入る前の一冊としては非常に良いため、オススメしている参考書の一つとなっている。
キムタツの国立大リーディング以外にも記述系の対策ができる参考書はいくつかあると思うが、こういった参考書で記述の形式にある程度慣れておいてそれなりに正答率が見込める(7,8割程度)状態を作った上で過去問演習に移れると良いだろう。
まとめ
以上が慶應義塾大学文学部の一般入試の英語の特徴と対策に関してである。いかがだっただろうか。
とにかく難解な文章をじっくり時間をかけて読み解いていき、それを適切な形で表現するという能力が非常に問われる。その中で正確に構文を掴むという能力ももちろんそうだが、日本語的な意味合いを理解するということが一番重要である。この能力がどれだけあるかによって得点が大きく変わってくる。そのためこの部分の対策を重点的に行って欲しい。
また慶應文学部の一般入試全体の特徴や、他の科目の対策に関しては以下の記事から確認することができる。
慶早進学塾では慶應義塾大学文学部にも合格者を輩出している。英語や小論文でどのようにして合格点を確保するかが非常に重要だと言えるだろう。
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