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早稲田大学社会科学部の世界史の傾向と対策

2022年06月26日 | 早稲田大学

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あなたは早稲田大学社会科学部の受験を考えている方だろうか?

もし受験を考えているのなら、必ずこの記事を最後まで読んでほしい。

世界史を攻略することができれば、合格圏まで到達しやすくなるだろう。

そこで、今回は早稲田大学社会科学部の世界史について詳しく解説していこうと思う。

受験を考えている人は、ぜひ参考にしていただきたい。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

社学で合格点を取るのは社会の攻略が必要不可欠です。

世界史ではなく、日本史を使う人は以下から日本史の記事を確認してください。

早稲田社会科学部世界史の基本情報

まずは、早稲田大学社会科学部、通称“社学”の世界史の入試について基本情報を押さえておこう。

時間/配点

試験時間は60分で、配点は他の科目も含め以下のようになっている。

  • 国語:40点
  • 外国語:50点
  • 地歴or数学:40点

上記3教科で130点満点となっている。

なお、早稲田恒例となっている得点調整について、社学においては選択科目の中で実施されるため注意しておこう。

また、地歴について、以前は政治経済も選択することができたが、近年これがなくなり世界史もしくは日本史しか選択できず、実質“歴史”という形になっている。

他の学部も含め、早稲田では政治経済の選択がどんどんなくなっていっているため、政治経済がまだ選択できる学部も今後はどうなるか分からないと言えるだろう。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

昔は政治経済も選択できていましたが、今は受験科目から外されていますね。

出題形式/解答方式

早稲田社会科学部の世界史では、大問が4つ出題される。

解答方式については、論述問題が1つあり、それ以外は全てマーク式となっている。

2020年まではマーク式のみであったが、2021年に30字以内の論述問題が初めて出題され、今後もおそらくその傾向は続いていくだろう。

早稲田社会科学部世界史の特徴

それでは、より具体的に早稲田社会科学部の世界史の特徴について確認していこう。

正誤問題の出題が多い

1つ目の特徴は、正誤問題の出題が多いということだ。

早稲田社学については、本当に日本史・世界史が難しいということで有名で、私大文系の中でトップの中のトップと言えるくらい難しいものとなっている。

ただし、実は設問の形式としては非常にシンプルだ。

例えば、“4つのうち1つを選びなさい”というものや“合っているもの”もしくは“誤っているものを1つ選びなさい”というような形がほとんどである。

早稲田の他の学部では、“2つ選びなさい”“正誤の組み合わせで正しいものを選びなさい”など、さまざまな正誤問題の形式があるが、社学においては非常にオーソドックスな形となっている。

そのため、パッと見る限りは簡単そうに見えるだろう。

大問の構成としても、1つの大問の冒頭に文章があり、それについての正誤問題というものが主軸となっているため、形式としては何ら難しくない。

また、先ほど述べたように、論述問題以外全てがマーク式となっているという点でも、一見難しくなさそうに見えるだろう。

しかし、実際にはかなり難しく、論述問題1つを除いて全てがマーク式であるにもかかわらずこれほど難しいということは、本当に内容が際どかったり細かい内容を聞いてきたりするものばかりだということが言えるだろう。そのため、本当に油断ができない。

さらに、近年地図を用いた問題も取り入れられているため、そのあたりについても注意が必要だろう。

難度の高い年代整序問題

2つ目の特徴は、難度の高い年代整序問題が出されることだ。

まず、年代知識に関する問題は早稲田の他の学部においても出されるが、この社学の世界史においてはその比率が高い。

他の学部では1~2問や1問出るかどうかくらいの学部もあるが、社学においては大問1つにつきだいたい1問、つまり毎年4~5問は年代知識に関する問題が出されている。

“次の4つの出来事を年代順に並べ替えたとき、正しいものを選びなさい”という形の問題となっていて、このような問題はやはり選択肢の年代を全て把握できていないと正解にたどり着くことが難しい。

そのためにかなりハードルが高くなっていて、それが社学の世界史を難しくしている要因の1つでもあるだろう。

30字以内の論述問題

3つ目の特徴は、30字以内の論述問題が出されるところだ。

先ほど述べたように、2021年に初めて30字以内の記述問題が登場した。

しかし、論述といっても30字以内であるため全く論述というほどのものではなく、ある用語について“説明しなさい”というようなパッと答えるだけのもので、それほど論述として恐れる必要はなかった。

ちなみに、2021年の論述問題は“穀物法について、どのような法律だったかを説明しなさい”というもので、内容さえ頭に入っていればパッと答えられるもので、それほど難しくはなかった。

ただし、今後については文字数が急に増える可能性もある。

早稲田商学部では30字以内の論述が毎年出されていたが、2021年にはいきなり80字以内の論述問題となっていた。

そして、直近の2022年においてはまた30字以内となっていたため、論述問題については今後どう変化していくか正直分からない。

80字以内の論述となると、さすがに論述の対策が必要となってくるため、今後の傾向もしっかりとチェックしておいてもらいたい。

早稲田社会科学部世界史の対策

では、具体的にどういった対策をしていけばよいのかというのを詳細に説明していこう。

関連知識を想起して選択肢を絞り込もう

まずは、関連知識を想起して選択肢を絞り込むことが大切だ。

早稲田社学の世界史はトップクラスで難しいため、教科書等に載っている知識は隅から隅まで詰め込んでおかなければならない。

しかも単純に詰め込むだけではなく、出来事の内容についてもしっかりと自分の中で理解してインプットしておく必要があるだろう。

その上で、社学の世界史のように難しい問題をどういうふうに解いていけばいいのかというと、先ほど述べたように関連知識を想起して選択肢を絞り込んでいくことが必要だ。

本当にレベルが高いため、インプットした知識だけで“この選択肢は切ることができて、これが答えだ”というふうに解ける問題は本当に少ない。

“この時代、この出来事があったころは世界情勢がこうなっていて、関連事項としてこういう出来事が起こった”というふうに、設問や選択肢に含まれている用語からあらゆる関連知識を自分の中でどんどん想起していく必要がある。

そして、きちんと背景知識まで想起したあとに、“この選択肢は背景知識から言うと矛盾している”というふうに選択肢を絞っていこう。

つまり、解き方としては“これは完全に間違っているから×”という形ではなく、“この背景知識から考えると、おそらくこの選択肢は間違いの可能性が高いな”というふうに選択肢を切っていくことになる。

100・0で正解を選べるかどうかというよりは、どれだけ正解の選択肢を選ぶ確率を上げられるかという勝負になるだろう。

日本史や世界史については、テストのときなど通常は知識さえ持っていれば、それほど頭を使わずにパパッと解くことができるが、早稲田社学の日本史・世界史についてはもう全くの別物だ。

入試本番にどれだけ考えられるかということが、正誤問題を取れるかどうかということを左右するため、本当にかなり労力を使って臨む必要があるため、そこは覚悟しておいてもらいたい。

また、近年の入試の特徴として、いろいろな世界の出来事があったときに、それについて日本の体制や関わり方はどのような形になっているのか、すなわち世界から見た日本の歴史について聞かれることが増えているため、そのあたりも踏まえてきちんと学習しておこう。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

日本史同様、世界史も早稲田社学の社会はこの部分が最重要です。

ただの一問一答形式の丸暗記に学習がなっていると、なかなか点数が伸びません。

年号・出来事の因果関係を押さえる

次に対策として大切なのは、年号・出来事の因果関係を押さえておくことだ。

したがって、教科書でただ単に流れを覚えるだけではなく、きちんと理解して“この出来事があったからこの出来事が起こって・・・”というふうに、出来事の因果関係や時代の流れを大きなストーリーとして覚えておく必要がある。

年代整序問題も大きなポイントとなっているため、年号も可能な限り覚えておくことが重要だ。

また、年号がはっきりと分からない場合でも、その出来事の前後のつながりや因果関係を覚えておくことで、年代の順序を把握することができる。

この2つのアプローチから年代整序問題対策の学習を行なうことで、得点を伸ばすことができるだろう。

流れや背景をアウトプットする

3つ目、論述問題の対策として大切なのは、流れや背景をアウトプットすることだ。

先ほど恐れる必要はないと述べたように、30字以内の論述問題であればこの論述問題対策は不要だ。

30字以内の論述問題は、それぞれの用語の内容をきちんと理解して覚えておけば書くことができるため特別な対策は不要だが、今後80字以内など、文字数が増えた場合の対策としてこの学習方法を伝えておきたい。

これについては早稲田社学だけではなく、全ての世界史・日本史の論述対策に適した方法ではあるが、特化的な対策を取り入れるというよりも日頃の学習方法を変えていかなければならない。

毎回の学習で流れや細かい事項を覚えたあと、学習した範囲について自分の中で“この出来事が起こったからこれはこうなった”というふうに、どんどんアウトプットしてみよう。

“これはなぜこうなったのか、それは○○だったから”というふうに、“なぜ?なぜ?”というふうにどんどん自分で掘り下げていこう。

さらに、そのアウトプットについては頭の中でイメージするだけではなく、きちんと自分の言葉で紙に書くことも大切だ。

そのアウトプットした内容については、自分で確認するか先生に添削をお願いしてもいいだろう。

このアウトプットを習慣にしなければ、論述は本当に書けなくなってしまう。

労力はかかってしまうが、論述問題で得点するために日頃からこういった学習を取り入れていこう。

早稲田社会科学部世界史対策のおすすめ参考書

それでは、早稲田社会科学部の世界史で合格点を確保するためにおすすめの参考書を紹介しよう。

4つ紹介するため、ぜひチェックしてもらいたい。

山川 これならわかる!ナビゲーター世界史B

1つ目は、山川出版社から出ている「これならわかる!ナビゲーター世界史B」だ。

これは、世界史の流れを覚えるための教科書のような参考書となっている。

教科書はかなり格式張った文章になっていて読みづらく、どこが入試で聞かれるポイントか分からないが、この「ナビゲーター」では非常に分かりやすくかみ砕いて書かれている。

ポイントとなる部分や入試で聞かれるところがどこかということも、きちんとその部分に焦点を当てて書かれているため、教科書で入試対策を進められている人はそれでかまわないが、今から対策を進めていこうという人はぜひこの「ナビゲーター」をやってもらいたい。

この「これならわかる!ナビゲーター世界史B」シリーズは4冊あり、その一つひとつは分厚いが、早稲田・慶応レベルを目指す人はこのあたりの内容まで必要となるため、最初からこの「ナビゲーター」を使って学習しておくことをおすすめしたい。

また、この「ナビゲーター」には、「ポイントチェック」という小冊子が付属しており、それぞれの単元の用語を確認できるテストのようなものが収録されている。

この「ナビゲーター」で学習したあとに、この「ポイントチェック」も使うことで、きちんと用語を覚えられているかチェックすることができるため、ぜひ一緒に活用してもらいたい。

Z会 入試に出る 世界史B 一問一答

2つ目は、Z会から出ている「入試に出る 世界史B一問一答」だ。

これは、先ほど紹介した「ナビゲーター」と並行して使ってもらいたい教材だ。

「ナビゲーター」のような流れを学習する参考書と「一問一答」のような用語を詰め込むための参考書、この2つを平行して使っていくスタイルが歴史の学習では一般的と言える。

先ほどの「ポイントチェック」は内容としていいものだが、やはりそれだけでは詰め込める内容は少ない。

「ナビゲーター」で学習した後に「ポイントチェック」でチェックをして、さらにその直後にこの「一問一答」で細部の出来事や用語を詰め込むというのが一番良い方法だ。

この「一問一答」についてはいろいろな出版社から出ているが、このZ会の「一問一答」はかなりレベルが高いものとなっているため、早稲田・慶応レベルを目指す人にはこのZ会のものをおすすめしたい。

さらに、このZ会の「一問一答」では、最後の章で時代の流れが年表で非常に分かりやすくまとめられていたり、地図を使った問題も収録されていてそういった問題の対策もできたりするため、そのあたりも非常に大きなメリットだと言えるだろう。

山川 世界史用語集

3つ目は、山川出版社から出ている「世界史用語集」だ。

用語集については通常の学習で使うものではなく、教科書等でサラッと説明している出来事について、もう少し詳しく知りたいときに辞書代わりに使うのが一般的かと思うが、早稲田社学レベルの世界史となると、用語集の内容についても可能な限り理解してインプットしておく必要がある。

先ほど述べたように、入試本番で背景知識や出来事の関連性を自分の中で想起して絞り込むことはもちろんだが、やはり細かい知識まで詰め込んでおくことに超したことはない。

用語集も活用しながら、可能な限り大事なポイントを自分の中でため込んでおく必要があるだろう。

用語集については、山川だけに限らずいろいろな出版社から出ているためどれを使ってもかまわないのだが、通史を学習するための教材、すなわち先ほどの「ナビゲーター」が山川から出ているため、それとリンクしているこの用語集を選ぶといいだろう。

Z会 実力をつける世界史100題

4つ目は、Z会から出ている「実力をつける100題」だ。

これは問題演習をするための教材となっている。

かなりレベルが高いものとなっているため、他の教材を使った学習が完了し、過去問に取り組む直前に最後の仕上げとして取りかかってもらいたい。

タイトルにあるように100題収録されており、見開きで大問1つ分という構成で、これを解くことで過去問の大問1つを解くような形となっている。

内容としても早稲田・慶応レベルの高い難易度で、基本的に記述式となっている。

早稲田社学については、先ほど述べた論述問題以外は全てマークであるためあまり関係ないが、おそらく社学を受ける人は他の学部も併願で受ける人が多いだろう。

その場合に、世界史の用語を書かせる問題が出されることもあるため、その対策としても活用できる。

また、国公立をメインで受ける人にとっても、記述式でしっかりと対策ができる1冊と言えるだろう。

さらに、見開き2ページの中に1つくらいの割合で論述問題も含まれているため、論述対策もできる非常に優れた参考書となっており、ぜひおすすめしたい1冊だ。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

これらの教材を使いながら、ただ丸暗記にならないよう、歴史の出来事の流れを理解し、より深く学習していきましょう。

早稲田社会科学部世界史のまとめ

早稲田社学の世界史と日本史は本当にトップレベルに難しい。

しかし、それは全員が難しいと思っているため、決して諦めないでもらいたい。

簡単な入試の方が全員高得点を取れて難しいという場合もあるため、問題が難しいということは学習した分だけ得点できる、すなわち差をつけられるというようにプラスに考えよう。

細かい内容まできちんと学習しつつ、試験本番でもバックグラウンド等を想起して選択肢を絞り込むなど、今回の記事で説明したことをしっかり実践していけば必ず得点はついてくるため、ぜひ本気で取り組んでもらいたい。

鴨井 拓也(塾長)
鴨井 拓也(塾長)

早稲田社学の全体の概要や他の科目も全て記事にして、詳細に解説しています。

他の科目を確認したい人は以下からご確認お願いします。

          

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鴨井 拓也(塾長)
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