【傾向と対策】早稲田大学法学部を世界史で受験し、合格する方法
2022年05月13日 | 早稲田大学
今回は早稲田大学法学部の入試における世界史の傾向と対策について説明していこう。まずは基本情報から説明していく。
早稲田法学部世界史の基本情報
まずは早稲田大学法学部世界史の基本情報について確認していこう。
時間/配点
- 制限時間/合計点: 60分/150点満点
- 地歴(選択科目、地歴・公民・数学の中から1科目選択)…40点
- 国語(必須科目)…50点
- 英語(必須科目)…60点
上記の選択科目についてだが、地歴の中で選択できるのは世界史か日本史のみで、地理は選べない。
数学を選択した場合は共通テストの数ⅠA、数ⅡBの合計200点満点分を40点に換算する方式になる。
その他の科目は個別試験による一般選抜となる。
なお法学部は全科目で得点調整があるので注意すること。
出題形式/回答方式
大問が5つの構成になっている。
回答方式は大問1から4までがマーク形式、大問5についてのみ論述問題で、記述形式をとっている。
早稲田法学部世界史の特徴
次に早稲田大学世界史の特徴について説明していこう。
やや難。細かい知識まで問われる。
1点目として、内容がやや難しく細かい知識まで問われるという点を挙げておこう。
もともと、早稲田の法学部は私大文系学部の中ではその難易度が頭1つとびぬけているトップクラスの学部なので、当然どの受験科目をとってみても、試験内容もまた難しい。
よってもちろん、この世界史についても難しいのは当然のことである。
では、具体的にどういうところが難しいかを説明しよう。
早稲法の世界史は、知識として教科書の太字部分や重要箇所については知っていて当然という体であることはもちろんのこと、もっと細かい教科書の隅の方に書かれているような事柄や、時には教科書に全く書かれていないような事柄についても問われることがある。
要するに、細かい知識の把握が必要とされるのだ。
このような特徴から、主に根幹となるメインの事柄だけではなく、それに付随する細部の知識までをしっかりと詰めておかないと、なかなかこのテストでは選択肢を選びとることが出来ず得点に繋がらない。
大半がマーク式の試験と言えど、その実非常にハイレベルな内容なのである。
年代問題が毎年出題
特徴の2点目は、年代問題が毎年出題されるという事だ。
ちなみにこの年代問題は早稲田の他の学部でも同様に頻出の問題になっている。
内容としては、「次の4つの出来事を年代順に並び替えなさい」といった問題が代表的だが、これにも早稲法世界史ならではの特徴がある。
早稲田の他の学部ではこの年代問題はせいぜい毎年1問程度の出題なのだが、早稲法の世界史では毎年、年代問題が2から3問くらいコンスタントに出題される。
内容も、順番を並び替えよというものあれば、この時代に起こったもので正しいものを選べというものもある。とにかく年代に絡んだ、年代知識がないと全く解けないような問題が2~3問も出るのだ。
1問であれば軽い対策で対応できるが、毎年2~3問も出題されるので全体への影響力もある。
しっかりした事前対策をしておく必要があるだろう。
大問5の論述が重い
特徴の3点目は、大問5の論述問題が非常に重い内容であるという事だ。
この論述問題が、なんといっても早稲法世界史の中で1番特徴的で、かつ重要なポイントになる箇所である。
具体的にその内容を見てみよう。
代表的な問題形式は、あるテーマについて、指示された4つのキーワードを使い250字以上300字以内で説明しなさい、といった内容である。
まずここで、250字から300字という文字数はかなりの量だ。私大文系でここまでの論述長文を書かせる問題がそもそも珍しい。
そして、世界史と日本史でいうと、傾向的に日本史の方が癖のある問題形式や難問が多いというのが一般的で、世界史はどちらかというとそこまで癖がないことが多いのだが、早稲法については日本史では論述問題がないにもかかわらず世界史だけで論述問題を聞いてくる。
世界史に記述問題が設けられている大学は、私大ではこの学部くらいしかなく、本当に特徴的である。正直、早稲法を受けるならできれば世界史を選択した方が良い。
論述対策には時間と量力がかかるからだ。
次に、論述で使うキーワードをあらかじめ問題内で与えられているため、そのキーワードについての知識を確実に備えておいて文章内に含めないとならないという制約がある。
もちろんそれがヒントになるという側面もあるが、それについて知ってなくては答えられないのでこれも一長一短だ。
出題テーマについても割と幅広く、毎年決まった時代傾向があるわけでもない。
論述内では、問われた時代・事柄についての流れや状況を説明することがどうしても必要になるため、どんな問題が出ても対応できるようにするには、全ての時代についての非常に細かい知識が必要になってくる。
このような特徴から、その対策は本当に多岐にわたり、非常に重くて攻略が難しい問題だと言えるだろう。
早稲田法学部世界史の対策
では、次に具体的な対策に入っていこう。
資料集や用語集まで読み込む
まず、教科書のみではなく、資料集や用語集を細部まで読み込んでおこう。
特徴の部分でも説明したが、早稲法の世界史は非常に細かい知識までインプットを済ませていないと選択肢が選べないような問題だ。
根幹の部分については知っていて当然という試験になるので、共通テストレベルの世界史問題であれば8〜9割くらいが取れる状態を早めに作っておき、それ以降の時間をもっと細かい末端の知識を入れていく作業に充てて欲しい。
とにかく早めに細部学習のフェーズに移行しなければならないので、必然的に世界史の学習を前倒しにして行く必要があるだろう。
そして具体的な学習方法は次の通りだ。
教科書や後述するナビゲーターなどを使って、大きなところだけではなくなるべく細部に至る部分まで、きちんと載っている全項目を知識として把握するようにしておこう。
さらに資料集や用語集なども活用し、そこにしか出ていないような事柄・項目についてもインプットしよう。
もし資料集や用語集にも載ってないような事柄が問われる問題が出たときには、さすがにそこまでは対策のしようもないので、そのような問題は諦めてもいい。
その代わり取れるところはなるべく確実に取るという姿勢で、資料集や用語集については、載っている事件・事柄・キーワード全てを確実に1つ1つ網羅していく事が重要だ。
出来事の年代、流れを覚えよう
2点目、歴史上の出来事の年代とその流れを覚えよう。
先ほどの項でも説明したように、毎年2~3問は年代知識についての問題が出る。
全ての出来事の年代まで覚える必要はないが、重要ポイントとなるような出来事の年代はきちんと覚えておくこと。
そして、その時代の流れに沿って、この出来事が起こったから次にこれが起こったというような因果関係がはっきりしているようなものについては、前後関係に注意しながら可能な限りその年代もインプットしておこう。
時に、非常に短いスパン内で、極端な場合同じ年内の数か月違っているだけの内容についてまで、その前後関係を問われることがある。
流れを把握しておくことは、このような問題の解答には必須事項だ。
自力だけではなく、年代を覚えるための参考書なども使っていくと、効率的に学習が進むかもしれない。
通史をアウトプットする習慣をつける
この対策の3点目は、大問5の論述を攻略するための最も重要なポイントになるので、しっかり頭に入れておいてほしい。それは何かというと、通史をアウトプットする習慣を身に付けることだ。
論述問題については、集中的に数週間だけ演習をしたら点が取れるというようなものでは全くないので、日ごろの学習からしっかりと対策をとっておかないとならない。
そして先ほども述べたが、この大問5について過去問を見てみると特に出題年代は固定されておらず、どの年代のどの部分が問われるかが全くの未知状態である。
よって、全ての時代が出る可能性を想定して、広い範囲で対策を取っておく必要があるのだ。
この両輪を可能にするやり方が次のとおりだ。
まず、その日の学習範囲が終わったら、学習した部分の時代の流れを頭の中でイメージしながら想起しよう。
その後に、想起した時代の流れや背景について、自分の言葉で口に出したり紙に書いたりと、アウトプットする作業をしてみよう。
紙に書いてみて、それを誰かに添削してもらうのも良いかもしれないし、添削の機会が無い場合は自分で確認しても構わない。
これを毎回の世界史の勉強の中で習慣化していかないとこの試験では点が取れないし、逆に言うとこれをいかに習慣化できるかどうかが、早稲法に合格できるかどうかのポイントになる。
早稲法を狙う人以外はこのような対策をする必要はないが、早稲法を世界史で受ける人は絶対に日頃からこの学習を必須にする必要がある。
非常に時間はかかるが、世界史で合格するつもりなら、この程度の努力は当たり前といった心構えで頑張ってもらいたい。
あとは、250字から300字程度の記述をどのように書くかという、書き方のアウトラインを身に着けなければならない。
このような論述の技法やテクニックは、論述専門の参考書を購入して、演習をやり込むことで獲得しよう。
やりながら解説を見て自身の回答をその都度修正することで、大体こういった形式・内容をかけばよいという文章の型がわかってくると思う。
そして技法的な部分を身に着けつつ、頻出のテーマを知り、それについては確実に書けるような能力を磨くことも大切だ。
先ほど大問5の論述はどの範囲が出るかはわからないと述べたが、わからない中でも、論述問題全体としての頻出箇所や聞かれやすい部分など、ある程度のざっくりとした傾向はあると思う。
出そうな部分・よく出る部分を自分なりに把握して、その箇所については絶対に書けるようになっておくのも有効な対策である。
論述対策のポイントは3点あるのでもう1度まとめよう。
1点目は、とにかく日々の学習の中で、まず頭の中でその時代の流れをイメージし、その後アウトプットする習慣をつけること。
ここは一番骨が折れる学習になると思うが、何よりもまずこれを習慣づけること。
2点目は、早稲法を受けるための特化対策として、論述問題の参考書を一冊仕上げること。その時に、文章のアウトライン・書き方・形などを把握しておくこと。
最後に3点目として、よく聞かれるテーマと傾向を把握して、聞かれそうなものについては確実に書けるようになっておくこと。
この3点を念頭に、しっかり取り組んで欲しい。
早稲田法学部世界史対策のおすすめ参考書
次におすすめの参考書を紹介しよう。
山川 これならわかる!ナビゲーター世界史B
こちらは通史を勉強するための参考書になる。
分厚めの本4冊による構成で、内容としては、教科書では難しい言葉で書かれていて読むのに抵抗があるような箇所などについて、非常にわかりやすく解説がされている。
そしてポイントとなる部分の詳しい説明も充実している、非常に読みやすい参考書だ。
厚い本が4冊もあるので最初は抵抗感もあるだろうが、読み始めるとわかりやすく、すらすらと読める人が多いだろう。
読みやすさだけではなく、きちんと細部に渡った知識も内容として詰め込まれているので、早稲田・慶応などのトップレベルの大学を受験する人にも十分対応できる内容だ。
そしてこの参考書は、入試の最初から最後の段階までずっと使うことが出来るものになっている。
取り掛かりの1週目は非常に重い内容に感じるかもしれないが、最後まで何度も反復して使う事を考えると、最初からこのナビゲーター世界史を使うことをお薦めする。
さらに、この本にはポイントチェックという名の、簡単な用語問題集のような冊子も付録でついている。
読んで覚えるだけではなく、その後の確認チェックもこの1冊の本で出来るという、長所の多い良書である。
Z会 入試に出る 世界史B 一問一答
先ほど紹介したナビゲーターのような通史の参考書で時代の流れや基本的な用語を覚えた上で、一問一答系問題集で用語のひとつひとつを覚えてインプットしていくという、2冊を並行して使うやり方というのが世界史・日本史の勉強の一般的なスタイルになるだろう。
方法としては、ナビゲーターで学んだその日の通史箇所について、その学習が終わったすぐ直後に一問一答でその範囲の用語や細かい知識を確認するというやり方が良い。
一問一答問題集も、ナビゲーターと同じように何度も何度も反復して使おう。
最終的に、問題を見ればすぐに答えが出るような状態になるというのが理想的な状態だ。ナビゲーター同様、受験勉強の最後の段階まで使える参考書になる。
一問一答系にはいろいろな参考書がある中でこのZ会のものをすすめる理由としては、レベルが高くかなり多くの事柄が網羅されているので、早稲田・慶應を狙う人にとってちょうど良く対応できるレベルという事がある。
Z会 実力をつける世界史100題
本書は日本史のバージョンもある、有名な入試問題集になる。
見開き2ページに大学入試の大問1つ分に当たる問題が載せてある形式になっており、見開きの最初のところに文章が書かれていて、その文章について穴埋めや用語の正誤問題などの各設問が続く。
基本的に回答方式は記述式なので、用語を書かせる入試を採用している大学・学部にも対策できるし、見開き2ページの中で平均1問程度は論述の設問が含まれているので、私立だけではなく国公立大学の対策にも使える1冊だ。
かなり難易度が高い参考書になるので、使う時期としてはナビゲーターと一問一答が完全に仕上がってからがおすすめだ。
過去問の前にこの問題集をやって、実力をあげてから過去問へ移行するというのも良いだろう。
ただ早稲法の論述問題を対策するには、この本の内容だけでは正直物足りない。
先ほど言ったように、きちんと論述用の問題集を1冊購入して、それも並行してしっかり仕上げておく必要がある。
早稲田法学部世界史のまとめ
最後にまとめよう。
早稲法の世界史については、やはり難易度が高いというのが一番の特徴だ。
早いうちから世界史の学習を進めて共通テストの8~9割獲得レベルは早々にクリアしておき、その後さらに細かい知識までを詰めていく作業が必要になる。
あとは、ポイントとなってくる大問5の論述問題対策になるが、日ごろの学習からアウトプットを習慣化しておくことに加え、最後には必ず論述専用の問題集を仕上げなくてはならないだろう。
これは世界史の勉強量としてはかなり多いものだ。
そこまではできない、またはこの大学だけではなくて他の学部・他の大学も併願する中の1つにここがあるというような場合は、あまり世界史選択での併願自体をおすすめしない。
学習時間がたっぷりある人や、早稲法を第一志望にする人は、このような形でしっかり取り組んで学習を進めて欲しい。
もしくは世界史日本史でどちらを選択するか悩んでいる人は、早稲法については日本史を選択する方が負担としては軽く済むだろう。
受験を考えている人は、ぜひ無料受験相談を活用していただきたい。
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